※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

『美味しいトンカツの召し上がりかた』


トンカツの揚がり具合を知る方法ですか?簡単ですよ。
こうやってトンカツを油から引き上げるんです。
きちんと中まで火が通っていれば、菜箸を伝ってジジジジと振動が伝わってきます。
ええ、そうです。トンカツが振動しているんです。
……何故って?それはもちろん

トンカツが生きているからに決まっているじゃないですか。

豚さんは屠殺場で首をはねられて死んじゃいます。
血を捨てられて、皮をむかれて、骨を抜かれて、切り刻まれて、
だけどね、かわいそうなことはありませんよ?
こうしてトンカツになって、また生き返るんですから。
バラバラに解体された残骸ひとつひとつが、新たな命に生まれ変わるんです。
ステキですよね。

さて、全部きれいに揚がりました。
みんなジジジジ、ジジジジって元気よく暴れてくれました。
身体もキレイな金色で、まるでかみさまののりものみたい。本当にキレイ。

だけどね、ひとつだけ許せないことがあるんです。
この子たち、油から出てきた瞬間しか暴れないんです。
そんなにこの油と離れたくないんですか?
そんなにこの油のことが好きなんですか?
ムカツク。

ムカツクムカツクムカツクムカツクムカツクムカツクムカツクムカツクムカツク
ムカツクムカツクムカツクムカツクムカツクムカツクムカツクムカツクムカツク
そんなにあの子の方がいいの?
そんなにあの子の方がいいの?
そんなにあの子の方がいいの?ねえ。

あ。だったらこうしましょう。
キミもたしかこっちのほうが好きでしたよね?

玉ねぎを刻みます。玉ねぎを刻みます。トントントン。
トンカツ切ります。トンカツ切ります。ザクザクザク。
痛いかな。もう死んじゃってるかな。でもだいじょうぶ。あなたはひとりじゃないの。
玉ねぎさんも一緒だから。みんなみんなバラバラだから。
お出しを入れます。玉ねぎも入れます。火にかけちゃいます。グツグツグツ。
ごめんなさいね、トンカツさん。あなたはまだなの。玉ねぎさんがお先なの。フフ。
それではあなたにも入ってもらいましょうか。
いいお湯加減ですよ。体の芯まで温まれー。
最後に卵さんも合流します。ゴツンと割って、ぐちゃぐちゃ混ぜて、とろぉり。
トンカツさん、トンカツさん。気持ちいいですか?私はとても気持ちいいよ。

グリンピースを乗せて、できあがり。
あ、ごめんね。トンカツの予定がうっかりカツ丼になっちゃったけど……いいよね?

さあ、命をいただきましょう。