ナレーション


幸村の活躍により三方ヶ原の戦いに大勝を
収め、武田軍は喜びに沸き返っていた。
失敗にくじけず精進を重ね、
己を克服した幸村の成長に
信玄は心から満足したのであった。
そしてついに長篠の地にて
織田信長率いる鉄砲隊と
激突の時が迫っていた。

信玄「皆の者、長篠に乗り込むぞ! 尾張の大うつけを討つ!」
幸村「はっ! この幸村、存分に働きましょうぞ!」



開始


信玄
「尾張のうつけめが、派手に飾ったものよ!」
信長
「フハハ、虎がおびき出されおったわ
三千丁の鉄砲でなぶり殺しにしてくれよう」



戦闘中


濃姫「くるわよ! 構えなさい!」
信玄「天下の武田騎馬隊、果たして止められるかな?」


信玄「世の理すべてが思い通りになると思うてか」
信長「否…我こそが理よ」


信長「天下は余のものよ…」
信玄「いかにも、おごり高ぶるうつけの考えよの!」


信玄
「ハッハッハ! 鉄砲など実にぬるいわ!
大うつけめ、戦を投げおったか?」
信長
「フン…これは戦にあらず…貴様を滅ぼす宴よ」



濃姫登場


信玄
「引っ込んでおれい!
いかに魔王の嫁といえど、命までは取らぬ」
濃姫
「甘く見られたものね…!
虎など、マムシの毒で眠らせてやるわ」


信玄
「犬馬の労いとわずか…女としての覚悟やよし
だが、尽くす相手を見誤ったな」
濃姫
「天下を取るのは上総介様よ
虎など、檻の中で吠えていなさい!」


濃姫
「勝てるの…? いや、勝たなければ!
マムシならば、虎の首に巻き付いてでも…!」


濃姫「上総介様…濃めが必ずやこの虎を…!」
信長「フン、老いぼれも止められぬか」
濃姫「あ、あと少しだけ時間を…必ずや!」



蘭丸登場


信長「ハハハ、丸、その虎をしとめい」
蘭丸「お任せください信長様! 虎なんて簡単です!」


信玄
「恐れを知らぬか、こわっぱが
死してからでは、すべてが遅い」
蘭丸
「な、なんだよ、ここで死ぬのはお前だよ!」


蘭丸「虎なんて、おっきい猫みたいなもんだろ!」
信玄「生意気なのは口だけにせい、こわっぱが!」
蘭丸「ど、怒鳴ったってな、ちっとも怖かないや!」


信長「ハハハ、丸、褒美は虎の皮よ!」



信長登場


信玄
「木によりて魚を求むとはまさにおぬしの事よ…
ゆくぞ、尾張の!」
信長
「目障りよ…甲斐の虎、消えよ」


信玄
「一将功なりて万骨枯る
それができぬおぬしに天下は取れんわ!」


信玄
「情けは味方、仇は敵よ
その言葉、しかと思い知るがよい!」
信長
「吠えるか…老いぼれの虎が…!」


信玄
「魔王を名乗ったことが貴様の間違いよ
虚を張ったところで、人の性は変わらぬわ」




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最終更新:2007年02月19日 22:15