上条「キングダムハーツ?」1

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上条「キングダムハーツ?」1 - (2010/10/29 (金) 22:12:34) の編集履歴(バックアップ)


ドナルド「……今度こそ無事に着陸できたみたいだね」

グーフィー「この世界には着陸しやすい場所が少ないから大変だよねぇ」

ソラ「この建物の屋上があいてて良かったな」

ソラ「それにしても……この世界は平和なままだといいんだけど」

グーフィー「あれ? ソラ、あそこにいるのミコトじゃないかな?」


ミサカ?号「横風が強い……照準を3クリック修正」

ミサカ?号「ビル風、三方向からの渦……照準を右に1クリック修正」


ソラ「本当だ! おーい、ミコトー!」

ミサカ?号「目標コード……『一方通行〈アクセラレータ〉』」カチャッ

ズダダダダダダッ!!

 

パキュゥン……!!

ドガァーンッ!!

ソラ「ミコト!?」

ドナルド「ななな、何が起こったの!?」グワァッ

ミサカ?号「うぐ……」ハァハァ

グーフィー「ミコト、大丈夫!?」

ミサカ?号「……只今実験行動中です。関係者でない方は早急にこの場から離れてください」

ミサカ?号「……とミサカは注意を促します」ダッ

ソラ「ちょ、ちょっと待てよ!」

ソラ「……行っちゃった」

ドナルド「いったいなんだったの!?」

グーフィー「実験がどうとかいってたけど……なんだか様子が変だったねぇ」

ソラ「とにかくミコトが心配だ! 急いで追おう!」ダッ

ドナルド「あっ、ソラー!」

グーフィー「まってよぉ~」


――――――

ミサカ?号「はぁ、はぁ、はぁ……」

ミサカ?号「!?」ビクッ

一方通行「…………」ニヤリ

 

―――路地裏

グーフィー「全然見つからないねぇ」

ドナルド「きっともう家に帰ったんじゃないかな?」

ソラ「うーん、でもケガもしてたみたいだし……」

ソラ「ただ事には思えないよ!」

グーフィー「……ねえソラ、さっきの本当にミコトかな?」

ソラ「え?」

ドナルド「うん、僕もグーフィーと同じこと考えてた」

ソラ「ドナルドまでどういうことだよ?」

ソラ「確かに様子がおかしかったけど……あれはどこからどう見てもミコトだったろ?」

グーフィー「ミコトの能力は確かサンダー系の能力だったよね」

ソラ「ああ……確か『電撃使い〈エレクトロマスター〉』って言ってたっけ」

グーフィー「だからだと思うんだけど、ミコトの体からはいつも電磁波みたいなものが出ていたんだよ」

ソラ「電磁波? そんなの出てたっけ?」

ドナルド「もちろん目には見えないし、きっとソラには感じることもできなかったと思うんだけど」

ドナルド「僕たちは結構そういうのに敏感なんだよ」

グーフィー「多分あれだと動物には懐いてもらえないだろうねぇ」

ソラ「そうだったのか……」

ソラ「って、それが何の関係があるんだよ?」

グーフィー「さっき会った時、その電磁波がすごく弱かったんだよ」

ソラ「弱かった?」

グーフィー「うん、前はあんなに強かったのに……」

ドナルド「さっきは本当にかすかに感じられるくらいだったよね」

ソラ「でもそれだけであれがミコトじゃないなんて……」

ソラ「だいたい、あれがミコトじゃなかったら一体誰なんだよ?」

グーフィー「それは確かにそうなんだけど……」

ソラ「さっきはケガしてたみたいだし、きっとそのせいじゃないのか?」

ドナルド「……!? 二人とも、あれ見て!!」グワァッ

ダスク「……」ズゥッ

グーフィー「あれは……ノーバディだよ!?」

ソラ「またここにⅩⅢ機関が来てるのか!?」

ダスク「……」シュルルッ…

ダスク「……」シュルルッ…

ドナルド「あ、集まって来た!?」

ソラ「皆、来るぞ!!」チャキンッ

ダスク「キシャァァァッ!!」グアァッ

 

――――――

ミサカ?号「…………」

ズウウウゥゥッ…

一方通行「ったく、息の根止めるとあっけなく消え失せやがって」

一方通行「……つまンねェな」

一方通行(まァただの超電磁砲の劣化コピー……)

一方通行(心ももたねェただの『欠陥人形〈レプリカ〉』だからな)

一方通行「心がない、か……」


『一方通行、心がないのはお前も同じであろう』

『誰にも感情を向けず、相対する意思すら起こさせないために絶対的な力を欲する……』

『これでは心がないのと同じことだ』


一方通行「……あの黒フード、勝手なこと言いやがって」

 

――――――

ソラ「とどめだっ!!」ザシュッ

パシュゥンッ!

ソラ「はぁ、はぁ……これで全部か?」

ドナルド「もう、本当にしつこい奴らだなぁ!」グワッ

グーフィー「ますますミコトのことが心配になってきたねぇ」

ドナルド「……あっ、あそこにまだ一体残ってるよ!?」

ソラ「えっ……本当だ!」

グーフィー「でも暗くてよく見えないねぇ」

ソラ「先手必勝だ!!」ダッ

グーフィー「あっ、ソラ!」

ソラ「覚悟しろ、ノーバディ!!」ブゥンッ

一方通行「あン?」

ザシュンッ!

……バキュゥンッ!

ソラ「うわあああっ!!」ドサッ

ソラ(なんだ……? 今、跳ね返された……?)

ドナルド「ソラ!?」グワッ

ドナルド「ドナルドサンダー!」グワグワッ

バチバチバチバチィッ!!

……バキュゥンッ!

ドナルド「グワワワッ!?」ビリビリビリッ

ソラ「ドナルド!?」

一方通行(なんだ、こいつらも俺に突っかかってくる馬鹿どもか……)

一方通行(それにしてもなンだァ? 大道芸人かなンかかこの着ぐるみは?)

ソラ(なんなんだこいつ……ってあれ?)

ソラ「……ノーバディじゃない?」

一方通行「あァ?」

ドナルド「僕たちの勘違いだったみたいだね……」

グーフィー「もう二人とも、よく確かめようよぉ」

ソラ「ご、ごめん君!!」

一方通行(まあやるこたァ済んだし、さっさとずらかるか……)

ソラ「あ、ちょっとまって!!」

一方通行「あン?」ギロッ

ドナルド(な、なんかこの人……)

グーフィー(普通の人じゃなさそうだねぇ)

ソラ「俺たち今友達を探してるんだ」

ソラ「俺と同じくらいの年の女の子で、茶髪のショートカットの子なんだけど……見なかった?」

一方通行「はァ?」

一方通行(そりゃどう考えてもさっき殺ったレプリカのことじゃねェか)

一方通行(……いや、あいつらに友達なんざいるわけねェ)

一方通行(とすればこいつらが探してるのはオリジナルの超電磁砲の方か)

一方通行(いずれにせよ俺の知ったこっちゃねェな)

ソラ「あの……?」

一方通行「……知らねェな。他を当たってくれねェか」

ソラ「そっか……ありがとう」

ドナルド(ちょっとソラ!)コソコソ

ソラ(なんだよドナルド?)コソコソ

ドナルド(ノーバディじゃなかったみたいだけど、なんかあの人すごく怪しいよ!)コソコソ

ソラ(そうか? 確かにちょっと怖いけど……意外といい人かも知れないぞ?)コソコソ

グーフィー(どっちにしても、ただものじゃなさそうだねぇ)コソコソ

一方通行(……行くか)

ミサカ?号「……実験開始まであと四分三十五秒です、準備はよろしいのですか?」

ミサカ?号「……とミサカは確認をとります」

一方通行「あン?」

ソラ「み……ミコト!?」

ミサカ?号「ミコト、とはお姉さまのことですか?」

ドナルド「お姉さま……って、ミコトの妹?」グワッ

グーフィー「ずいぶんそっくりなんだねぇ」

ミサカ?号「おっしゃる通り私は妹です、とミサカは積極的に肯定します」

一方通行「なンですかァ、もう実験開始ですかァ?」

ミサカ?号「正確にはあと三分五十二秒で実験開始です」

ミサカ?号「関係者以外の方は速やかにこの場から離れてください、とミサカは警告します」

――――――

 

ミサカ?号「『キーブレードの勇者には手を出すな』と、あの方がおっしゃったのを忘れたのですか?」

ミサカ?号「とミサカは先ほどのあなたの行動を諌めます」

一方通行「やっぱりあれがキーブレードってやつかァ」

一方通行「つかなンにもしちゃいねェよ、あいつらが勝手に突っかかってきただけだ」

一方通行「それに『あの方』ってのはあの黒フードのことかァ?」

ミサカ?号「はい。彼は実質的にこの実験の責任者」

ミサカ?号「その意向に沿わない行動は慎んだ方がよいとミサカは考えます」

一方通行「天井亜雄の代理人とか言ってやがったあの野郎か……」

一方通行「あいつ恰好からして怪しいが、何を考えてやがるのかさっぱりわからねェ」

一方通行「あの黒フード、いったい何者なンだ?」

ミサカ?号「単なるレプリカであるミサカには分りかねます」

ミサカ?号「とミサカは答えます」

一方通行「まァいい。あの野郎が言うからキーブレードの勇者はどンなもンかと思ったが……」

一方通行「なンだか頼りなさそうだな。お前らの方がよっぽと楽しませてくれそうだぜ」

ミサカ?号「ほめていただきうれしいですが……」

ミサカ?号「17時29分45秒。これより実験を開始します」

ミサカ?号「被験者・一方通行は所定の位置についてください、とミサカは伝令します」

一方通行「ったく少しは会話を楽しもうって気持ちはねェのかね……」

一方通行「っと、お前らには心がねェンだったな……できそこないの乱造品!」グアッ

 

――――――

一方通行「一丁上がりってかァ」

一方通行(相も変わらずあっけねェ奴らだぜ……)

ズウウウゥゥッ…

一方通行「!?」

黒フード「実験は順調のようだな」

一方通行「アンタか……いったい何の用だ?」

黒フード「すでに一万を超える戦闘のデータが集まったところだが……」

黒フード「一方通行、お前に見せたいものがある」

一方通行「あン? 見せたいものだァ?」

黒フード「……これだ」グッ

ズウウウゥゥッ…

打ち止め「あー、こんなところにつながってたんだーってミサカはミサカは驚きを素直に表現してみる!」

一方通行「おいてめェ……こりゃなンの冗談だ?」

一方通行「まさかこいつが次の実験の相手とか言わねェよな?」

黒フード「ほう……さしもの『第一位』でも、幼い少女を手にかけるのは気が引けるか」

一方通行「はン、こンなガキじゃ何のデータの足しにもならねェって言ってンだ」

打ち止め「そんなふうに言われるのは心外かもってミサカはミサカは抗議してみる!」

黒フード「ふっ、安心しろ。これは通常の個体とは異なる上位個体……」

黒フード「検体番号20001、『最終信号〈ラストオーダー〉』だ」

一方通行「上位個体ィ? このちンちくりンがァ?」

打ち止め「確かにどうして他の個体と違って小さめなサイズなのかは分からないけど……」

打ち止め「ちんちくりんだなんて言われるのは傷つくよって、ミサカはミサカは乙女心を見せてみる!

一方通行「上位個体だけあって通常の数倍うっとおしいのは確かみてェだな……」

一方通行「それで、こいつを俺に見せてどうしようってンだァ?」

黒フード「……実験は一時中断だ」

一方通行「はァ?」

黒フード「実験のない間、お前にこの最終信号の面倒を見てもらおう」

打ち止め「め、目覚めて間もなく里親に出されちゃうのって、ミサカはミサカは動揺を隠せないでいたり!」

一方通行「……どういうことだァ? ガキのお守がレベル6への鍵だとか言い出すンじゃねェだろうな?」

黒フード「……じきにわかるだろう」

ズウウウゥゥッ…

一方通行「!? てめェ、待ちやがれ!!」ダッ

黒フード「もし最終信号に何か異常があれば、研究所に来てくれたまえ」

黒フード「……しかるべき処置を取ろう」フッ

一方通行「ちっ、あの野郎……一体何考えてやがる」

打ち止め「もう遅いし、あなたのおうちに帰ってあったかい布団に入りたいって、ミサカはミサカは希望を述べてみる!」

一方通行(……行くか)

打ち止め「ちょ、ちょっと待ってってミサカはミサカはあせって懇願してみたり!!」

アナタイガイニタヨレルヒトハイナインダカラッテミサカハミサカハ……

一方通行(俺にどうしろってンだ……)

 

――――――

ソラ「まさかミコトにあんなにそっくりな妹がいたなんて、ビックリしたなぁ……」

ドナルド「僕たちがビルの上で見たのもあの子の方だったんだね」

グーフィー「電磁波がすごく弱かったのも納得がいったねぇ」

ソラ「それにしても……実験って言ってたけど、ミコトの妹はあんなところで何をしてたんだろう?」

ソラ「それにあの真っ白い人……」

ドナルド「まるで僕たちの攻撃が反射されたみたいだったね」

ソラ「ひょっとしてあれも超能力なのかな?」

グーフィー「いったい何者なんだろうねぇ、あの人」

ソラ「とにかくさっきのノーバディのこともあるし、この世界にまたⅩⅢ機関が来てるのかもしれない」

ソラ「この世界を守らないと!」グッ

ソラ「ふう……やっと開けたところに出れたな」

グーフィー「もう日も暮れかかってるみたいだし、ミコトたちに会うのは明日にした方がいいかもねぇ」

ドナルド「それじゃあこれからどうする?」

ソラ「うーん……あれ、誰かハートレスに襲われてるぞ!?」

――――――

シャドウ「……」ウジャウジャ

上条「いきなり現れて驚かせやがって……缶ジュース全部ぶちまけちまったじゃねーか!」

上条「ああもう、不幸だ―!!」ガクッ

シャドウ「……」ズゥッ

シャドウ「……」ズゥッ

上条「畜生、ウジャウジャ集まって来やがって……」

シャドウ「……!!」グアッ

上条「う、うわああああ!!」グッ

パキュゥンッ!!

シュウウウゥゥゥッ…

上条「き、消えた……?」

上条(幻想殺し〈イマジンブレイカー〉が効いているのか?)

ソラ「トウマ! 大丈夫か!?」

上条「えっ?」

グーフィー「僕たちが来たから、もう安心だよぉ」

ドナルド「ハートレスめ、覚悟しろ!」グワッ
ドナルド「ドナルドサンダー!!」ビリビリィッ

グーフィー「グーフィーブレイド!!」ブゥンッ

ズガアァーンッ!!

上条(なんなんだこの二匹の不思議生物と一人の少年は?)

上条(……俺の知り合いなのか?)

シャドウ「……」ズゥッ

ソラ「!? トウマ、危ない!!」

シャドウ「……!!」グアッ

上条「お前ら、さっきから好き勝手やりやがって……」

上条「これでも喰らいやがれ!!」ズガッ!

パシュウゥンッ!!

ソラ「ハートレスが消えた……!?」

グーフィー「イマジンブレイカーはハートレスにも有効なんだねぇ」

上条(こいつらイマジンブレイカーのことも知ってるのか……)

上条(『必要悪の教会〈ネセサリウス〉』のやつらか?)

ドナルド「皆、気を抜かないで!」グワッ

シャドウ「……」ウジャウジャ

ソラ「くそ、まだいるのか!?」

上条「いいぜ……徒党を組みゃ何とかなるって思ってんなら」

上条「まずはそのふざけた幻想をぶち殺す!」

 

――――――

ドナルド「ようやくハートレスも皆いなくなったね」

ソラ「トウマがいてくれたおかげで助かったよ!」

上条「あ、ああ……」

上条(しかし俺に着ぐるみの知り合いがいたとは……俺って何者だったんだ?)

ドナルド「う~ん、なんか変だなぁ~?」ジロジロ

グーフィー「? どうしたのドナルド?」

ドナルド「ひょっとしてトウマ、僕たちのこと忘れちゃったんじゃないの?」

上条「え、えぇっ!?」

上条(ヤバイ、ばれた!?)

ソラ「え? そうなのか、トウマ!?」

上条「い、いやそれはその……」

上条(まさかハイそうですとは言えないし……)

グーフィー「でもあの時一回会っただけだしねぇ、しょうがないよ」

上条「はい?」

ソラ「そういえばそうだな……」

ソラ「俺はソラ! で、こっちがドナルドとグーフィー!」

ソラ「俺たちミコトの友達なんだ、改めてよろしくな!」

上条「あ、ああ! あのビリビリの友達か!」

上条(なんて単純な奴らなんだ……)

上条(つかあの常盤台のお嬢様、顔広すぎだろ……どこでこんな着ぐるみと友達になるんだ?)

上条「とりあえずその着ぐるみの中身とか、あのウジャウジャした黒いのがなんなのかとか」

上条「色々聞きたいことが色々あるんだが……」

グーフィー「散らかったこの缶ジュースをなんとかしたほうがいいかもねぇ」

上条「ああ、さっきの黒いやつらがいきなり現れたおかげでぶちまけちまったんだ」

上条「悪いけど拾うの手伝ってくれるか?」

ソラ「もちろん、お安い御用だよ!」

ドナルド(もう着ぐるみについて突っ込むのは疲れたよ……)

――――――

ソラ「ふぅ……これで全部かな?」ギッシリ

グーフィー「それにしてもずいぶんたくさん買ったんだねぇ」

ドナルド「もしかして福引かなんかを当てたの?」

上条「全部実費だよ、ちょっとばっかヨゴレな一品だけどな」

上条「ひぃ、ふぅ、みぃ……あれ、一本足らないな?」

御坂妹「あの……」

ソラ「ミコト?」

上条「あれ、お前……さっき妹連れてどっか行かなかったっけ?」

御坂妹「ひょっとするとこれがその最後の一本でしょうか」

御坂妹「……とミサカは確認をとります」

上条「ああ、なんだ妹の方か。ジュース拾ってくれてサンキューな」

ドナルド「うーん、どっからどう見てもミコトなんだけど……」

グーフィー「本当にそっくりだよねぇ」

ソラ「えーっと……君、名前はなんていうの?」

御坂妹「ミサカの名前はミサカですが……とミサカは即答します」

ソラ「えっ?」

グーフィー「それってどういうこと?」

ドナルド「一人称が苗字で、おうちで困らないのかな?」

ソラ「……そういえば実験はもういいの?」

御坂妹「実験、ですか……?」

御坂妹「ああ、先ほど行われた実験でしたら滞りなく終了いたしました」

御坂妹「……とミサカは答えました」

ソラ「そっか、よかったな!!」

御坂妹「はい」

御坂妹「それでは、もう手を貸す必要がないのなら……」

ドナルド「……行っちゃった」

グーフィー「なんだか不思議な子だよね」

上条「不思議っつーか、なんつーか……」

ソラ「トウマはミコトの妹のこと知ってたのか?」

上条「いや、今日の昼間初めて会っただけだ」

上条「……俺にもいまいちよくわからん」

グーフィー「とりあえず、このジュースをトウマの家まで運ぼうよ」

ドナルド「うん、冷たくなくなっちゃうもんね」

上条「三人とも悪いな、案内するよ」

 

―――アパート

グーフィー「そういえばこの街の人たちは皆お父さんやお母さんの元を離れて暮らしてるんだよねぇ」

ソラ「じゃあトウマもここで一人暮らししてるのか?」

ドナルド「まったく、ソラもそのくらいしっかりしてくれるといいんだけどね!」ペタペタ

ソラ「あー、言ったなドナルド!」

上条「おいおいお前ら……」

上条「つーかまあいろいろ事情があってな、居候が一人いるんだよ」

ソラ「居候?」

グーフィー「クラスメイトの人と一緒に暮らしてるの?」

上条「いやそうじゃなくて、なんて説明すればよいのか……」ガチャッ

インデックス「おかえりなんだよとうま!!」バッ

インデックス「おなかすいたんだよとうまー……ってあれ? とうまのお友達?」

ソラ「トウマの家の居候って、この子!?」

ドナルド「ひょっとしてトウマって……」ジトー

上条「ちげーよ、だからそんな目で見んじゃねえドナルド!」

グーフィー「人の趣味は色々だからねぇ、あんまり追求しちゃだめだよドナルド」

上条「グーフィー、お前までそんなこと言うんじゃねーよ!」

インデックス「……?」ジーッ

上条「? ……なにお前ソラのことじっと見てんだ?」

ソラ「そうだよインデックス、俺の顔に何かついてるか?」

インデックス「えっ?」

ドナルド「? ソラ、この子の名前知ってるの?」

ソラ「あれ……変だな、はじめて会うはずなのに」

インデックス「ううん、いいんだよ。インデックスであってるんだよ!」

上条「……どういうことだ?」

グーフィー「この世界に来たからソラも超能力に目覚めちゃったのかもねぇ!」

ドナルド「すごいよソラ! 予知能力!?」

ソラ「まさか、ただの偶然だってば!」

上条「俺なんてあんなに苦労してもなんにもねえってのに……」ガクッ

インデックス(どこかで会ったこと、あるような……)

インデックス(ううう、思い出せないんだよ)

 

――――――

ソラ「……そんなわけで俺たちはいろんな世界を旅してるんだ」

上条「キーブレードの勇者にハートレスだのⅩⅢ機関だの……」

上条「いくら科学と魔術の交差地点にいる上条さんでも、理解の限界ってものがありますよ」

グーフィー「でもⅩⅢ機関がこの世界に来てるのは確かみたいなんだよねぇ」

ドナルド「ほら、前にトウマを襲った黒フードの奴らだよ!」

ソラ「ちょっと待てよ、あれはリクだったんだってば!」

上条(そんなことまであったのかよ……俺、よく今まで無事でいやがったな)

インデックス「…………」

インデックス(ソラが持ってたキーブレード、あれは……)

上条「インデックス?」

インデックス「えっ?」

上条「どうしたんだよ、珍しく元気ないじゃねーか」

上条「お前の10万3000冊の中にも書いてねーことばっかりで落ち込んじまったのか?」

ドナルド「10万3000冊?」

グーフィー「そんなたくさんの本がどこにあるの?」

インデックス「むむ、ちゃんとあるんだよっ! 私の頭の中に!!」

ソラ「頭の中?」

上条「こいつは『完全記憶能力』ってのをもってて……」

インデックス「世界中のあらゆる魔導書、占めて10万3000冊をすべて記憶してるんだよ!!」フンスッ

ドナルド「それで『禁書目録〈インデックス〉』なんて名前なんだ」

グーフィー「この世界の人は、こんな女の子でもすごい力を持ってるんだねぇ」

インデックス「ふふんっ、もっと尊敬してくれてもいいんだよ!」

上条(……なんでこいつらはこんなにすんなり受け入れられるんだ?)

ソラ「すっげー! 10万3000冊、本当に全部覚えてるのか!?」

ソラ「それならハートレスやノーバディについてのこと何かわからないか?」

インデックス「もっちろん、書かれていないことなんてないんだよ!」

インデックス「ハートレス……闇に染まった、『心無き者』」

上条(『心無き者〈ハートレス〉』……そのまんまじゃねーか)

インデックス「でも、その正体は『自らの心の闇に打ち敗れた心のみの存在』なんだよ」

インデックス「そして強い心をもった人がハートレスとなるとき、残された魂と肉体が意志を持って動き出すことがあるの」

ドナルド「確かそれがノーバディなんだよね」

グーフィー「イェン・シッド様がおっしゃってた通りのことだねぇ」

ソラ「それで、あいつらを一気に倒しちゃう方法とか……なんかわからないのか?」

インデックス「うーん……魔術の世界でも心に関する研究は禁忌中の禁忌だったのかも」

インデックス「これ以上のことはわからないんだよ」

ソラ「そっか……」ガクッ

上条「あんまり気い落とすなよ、ソラ」

上条「そもそもこいつの頭が役に立ったことなんてあったかどうか疑問なくらいだからな」

インデックス「むぅ! とうま、今の言葉は聞き捨てならないんだよ!」

インデックス「それに一生懸命頭をつかって、いっそうおなかが減ったんだよ!」

インデックス「とうま、早くご飯の準備をしてほしいかも!」

上条「はいはい……今準備しますよ暴食シスターさん」

インデックス「私ととうまの分だけじゃなくて、ちゃんとソラ達の分もだよ!」

上条「えぇっ!?」

ソラ「い、いいの!?」

上条「いやうちの家計g」

インデックス「もちろん! キーブレードの勇者は強い心をもった選ばれし者!」

インデックス「遠慮する必要なんかないんだよ!!」

上条(お前いつからそんな決定権を持つようになったんだ!!)

インデックス「何かなとうま、その不満そうな顔は」

上条「いやお前なぁ……」

グーフィー「でも学生なのに毎日二人分の食費がかかるんじゃ大変だよねぇ」

ドナルド「うん、やっぱりごちそうになるなんて悪いよ」

ソラ「たしかにそうだよな……」

上条(……いつも二人分で済めば楽なんだけどな)

上条「はぁ、別に晩飯くらいかまわねーよ」

上条「無限大に3足したところで大した違いじゃねーしな」

インデックス「そうなんだよ、大した違いじゃないんだよ!」

上条「お前が言うんじゃねー!!」

 

 

―――学園都市某所

シャドウ「……!!」グアッ

神裂「はぁっ!!」ザシュンッ

シュウウウゥゥゥッ……

神裂「……これで最後のようですね」

土御門「さっすがねーちん、お見事だにゃー」

神裂「この程度のハートレス、何体束になろうとも敵ではありません」

神裂「それよりも本題の……闇の回廊の件についてですが」

土御門「ああ、最近になって頻繁に他の世界からつながるのが観測されているにゃー」

土御門「使うたんびに心が闇に蝕まれちまうあんな代物、そう簡単に使える奴らは限られているぜよ?」

土御門「……心が存在しないってんなら話は別だがにゃー」

神裂「存在しない者〈ノーバディ〉……!」

神裂「やはりⅩⅢ機関がまた動いているのですか?」

土御門「その可能性が高いぜよ」

土御門「今のところ目立った動きはないようだけど……」

土御門「禁書目録を狙っているかもしれないにゃー」

神裂「!!」

土御門「ねーちんはカミやん達の近くで監視をお願いするにゃー」

土御門「俺も独自で奴らのことを調べるぜよ」

神裂「分りました……何かわかったらお願いします」

神裂(ロクサス……あなたなのですか?)

 

――――――

アクセル「学園都市か、実際に来るのは初めてだな」

アクセル「アイツ……元気にしてっかなぁ」

アクセル「ああ、この一年のことはきれいさっぱり忘れちまってるんだっけか……」

アクセル「……それなら気兼ねなくことを運べるってもんだぜ」

アクセル(おいおいネセサリウスとやらも勘づき始めてる頃だ、なるべく早いとこカタをつけたいが)

アクセル(とりあえず隙を見せるまでは様子見だな)

アクセル「待ってろよ……機関15番目のメンバー、『インデックス』さんよ」

 

―――次の日

インデックス「とうま、本当に学校に行っちゃうの!?」

インデックス「『世界の危機』と『補講』のどっちが大事なの!?」

上条「そりゃ俺だってできれば何かしてやりたいけど……」

上条「俺にとっちゃ目下『進級』ってのが至上命題なんだよ」

グーフィー「確かにトウマが手伝ってくれたら心強いんだけどねぇ」

ドナルド「でも無理を言って手伝ってもらうわけにもいかないよ」

インデックス「むぅ……」

ソラ「心配するなって、インデックス!」

ソラ「『世界の危機』は俺たちで守って見せるからさ!」

 

『心配するなって! インデックスのことは俺が守って見せるからさ!』

インデックス「…………」

インデックス「……わかったんだよ。 ソラのこと、信じるんだよ!」

ソラ「ありがとう、インデックス!」

ドナルド「女の子の前だけじゃなくて、いつもそのくらいやる気があるといいんだけどねぇ」グワッ

ダ、ダカラソウイウンジャナイッテバ!

マァマァフタリトモオチツイテ…

インデックス(今といい、キーブレードといい……)

インデックス(やっぱり似てるんだよ!)

上条「……ってやべっ、もうこんな時間じゃねーか!?」

上条「俺もう行くから! インデックス、戸締りちゃんとしろよ!?」

上条「ソラ、ドナルド、グーフィー! またあとでな!」ダッ

インデックス「いってらっしゃいなんだよとうま!」

グーフィー「トウマ、気をつけてねー」

ドナルド「車にひかれないようにね!」グワッ

ソラ「……さて、俺たちもそろそろ行くか」

インデックス「どこか行くあてはあるの?」

ソラ「前にこの世界に来た時に友達になった人がてさ」

ソラ「これからその友達のところを訪ねてみようと思ってるんだ」

インデックス「……それが終わったら、またここに帰ってきてほしいかも!」

インデックス「『超機動少女〈マジカルパワード〉カナミン』、今日は感動の最終回なんだよ!」

インデックス「その感動をできるだけたくさんの人と分かち合いたいんだよ!!」

ソラ「まじかるぱわーど……?」

ソラ「よくわかんないけど、わかったよ!」

グーフィー「あっほほ、なんだか楽しみだねぇ」

ドナルド「そのためにも頑張ってこの世界を守らないとね!」

ソラ「それじゃあ二人とも、行こう!」

インデックス「いってらっしゃいなんだよ!」

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