【12月27日 朝】
今日の朝は、昨日の雪が嘘のような晴天だ。
内藤はいつものようにおじいちゃんと朝ごはんを食べると、
クリスマスの前日に男に貸していたパーカーに腕を通し、駅へと向かっていきました。
内藤「いい天気だお・・・早起きしてよかったお・・・」
待ち合わせの時間より少し早く、内藤は待ち合わせ場所に着きました。
荒巻「お!内藤!なんだよ早いじゃん!」
すでにそこには荒巻がいました。
内藤「いや・・・荒巻のほうが明らかに早いお・・・」
荒巻「あはは!それもそうだな!」
男「おーい!」
そこへ少し遅れて男がやってきました。
男「荒巻ぃ!久しぶり!」
荒巻「久しぶり!てめぇ全然変わってねーなぁ・・・」
男「おまえも相変わらずちっちゃいなぁ・・」
荒巻「んだとぉ!?再会早々やるかぁ!?」
男「お?いいぜ?ぼっこぼこにしてやんよ?」
内藤「はいはい!二人ともやめるお!」
年月は進んでも、三人のやり取りには何の変化もありませんでした。
内藤「じゃあさっそく!僕行きたいところがあるお!」
荒巻「ん?どこだ?」
内藤「小学校。」
男「あー!いいねぇ・・・俺も卒業してから全然行ってないし・・・」
荒巻「決まりだな!」
内藤「じゃあ行ってみるお!」
三人を乗せた赤い電車は・・思い出の詰まった母校へとレールの上を走ってゆきます・・・・
ガタン
ゴトン・・・
荒巻「あー・・・この街も変わったなぁ・・・」
荒巻は、電車の窓から外を眺めると寂しそうにいいました。
男「そうかな?」
荒巻「おまえらはいっつも見てるからわかんないかもしれないけど・・
ほら、あそこ、前は変な形の家あったじゃん!」
内藤「あー!男が冒険しに行こうとか言って・・・」
男「・・・・そのまま住人に捕まって6時間将棋打たされだよな・・・
あれはしんどかった・・・」
荒巻「すぐ逃げないお前がいけねーんだよwww」
男「いや、俺だけ置いて逃げやがったのはおまえらじゃねーか!?」
内藤「いいだしたのは男だお。自業自得だおww」
男「内藤・・・お前まで・・・・」
荒巻「はははっ!」
思い出話に花を咲かせながら・・・三人は目的地を目指します。
荒巻「そういえば・・」
男「?なんだ?」
荒巻「あの子は?元気なの?」
内藤「?誰だお?」
荒巻「ほら・・サトリちゃん!」
男「!!!」
荒巻「覚えてるだろ?あのおとなしい子・・・」
男「・・お、おう・・・」
荒巻「俺ずっとあの子の事好きだったんだよなぁ・・結局そのまま
転校しちゃって、何も言えなかったままなんだけど何やってんだろうなぁ・・」
内藤「・・・・おwww」
荒巻は、まさか自分の目の前にいる男がその憧れのサトリの彼氏だとは知りません・・・
荒巻「おまえらと同じ学校なんだろ?どうよ?かわ」
男「かわいいぞぉ・・・すっげぇかわいい・・」
荒巻「そっかぁ!やっぱ俺の眼に狂いはなかったなぁ・・」
男「おう・・とっても可愛くっておとなしくって・・・それで実際
結構泣き虫で・・・・」
内藤「・・・・」(うはwwwww)
荒巻「・・・・なんだ?お前やけにサトリちゃんのことしってんなぁ?」
男「・・・・ふっ・・・」
荒巻「・・・おい・・おい・・・ふざけんなよ・・・まさか・・・・お前・・・」
男「サーセンwwwwwww」
内藤「うはwwww」
荒巻「・・・・NOOOOOOOOO!!!!マジか!!!!??お前・・・
サトリちゃんと・・・」
男「サーセンwwww幸せにしますからwwwww」
荒巻「ぎゃああああああっ!!!??な、何でお前なんだYO!ちくしょう・・」
内藤「なかなかお似合いのカップルだお!」
荒巻「そんな・・・ああ・・・サトリちゃん・・・・・で・・・時に男よ・・」
男「なんすか?www」
荒巻「・・・やった?」
男「・・・え?」
荒巻「だから!もうサトリちゃんとヤりやがったのか聞いてんだよ!?」
男「ちょ!お、お前そんな大声で・・・」
荒巻「どっちなんだ!ヤったんか!ヤりやがったのか!?」
男「や、やってねーよ!!!」
荒巻「そっかぁ・・よかった・・・」
男「・・・スは・・したけど・・・」
荒巻「え・・・・?」
男「唇はいただきました・・・」
荒巻、内藤「「!!!!!!!!」」
男「サーセンwwww」
荒巻「ぎゃああああああ!!!・・・俺の・・俺のサトリちゃんが・・・」
男「だれが俺のだって?」
荒巻「・・なあ、男・・・俺達・・・親友だよな?・・・」
男「はぁ?」
荒巻「親友なら・・・・お前のその口を通じて・・・俺にもサトリちゃんのぬくもりををををおおおお!!」
男「ちょwwwwwおまwwwwwや、やめろ!内藤!助けてー!」
内藤「・・・自慢しやがった罰だお・・・」
荒巻「むちゅー!」
男「いや!やめて!けだもの!アッー!」
・・・そんなこんなで・・・三人は母校のある駅に到着しました・・・
男「・・・・うえっぷ・・・まじで吸うなよ・・・おえっぷ・・・」
荒巻「うう・・サトリちゃん・・・」
男「うう・・・・」(こんなとこサトリには見せられない・・・)
【12月27日 朝②】
サトリ「・・ん・・・ふあぁ・・・」
内藤達が電車に乗っている頃、いつもよりちょっと遅めに
サトリが目を覚ましました。
サトリ「ん・・・おはよ・・男君・・」
サトリの枕元には、昔に男と撮った写真が置いてあります。
正確には男もたまたまいっしょに写った集合写真ですが・・・・サトリは毎朝
この写真におはようのあいさつをしてから一日を開始します。
サトリ「えへへ・・・もうわたし・・・写真に・・おはようしなくてもいいんだった・・ふふ///」
サトリはもう、写真の中の男に一方的にあいさつしなくても・・自分の好きな時に男の声が聞けることを
思うと・・なんだかとても幸せな気持ちになってました。
サトリ「・・・あ・・・でも・・・今日は会えないんだ・・・あーあ・・・」
・・・・さみしいなぁ・・・たった一日会えないだけなのに・・・私はなんて欲張りなんだろう・・・むぅ・・
サトママ「サトリー!起きたー?」
サトリ「あ・・・はーい!」
サトリは、パジャマ姿で眠い目をこすりながら一階のリビングに降りていきました。
サトリ「おはよぉー・・・」
サトママ「はいおはよう!ねぇサトリ?パパ起こしてきてくれない?」
サトリ「ん・・・・」
サトリはパパの部屋に行きました。
サトリ「おとうさーん!朝だよぉー!」
サトパパ「・・・ん・・・・・ぐぅ・・・」
サトリ「・・・」(起きない・・・)
サトリ「・・・えい!」
ポスン!
サトパパ「おわっ!」
サトリ「あ・さ・だ・よ!」
サトパパ「う・・あ、ああ・・サトリか・・・おはよう・・」
サトリ「おはよぉー」
サトパパ「・・・もっやさしく起こしてくれないかな?」
サトリ「だってお父さん全然起きないもん・・」
サトパパ「・・・あ・・・ごめんごめん・・・ははは・・・」(・・・・萌・・・)
サトリ「もえ?」
サトパパ「!!い、いやいや!なんでもないよ!?さあ、もう起きるから、僕の上から降りてくれるかい?」
サトリ「あ・・・・・/////」
サトパパ「・・・・なんだかサトリ・・・急に甘えんぼさんになったね?」(僕らがいない間に、なにかあったのかい?)
サトリ「!!そ・・そんなことないよ!?」
サトママ「サトリー!ちょっと手伝ってー!」
サトリ「あ・・はーい!」
ぱたぱたぱた・・・
サトパパ「・・・サトリ・・・・」
サトパパ「・・・」(なんだか・・若い頃のママそっくりになってきたな・・・)
サトパパ「はっ!・・・いかんいかん・・・はは・・・親ばかだな・・・僕は・・・」
サトリよりも少し遅れてサトパパもリビングに降りてきて、サトリ一家の朝食が始まりました。
サトリ「・・・・もぐもぐ・・・・」
サトパパ「・・・・ん・・・ママ新聞とって・・・・」
サトママ「ちょっとぉ・・・ご飯食べながら読まないでよ・・・」
サトリ「・・・・」
サトママ「・・・」(ねえサトリ・・・)
サトリ「・・・ん?なにお母さん?」
サトママ「・・・」(昨日一緒に・・・いや・・・)
サトママ「昨日一緒にいた男の子は誰なの?」
サトリ「!!!!!」
サトパパ「ぶふっ!!!!!な、な、な、なななななn」
サトママ「ほら、二丁目の角のパン屋さん。あそこにきのう男の子と居たでしょ?」
サトリ「・・・・!!」(な、なんでしってるの?)
サトママ「フフ・・・」(ママはなんでも知ってるの・・・)
サトパパ「さ、さささささサトリ!おおおおおおおとおとととお父さんにはなななn」
サトママ「ちょ、ちょっとパパ落ち着いて!」
サトリ「あ・・・あの///」
サトママ「・・・彼氏?」
サトパパ「ママ!め、めったなことを言うんじゃない・・・」
サトママ「・・・・」(サトリ・・・話してごらん?)
サトパパ「・・・サトリ?・・」
サトリ「・・・・・」
サトリ「・・・・・」
コクン・・・
サトリは恥ずかしそうに小さくうなずきました。
サトママ「!!!・・・そう・・・」
サトパパ「!!あ・・・が・・・な・・・・」
サトリ「え・・あの・・やさしくて・・・私のコト大事にしてくれて・・・」
(それに・・とっても暖かくって・・・あっ!・・////)
サトママ「・・・そう・・・」
サトパパ「な、何がそうなの!?ママ!?」
サトママ「・・・その人のこと・・好き?」
サトリ「うん・・・・・大好き//////」
サトパパ「がああアッ!!?」
バターン!
サトリ「!?お、お父さん!」
サトママ「パパ!?」
サトパパ「はは・・・大好き・・・だって・・・あはは・・・」
サトママ「あーあ・・・・」
サトリ「///////」(うー・・・・)
サトママ「ほらパパ・・・早くしないと会社遅れちゃうわよ?」
時計の針は、もう八時を過ぎていました。
サトパパ「あ・・・ああ・・・そうだね・・・」
サトパパは寂しそうに洗面所に消えていきました・・・・
サトリ「お父さん・・・・」(なんか・・・ごめんなさい////)
サトママ「くすくす・・・いいのよ・・・パパが過保護すぎるだけだから・・・」
(それより・・・・)
サトリ「ん?何?」
がばっ!
サトリ「うわぁ!お、お母さんどうしたの?」
サトママはサトリを突然抱き締めた。
サトリ「ちょっと・・お母さん・・・」
サトママ「・・・サトリ・・・・正直に言ってね?」
サトリ「・・・ん・・・なぁに?・・・」
サトママ「その人に・・・サトリの彼氏さんに・・・・サトリの力のコトは・・・
教えれた?それとも・・・・まだ・・・・」
サトママの体は・・・元気なその態度とは逆に・・・・とても震えていました。
自分の子供に・・・大切な人ができたのはとてもうれしいこと。
でも・・・でもサトリは・・・普通の女の子とは少し違う・・・
普通の人だとなんでもないことでも・・この子は傷ついてしまうかもしれない。
サトリがどんなに好きな人でも・・いや・・・心から愛せる人だからこそ、
心の中で想ってしまったことは・・サトリをものすごく傷つけてしまうかもしれない。
それは・・・私がこの呪われた一族にサトリを産み落としてしまったせいでもある。
だから・・・・だからサトリの幸せのためならば、サトリがどんな人を好きになっても
その二人を見守ってあげなければいけない。でももし、サトリがこの呪われた力のせいで
その人と幸せになれないのなら・・・私は・・・・
サトリ「大丈夫だよ?」
サトママ「・・・・え?」
ふとわれに帰って、サトリの顔を見てみると・・・そこには満面の笑みを浮かべた
娘がいた。
サトリ「男君はね・・・私の全部を愛してくれるって・・・一生守ってくれるって
言ってくれたの・・・もちろん・・・サトリの力も・・・」
サトママ「・・・・」
サトリ「それにね?男君はこう言ってくれたの・・・・・サトリのその力のおかげで
二人は・・世界中のどんな人達よりも繋がっていれるって・・・そういいながら
私を優しく抱き締めてくれた。」
サトママ「・・・うん・・・」
サトリ「だからね?私はもう・・・この力なんて怖くないの。それよりも、この力のおかげで
男君に出会えたんだって・・そう思ってるの。だからね?・・」
気付いたとき、サトリは私の頭をなでていてくれた。変なの・・・私・・・自分の子供にあまえてるみたい
・・・涙も出てきた。サトリの前じゃ弱い姿はみせないって誓ったのに・・・
サトリ「私を・・・産んでくれてありがとう。私にサトリの力を与えてくれて・・
ありがとう・・・・お母さん・・・」
ぎゅう・・・
ああ・・・私はなにを勘違いしていたのだろう・・・サトリはまだ子供だと思っていた・・
全然違う・・サトリはもう・・・私よりも大人になっているじゃない・・・この寂しい・・
悲しい力を喜んでくれているじゃない!私にありがとうと言ってくれてくれてるじゃない!
パパじゃなかった・・・過保護だったのは・・・私・・・・
サトママ「サトリ・・・ありがとう・・・大好き・・・」
サトリ「えへへ/////サトリも・・・お母さん大好きだよ。」
それもそうよね・・・・こんなに優しくて傷つきやすいサトリが・・・
心から愛せる人なのだから・・・サトリを愛してくれるのなんてあたりまえよね・・・
ごめんなさいサトリ・・・お母さん・・・サトリじゃなくて・・・お母さんが怯えていた
のね・・・ほんとにごめんなさい・・・・
サトリ「・・・・謝らないで・・ね?」
サトママ「あ・・・・ごめんね・・・」
サトリ「ほら!また謝った!」
サトママ「あ・・・もう・・・どっちがお母さんわかんないね?ふふ・・・」
サトリ「えへへ///」
サトパパ「おーい・・・もう行くよぉー・・・・」
向こうのほうで、私の愛する人の声がした。
サトパパ「じゃあ・・・行ってくるよ・・・」
(ああ・・・サトリ・・・)
サトママ「うん!いってらっしゃい!」
サトリ「いってらっしゃい!」
サトパパ「ああ・・行ってきます・・・うう・・」
(サトリも・・もう・・・女なんだ・・うう・・)
サトパパはまるで
売りにだされる子牛のように小さくなって・・・玄関のドア
をくぐろうとしました。
サトママ「・・・」(サトリ・・いい?)
サトリ「・・・・」(うん・・・いいよ)
サトママ、サトリ「「せーの!」」
ばっ!
サトパパ「・・!!!?」
ぎゅっ!
ぎゅっ!
サトパパ「え!?な、な」
サトリとサトママはサトパパの後ろから思い切り飛びつきました。
サトママ「ほら!いつまで落ち込んでんの!」
サトリ「そんな顔で会社行ったら、みんなに馬鹿にされるよ!おと・・・パパ!」
サトパパ「!!!サ、サトリ・・・い、今パパって」
サトママ「あなたも私のお父さんから私を奪ったんだから、くよくよしないの!」
ちゅっ・・
サトリ「パパも・・・ママも・・・大好きだよ!」
ちゅっ・・
サトパパ「!!!!!???う、うはぁ・・・・」
サトママ「ほら!さっさと行きなさい!/////」
どん!
サトパパ「おっと・・ああ・・・行ってきます!!」
バタン!
たったったっ・・・・
サトリ「ふふ・・・お父さんかわいい・・・」
サトママ「あら?だめよ?あの人は私のよ?あなたには男君がいるでしょう?」
サトリ「ふふ・・・お母さんも顔真っ赤・・・ふふ・・・」
サトママ「!!////こ、こら!なに言ってんの!」
サトリ「あははっ!」
ぱたぱた・・・
サトリの家からは・・・楽しそうな親子の声が聞こえてきました。
サトパパ「サトリが・・・僕のこと・・・ぱ、ぱぱって・・・」
・・・そうだ・・僕は何を落ち込んでいたんだ・・・サトリが人を好きになるのなんて
あたりまえじゃないか・・・むしろ僕は親として・・・それを喜んであげないでどうする!?
サトパパ「・・・サトママのお父さん・・・あなたの涙の意味・・わかりました・・」
今僕は・・・家から出て・・夫から・・お父さんから・・会社員になった・・
今僕がやるべきことは・・愛する家族のために!死ぬ気で働くこと!
サトパパ「・・うおおおおおおっ!がんばるぞおおおおおっ!」
ダダダダダダダ・・・・・
サトパパはそう叫びながら駅へと走ってゆきました。
妹「・・・何だ今の・・・・気持ちわる・・・・」