日本海事協会(にっぽんかいじきょうかい)はNK(英字Nippon Kaiji Kyokaiの略)またはClassNKの通称で知られる国際船級協会である。
概要
国土交通省所管の特例財団法人であり、その寄附行為に定めるとおり、NKは船舶に関するさまざまな事業の進歩発展を図り、人命及び財産の安全、さらに、海洋環境の保全を期すことを目的として活動している。
NKが行う主な業務は、船舶の安全を確保するために制定した規則が、建造時と就航後の船舶に適用されていることを証明するため検査を実施することであり、NKが制定する規則は、船体構造のみならず、推進機関、電気、電子システム、安全機器、揚貨装置など多岐に及ぶ。そして、そのサービスを世界中で利用できるよう、検査員事務所のネットワークを全世界に展開している。
2007年8月末現在、日本海事協会の船級登録船数は6,729隻、合計総トン数150,048,643となり、これにより世界で初めて合計1億5 千万総トン超を登録する船級協会となった。この登録船腹量は何れかの船級協会に登録されている世界商船船腹量のおよそ20%にあたる。
1999年11月には創立100周年を迎えている。
業務
概略
NKは、船舶、海洋構造物に関する技術研究並びに長年にわたる検査経験を調査、解析して得られた豊富な技術データを活用し、船級や品質システムに関する諸規則を独自に開発し、それらの規則及び国際条約などに基づいて、船舶および海洋構造物に関する検査のほか、企業及び船舶の安全管理に関する品質システムの審査など、各種の業務を行っている。これらの業務は、世界各地に配置されたサービスネットワークを通して、豊富な検査経験と高度な専門知識を持った検査員、 審査員および技術コンサルタントにより実施される。
船級関連
- 船舶及び海洋構造物の船級登録及び検査
- 船舶に備えられる設備の登録及び検査
- 船級及び設備の登録維持のための検査
- 材料、機器、艤装品の承認
- 製造及びサービスに係る事業所の承認
- 材料試験機などの検査
条約関連
- 海上人命安全条約(SOLAS)、国際満載喫水線条約(ICLL)、海洋汚染防止条約(MARPOL)などの国際条約やCode of Safe Practice for Solid Bulk Cargoes(BC Code)などのコードによる各国政府代行検査及び証書の発行
- 国際安全管理コード(ISM Code)による安全管理システムの審査、登録及び証書の発行
- 乾舷の指定
- 揚貨設備の制限荷重等の指定
- 穀類積載の承認
- 海上コンテナの検査承認に関する業務
- 船舶保安国際コード(ISPS Code)に関する業務
ISO規格に基づく審査登録
- ISO 9000シリーズによる品質システムの審査登録
- ISO 14001による環境マネジメントシステムの審査登録
技術サービス
- 船舶及び海洋構造物などに関する技術コンサルタント
- 船舶及び海洋構造物などに関する各種鑑定、証明サービス
- 一般産業分野の機器等の検査などの技術サービス
- トン数測度並びに証明サービス
- 各種試験、研究、コンピュータ計算などの受託サービス
また、NKは国際船級協会連合(IACS)設立時からのメンバーである。
沿革
海事全般を対象として創設
帝国義勇艦隊の建設募金
船級検査団体へ
関連事項
- 有栖川宮威仁親王 - 初代総裁
- 有地品之允 - 初代理事長
参考文献
- 『日本海事協会五十年史』日本海事協会、1949年
- 『日本海事協会75年史』日本海事協会、1976年
- 『日本海事協会---その100年の物語』日本海事協会、1999年
外部リンク
最終更新:2010年09月01日 13:19