空回る頑張り方


 やる気のあまり軍事ユニットが出たらずっと攻め続けるような頑張り方をしてしまう人がいるが、それはしんどい割に報われない効率の悪い頑張り方になることがある。マルチタスクの素晴らしいプロに感化されたあとなどは、マルチタスクそのものが目的になってしまっていないか注意する必要がある。

攻め続けることの問題点

有効ではないタイミングに攻めてしまう

 このゲームで攻めるには相手を見て自分のほうが軍量が多くなるタイミングでだけ攻めるスマートさが要求される。どんなオーダーをとるにしても時間ごとに軍量は常に変動するし、常に相手より軍量が多くなるオーダーというのは存在しない。一応自分のほうが軍量が少ないタイミングでもユニットが逃げ切れるなら常に攻めるふりをし続けていても損しないはずなのだが、人間の操作量や思考力の限界値というのはどこまで行ってもそれほど高くないので度を越せば根性論的。その労力を他のことに(たとえば内政や偵察でまったくミスをしないこと)注いだほうが圧倒的に成果に繋がるし、完成形といえる上位プロのプレイにも実は近いことが多い(ちゃんとゲーム全体を見ていれば、彼らも技巧に飽かせたプレイよりもスマートで省エネなプレイのほうがはるかに多いことがわかる)


操作量のコスパが悪い

 ハラスを入れ続けるようなプレイは相手の操作量を奪えるが自分の操作量もかなり奪われる。相手が一定以上のスキル・操作量を持っていればプレイを乱さずに対応できるため、こちらにとって操作量的なコストパフォーマンスが悪いだけの仕掛け方になることも少なくない。ハラスにおいて重要なのは相手の操作量にオーバーフローを起こしてやることであって、オーバーフローを起こさないレベルのハラスをどれだけ続けても相手にダメージは蓄積しない。

 操作量やマルチタスクの限界を伸ばす役には立つかもしれないので無意味とは言わないが、勝ちからズレた方向に向いた努力であるし、マルチタスクを仕掛けるにしてももっと正しいやり方・頻発するパターンで頑張る・数をこなしたほうが役に立つ部分に経験値がたまる。完成形である上位プロのプレイも実際に真似することを念頭に観察すると無駄の少なさが際立つことに留意しよう。


正しい頑張り方

 メリハリのある攻め方をする。
 たとえばマルチタスクなら一回、二回しかけると普通は態勢が出来上がって一気に刺さりにくくなる。あるいは、プッシュにせよマルチタスクにせよ、初弾から時間が経過すると相手の編成が揃うことによって仕掛けられなくなる。それはわかりきっていることなので内政や状況を確認するための休憩ポイントと考えて攻め手を休めるように最初から計画しておく。使える輸送機が増えたり有利な編成が用意できたり相手が拡張したりと状況が変化したらまた繰り返す。同じことをしているようで、その頃にはワンパターンな攻め手ではなくなっている。

プロのマイペースなエンドレスハラス

 マルチタスクが得意なプロはエンドレスに攻め続けているじゃないか、と思うかもしれない。マルチタスクをエンドレスに続けられる試合というのも展開がかなり限られているのだが、確かにそういう試合は存在する。しかし彼らは結果としてハラスがエンドレスになっているだけであって、自分のペースを乱していない。攻め続けることよりも優先度の高い内政目標やミニマップ管理を確実に達成しながら、状況がマルチタスクに適していることを確認してシステマチックにドロップを出発させていたら結果的にエンドレスに着弾しているにすぎない。これを表面的に見て真似しようとすると、自分にとって操作の手間がエンドレスなだけのハラスになってしまい、内政の綻びやミニマップの見逃し、状況に適していない仕掛け方に陥ってしまいかねない。
 それは技巧(マルチタスク)よりも本質的な部分(状況判断)で間違ってしまっているために、マルチタスクが出来ないよりも重篤とも言える症状である。
最終更新:2013年04月21日 00:57
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