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『たのしい声劇の作り方・声優編』

A:男性。兄。冒頭の会話のネタがリスナーに通じるか心配だそうな。
B:女性。妹。シスコンを隠さなくなってきた兄に不安を感じるそうな。


A01「お綾(あや)、お綾、お綾ったら」
B01「誰だよ」
A02「お綾、お前どうしてこんなことしたんだい」
B02「聞けよ」
A03「この竹のことさ。この高塀に竹立てかけたのは、お綾、お前がやったことだろう?」
B03「……」
A04「ふーん。それじゃ」
B04「あーもう、竹立てかけられた高塀も、濡れ縁の上の濡れ手ぬぐいも、引き抜きにくい古栗
  の木の古切口の古釘もないよ!いいからさっさと本題に入ろう。もう今回のテーマ、だいた
  いわかったから」
A05「そうか。ならば声劇をつくろう!妹よ、声劇をつくろうではないか!タイトルコール、ド
  ン!」

B05『たのしい声劇の作り方・声優編~台詞、読んじゃおうぜ!~』

A06「さて、“声優”なんて言い方は人によっては大げさに感じるかもしれないが、やることは
  実にシンプルだ。台本を読む、そして録音する。以上。というわけで妹よ、早速何か録音し
  てみよう」
B06「いや、いきなり録音してみようとか言われても……。そもそも何を用意すればいいの?マ
  イクは、まあ必要だとして、他には?」
A07「それだけあれば充分だ。我が妹は優秀だなあ」
B07「少しはシスコンを隠す気はないのかね、このバカ兄貴は」
A08「はっはっは。そう照れるな」
B08「照れてない。ウザいの。自覚して、兄貴ウザい」
A09「録音機材についてもう少し説明するとだな」
B09「スルーだと!?」
A10「さっきも言ったとおり、声を録音するにはマイク……と、ああそうだ、あとパソコンが必
  要だな。パソコンがなければ録音もアップロードもできなかった。いやー、お兄ちゃんうっ
  かりしてた。てへ」
B10「キモい」
A11「マイクとパソコンさえあれば録音はできる。ちなみにパソコンで録音するには録音ソフト
  が必要だな。フリーソフトの午後のこ~だとかAudacity(オーダシティ)あたりが有名だ。
  午後のこ~だはシンプルで使いやすいんだが、個人的には録音だけでなく編集もできる
  Audacityがお勧めかな。必要なときはノーマライズもできるし、ノイズだって取れる」
B11「ちなみにインストールの仕方とか詳しい使い方は」
A12「省略だ」
B12「やっぱり……」
A13「なあに、普通に録音するだけなら特に難しいことは無いさ。というわけで早速録音してみ
  よう、我が妹よ!台本はこちら、録音ボタンはもう押した」
B13「はあ!?ええっと、『乙女の夢を守るため、恋するハートを守るため、魔法少女プリティ
  バンキッシュここに参上!悪者たちは即おしおき……』って、何だこれは!誰が書いた!誰
  の趣味だ!兄貴か!兄貴の趣味なのか!?」
A14「グッジョブ!」
B14「せいやっ!」
(※SE:打撃音)
A15「ゲフゥッ」
(※何かの拍子に偶然今録った音源が再生される。セリフB13の『乙女の夢を守るため、恋する
 ハートを守るため、魔法少女プリティバンキッシュここに参上!』がエンドレスリピート。ご
 都合主義的にSE等が挿入されていてもいい)
B15「うわー、わー、恥ずかしい。これ本当に私?なんだか自分の声じゃない気がする。誰だよ
  この媚び媚びな声」
A16「ふっ、妹よ、それは誰しもが一度は通る道なんだぜ。ここからお前の声優としての長く、
  険しい道のりが、今……」
B16「うっさい!いいから止めろ、バカ兄貴」
(※SE:打撃音。セリフB13のリピート停止)
A17「というわけで、声を録音する楽しみを実際に体験してもらったわけだが」
B17「ないない」
A18「ときに妹よ、今録音に使ったそれのことだが」
B18「ああ、そうそう。私普通のマイク持ってないからskype(スカイプ)用のヘッドセットを
  使ったんだけど、やっぱりちゃんとしたマイクを買った方がいいかな」
A19「いや、ヘッドセットでも問題なく録音はできる。ただ、ヘッドセットは口元に近い分どう
  してもノイズが入りやすいな。もしノイズが気になるなら、ボーカル用のダイナミックマイ
  クを1本買って、スタンドで固定して使うのがオススメだ」
B19「スタンドが無い場合は?」
A20「無いなら作ればいいさ。針金ハンガーを適当に折り曲げて作ってみるとか、その辺の棚に
  でもマイクを巻きつけてみるとか。とにかくある程度距離を離して使えるならそれでオー
  ケーだ。でもマイクを手で持つのは、これもノイズの元だからやめておけ」
B20「マイクは口元から離して使うこと、マイクを手で持たないこと、ね」
A21「それとオーディオインターフェイスを使うともっときれいに録音出来るぞ。パソコンとい
  うのはそれ自体から色々なノイズが出るから、普通にパソコンで録音するとどうしてもその
  ノイズが混じってしまう。でも、このオーディオインターフェイスというものを使うと、パ
  ソコンの外で録音の処理ができるから、ノイズをぐっと減らせるんだ」
B21「ええと、要するにオーディオインターフェイスを使うとパソコンからのノイズを減らせる、
  と」
A22「ついでに出力する音質も良くなるから、音楽や声劇をよく聞く人は買って損はないぞ。そ
  うだ、言うまでもないことだがいいマイクを使うと音質はよくなる。コンデンサマイクとダ
  イナミックマイクの音の違いは一目瞭然だ。まあ初心者向きではないけどな。あとはとにか
  く静かなところで録音すること。録音するときは部屋の窓を閉める。テレビの電源は切る。
  エアコンの電源も切る。ケータイの電源も切る。時計の電池も抜く。音の出そうなものはす
  べて片付ける。家族のいない時間を狙う。ペットも部屋から締め出す。というかいっそ家の
  地下に専用のスタジオを作ってしまえ。さらに……」
B22「ストップ!ストップ!ストーップ!なんか話がどんどんとんでもない方向に突き進んでる
  んだけど。スタジオを作るとか無理、常識で考えろ」
A23「ノイズとの戦いはそのくらい厳しいということなのだよ。みんな苦労しているんです。ど
  んないい演技も大きなノイズが入ったら録り直しなんです。全力投球の熱演中にお母さんが
  部屋に入ってくるんです。長い台本の一発録りが選挙カーに台無しにされることだって一度
  や二度じゃないんです」
B23「おーい、兄貴ー、帰ってこーい」
A24「……ふっ」
B24「えーと、そういうわけでリスナーの皆さん、録音環境にこだわるのは素敵なことですが、
  あんまり神経質になりすぎなくてもいいんですよ。楽しくいきましょう。声劇を楽しみま
  しょう。だって、皆が聞きたいのはクリアな音じゃなく、あなたの声、演技なんですから」
A25「今、妹がいいことを言った!」
B25「おお、バカ兄貴復活。それじゃ、せっかくだから今度は演技のコツとかの話をしようよ」
A26「演技のコツか。いいだろう。まずはリスナーにとって聴きやすい演技をすることだ。お腹
  から声を出す、口を開いてはっきり発音する、早口にならずに落ち着いて喋る」
B26「ふむふむ、基本だね」
A27「そしてなにより……人生経験だ!リアルでの経験値だ!どれだけ多くの人と喋ってきた
  か、どれだけ多くの本や映画に触れてきたか、結局のところそれが一番大事だ」
B27「またそれか!編集編から引き続きまたそれか!」
A28「だって演技の好みなんて人それぞれだしー。皆が納得する“いい演技”の条件っていえば、
  やっぱり、ねえ」
B28「自分だって歳の割に人生経験少ないかわいそうな人の癖に」
A29「はうっ」
B29「あらら、また自分の世界に引き篭っちゃった。まったく、精神的に図太いだか脆いんだか。
  今のはちょっと、まあ悪かったかなって思うけどさ。……さて、リスナーの皆さん、そんな
  こんなで、そろそろお別れの時間です。録音の準備から演技のコツまで、色々説明しました
  が、……説明したのかな?……説明しました。わかりにくいところもあったかもしれません
  が、大丈夫、やってるうちにわかってきます。だからまずは、声優、やっちゃおうぜ!」

A30「今回はきれいに締めたな、我が妹よ」
B30「だからそういうこと言わなきゃいいのに……」