上達の心得1


完璧主義者

1つや2つの間違いに気づいたことで自分が根底から否定されたような気がして、自分を根源から変えなければと自分探しをはじめてしまう人もいるが、実際のところ今までどおりのやり方に小さな修正を施せばそれで済むことは多い。
たとえばスタンダードなオーダーと呼ばれるものは基本的に相手にあわせて少し変化させるだけで奇策に対応できるように作られているので、スランプになったからといって「オーダーから全く別のものにしないといけない」と思いつめてしまう必要はない。
マイクロのミスにしても操作スピードが変わらなくても操作する優先順位を入れ替えるだけで安定したマイクロになることがあるし、操作を始めるタイミングや判断基準を少し変えるだけで上手く行くことも多い。

ひどいプレイをしても思いつめなくていい

このゲームは一つの試合中に非常に多岐に渡る技術を試してくるので、どこかがひどい出来だったからといって練習に意味がなかったということにはならない。
極端な話、決め打ちオーダーばかりで戦略的な駆け引きの練習がまったくできていない上に負けまくっていたとしても最低限マイクロやオーダーの基幹部分を覚えこむ練習はできるので意味はある。
もちろんこのゲーム、戦略的な部分が非常に大きくそれによって試合展開の大筋が決まってしまうので、戦略をブラッシュアップできない練習ばかりするというのは上策ではないが、マイクロの練習というのは戦闘中だけでもしっかり集中すればいいぶん疲れていてもできるので負荷の軽い練習としての意味はある。
逆にマイクロに気合を入れずに、大きなミスをしない程度にだけマイクロしてマクロに集中するというのも楽な練習ながら相手に合わせた分岐点やサプライ建設タイミング、タイミングごとのオーダー相性などを覚えこむ役に立つ。
全体的にいかに無駄なく楽にプレイするかということを意識して無駄な操作を取り除いていくのもいい。

偏った練習しかしないというのでは問題になるが、補う練習をして帳尻をあわせていれば問題はない。
多くの人が主な練習方法に選んでいるだろうラダーは実戦形式でありいわば総合練習なので出来なかったことにばかり目を向けやすいが、特定の要素に重点をおくことで特殊な練習と見なすこともできる。

それでも「そもそも何も上手くいかないんだ、調子が悪いから今日はやめておくんだ」と言いたいときもあるだろう。
そういう時はなぜ調子が悪いのか、なぜそういうミスをしてしまっているのかを「具体的な状況や経緯」を参照しながら考えるのが良い。
自分が下手だからとか才能がないからという抽象的な思考は現場で役に立つことはない。

簡単なプレイから積み重ねる

意外と上達の役に立つのが、そしてスランプからの脱出にも役立つのが、まず上級者らしくないイージーなプレイからはじめることだ。
オーダーをいつも同じところで間違えているならそのタイミングでは無理せずに落ち着いて建物を数えながら追加するようにすればいい。
ユニットを出したらハラスしなければと焦ってしまって、建物を追加しないといけない時間にまでハラスを続行して自分で自分を忙殺していないだろうか。
たいていの場合、建物の追加タイミングやワーカーを移送するタイミングを逃すよりは数秒ハラスを休んだほうがマシだ。
なれていけば建物の追加タイミングを忘れなくなり、また追加する操作も覚えこむのでほんの1,2秒ハラスの手を休めるだけで安定して建物を追加できるようになる。
ここまで身についてきてようやく、ハラスの手を休めているように見えないのに建物の追加やワーカーの移送までしているような曲芸も可能になってくる。

操作ミスを連発しているときなど、操作するときの意識を変えるだけで解消したりするものだ。
操作をはやくしようと焦っているために操作ミスが起きているだけで、落ち着いてやってみればあまりミスをせず、楽なうえにいい形になったりする。

基本的に漠然とはやく操作しようとすると下手になる。具体的な手順を丁寧に追っていくようにするのが重要だ。
丁寧に正解を考えだせばあとは反復で速くなる。でたらめに急いで誤答を体に覚え込ませても操作負担が増えるだけになる。

大事な部分さえ押さえていればそれでいい

とりあえず目の前の試合をやれるだけやってプレイしてみよう。負けても勝ってもリプレイを見返して本気で反省してみよう。
負けたときなどは悔しさから「ゲームなんかに本気出さないから」とか「本気じゃなかった」とか「調子が悪かった」とか「本当は自分のほうが強い」と言い訳が思い浮かんでくるかもしれない。
そういった雑念はしかしどうでもいい。無理に抑えつけるほどのものですらない。自分のプレイの良くなかった点に改良を加えなければという問題意識さえあればいい。
重要なのは、こうプレイしたらどうなる、オーダーの相性関係はこうだ、このタイミングで強いのはこっちのオーダーだ、このマイクロ/マクロは理想的なマイクロ/マクロとこういった点で違う、といった事実が探れるかどうか。そこで上達できるかが決まる。
気づいた問題点があったら改善策を探るためにプロのプレイを見て、何かわかったらまた一生懸命プレイしてみよう。
こんなに一生懸命やっていると、努力が格好いいか格好悪いか、ゲームなんかに努力することが格好いいか格好わるいか、報われるか報われないか、馬鹿らしいか馬鹿らしくないかという価値観の議論が発生するかもしれないが、それは君には関係がない。君が上達という目標を達成するために必要な道具が努力だ。上達したい時点で君には努力する以外の選択肢はない。
負けてもいいから最後まで自分のベストを尽くしてみよう。うまくやれる自信がない高度なプレイでも強くなるために必要だったらどんどん挑戦しよう。
上手くいかなかったときに言い訳をしてもいいが、その言い訳に自分で耳を貸してはいけない。どうすれば出来るのかというロジックと具体的な方法を考えることに意識を集中しよう。全体として意識がそちらに向いているならあとは余ったリソースで言い訳を垂れ流そうがキーボードを壊そうが君の自由だ。

コンスタントに練習をこなすためにどうすればいいか

習慣にすることだ。もはやこれは鶏が先か卵が先かに近い。
大量に練習をこなしやすくするためにはまず大量に練習をこなすことだ。
負けを苦痛に思わなくなるために必要なのはまず大量に勝ち負けすることだ。
麻痺すればそれだけ何も感じなくなる。

ミスしたときにイライラしない方法

正しい操作の手順をイメージすることに脳のリソースをすべて注ぎ込むこと。
ユニットの動き、カーソルの動き、両手の感覚などをすべてイメージするとかなり頭を使うので余計なことを考える余裕はない。

ラダー恐怖症

自分の目標が何なのか思い出そう。
たまたま連勝できた気がする今のランクを死守したいのか、それとももっと上を目指したいのか。
上を目指したいなら今ランクが下がるとしても練習を重ねるべきだ。
そしてもし今のランクを死守したいのだとしたら、ほんのしばらくの間しか死守できなくてもいいのかどうか考えるべきだ。
練習しないと当然下手になる。周囲のレベルも上がり続けているから相対的に自分はさらに下手になる。

中長期的な目標

あなたに中長期的な目標があるのなら、目先の100試合や200試合の負けを怖がる必要はない。
たとえば今NAマスター中堅プレイヤーのあなたが2年後にGSLに通用するような世界的プレイヤーになりたいという途方もない目標を掲げたとして、
今目の前のゲームに負けたらいけないということはまったくないし、負けを恥じる必要も、負けたゲームから目を逸らす必要もない。
たしかにどんどん成長していかないと目標には間に合わないだろうが、2年間で一番成長するためには今の勝ち負けなんかはどうでもよく、調子や勝敗の刹那的な変動に動じずにコンスタントにゲームをこなして吸収できるものを貪欲に吸収していくことが大事だ。
スポンジのように物事を吸収するためには今の弱い自分から目を背けていては効率が悪いし、負けを怖がってゲームを避けていたら効率以前の問題になってしまう。
そもそも強くなってしまえば弱かった過去なんていうのはまったく関係がなくなる。むしろ「凡人ですがここまで上り詰めました」とコーチングの宣伝文句にでもできるくらいだろう。
世の中才能の存在を認めたくない人というのは多く、努力で上り詰めた人間というのは好意的に捉えられがちである。

目標が高いことのメリット

目標が高いと目標と現在との差に絶望もしやすい一方で、今のことがどうでもよくなる効果もある。
今の自分にとってのファインプレイは目標を達成した自分にとっては当たり前のプレイなのだ。
途中までまぐれのように完璧にプレイできていた試合を1つのミスで失ってしまっても嘆く必要はない。いずれは同じプレイを再現して今度は完璧に最後まで試合を運ぶことができるからだ。

何になりたいのかということ

あなたは批評家になりたいのか、それとも実行者になりたいのか。
他人のプレイを批評する、ゲームのバランスを批評する、それはそれで必要なことだ。言葉の力で現状を良くしてやろう他人の認識を改めてやろうという気概を持っているならそのまま励んでくれればいい。
しかしあなたがなりたいものがトッププレイヤーなのだとしたら、口を動かすより何より現状のバランスで勝率を可能な限り高める戦い方を身につける必要がある。
仮にあなたがこのゲームのことをわかりきっていて自分より上手い人のプレイやトッププロのプレイにもここがダメだと批判できるとしても、
自分の考える理想のプレイを実際に再現できるように執拗に反復練習を行う必要がある。
一回できたからいい、調子がいいとき出来るからいいのではなく、調子が悪くても緊張していても疲れていても再現できる必要がある。
今対戦しているプレイヤー相手に出来るからいいのではなく、トッププレイヤーのハラスを受けながらでもその大局観を見失わずに最後までプレイしきれる必要がある。
最終更新:2012年07月07日 22:52
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