機動力で負けているときに追いかけてはいけない
基本的にMarineは射程から外れたMutaをあまり追いかけず守るべきTankの近くにキープするべきだし、
ZealotはSpeedlingを追いかけずStalkerSentryのそばにいるべきだ。
向こうは移動を続けるだけでダメージを受けずに済むのに対し、こちらは隙のある場所を増やしてしまう。
追いかけて殺せると考えるのは相手のミスを前提にした甘さであり、上手いプレイヤーなら追いかけてくる鈍重なユニットから攻撃を受けることはほとんどない。
(追い込むように多数対少数で囲む場合などはともかく)
これはRTSにおける基本であり、AoCなら槍で馬を追いかけてはいけないとなる。
格下相手に完璧な内政をしても自慢にならないということ。
このゲームはプレイヤーの能力によってオーダー相性すらひっくり返る。
出てくるユニットの量が変わるしマイクロが違うからユニットの質もまったく別物になる。
この出てくるユニットの量というのは単純にオーダーがいいという話ではない。
優れたプレイヤーのほうは相手をハラスし続けながら、あるいは相手のハラスを捌きながら資源を使い切れるし
劣っているプレイヤーのほうは相手の鋭い動きに一方的にユニットを殺されないように必死に軍操作をしているあいだに資源が使えなくなってしまう。
こういった実力の出方というのは積極的に交戦し続けるような高レベル帯では特に顕著で、5,6連敗して当たることになる程度の少し格下相手でも明白な差が存在する。
そういった格下相手にハラスし続けながらでも資源を使いきれるのはむしろ当たり前だし、
プレイヤーのレベルに差があるゲームを表層的に見てしまうとオーダーの相性を見誤ることすらありうる。
マスター上位レベルとプラチナレベルくらいの差があればハードカウンターオーダー(オーダー差だけで詰むレベルのアンチオーダー)を取られていても完成度の差でほぼ勝てるし、
200~300ポイント分くらいの差があればソフトカウンターオーダー(即詰むことはないが有利が得られるレベルのアンチオーダー)を取られていても十分に勝てるチャンスがある。
格下のプレイヤーと試合することの意義
それは落ち着いて実戦ができるということに尽きる。
試合の流れをなぞりながらメタに自分のプレイを分析する余裕が持てるため
それまで見えなかったものが見えるようになる。
普段見えないタイミングで資源が見えるので自分のオーダーをより詳細に覚えるようになる。
余裕を持ってマイクロしているので自分の操作のひとつひとつの良し悪しがリアルタイムにわかる。
ではデメリットはなにか。やはり勝つのが当たり前の相手に勝ち続けていると緊張感がなくなっていく。
格下の相手とばかりやっているとすべきでない手抜きを覚えてしまったり、一瞬の隙を突いてくるような相手とプレイしているときに磨かれるシビアなゲーム感覚を失ってしまうといったことが起こる。
格下のプレイヤーとの練習を有意義に行うためにはどうすればいいか
相手を侮らずにいつものプレイをしながら自分のプレイのあら探しをすること。
余裕をもってプレイできることに付け込んで楽しようとするのではなく、プレイ中に自分を分析し続けること。
目的意識を持ってプレイせずにぬるま湯にひたっているだけなら有害なので格下のプレイヤーとやる以上に同格・格上のプレイヤーとの対戦をこなすこと。
過剰防衛はオールインと同じくらい将来性がなく、オールインよりはるかに弱いオーダー
あるタイミングで大量の軍や防衛施設を揃えるということは、そのタイミングだけ強くなってそれ以降のすべてのタイミングで弱くなるということを意味する。
そのためピンポイントで攻め切ったりオールインを防衛するためにだけ使用しなければ意味がなく、相手のオーダーを読んでいなければギャンブルになる。
そして攻めるオールインであれば少なくとも相手との戦力差によって何らかの成果が得られるが、過剰防衛の場合はこちらが強いタイミングに相手が攻めてきてくれなければ何の成果も得られない。そしてこちらのオールインに関しては相手には「戦わない」という選択肢はないので相手のオーダーや守り方と勝負ができるが、こちらの過剰防衛に関しては相手には「戦力が多いことを確認したら攻めない」という選択肢が存在するので、相手が攻めなくてはどうしようもないくらい内政やTechを捨てているオールインでない限り不利になってしまう。
なぜ欲張りオーダーは強いのか
戦闘ユニットとして見るとワーカーのコストパフォーマンスは決して良くない。同じ50ミネラルならMarine1体やZergling2体のほうがずっと強いし、ワーカー2体よりZealot1体のほうがはるかに強い。
プッシュを返すためにワーカーを動員している光景を見ると、なぜワーカーを止めてでも軍事ユニットを作らなかったのか、そのほうが強いだろうと言う人もいるかもしれない。
しかしこのゲームにおいて相手のプッシュを受け止めるためにワーカーを止めて軍事ユニットを作るというのは、相手が1ベースオールインのように偵察しやすい戦略をとっている一部のケースを除いて非常に難しい。
内政を犠牲にすると、内政を犠牲にしたことによってユニットが増えるタイミングを除けば、その後すべてのタイミングにおいて弱くなるのだ。ワーカーを止めて軍事ユニットを作ると柔軟性が失われてしまう。
また、ワーカー動員とユニット生産で決定的に違うのが即応性である。
戦闘ユニットとして見るとワーカーのコストパフォーマンスは決して良くない。同じ50ミネラルならMarine1体やZergling2体のほうがずっと強いし、ワーカー2体よりZealot1体のほうがはるかに強い。
しかし通常生産施設から軍事ユニットを出すためにはGatewayやBarracksやFactoryを建てる必要があり、最低でも60秒なり65秒なりの準備時間が必要になる。資源をユニットに転換、そして戦況に反映させるには時間が必要なのだ。生産施設の状況にかかわらずその場で保有しているワーカーをすべて戦闘ユニットに変身させられるという特性はコストパフォーマンスの悪さを補って余りある。
プッシュが7:30に到着するとして、Barracksを追加して対応する場合は6:00のミネラル150と7:05以降に25秒ごとにミネラル50ずつが犠牲になる。
ワーカーを動員して対応する場合は、7:30以降のミネラル収入が犠牲になるがそれまでの資源は自由に使える。
この自由に使えた資源でTechを挙げたりさらに内政を広げておくことができるので、もしプッシュが来なかった場合は後者のほうが単純に優れているし、もしプッシュが来た場合もワーカー動員で十分に守ることができるのであればTechユニットによる別の対応やカウンターという選択肢が生まれてくる。プロに欲張りオーダーが多いのはこうして節約できる資源がどれだけ重要になるかわかっているからであり、TvPの即2ndやTvZの即3rdで内政を欲張って伸ばさないことが前述した「内政を犠牲にする」とみなせるほど、プッシュの守り方とユニットを作らずに節約した資源の使い方が洗練されてきているということでもある。
なぜShieldのアップグレードが後回しにされるか
- ShieldアップグレードはArmorアップグレードよりもコストが高い。
- ShieldアップグレードがArmorアップグレードより優れているところはアップグレードがAirにも適用されるところだが、
地上ユニットを出してForgeアップグレードをしている展開でAirユニットを作ることはあまりないので、このメリットは活かされない。
- メイン盾となるZealotはShield50:Life100なので、Armorアップの影響のほうが大きい。
- 他のユニットに関しても、Archonを除けばShieldとLifeが同量かLifeのほうが多くなっている。
- Archonはかなり終盤にならなければそれほど数を出すことはない。
- Archonとセットで使うことになるのは大量のChargelotなので、やはりLifeのアーマー値のほうが重要になる。
- ShieldはEMPを喰らってしまえばアーマー値を無視して剥がされる。
最終更新:2012年09月30日 05:48