『実話』

A:次男。口が悪い。何かと不憫な星の下に生まれた。
B:長男。発想が常人のはるか斜め上だとよく言われる。
C:末の妹。ごめん、ちょっと嘘ついた。我が家の妹はこんなに愛らしくない。


A01『かつて、我が家の子ども部屋にはいくつかのルールがあった。一つ、テレビゲームで遊ぶ
  権利は、先にゲーム機の電源を入れた者に与えられる。一つ、テレビゲームで遊ぶ権利は、
  いかなる暴力によってもこれを奪い取ることはできない。一つ、テレビゲームで遊ぶ権利
  は、プレイヤーが何らかの理由で席を立った時点でこれを失う』

B01「あのさ」
A02「何だよ。そろそろ替われよ」
B02「ええい、それが兄貴に対する態度か!」
A03「そういう小芝居は要らないから。そろそろ替われよ」
B03「ションベンしたくなったんだけど、代わりに行ってくんない?」
A04「はあ?」
B04「だから、ションベンしたいから」
A05「誰が?」
B05「俺が」
A06「それで?」
B06「代わりに行ってきてよ」
A07「誰が?」
B07「お前が」
A08「意味分かんないんだけど。つーか替われよ」
B08「いいじゃん、トイレに行くくらい。頼むよー」
A09「それに何の意味があるんだ。つーか替われよ」
B09「もしかしたら俺のこの尿意が解消されるかもしれないじゃん。俺たち、血の繋がった兄弟
  だろ?きっと尿道も少しくらい繋がってるって」
A10「気持ち悪いこと言うなバカ。さっさと替われよ」
B10「やだ。まだキリのいいとこまで行ってない」
A11「腰をモジモジさせるな!さっさとトイレ行け」
B11「膀胱が……破裂しそうだ……。ヤバいぜ……これは……やっぱりヤバいぜ……世界存亡の
  危機だぜ……」
A12「うっせーバーカ。我慢の限界超えて集中力が途切れまくってるじゃねーか。さっきから何
  回凡ミス繰り返せば気が済むんだ」
B12「あ、ゲームオーバー。……コンテニュー、と」
A13「すんなー!」
B13「くっ……。今日のところはこれで引き下がってやろう。だが、勘違いするな。俺は貴様に
  負けたのではない。ただ、ほんの僅かな尿意によって」
A14「いいからさっさとトイレ行ってこーい!」
B14「へーい」
A15「ったく。これでようやくこの間の続きが」
C01「ただいまー、ボンクラ兄貴どもー!可愛いかわいい妹様のお帰りじゃー!控えおろ―!新
  しいゲーム買ってきたぞ―!ゲーム機譲れー!お菓子も出せー!ついでにあたしの代わりに
  説明書を読んで操作方法を教えやがれー!」

A16『特別ルール。末っ子には勝てない』
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最終更新:2011年03月08日 23:42