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【1月9日 朝】


男「・・・ん・・・」

・・・朝か・・・

男「ふぁ・・・」

昨日は早く寝たんで・・・結構はっきりした目覚めだ・・・
今日から学校かぁ・・・めんどくさいけど・・・なんだか楽しみ・・・


男「・・・あれ?サトリ?」

・・・いない・・・あ・・・そっか・・・制服を家に置いてるから・・・昨日帰ったんだ・・・
今日はそのまま登校かな・・・

がちゃ・・・

男「・・・いや・・・」



ギシ

ギシ

ガチャ!


サトリ「おはよ!」
男「・・・うん・・・おはよう」


やっぱり来た。


男「早いね・・・」
サトリ「うん!早起きしたんだ!ほら!ちゅー・・・」

ちゅ!



男「・・・サトリ・・・制服・・・」
サトリ「うん?」

改めて・・・サトリの制服姿・・・うわぁ・・・

サトリ「/////」
男「ねぇ?はぐはぐ・・・」
サトリ「にゃん♪」
ぎゅー・・・
男「うわぁ・・・制服だぁ・・・・・・女子高生・・・/////」
サトリ「えへへ///」


ガチャ!

妹「・・・朝から・・・」
男「!!」



サトリ「あ!おはよ!」
妹「・・・おはよ。おねーちゃん!」
男「・・・おはよ・・・」
妹「ん・・・ご飯できてっから・・・気がすんだら下りて来いよ・・・」
男「・・・はい////」


サトリ「えへへ・・・今日からまた高校生だね?」
男「うん・・・さてと・・・お腹すいたや・・・ご飯食べよっか・・・」
サトリ「はーい!」



サトリと妹・・・親父はもう仕事に行ってたんで・・・三人で朝ごはん。

また母ちゃんが忙しく洗濯してる・・・いつもの俺の家。

サトリ「はい!あーん・・・」

違うのは・・・ここにいる恋人。

男「・・・ん・・・もぐ・・・」
妹「・・・はぁ・・・だんだんこの光景も見慣れてきた・・・」
男「そうか?今日は制服だから・・・なんか新鮮・・・」
サトリ「えへへ////」
妹「すごいなぁ・・・ずっとラブラブだもんねぇ・・・飽きない?」
サトリ「もちろん!ずーっとラブラブだもん!ねぇ?あーん・・・」
男「ん・・・そうだね・・・もぐ・・・」
妹「・・・はぁ////」
男「・・・あれ?お前学校・・・行くの?」
妹「・・・うん・・・春までは・・・女子高生しててって・・・松本君が・・・」
男「・・・そっか」



三日前・・・妹が松本君を連れて来た。
すごかった・・・初めて自分の肉親以外がかあちゃんに殴られてるの見た・・・妹もびっくりしてさ・・・
松本君も・・・ただ頭を下げるだけで・・・親父も止めなかった。

俺も影から見てるしか出来なくて・・・妹も・・・泣くしか・・・

でも、最後はかあちゃんが松本君の肩持って・・・妹を大切にしてくださいって・・・
深く深く・・・頭を下げてた。

知ってるんだ・・・かあちゃんは・・・嫌いなやつなんか殴らない。
昔俺に言ってたんだ。お前は男なんだから・・・なにがあっても立ち上がれるように・・・いつかちゃんと女の子を守ってやれるように・・・かあちゃんが育ててやるって。

どう考えてもひねくれた教育だけど・・・いつも理由なしで殴ってくるような人じゃなかったし・・・
俺だって殴られるのわかってるから抵抗しなかった。・・・松本君も・・・

これで立派な家族になった。



サトリ「・・・妹ちゃんも・・・幸せ?」
妹「もちろん!・・・おねえちゃん見習ってさ・・・思いっきり甘えてみたら・・・
   初めはびっくりしてたけど・・・すぐにかわいいねって・・・」
男「・・・そっか・・・よかったなぁ・・・」
妹「私も・・・やっと素直になれた。・・・ツンツンしてるよりね?
   好きな人には思いっきり甘えるほうが楽しいもん」
サトリ「うん!そうだね・・・大好き!」
ぎゅ・・・
男「・・・ほらほら・・・ご飯食べてるんだから・・・あーん」
サトリ「はむ!」
妹「・・・////」


昨日・・・かあちゃんに映画監督になりてぇって言ってみた・・・
ぶん殴れる予定だったんだが・・・全然・・・がんばれ!って言ってくれた。
学校行きたい?行けばいいじゃんって・・・

やっぱ・・・かあちゃんはかあちゃんだなぁ・・・



サトリ「ねぇねぇ?」
男「ん?」
サトリ「はい!お弁当!」
男「あ・・・うん。ありがと」
サトリ「・・・今度は・・・ちゃんと美味しいって言ってね?」
男「もちろん・・・もう嘘はつかないよ?」
妹「?・・・いやあの・・・今日って始業式だよね?」
男「ん?」
妹「・・・午前中授業じゃない?」
サトリ「・・・あ」
男「・・・ふふっ・・・そうだな・・・」
サトリ「////」
男「・・・学校終わってから・・・屋上で二人で食べよう。・・・ピクニック気分でさ・・・」
サトリ「うん!」
妹「・・・うぅ////むずむずする・・・///」



顔を洗って・・・制服に着替えて・・・

今までの登校前なら・・・ここでマルボロマンの登場だった・・・でも今は・・・

サトリ「むふー・・・」
男「ほら・・・制服しわになるよ?」
サトリ「お布団・・・暖かいもん・・・」

今は・・・ニコチンよりも心を平穏にしてくれる恋人がいる。



男「ほら!行こ!」
サトリ「・・・まだだよ?」
男「え?・・・あーそっか・・・ん・・・」

ちゅ・・・

サトリ「えへへ///」
男「・・・うわ・・・初めて・・・制服着てキスした・・・うわぁ////」
サトリ「うん!もっと!」

ちゅ!

男「ほへ・・・////」
サトリ「行こ!」


妹はもう家を出たみたいだ。
かあちゃんもパートに出かけてるから・・・俺が家に鍵をする。



男「・・・そっか・・・サトリにも鍵渡さないとな・・・」
サトリ「もうお母さんから貰ってるよ?」
男「あら・・・そうっすか・・・」
サトリ「私の・・・家だもん!」
ぎゅ!
男「朝から・・・甘えてばっかりだね?」
サトリ「だめ?」
男「そんなわけないじゃん!」
ぎゅー・・・
サトリ「うにゅ////」
男「うし!いってきます!」
サトリ「いってきまーす!」

二人で手を繋いで・・・いつも一人だった登校路を歩いた。
学校だからって・・・恥ずかしがってた自分が懐かしい・・・もう気にせず手を繋いで歩ける。



男「ねぇサトリ・・・」
サトリ「なに?」
男「・・・わかってるとは思うけど・・・学校じゃキス禁止だよ?」
サトリ「えー・・・」
男「言ったろ?人によっちゃあ・・・嫌な思いをする人だっているんだから・・・」
サトリ「・・・はぁい・・・」
男「うん・・・いい子だね・・・」
なでなで・・・
サトリ「////二人っきりならいい?」
男「うーん・・・そうだね。放課後とか・・・」
サトリ「わかった!」
男「・・・」(・・・学校いるときぐらい・・・我慢できないのかなぁ・・・)
サトリ「えへへ・・・無理だよ?甘えたいもん!」
ちゅ!
男「こら////ああもう・・・わかってないじゃん・・・////」
サトリ「////」



まぁ・・・いまなら二人っきりだしな・・・

男「うし!学校行く前に・・・甘えていいよ?おいで!」
サトリ「にゃん!」
ぎゅー・・・
男「くんくん・・・いい匂い・・・香水?」
サトリ「?ううん・・・なんにもつけてないよ?」
男「あぁ・・・そっか・・・サトリの匂いなんだな・・・くんくん・・・」
サトリ「ひぅ・・・くすぐったぁい・・・///」

いいなぁ・・・こんな登校風景・・・想像もしてなかった・・・



男「あ・・・」
サトリ「?」
男「・・・ごめん・・・道間違えた・・・」
サトリ「えー?くすくす・・・おばかさん・・・」


違うんだ・・・こっちでいい。

いつもなら・・・こっちに行って・・・内藤を迎えに行くんだ。

あいつけっこう起きるの遅いから・・・漫画読みながら待っててさ・・・遅刻ぎりぎりまで・・・

そっか・・・もう・・・この道を通ることは・・・ないんだな・・・うん。



サトリ「・・・内藤君・・・もう働いてるんだね?」
男「うん・・・館長がさ・・・楽になったって喜んでた・・・」
サトリ「また・・・行こうね・・・」
男「もちろん。しぃさんのメイド姿も気になるし・・・」
サトリ「・・・」
男「・・・すいません・・・」

何年も通ってきた道に・・・さよならした。

内藤を無理やり連れて行ったり・・・結局俺一人だけで登校したり・・・思い出が詰まった通学路。

もう・・・二人とも・・・それぞれの道を歩いてんだ・・・うん。



サトリ「うひぃ・・・やっぱり寒いねー・・・」
男「まだまだ冬は終わんないんだなぁ・・・」

ぽつぽつと・・・同じ制服が増えてきた。

手を離そうかと思ったけど・・・だめって言われた・・・

双葉「おっはよー!」
ぽん!

男「おっと・・・おう。おはよう」
サトリ「おはよ!」
双葉「いいねぇ?朝からラブラブ?」
サトリ「うん!」
男「・・・あれ?」
双葉「ん?」
男「いや・・・なんか・・・明るいな?」

なんていうか・・・委員長じゃなくて・・・双葉がいる。

双葉「うん!もう・・・変に自分を作ったりしないの!尾綿と二人で決めたんだ!」
男「へぇ・・・うん。そっちのほうがいいと思うよ?」
サトリ「あ・・・」

サトリの見たほうに・・・尾綿がいた。



尾綿「・・・ういっす・・・」
男「・・・おう・・・」

今までなら・・・頬ぐらいまで髪を伸ばして・・・眼鏡をかけてた尾綿が・・・

ばっさり髪を切って、コンタクトにして・・・ブレザーも着ないでシャツにネクタイ・・・
腰のポケットに相変わらずのウォレットが付いた財布。まさに武装。・・・校則OK?

尾綿「あー・・・やっぱこっちのほうがすっきりするわ・・・」
双葉「ほんとにね?初めからこうしてたらよかった・・・くすくす・・・」
男「・・・冬休みデビューとか言われそうだな・・・」
尾綿「ん?いいんだよ・・・そんなの言わせとけばさ・・・なぁ双葉?」
双葉「おう!どんとこい!」
サトリ「二人とも・・・かっこいいなぁ・・・」


よく見たら・・・二人ともお揃いのリングはめてる・・・ガネーシャと髑髏が一緒になったような・・・



男「・・・みんなびっくりするだろうな・・・」
尾綿「お前らだって・・・絶対みんな驚愕するぜ・・・」
双葉「尾綿!ほら!私たちも手!」
ぎゅ!
尾綿「うん・・・へへっ・・・なんか変な感じだわ・・・はは・・・」
サトリ「やっぱりそっちの方が・・・双葉らしいね・・・くすくす」
双葉「サトリのおかげだよ!」
サトリ「?」



双葉「サトリがさ・・・男に甘えてるのみてさ・・・えいきょーされちった!」
男「あらら・・・またか・・・」
尾綿「やっぱりさ・・・好きな子には・・・甘えられたほうが嬉しいしな?」
なでなで・・・
双葉「////」
サトリ「くすくす・・・甘え癖が感染していくね?」
男「そうだな・・・いいことだ・・・うん」


どうやら・・・サトリのおかげで・・・みんなが幸せになってくみたいだ。

お参りの効果がもうでてきた・・・すごいな・・・


双葉「じゃ!私委員長の仕事あるから!先行くね!ほら!走るぞ尾綿!」
尾綿「おっと!はいはい・・・そんじゃまたあとで!」
サトリ「うん!」

走っていく尾綿の・・・首に下げてるヘッドホンから・・・ミッシェルの「GT400」が聞こえてきた。



学校に着くまでに・・・いろんなやつに声をかけられた・・・

クラスのやつから・・・全然知らんやつまで・・・

そのたびにサトリが笑う。俺の手を握って嬉しそうに。

・・・俺って・・・そんなにサトリに似合わないのかな?


サトリ「ちがうよ・・・何言ってんの?私には男君しかいないの!」
ぎゅ!
男「そうだったね・・・うん・・・やっぱりサトリはもてもてだったんだね・・・」
サトリ「////」

周りの男達からため息が聞こえる・・・周りの女達から驚きの声が聞こえる・・・

へへっ・・・一番びっくりしたのは俺だっつーの・・・


クラスに着いたら・・・尾綿カップルも同じような思いをしてた・・・


尾綿「・・・」
生徒(男)「すげーなぁ・・・尾綿そんなだったんだ・・・」
生徒(女)「かっこいいなー・・・全然知らなかった」
双葉「ほれ!尾綿!そんなツンツンするなって!」
ぱしん!
尾綿「いてて・・・わかってるよ・・・」
生徒(男)「委員長も・・・」
生徒(女)「・・・ちくしょー・・・かわいいなぁ・・・」
双葉「はっはー!これがほんとの私だ!びっくりしたか!?」
尾綿「はいはい・・・ちょっと静かにしような・・・」
生徒(男)「すげー・・・いいなぁ二人とも・・・」

ざわざわ・・・

男「・・・あっちも大変だな・・・」
サトリ「くすくす・・・」

こっちも・・・むしろサトリなんだが・・・クラスメートに囲まれてる・・・



生徒(男)「サトリちゃん・・・なんか弱み握られてるんだろ?」
生徒(女)「いいんだよ?言ってくれたら・・・私達味方だから・・・」

おいおい・・・お前ら普段どんな目で俺を見てるんだ・・・

生徒(男)「なぁ男・・・お前どんな魔法つかったんだよ・・・
        サトリちゃんあんなに明るくなって・・・」
生徒(女)「ねぇ?騙してるんでしょ?私達・・・」
男「んなわけあるかよ・・・うし!証拠見せてやる!サトリ!」
サトリ「ふぃ?」

男「・・・おいで?」
サトリ「いいの?」
男「・・・こいつらに・・・わからせてやろう?」
サトリ「・・・うん!」


にこにこ笑いながら・・・サトリが俺のほうに走ってきた。



生徒(男)「・・・まさか・・・」
生徒(女)「嘘でしょ・・・?」


男「いい?」
サトリ「・・・ん!」

ちゅ!


生徒(男)「う・・・うぁ・・・うああぁ/////」
生徒(女)「ひえええぇ////」


ちゅー・・・



尾綿「うわ・・・すっげ・・・」
双葉「・・・おい!」
尾綿「え?」

ちゅ!

尾綿「!!!」
双葉「・・・///」


生徒(男)「・・・こっちも・・・//////」
生徒(女)「なに・・・これ・・・はずっ/////」

学校の・・・それもみんながいる教室の端で・・・キス。

俺よりも・・・サトリが・・・サトリよりも・・・尾綿が・・・尾綿よりも・・・クラスメートが・・・

みんなして顔が真っ赤。当たり前か・・・



先生「・・・お前ら・・・」

気づいたら先生までいた。ちょっと無理やりサトリを離す。

男「・・・すいません・・・なにしてんですかね・・・俺達////」
尾綿「ほんとに・・・かんべんしてくれ・・・/////」
双葉「えへへ////」

先生「・・・ったく・・・ほら!席つけ!尾綿と双葉!・・・今だけでいいから・・・指輪外せ・・・」

・・・先生も・・・なんだか照れてる。

でも・・・こんな人なんだ。決して俺達をばかにしたりしない。なんだか・・・人一倍恋愛にはうるさい人だから。

いい意味で。



先生「うし!委員長!礼!」

双葉「きりーつ!おはよーございます!」

先生「・・・双葉・・・お前・・・なんか・・・馬鹿になった?」
双葉「なに言ってんすか!これが・・・私です!」
先生「そっか・・・尾綿も・・・お前・・・やるなぁ・・・」
尾綿「・・・うっす・・・」
先生「サトリも・・・ますます可愛いくなって・・・」
サトリ「えへへ・・・」
先生「・・・男は・・・あんま変わってないな・・・」
男「ちょ・・・」

こんなふうに先生は・・・生徒全員に話しかけていった。

教室を見渡す。何も変わらない・・・俺達のホームルーム。

・・・ただひとつ・・・空いた席だけ・・・


先生「さてと・・・お前らに・・・報告」
男「ん・・・?」

先生は教壇に立って・・・いつにない真顔で語りだした。



先生「みんな元気な顔して・・・うん!先生満足だ・・・わかってると思うが・・・
     一人だけ・・・居ないよな?」

みんなの視線がその席に集中する。

先生「・・・四日前ぐらいに・・・学校に連絡があって・・・内藤はお前らより先に卒業だ・・・」

ざわざわ・・・

男「・・・」

・・・先生は・・・内藤が「辞めた」んじゃなくて・・・「卒業」したって言った。



先生「学校ってのは・・・なにも絶対最後まで居なくちゃいけないとこじゃない・・・
     先生そう思ってんだ。・・・自分がこれ以上学ぶことがないんなら・・・
     辞めるのだって先生大歓迎・・・」
男「・・・くすっ・・・先生の言うことじゃないよ・・・それ・・・」
先生「うっさい。いいんだ・・・俺はそう思ってんだ。だから逆に・・・
     なんにもないのに辞めようとするやつは絶対に辞めさせない。
     な?尾綿?」
尾綿「・・・うす・・・」
双葉「・・・」
先生「内藤と話してみた。・・・俺が引き止めるまでもなかったよ。
     あいつ・・・ギターで食っていくんだってさ。
     ・・・それはここじゃ教えられないからな・・・
     先生ちゃんと認めてやったんだ。だから内藤は卒業。
     わかるよな・・・おまえら?」
サトリ「・・・うん・・・内藤君は・・・途中でいなくなるんじゃないんですね・・・」
先生「その通り。・・・最後まで・・・俺の生徒のまま卒業。だからさ・・・
     卒業式してやりたいんだけど・・・いいかな?」

男「もちろん!」

・・・そっか

そういうことか・・・



先生「うし!内藤!入って来い!!」


ガラ・・・


内藤「・・・」


男「うわ・・・」

申し訳なさそうに・・・館長や・・・尾綿でも驚くぐらい・・・ビシッと決まった男が入ってきた。

髪を上げて・・・ギターケースを背負って・・・見違えるほど男らしい顔して・・・


生徒(男)「うわぁ・・・」
生徒(女)「内藤君!?」

みんなびっくりしてる・・・そりゃそうか・・・俺でさえ・・・見惚れちまってるしな・・・

先生「どうだみんな!?かっこいいだろ・・・こいつ・・・ずっとこんなの隠してたんだぞ・・・」
内藤「いや・・・隠してたわけじゃ・・・」

そうだよな・・・隠してたわけじゃない。

変わったんだ・・・しぃさんが・・・いてくれたから。

先生「もう学生じゃないからな・・・初めはこいつ・・・制服で来るつもりだったんだ。
     それはだめだよな・・・制服は学生の服。
     もっと自分らしい服で来いって言ったら
     ・・・これだ!うん!よく似合ってる!」
内藤「くすっ・・・職員室で止められちゃったけどね?」
先生「いいんだよ!・・・今日が最後なんだから・・・そのぐらい許してやらないと・・・ほら!」
内藤「?」

先生「卒業証書授与!」



先生は・・・内藤に雑に卒業証書を渡した。内藤は黙ってそれを受け取った・・・

先生「・・・判子は押してやれなかったけど・・・お前はちゃんと卒業。俺の生徒だ。
     ・・・がんばれよ・・・応援してるから!」

ぎゅう!

内藤「!!・・・先生・・・」

先生は・・・笑いながら・・・恥ずかしそうに内藤を抱きしめた。

それと同時に・・・教室から・・・



ぱちぱち・・・

ぱちぱちぱち!

双葉「おめでとー!」
生徒(男)「うん!がんばれよ!」
生徒(女)「有名になったらサインちょうだいね!」
サトリ「ふぐっ・・・うえぇ・・・」
尾綿「・・・いいな・・・ウルフだ・・・」


みんなで・・・内藤に拍手。

内藤・・・ほんとに・・・卒業おめでとう!

内藤「・・・みんな・・・」



よかったよ・・・俺・・・お前と学校来れて・・・お前がここから居なくなるのは寂しいよ・・・でも・・・



男「絶対に・・・お前の選択は間違ってないから!!」


内藤「男・・・うん・・・ありがとう!みんな・・・僕・・・がんばるから!」

ぱちぱち!

しばらく・・・拍手はやまなかった。みんな笑って・・・サトリだけ号泣してるけど・・・
内藤を送り出してやった。



先生「さてと・・・どうだろう内藤?お前のその手で・・・最後になにか聞かせてくれないか?」
内藤「え!?」
男「いいじゃん!そういえば俺もまともにお前の演奏聞いてなかったし・・・」
生徒(男)「そうだ!やれやれ!」
生徒(女)「私HY聞きたい!」
内藤「え・・・でも・・・これエレキだし・・・アンプないし・・・それに・・・
     最近の曲なんか弾けないよ?・・・」
先生「おい!誰か軽音行ってアコギもってこいそれと・・・尾綿!」
尾綿「・・・ん・・・」
先生「お前も・・・協力してやれ!」
男「?」

内藤を連れて・・・クラスみんなで音楽室に行った。



尾綿「・・・はい・・・」
内藤「あ・・・ありがと・・・」

尾綿は内藤にアコギを渡すと・・・内藤の正面にイスを持ってきて座った。

尾綿「・・・なにが弾けるの?」
内藤「えっと・・・少し前の洋楽なら・・・大体・・・」
尾綿「たとえば?」
内藤「・・・ヴァン・ヘイレン・・・イーグルス・・・ランシド・・・コーン・・・エルビス・・・キッス・・・それと」
尾綿「OKOK・・・すごいな内藤・・・じゃあ・・・レーサーXは?」
内藤「え・・・弾けなくはないけど・・・」
先生「こらー!何言ってるか全然わからんぞー!」
尾綿「おっと・・・ごめんごめん・・・じゃあMr.Big・・・弾けるよな?」
内藤「もちろん。・・・あ・・・あれ?」
尾綿「うん。いくよ・・・1・・・2・・・3」


内藤が弾きだしたそれは・・・たしか前にどこかで聞いた・・・[ToBeWith You」って曲。


内藤の指が・・・綺麗な音色を弾きだす。それにあわせて・・・尾綿が床を蹴ったり・・・イスを叩いたりしてリズムをとりながら・・・歌う。

いつのまにかみんなで手拍子してた。というか・・・内藤もすごいけど・・・尾綿も・・・

あとで内藤に聞いたら・・・尾綿はリッチー・コッツェンって人にそっくりらしい・・・

この二人が奏でた曲は・・・少しの時間だけど・・・確実に俺達を虜にした。

演奏が終わると・・・みんな口をあけて・・・ただただ拍手をしていた。



ぱちぱち!

男「内藤・・・すっげぇ・・・」
生徒(女)「かっこいい///」
先生「な・・・納得できるだろ・・・」
内藤「いや・・・尾綿だって・・・」
尾綿「・・・ん・・・内藤のギターが上手いから・・・本気で歌った」
双葉「な!かっこいいでしょ!?尾綿////」

双葉が嬉しそうに言う。

先生「うん・・・尾綿も・・・前みたいにただ学校辞めたいって言うんじゃなくて・・・
     本気でそれで食っていくんなら・・・今なら卒業認めてやってもいいぞ?」
尾綿「いや・・・俺双葉と一緒に卒業するって約束してますから・・・」
双葉「////」
男「うん・・・ほんとに・・・二人ともすごいな・・・」
サトリ「内藤君の演奏・・・なんかほわーんって・・・」
内藤「ありがとうみんな・・・尾綿も・・・あ・・・もうこんな時間だ・・・」

時計は十一時を指していた・・・外にはほかのクラスのやつが帰っていくのが見えた。


先生「うし!じゃあ・・・みんなで内藤を拍手で送ろう!ほら!」

ぱちぱち!ぱちぱち!

全員で・・・恥ずかしげもなく・・・内藤を正門まで送った。

男「あ・・・」

正門の外に・・・しぃさんを見つけた。こっちを恥ずかしそうに見てる。

内藤「・・・それじゃ・・・行くね・・・」
男「おう・・・おれもサトリ連れて・・・会いにいくから・・・」
双葉「がんばってね!いつかまた・・・尾綿と演奏してあげて!」
サトリ「ほら!しぃが待ってるよ!」
内藤「・・・うん!」

内藤は最後に・・・俺達に一礼するとしぃさんのところに走っていった。



先生「ん?誰だ?・・・内藤の彼女か・・・」
生徒(男)「うわぁ・・・すっげぇ美人・・・」
生徒(女)「えぇ・・・完璧じゃん・・・あの二人・・・」

内藤はしぃさんのところまで行くと・・・しぃさんを抱きしめて・・・


ちゅ・・・


サトリ「・・・////」
生徒(男)「・・・なんだよ・・・今日は/////」
双葉「すっげぇ・・・二人とも幸せそうだなぁ・・・」
先生「さて!ほらほら!教室行くぞ!早くお前らも帰りたいだろ!?」

先生の後に着いてまた教室にもどって・・・

男「・・・サトリ?」
サトリ「・・・」
男「・・・ごめんみんな・・・先行ってて・・・」
先生「・・・まったく・・・早くこいよ!」

俺とサトリを残して・・・みんな教室に向かった。



男「・・・サトリ?どうしたの・・・」

サトリ「・・・はぐはぐ・・・」

男「・・・ん・・・」

ぎゅ・・・

男「ほら・・・みんな待ってるよ・・・」
サトリ「うん・・・ちょっとだけ・・・抱きしめてて・・・」
男「・・・泣いてるな?」
サトリ「・・・うん・・・だって・・・しぃも・・・内藤君も・・・あんなに幸せそうだもん・・・」
男「当たり前じゃん・・・幸せなんだよ・・・」
サトリ「私達・・・「サトリ」なのに・・・いいのかな・・・心読めるのに・・・」
男「・・・いいの。・・・なんでサトリが幸せになっちゃいけないんだ?安心しな・・・
   ずっと傍に居るから・・・」
サトリ「うん・・・わかってるんだけどね?・・・こんなにいいことばっかり起こるから・・・
      ちょっとだけ・・・怖くなったの・・・」
男「そっか・・・サトリはあまえんぼだからね・・・いいよ・・・すこしでも怖くなったり・・・
   変だなぁって思ったら・・・こうやって俺が・・・サトリを抱きしめて
   安心させてやるから・・・」
サトリ「うん・・・」
男「・・・よし・・・じゃあ教室に戻る前に・・・」
サトリ「・・・ん・・・」


ちゅ・・・



校庭の真ん中で

いろんな教室から見られてたけど

サトリにキスをした。

サトリから離れるまで・・・ずっと・・・

俺の嫁だ。望んでくれる限り・・・俺はいつでも愛してやる。

愛してもらう。



これから死ぬまで・・・いや死んでも・・・

俺はサトリを離さない。

「サトリ」が心を読めるとか・・・そんなの関係ない。

人は・・・好きな人を・・・愛していいんだ。

ただそれだけ。

サトリは俺のもの。俺はサトリのもの。

ただそれだけ。

たった数日前から始まった・・・俺の恋。

このまま・・・その灯が消えることなんて・・・一度もなかった。




男「サトリ・・・愛してる」
サトリ「うん・・・大好き」


ちゅ・・・


こうやって・・・俺の高校生活は・・・卒業までずっと・・・愛にあふれたまま・・・
三年になって晴れてサトリと夫婦になって・・・エンドロールを迎えた。


とっても・・・幸せな青春でした。

「サトリ」・・・ありがとう。




























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最終更新:2007年01月15日 11:12