【12月29日 夜②】
夜の散歩道はとっても静かで、肌寒い風が吹いていた。
一般家庭は晩御飯の時間だろう。俺達はいつもと違う生活時間で動いている所為かまったくおなかが空いてない。・・・さっきからサトリがこっちをむかない・・・
男「・・・サトリ?」
サトリ「・・・」
男「・・・どうしたの?」
立ち止まってサトリの顔を覗き込んでみる。・・・真っ赤。
男「・・・ほら・・・言ってみな」
手を広げると・・・ちゃんと抱きついてきた。なんだかいつも以上に照れてる。
サトリ「・・・あのね?」
男「ん?」
サトリ「・・・さっき・・・しぃと・・・その・・・」
男「・・・昨日のコト?」
サトリ「・・・うん・・・しぃったら・・・今日ずぅーっと・・・内藤君と・・・その・・・し・・・・・・てたって・・・」
男「うん。内藤から聞いた・・・すごいね・・・」
サトリ「・・・二人とも・・・初めてなのにすっごい・・・気持ちよかったって・・・でね?」
男「・・・ん・・・」
サトリ「・・・お酒飲んだんだって・・・そしたら・・・しぃの思念も内藤君に伝わったって・・・」
あ・・・そうか・・・俺まだサトリに言ってなかった
男「うん・・・サトリもそうだよ?・・・あの時・・・サトリの心がえて・・・本当に嬉しかった」
サトリ「・・・私・・・ちゃんと男君のコト・・・好きって言ってた?」
男「・・・当たり前。ちゃんと・・・俺と離れたくないって・・・」
ぎゅう・・・
見る側なら・・・嫌というほど味わってきた。だからこそ、見られることに不安を持っているんだ。
男「ちゃんと・・・俺達は心から愛し合ってた・・・」
サトリ「・・・うん・・・」
男「・・・俺達の時間は・・・これから・・・ゆっくり作っていこうな・・・」
ぎゅう・・・
サトリ「・・・うん」
傍にあったバス停のベンチで・・・サトリを膝に乗せたまま、星を見ながら言った。
サトリの髪の匂いと、感触が・・・俺の息子を甦らせる・・・
サトリ「・・・///やだ・・・エッチ・・・///」
男「・・・サトリを愛してるからこうなるの。仕方ないよ」
サトリ「・・・えっと・・・その・・・」
男「・・・ん?」
サトリ「その・・・今日は?」
男「・・・どうしたい?」
サトリ「・・・まだ・・・一緒に居たい」
ぎゅう・・・
男「うん・・・俺も・・・でも家に帰らないと親が心配するから・・・」
サトリ「あ・・・うん」
サトリが寂しそうな顔をする。・・・そうなじゃないや、寂しいんだ。
男「・・・だから・・・一回帰ったらすぐに行くよ?」
サトリ「え・・・あ・・・うん!じゃあ・・・ご飯作ってるね!なにが食べたい?」
男「そうだなぁ・・・暖かいのが食べたいな・・・鍋とか・・・」
サトリ「わかった!じゃあお鍋するね!材料買いに行こうよ?」
男「・・・ん・・・わかった。・・・くすくす・・・新婚さんだね?」
サトリ「ねー・・・大好きだよ?旦那さん!」
男「はい。俺も大好きですよ・・・お嫁さん」
ちゅ・・・
そのあと二人で、近所のスーパーに買い物に行ってサトリとお別れ。
走って家まで帰った。・・・早くサトリに逢いたいから。
家に帰ったら早速母ちゃんに見つかった。
内藤の家に泊まってたって言ったら嘘言ってんじゃねーとか言われてどつかれた。
・・・後ろで妹がニヤニヤしている。リビングで親父が静かにテレビを見ている。
・・・なんという遺伝・・・妹はまさに母親の血・・・
なんとかごまかして自分の部屋に行った。PCの電源を付けてメールチェック・・・
相変わらず変なメールばっかり。その中にビデオ屋のレンタルセールお知らせメール
発見。サトリの家に行く前になにか借りていこうか・・・
手早く着替えて・・・もう一度PCの前に。・・・実は昨日のWデート前に・・・VIPにスレを立ててたんだ。
「今日始めてWデートするけど質問ある?」
冗談半分・・・なにか適当なアドバイスと・・・あわよくば電車男のようなストーリーができるのを楽しみにしてたんだ・・・でも・・・
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・・・うん、現実ってのはこんなもんさ。むしろそんなのお構いなしに・・・事態は最高の結果を迎えた。俺も・・・内藤も・・・
お気に入りからVIPを消した。
今までなら・・・カップルや非童貞を馬鹿にするようなことばっかりしてたけど・・・もう俺もこちら側・・・なにより・・・もうサトリといるほうがVIPより楽しくなってしまった。
サヨナラVIP・・・全国のVIPPERに幸せあれ・・・・・・だっさ・・・
部屋から出る前に・・・サトリに内緒にしていた・・・マルボロミディアムに火を付ける。
・・・タバコなんて吸ってんのサトリに言ったら・・・嫌われそうな気がして・・・
ガチャ・・・
妹「あ!また部屋で吸ってんのかよ・・・外で吸えよ!臭いが私の部屋までくるじゃんか・・・」
男「ん・・・ああ、ごめん・・・」
クレーンゲームで当てた灰皿に一口しか吸ってない煙草を押し付ける。
妹「まったく・・・サトリさんに言いつけるぞ?」
男「・・・勘弁してください」
妹「・・・あのさ・・・」
男「・・・ん?」
妹「・・・昨日・・・あのあとどうなったの?」
男「ん・・・ああ・・・」
昨日のその後を話してやった。しぃと内藤がちゃんと結ばれたこと・・・
妹「・・・そっかー・・・そっかそっかー・・・」
男「すげぇんだぜ?・・・一日でいくトコまで行きやがって・・・」
妹「・・・アニキは?」
男「・・・え?」
妹「・・・あんた今日サトリさんの家にいたんだろ?」
男「まそっぷ!!?」
妹「・・・昼間っからベランダでキスしてたじゃん。・・・ヤッたんか?ヤッたんだろ?」
男「い、妹さん!!セクハラですよ!?」
妹「・・・・・・」
男「・・・はい・・・その通りです・・・」
妹「マジで!?・・・アニキも早いねぇ?・・・どうだったよ?」
妹がやけに喰らい付いてくる・・・なんという好奇心・・・これはまさに痴女・・・
男「・・・気持ちよかったです・・・はい・・・」
妹「だろうなぁー・・・松本君もそう言ってたわ・・・」
はい。妹さんはやっぱり俺よりも大人でした。
妹「・・・サトリさんはさすがに・・・痛そうだった?」
男「・・・ローション使ったんでそれほど・・・」
妹「えぇ!!?は・・・初めてで・・・すっげぇ・・・」
男「い、いや!?違うんすよ・・・」
妹「違ってないよ・・・変態・・・」
男「・・・うぅ・・・////」
妹「・・・喜んでくれた?」
男「・・・おう・・・」
妹「・・・そっか・・・じゃあいいんじゃない?」
男「・・・?」
なんだろ・・・なんだか・・・おかしい?
男「・・・なにかあったのか?」
妹「え?」
男「・・・お前がそんな絡んでくるなんて・・・」
妹「・・・私決めたんだ」
男「・・・?なにを・・・」
妹「・・・私・・・いや私達・・・年明けにオランダに行くんだ」
男「・・・え・・・?」
妹「・・・二人で・・・本場で修業するんだ・・・」
男「・・・どのぐらい?・・・学校は?」
妹「・・・学校は辞める。しばらくは帰ってこないつもり・・・」
男「!?お・・・お前それ母ちゃんに」
妹「言ってないよ。・・・アニキにだけ・・・」
男「おま・・・バカ!そんなのどれだけ・・・金もいるし・・・だまって行くような・・・」
妹「・・・はい」
通帳を差し出してきた。・・・そこには目を疑うような金額が書かれていた。
男「えぇ?・・・嘘・・・」
妹「・・・二人で・・・頑張って貯めたんだ。」
男「・・・でもお前・・・言葉とか・・・」
妹「大丈夫・・・二人で勉強したから」
男「な・・・なににしたってなぁ!
そんな事かあちゃん達に黙ってていいわけないだろうが!?」
妹「・・・」
男「俺は認めないぞ!まってろ!・・・ちょっと母ちゃんつれてくる!!」
妹「あ!まって!!」
ぎゅう!
部屋から出ようとしたら・・・後ろから抱きつかれた。・・・サトリじゃない。妹だ。
妹「・・・まってよ・・・分かって・・・お願い・・・」
聞いたこともないような弱い声で・・・話しかけてくる。
男「・・・離せ!」
妹「・・・いやだ!聞いてよ!・・・もうだめなの・・・ここに居たって・・・私たちの夢はかなわないの・・・」
男「・・・・・・」
妹「無茶苦茶言ってんのだって・・・分かってる・・・でも・・・松本君の・・・二人の夢なの・・・」
男「・・・そんなこと言っても・・・認められるわけ・・・」
妹「私たちだって冗談で言ってるんじゃないわよっ!!・・・本気なの・・・
今じゃないと・・・時間はどんどん過ぎていくの・・・
だから私は・・・私のやりたいことがしたいの・・・」
男「・・・」
今でこそ・・・こんなに暴力的な女になっちまったが・・・昔はもっとおとなしくって・・・
いっつも俺の後ろを着いてきてた。何をするにも俺の真似ばっかり・・・
そんなだった・・・こいつが・・・自分のやりたいことだって・・・
妹「・・・確かに不安だっていっぱいある・・・寂しい事だって・・・でも・・・前に進まないと・・・
道は開かないんだよ?・・・日本でちっさくやってても・・・そこまでなの・・・」
男「・・・だからこそ・・・ちゃんと考えて・・・」
妹「考えてるよ!
・・・考えてるからこそ・・・今なの・・・こんなの・・・お母さん達が
許してくれないのは分かってる・・・でも・・・
だからって諦められないの!!」
ぎゅう・・・
涙声で・・・おそらく俺の背中はぐしゃぐしゃだろう・・・抱きついている力が強くなった。
こんな妹みたことない・・・
妹「・・・絶対に・・・成功して見せるから・・・だから・・・
おにいちゃんだけでも・・・わかって・・・お願い・・・」
男「・・・本当に・・・二人で・・・決めたことなんだな・・・」
妹「・・・松本君も・・・初めは反対してたけど・・・それが・・・二人の夢だからって・・・」
男「・・・絶対に・・・後悔・・・しないな?絶対に・・・もう一度ココに戻ってくるよな?」
妹「・・・もちろん・・・絶対・・・帰ってくる・・・だから・・・おにいちゃん・・・」
くそう・・・おにいちゃん・・・って・・・なんだよ・・・ばか・・・
男「・・・」
妹「・・・ふぐっ・・・・・・ひっく・・・」
男「・・・わかったよ・・・好きにしろ・・・でも・・・ちゃんと母ちゃんに説明しろ・・・」
妹「・・・そんな・・・無理だよ・・・」
男「・・・大丈夫・・・兄ちゃんも説得するから・・・安心しろ」
妹「・・・おにいちゃん・・・ぐすっ・・・」
ぎゅう・・・
男「・・・ほら・・・とりあえず離れな?・・・そこはサトリの場所だから・・・」
妹「・・・んっ・・・ごめん・・・」
こいつがこんなに・・・本気で将来を考えてるなんて知らなかった。
知らない間に・・・大きくなって・・・
落ち着いてから話を聞くと、どうにも密入国っぽい感じで行くつもりだったらしい。
・・・止めといて良かった・・・二人で母ちゃんに話しに行くと・・・もちろん反対された。
なぜか俺が殴られた。妹も引き下がらないし・・・母ちゃんも怒りのアフガンだし・・・
俺はぼこぼこだし・・・でも・・・なんと親父が賛成してくれた。
親父の知り合いがオランダにいるから、その人のところに留学?みたいな感じで行けって。
そんなすぐには無理だから・・・春まではこっちにいること、一回家に松本君を連れてくること、二人でもう一度話し合うことで・・・この場は収拾した。親父があっさり認めるもんだから・・・
母ちゃんも混乱してた。・・・でもなんでか・・・親父には逆らわない。相変わらず俺はぼこぼこ・・・
なんで?
男「・・・それじゃ・・・行ってくるわ・・・」
妹「うん・・・ありがとうね・・・おにいちゃん・・・」
男「・・・いいって・・・もうなんでも一人で考えるなよ?ちゃんと松本君と相談しろ」
妹「・・・うん」
男「まったく・・・親父が居てくれたからよかったものの・・・
お前勝手に出てったら・・・母ちゃんが心配すんだからな・・・
俺もぼこぼこだし・・・」
妹「・・・ごめんね?」
男「いいよ・・・その分頑張りな?・・・応援するから・・・ね?」
妹「・・・ありがと」
男「・・・うん・・・!!やっべ!!もうこんな時間!!早く行かなきゃ!!」
妹「・・・優しくしてあげてね?」
男「おう!じゃっ行ってきます!!」
がちゃん・・・
ダッダッダッ・・・
妹「・・・おにいちゃん・・・ありがとう・・・私・・・頑張るね」
時間を見れば・・・家に帰って三時間ぐらい経っていた。サトリが待ってる。
早く行かなきゃ・・・あ・・・
ポケットに・・・マルボロを発見。・・・うん・・・
男「・・・もう・・・いいや・・・捨てよ・・・」
道端に合ったゴミ箱に、二、三本しか吸ってない箱を投げ捨てた。
なんでか・・・こいつの所為でサトリとまだ距離があるのが・・・嫌になった。
男「・・・さよなら・・・マルボロマン」
急いで・・・サトリの家を目指した。途中でビデオ屋に寄るつもりだったけど・・・
そんな暇なかった。
大事なサトリが待っている・・・それだけしか頭になかった。
【12月29日 夜③】
すぐに行くと言いながら・・・四時間ぐらいかかった・・・時計の針はもう十時・・・
いい具合に腹は空いているが・・・愛しのサトリさんの機嫌のほうが気になった・・・
玄関のドアを開け・・・あれ?・・・開かない。
男「・・・サトリさーん・・・」
・・・・・・
コンコン・・・
返事がない・・・電気は点いているのでいるのは確か・・・うんインターホンを・・・
ピンポーン!
サトリ「・・・はーい・・・どちら様ですか?」
男「・・・僕です・・・」
サトリ「・・・僕じゃ分からないですねー?」
男「・・・サトリとの約束を破って・・・今頃来た男です・・・」
サトリ「ああ・・・すぐに行くって言ってた男君ですか?」
男「はい・・・そうです・・・ごめんなさい・・・」
サトリ「・・・」
ガチャ・・・
サトリ「・・・おーそーい!!」
男「・・・ごめん・・・色々あって・・・」
サトリ「連絡ぐらいしなさいー!ご飯冷めるでしょう?」
男「・・・すいません」
サトリ「・・・他には?」
男「え?」
サトリ「まだ言うことあるでしょ?」
男「え・・・あ・・・うん」
男「・・・ただいま」
サトリ「おかえり!」
ぎゅう!
サトリ「待ってたんだよぉ?ぷー・・・」
男「うん、ごめんなさい」
サトリ「・・・ただいまのちゅーは?」
男「・・・」
ちゅ・・・
男「・・・ん・・・これでいいかな?」
サトリ「・・・////」
男「お・・・なんだかうまそーな匂いじゃん・・・ご飯できて・・・るよなそりゃ・・・」
サトリ「ご飯たべよっか?・・・上がって?」
男「うん」
二人で新婚さんごっこして・・・サトリのご機嫌をとり・・・暖かい鍋を食べた。
もう・・・何を作らしてもこいつは最強だ・・・
また二人で洗い物をして、リビングでくつろいでいた。
男「サトリは何作っても上手に出来るんだなー」
サトリ「えへへー///」
男「それに可愛いし・・・いいお嫁さんになるね・・・」
サトリ「うん!」
男「・・・俺もそれまでにカッコいい旦那さん目指すね・・・」
サトリ「・・・いいよぉ・・・そのままで・・・」
ちゅ・・・
男「・・・もう・・・すぐキス・・・」
サトリ「・・・いや?」
男「・・・いつでもどうぞ」
ちゅう・・・
サトリ「・・・ん・・・」
男「・・・はぁ・・・つかれた・・・」
サトリ「?どうしたの?」
男「ん、いやね・・・」
サトリに妹のコトを話した。言い訳じゃないよ?
サトリ「へぇー・・・妹ちゃん・・・すごいねぇ」
男「うん・・・俺もびっくりしたよ・・・そこまで考えてるなんて・・・」
サトリ「・・・いいね・・・兄妹って・・・」
男「ん・・・普段は鬱陶しいだけなんだけどね・・・久しぶりに・・・おにいちゃんとか・・・
正直嬉しかった・・・」
サトリ「・・・おにいちゃんって言われたら嬉しいの?」
男「・・・アニキよりは・・・幾分萌・・・ん・・・なんでもない」
サトリ「・・・おにいちゃん?」
男「へ?」
サトリ「がんばったねぇ・・・おにいちゃん・・・」
なでなで・・・
サトリが・・・俺のコトを・・・おにいちゃんって・・・うは・・・
サトリ「がんばったおにいちゃんにご褒美あげる!」
男「?」
サトリはソファーから降りて・・・床に正座した。
サトリ「・・・ほら?こっちおいで・・・」
ぽんぽん!
男「・・・サトリー・・・」
ぽふん・・・
男「あー・・・あったけー・・・」
サトリ「えへへー////」
なでなで・・・
男「膝枕って・・・いいなぁ・・・」
サトリ「・・・そうだ・・・耳掃除してあげる」
男「・・・まじっすか・・・」
サトリ「じっとしててね?」
サトリが・・・あぅ・・・たまんねー・・・
サトリ「んー・・・ほい!」
ずぶっ!
男「ぎゃぼ!!?」
サトリ「あ!ごめん!痛かった!?」
男「・・・うん・・・大丈夫・・・」
サトリ「ごめんねぇ?」
さすさす・・・
男「・・・////」
こんなふうに・・・たっぷりとサトリを堪能していたら、もう十二時を廻っていた。