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11月15日  第七学区某所 美琴は第七学区のはずれを歩いていた。 なぜそんな所を歩いているかというと、上条を見つけるため、だ。 寮を飛び出した際は例の公園に向かおうと思っていたが、上条がどこかで「助ける」という名目で、どっかの女の子にフラグを立てているかもという考えが頭の中をよぎり、そんな事件が起きそうな場所を歩いている、というわけだ。 (上条としては、「助ける」だけしか頭に無いようだが…) そんなこんなで、隣の学区の近くまできてしまった。 だいたいそんな事件が起きる場所といえば、柄の悪いお兄さんたちが闊歩する建物の廃墟横なのだ。 可能性の一つを潰すために一通り覗いてみたが、上条の「か」の字も見つからなかった。  「まったく、アイツはどこにいるのかしら」 上条自身が事件によく巻き込まれているのは長い付き合いなのでわかっていた。 しかも事ある事に、事件に巻き込まれていた女の子を助け、フラグを立てるのはどうかと思う。 もちろん助けごとに不満は無い。むしろ美琴は上条の「自分を省みずに人を助ける」という部分に惹かれたのもあるからだ。 しかし、フラグを立てるのは我慢できない。 フラグを上条が立てるごとに、ライバルが増えていくからだ。 でもそこは、上条にとっては仕方の無いものだ。今更
11月15日  第七学区某所 美琴は第七学区のはずれを歩いていた。 なぜそんな所を歩いているかというと、上条を見つけるため、だ。 寮を飛び出した際は例の公園に向かおうと思っていたが、上条がどこかで「助ける」という名目で、どっかの女の子にフラグを立てているかもという考えが頭の中をよぎり、そんな事件が起きそうな場所を歩いている、というわけだ。 (上条としては、「助ける」だけしか頭に無いようだが…) そんなこんなで、隣の学区の近くまできてしまった。 だいたいそんな事件が起きる場所といえば、柄の悪いお兄さんたちが闊歩する建物の廃墟横なのだ。 可能性の一つを潰すために一通り覗いてみたが、上条の「か」の字も見つからなかった。  「まったく、アイツはどこにいるのかしら」 上条自身が事件によく巻き込まれているのは長い付き合いなのでわかっていた。 しかも事ある事に、事件に巻き込まれていた女の子を助け、フラグを立てるのはどうかと思う。 もちろん助けごとに不満は無い。むしろ美琴は上条の「自分を省みずに人を助ける」という部分に惹かれたのもあるからだ。 しかし、フラグを立てるのは我慢できない。 フラグを上条が立てるごとに、ライバルが増えていくからだ。 でもそこは、上条にとっては仕方の無いものだ。今更言っても直すことは不可能であり、美琴自身もフラグを立てられた一人(本人はあまり認めたくないらしいが)であるからだ。  「今日、決める!」 だから美琴は悩むのを止めた。行動に移すことにしたのでる。 上条は見当たらない。ならば当初の目的地の公園に行く。 (アイツに会えるまで、何時間も待ち続けてやるんだから!) そう意気込み、美琴は歩を進めた。 何かがおかしい。 美琴はそう思った。 上条絡みの時もあったが、美琴自身もさまざまな事件に立ち会っている。そこで培った感が警告を発している。 (フッッ!) 咄嗟に電磁波レーダーを全周に展開した。周囲はまだ廃墟が広がっているためなんの問題も無い。 レーダーに意識を集中すると、レーダーの網の端に何かを感じた。 その方向に素早く目を走らせると、おおよそ1キロ先のビルだろうか、何か光っていた。 素人目線から見ればビルに反射した太陽の光などと思うだろうが、美琴の目、レベル5の超電磁砲の目から見れば、危険だということはすぐにわかる。 自分の生死に関わるレベルで、だ。 美琴がそれを見た時に思ったこと、それは自分のレールガンと感じが似ているということだ。または第四位の原子崩しだろうか。 (はっっ!) 美琴自身も、その後自分がとった行動をよく覚えていないそうだ。無意識に体が動いた、と。 美琴は制服のポケットからある物を取り出した。 とは言っても、レールガンによく使うゲーセンのコインではない。 それは、コインを二倍の厚さで無機質な物だった。 そしてそれを二枚。 あとはそれを磁力で強引にくっ付け、いつものように打ち出した。 「ドバッッッ!!!」 耳をつんざく大きな音と強力な衝撃波を撒き散らし、オレンジ色の彗星のような尾を残して飛んでいった。 その飛距離約1キロ。寸分たがわず目標に向かっていく。 そう、通常のレールガンではない。 名を、 「改良型長射程超電磁砲(イムプルーベントロングレンジレールガン)」 通常のレールガンとの違いは前述した通り、使用する弾が違う。 通常の弾であるゲーセンのコインは射程五十メートルである。これは皆さん知っていると思うが、空気摩擦により発生する熱により、コインが溶解することが原因である。 (この弱点をテレスティーナに衝かれた) だから美琴は考えた。熱に強い素材を使った弾ならどうか、と。 例えば、ロケットの耐熱パネルや戦闘機の装甲などである。 しかしレールガンを打つには、弾自体も電流を通す伝導体でなければならない。 そして美琴は炭素、カーボンを選んだ。 熱に極めて強く、きちんと加工すればとても丈夫である。 しかも学園都市のオーバーテクノロジーによって手が加えられている。より強力だ。 それを美琴はあらゆる方法を使って、十数個手に入れた。 もっと大量に仕入れてもよかったが、普段はゲーセンのコインで十分事足りるので止めておいた。 説明が長くなってしまったが、例のレールガンは音速の速さでまもなく目標に命中、粉塵をあげていた。 あと数秒遅かったらこっちが攻撃を受けていたかもしれない。  「とっ、とにかくここを離れなきゃ」 そう自分に言い聞かせ、走り出した。 その間に美琴はさまざまな事を考えていた。 一つ、自分に向かって攻撃を仕掛けようとしていた人物は誰なのか。 二つ、なぜ自分を攻撃してきたのか。 三つ、これからどうするか。 他にも細々とあったが、自分でも動揺しているのが手に取るようにわかっていたので、考えないようにした。 そして美琴は上で挙げた中で、三つ目の「これからどうするか」をひたすら考えた。 アンチスキルに助けを求めるのも良いかもしれない。 しかし、たいしたものは望めないだろう。美琴はレベル5なのだ。だからアンチスキルも、レベル5を狙う何者かから美琴を護衛するなど難しいと判断してくるだろう。 アンチスキルが無理だとすると、あとはもう自分で自分の身を守るしかない。 何か理由をつけて、寮に引きこもるのも良いかもしれない。 けれど、黒子や寮監以外の人にもたくさん迷惑をかけるだろう。もし黒子が美琴の本当の事情を知ったら暴走しかねない。 結論、自分の身が守れ、尚且つ人に出来るだけ迷惑をかけないようにする。 が、それは極めて難しい。お嬢様の利を生かして、ホテルを転々とするのも良いが、いつまでそれが出来るかはわからない。 だから美琴はなんとか無理を言って、学園の園の中の寮に変えてもらうように決めた。 警備体制も十分で、中にいるぶんは安全だ。外に出なくても、大抵の用事は中で済む。 と、そこまで考えたその時、体に何か「まとわりつき、拡散」していくのを感じた。 ?、と美琴は思ったが、能力、身体、精神共に異常は感じられない。 気にせず走っていると、人気の多い大通りに出た。 ここまで来れば安心だ。いくらなんでも人の多い場所で騒ぎは起こすまい。  「ふう、なんか短時間で色々な事があって、さすがに疲れたわね」 狙われている事はひとまず棚に上げておいて、美琴は一息ついた。 常に警戒を厳重にしていたら、精神がどうにかなってしまう。それに、今までにもっと危険な事にも巻き込まれている だから焦る気持ちを無理やりポジティブに切り替えた。 と、そこに  「ドンッ!」 人の往来が多い道端で突っ立っていたため、誰かとぶつかってしまったようだ。  「すみません」 美琴はすぐさま振り返り謝った。 が、  「こちらこそ、ってあれ?誰がいったんだろ?」 美琴と肩がぶつかった学生は、そんな言葉を残して立ち去った。 その学生の後半の言葉の意味がわからず、美琴は頭の上に?をたくさん浮かべるのだった。  (人が多くて、私に気づかなかったのかしら?) 美琴はそう解釈し、人ごみの中を気をつけて歩いた。 美琴の現状は悪化 ここまで特に問題はなかった。 周囲の機器に悪影響を及ぼさないように、出力を落として電磁波レーダーを展開、一応警戒はしておいたが何も異常はなかった。 と、またもや 「ドンッッ!!」 さきほどの学生との肩の衝突より強い衝撃が体に伝わり、おもわずよろけた。 気を配っていたつもりだが、路地の少し薄暗く、見通しが悪かったため、またも人とぶつかってしまったらしい。  「てめぇ、どこ見て歩いてやがる!!」 どうやら先ほどのような、健全な学生さんとぶつかったわけではないようだ。 美琴はため息を一つついた。 こういうバカの相手には慣れているが、今日は一つ大きな厄介事に巻き込まれたため正直勘弁してほしい。 そう美琴が考えていると  「って、誰もいねーじゃねーか!もしくは能力者か!くそ卑怯なヤツめ」 健全な学生、ではなく不良のお兄さんはそう言ったあと、能力者の悪口を罵りながら歩いていった。 美琴はわけがわからなかった。 不良のお兄さんとぶつかったのは自分であるし、能力などを使って何かしたわけでもない。 だから美琴は最初、不良の目がおかしいのかと思った。 しかしそれで片付けるには、なにか違和感を感じた。 さきほどの学生と不良、二人の言った言葉の内容が、全く同じだったということ。 美琴は狙われた時に感じた動揺とは別種のものを感じていた。 ぶつかったあの二人の言葉を考えると、ある一つの考えが浮かんだ。 そう  『まるで自分の姿が周りから見えなくなってしまった』 いわゆる透明化である。 しかし美琴はその考えをすぐに打ち消した。 (そんなことはありえない) 心の中でそう思った。 だがやはり心の端っこで (もしかしたら…) その考えはぬぐいきれず、いつのまにか心を蝕んでいた。  「クッ!」 美琴は半ばヤケになって走り出した。 まるでその考えを振り切らんばかりに。 同日  公園 公園内は閑散としていた。 まぁ、いつも大体こんななのだが。 美琴としては一刻も早く寮に帰り、落ち着いて事態を収拾したいところなのだが、ある事実をはっきりさせるためここに来た。 別にここじゃなくても、他の場所で確かめられた。 なぜここにしたのか、美琴自身もわからない。 まぁ、そこらへんは置いといて、美琴はすぐさまトイレに向かった。 別に用を足しに来た訳では無い。 鏡に映る自分の姿を見に来たのだ。 ビルのガラスや店のショーウィンドウで確認する事が出来たのだが、美琴はしなかった。 怖かったのだ。 もし自分が恐れている現実が本当だった時、恐らくその場から動けなくなってしまうだろう。 だからあまり人目につかないここを選んだ。 下を向いてトイレに入った。 そして、ここにも技術が詰まってますとでも言いたそうな、洗練された洗面台の前に立った 顔上げれば、速攻で現実に白黒つく。 出来るならこのまま寮へと真っ直ぐ帰り、これからのこと(狙われていることにどう対処するか)について考えたかった。 しかし、ただでさえ狙われているという大きすぎる厄介事を抱えているのに、これ以上増やしてしまったら恐らく耐えられず、暴走してしまうだろう。 この状況に区切りをつけるため、美琴は覚悟を決めた。 意を決し、顔を上げて鏡を見た。 そこに映っていたのは…… つづく

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