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疾風のやうに現れて…

男:山賊 お兄さん(自称)
女:姫様 幼女!幼女!


 (扉スパーン!)
女01「おい、そこな山賊!!」
男01「あん?」
女02「今すぐ、わらわを誘拐するのじゃ!」
男02「おいお前らー、このチビ、誰かのガキかー?」
女03「はっ、話を聞け!」
男03「なんだよ……おにーさんたちは今忙しいの。ガキの遊びに付き合ってる暇はなーいーの。おわかり?」
女04「くっ……小バカにしおって……」
男04「ん、なに? みんな知らねーのかー? おいチビ、おめえ迷子か?」
女05「誰が好き好んでこんな山奥に迷いこむか!! だから誘拐されるために来たと申しておろう!」
男05「ゆーかい……誘拐愉快犯っと、ハッハッハ!」
女06「からかうな! ううー、こっちは決死の覚悟で来たというに……ハッ、そうじゃ! 人違いかもしれぬ!
   の、のう、そこの!」
男06「なによ? しつけえなぁ」
女07「この山に、おぬしたち以外の、その……族の類はいるかの?」
男07「ぞくのたぐいー……猿とか狼とか?
   あと、天狗とかそういうのは話だけなら聞くがなぁ、それと、山姥とか」
女08「きぃぃぃーーっ!! もうよい! 知らぬ!!」
男08「おーい、帰んのー?」
女09「帰る!」
男09「ふーん……もうすぐ夕暮れだし、会えるかもなぁ?」
女10「う? 誰とじゃ?」
男10「だから、猿とか……あとは」
女11「うっ……だ、だだ騙されんぞっ、騙されぬからな!
   主はさっきからからかってばかりじゃ、ハッ、きっと嘘よ、大嘘よ!」
男11「いやー妖怪の類は見たことねえが……狼はたまーに」
女12「ッ! う……だ、騙されぬ、騙されぬ……
   では、暗くならぬうちに行くとしよう、邪魔したな……」
男12「わっ!!!!」
女13「ぴゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」
男13「プッ……ウワッハッハッハッハッハッハッハ!!」
女14「ひ、ひ……う……ぁ……わーーーーーっ!」
男14「お、おいおい、泣くこたぁないだろ……」
女15「わーーーーん、わーーーーーん」
男15「あ? ええーっ、だって俺が泣かしたわけじゃ……いや、そりゃそうだけどさー
   あーもう……おい、チビ! ふもとまで送ってやるから、ほれ、泣き止め!」
女16「うっ……おんぶ……」
男16「ああ!? おい、お前ら笑うなっつーの!! ったく……はいよ!」
女17「ひっ、ひっ……」
 (場面転換・山中)
男17「うー、重ーっ……おめえチビのくせにどこに体重つまってんだよー、少しダイエットしてもいいんじゃねーのー?」
女18「重くない……きもの」
男18「着物? あー、たしかにこりゃ何枚重ねか知らんが重そうだなー……でもなー、この着物差し引いても結構」
女19「フン……おぬし、どうせ子供なんて抱いたためしもないんじゃろ、一人身には子の重さもわかるまいて」
男19「あ! やっぱり嘘泣きしてやがったな、こんにゃろめ」
女20「へーん、そうそう騙される主らが悪いのじゃ!」
男20「そうだなー、うまいよなー。鼻の頭、赤いけどな」
女21「うっ! ……フン、やはり人違いじゃ。本物はもーっとスマートでかっこいいに決まっておる」
男21「んー? 誰かもーっとカッコいい奴に誘拐されるつもりだったのかー?
   俺よりカッコいい奴なんて早々いねえけどなー」
女22「たわけ、そんなタワシのような顔して」
男22「ひっどー……なに、そいつ、そんなにカッコいいの?」
女23「む……顔は見たことないんじゃがな」
男23「えーそんな奴と比べんのー? おにーさん心ー外ー」
女24「誰も見たことがないのじゃ。あちらに現れてはまたこちら……闇夜に隠れて現れる」
男24「月光仮面?」
女25「む? それは知らんが……正義の義賊なのじゃ。悪代官の不正を暴き、業突く大店の貸し渋りを糾弾し」
男25「へー……で、そいつになんで誘拐してもらおうと思った? あれか、お嫁にしてください! みたいな? 押しかけ女房?」
女26「……父が、新しい妻を娶って、もうすぐわらわの母になる」
男26「ふーん……よかった?」
女27「最初は、わらわも喜んだ……父の様子がおかしくなったのはすぐじゃ
    あんな風に、おなごにうつつを抜かし、職務をおろそかにする父ではなかった
   もう、わらわの声は父には届かぬ。家臣たちの声も」
男27「……それで?」
女28「わらわの実母は、京の姫君じゃ。それなりの位も有しておったし、我が城はそれで何度も救われた。
   母の財が継承されるは、一人娘のわらわにのみ」
男28「なる……誘拐されれば、そりゃ一大事になるねー。新しい奥さんも、遊び金が少なくなると嘆き」
女29「父も、正気を取り戻してくださるかもしれぬ……と思ったのじゃがな。ようよう考えても、短慮じゃ、短慮にすぎぬ
    はぁーぁ……正義の味方とて、こんな子供だまし、乗ってはくれぬ」
男29「そうかなぁー……そうでもないと思うぞー」
女30「む……なぜじゃ?」
男30「正義の味方は、いつだって弱いものの味方だって、月光仮面も言ってる」
女31「だから誰じゃ……それ…? ふぁーぁ…………くかー……」
男31「ん……子供の足で山を登ってきたんじゃ、そりゃ疲れるよなぁー。あーあ、熟睡されると余計に重ぇーっ
   ……んでもまあ、次に運ぶ時の予行演習ということにいたしましょー
   はぁーぁ、たわし顔かぁー……やっぱり、次はお面つけて行こ……」
最終更新:2010年10月20日 17:19