馬鹿が三人寄れば……


作者:wikiの人◆SlKc0xXkyI

安田:屈強なオタク。
水野:不屈のオタク。
沢井:無双なオタク。


安01「――ハッ、嫌なニュースだ。ここはどこの世紀末だ糞ったれ」
水01「どうした安田? 何を憤っている」
安02「この新聞の一面を見てみな。
   母親が我が子を殺し、逮捕されたというニュースだ」
水02「ふん……育児に疲れての犯行、か。
   しかし今時、珍しくもない。それこそイカレた世界へようこそ、さ」
安03「ああ、そうだ。そうだとも。何も珍しくはなく、世界はとうにイカレている。
   だが俺は憤る。このニュースの内容ではなく、その報道姿勢に!」
沢01「――異常者の犯行、と言われていたな」
安04「沢井か……ああ、その通りだ。
   母親が犯人だと発覚するまでは、異常者の犯行だとされていた。
   まるで俺達のような、アニメを! マンガを! ゲームを!
   ただ愛してやまぬ、無辜のオタクが犯人であるかのように騒ぎ立てた!!」
沢02「子供を殺すのは異常者だ――という事にしたいのさ。
   理解できない殺害。恐怖。ならば理由は、異常者だからだと割り切るしかない。
   そうでもしなければ、どうして我が子を外で遊ばせられようか」
水03「だが、俺達オタクは異常者ではない。
   確かに少しばかり、変わった性癖を持つが――それのみで異常と断ずるはお門違いだ」
沢03「そうだな。しかし一般人が二次元に萌えるだろうか?
   その感情を、俺達が抱える叶わぬ恋を、彼らは理解するだろうか?
   ――答えは否だ。彼らの目には、俺達など異常者にしか映らない」
安05「世間に後ろ指を差される事には慣れている。
   しかし許せないのは、全てのオタクを一括りに危険だとする風潮だ。
   オタクも一般人も――凶行を犯す者は、等しく存在するにも関わらず、だ!!」
水04「……今の世の中は、ともすれば悪夢のようなものだな。
   凶悪犯罪は毎日のように起きている。
   だが、オタクが罪を犯せば――鬼の首を獲ったかのように、奴らはがなり立てる」
沢04「法による規制も現実味を帯びてきているな。
   何もかもが禁じられ、何もかもがなくなった世界――まるで悪い夢のようだ」
水05「良識派を気取る大人には、それこそが理想の世界なのだろうな」
安06「糞喰らえだ。ああ、糞喰らえだとも。
   萌えも燃えもない世界に、存在する価値はあるか?
   そのような世界に生きる意味はあるか!?
   ――無い。皆無で、絶無だ。
   俺は心行くまでカストリ同人を楽しめる世界を望む!」
沢05「しかしオタクは弱い。社会というものに対し、悲しいほど力を持ち合わせない。
   それでも安田、お前は戦うと言うのか。
   眼鏡とバンダナと指抜きグローブを身に着け、突き進むと言うのか!」
安07「答えはYESだ。オタクは今、滅びの危機に瀕している。
   いかに無力であろうとも、立ち向かわねばならない。
   牙を剥き出しに、歯向かわなければならんのだ!!」
水06「ハッ、一人でカッコつけるなよ。俺も付き合わせてもらうぜ」
安08「水野……しかしお前には、壁サークルになるという夢が……」
水07「それもこれも、オタクあればこそ――さ。
   俺達は同士だ。切り離せない運命共同体だ。
   創る者と、受け取る者。オタクはセットでなければ意味がない」
沢06「そうだな――俺も付き合おう。共に地獄へ行こうじゃないか。
   俺達は社会に対し、どうしようもなく負け犬だが、それ故に遠吠えなければならない!」
安09「――ハッ。いい目だ、悪魔のような目だぞお前達。
   ならば行こう、始まりは我らの聖地だ!
   かの地に集う我らの文化を掻き集め、闘いに備えるぞ!!」

安10「――という感じにすれば、秋葉へ行くのもカッコよく見えると思わないか?」
水08「妙な妄想に俺を登場させんな!!」
沢07「というか、カッコよく見せる必要があるのか?」
安11「ああ、冷静に考えればまったくないな。
   何故かと言えば、そう――……」
沢08「俺達が恋する嫁は――……」
水09「二次元、だからな――……」


終わり