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ももじろう

百次郎:主人公?の少年
桃太郎:百次郎の兄
翁:おじいさん
嫗:おばあさん
犬:ワンダフル!
子:近所のよい子たち
ナレーター:自己主張が激しめ


ナ01「昔々あるところにおじいさんとおばあさんが住んでおり……まあ、ホニャララがありまして
   桃から生まれた桃太郎は、鬼が島へと向かうことになったのですが」

翁01「それじゃ、鬼退治に行っておいで、百次郎や」
百01「聞けよジジイ! さっきからムリだっつってんだろ!!」

ナ02「おやおや。叫んでいるのは桃太郎ではなく、ももじろうと名乗る少年です
   一体なにがあったのでしょう、まさか妙齢のおじいさんとおばあさんにちょっとした手違いがあり、新しい愛の結晶が生まれたとでも言うのでしょうか」

翁02「キャッ、は~ずかしい~」
百02「きめえんだよジジイ! 俺はただの里子だろうが!」

ナ03「チッ……せっかく面白くしてあげようとしたのに。
   はてさて、桃太郎ならぬももじろう氏。
   といっても、モモは果物のモモではなく数字の百をモモと読むのでありまして。
   元は、愛人ザックザクとれほうだい、地方豪族の百番目の息子であったのですが
   鬼の軍勢の猛攻による慢性的な不景気により、神社に捨てられておりました」

百03「どっかで聞いたことあるような話だが……で? 鬼が島に行くのは兄貴だろ。なんで俺なんだよ」
翁03「うむ……百次郎や、驚かんで聞いておくれ。
   昨日のことじゃ……」

子01「あーっ、でっかい亀がいるー! 捕まえて亀鍋にしよーぜー!!」
桃01「こら、子供たち、やめなさい!! 動物を苛めると保護団体からクレームがつくぞ!!」
子02「なんだよ、こいつ、邪魔すんじゃねーや!! おい、みんな、こいつシメて金いただいちまおうぜー!」
桃02「え? ちょ、ま……ぬわーーーー!!」

翁04「ぐすっ、かわいそうな子じゃ……! 正義感にあふれていたばっかりに!!」
百04「弱すぎるだろ!! って……え? ま、まさか兄貴、それで帰らぬ人に……嘘だろ!?」
桃03「いや、生きているよマイブラザー」
百05「ギャーッ!」

ナ04「『出たー!』とばかりに隣室の障子がすっと開くと、
   そこには白い美しい反物を持った少女が……いたらよかったのですが
   実際に出てきたのは、体中を白い包帯でグルグル巻きにした男でした。まさにミイラ、またはマミーです」

翁05「桃太郎や! 起きてはいかぬ、お前、まだ折れたままなのじゃぞ……!」
桃04「すみません、おじいさん、でも百次郎にせめて見送りをと……ゴホッ!!」
百06「包帯すげっ……全身骨折かよ。病院に連れてったほうがいいんじゃ……」
桃05「いや、マイブラザー。骨は全部無事さ、ヒビすらない。
   ただ、この心を折られてしまってね……あんな子供にすらヤられるのに鬼退治なんて
   ……ハハハ、僕は 真夏の夜の夢でも見ていたようだ」
百07「包帯意味ないよな!?」
桃06「こんな僕の姿を見ないでくれという意思の表れさ!」
翁06「おお、桃太郎や、思考まで折れてしまって……かわいそうに」

ナ05「全くその通り、余計に目立つ事うけあいです。なるほど、かわいそうとはそっちの意味も含めてだったのですね」

百08「かわいそうでもなんでもいいけど。俺、兄貴と違って剣も持ったことないし。無駄死したくねえからな!」
嫗01「そうは問屋がおろしませんよ」

ナ06「『だ、誰だ!?』と言いたくなる登場で、母屋の木の扉をスパン! と開け放ちその前に立つのは、水も凍るようなかわいらしい少女……だったと推測されるおばあさんです」

嫗02「百次郎や、非力なお前のこと、考えていないこのババではござりませぬ。
   百次郎、このリンゴをお持ちなさい」
百09「あ、ありがと。えっと、リンゴ? だんごじゃなく……うぎゃ!! 手、手えカユッ、カユいっ!!」
嫗03「致死量0.01mgといわれる硫化酸素を注入しました。素手ではムリです。このゴム手袋をお付けなさい」

ナ07「まさに当たるだけでノックアウト!! カラーボールもビックリの威力。
   このように、日常の中にも驚きと恐怖は満ちている。某モリタ氏も言っております」

百10「ハァ、ハァー……危ねえだろうがババア!! 先に言えよ!!」
嫗04「敵をあざむくには味方から。覚えておくがいいわ、小僧」
翁07「ばあさん……やっぱりばあさんはそれでこそじゃ!
   割烹着よりも白装束が似合う、こんな女をワシはッ! 他に知らん!」
嫗05「ほほ、おじいさん、サタデーナイトフィーバーは夜までお待ちになってくださいな」
桃07「よかったね、マイブラザー。これがあればもう君はヒーローさ! 何も恐れることはない」
百11「……ていうか、これさ。兄貴がその無敵リンゴ持っていけば、一件落着じゃねえの?」
桃08「あ」
翁08「あ」
嫗06「あ~あ!」

ナ08「こんな幕間を挟み。やはり主人公は桃太郎。かの青年は鬼が島に向けて出発したのでありました……」

犬01「おい兄ちゃん、いいリンゴ持ってんじゃねーか。一個よこせワン!」
桃09「えっ? きみ、犬だよね? 犬が果物を食べると尿結石の危険性があるし、それにこれ……」
犬02「つべこべ言わずによこせワンッ!!」
桃10「わ、ちょ、ダメだって! ……あ」
犬03「キャイーーーーン!!」

ナ09「――そして、当時の世を震え上がらせた、上総の国無差別動物殺傷事件は、その第一の夜を開け」
百12「いい加減にしろ!!」

―――続かない!
最終更新:2010年10月20日 07:17