「ガルエージェンシー」なる組織の「岡島」という男の日記を入手した。これは抜粋である。
12月△日
今日、近所の理峯堂書店に行くと、来年の日記が平積みになっていた。
「もうそんな季節になったか」なんとなくそう思い、日記を購入した。三日坊主の私がどこまで続くかわからないがやってみよう。
○月□日
ローターが小楠様と遊んでいた。
「本当に小楠ちゃんはかわいいよな」
ローターがこの一言を言った瞬間親方がどこからともなく出てきて、
「ほう……。ちゃん付けとはいい度胸だ……」
などといってローターを殴る蹴るしだした。
あまりの暴力に小楠様が泣き出した。
親方……。自重してください……。
○月×日
森田が気まぐれに鳥小屋を作っていた。鉋の掛け方が甘かったので指摘したら、
「………………………………そうか……………………………………」
と言って、また一心不乱に鉋を掛け出した。
でも、相変わらず掛け方が甘い。こういった作業は木目細やかな作業が必要なのに…………。
×月△日
小楠様が
「おかじまぁ☆ボクとあそびませんかぁ?」
と言ったので遊んで差し上げた。
小楠様はかくれんぼをしたいと言った。ローターと親方も加わることになって、ローターが鬼になった。
ローターが数を六まで数を数えると、「ビターン!」と言う音がした。
小楠様は転んで涙目になっておられた……。すぐに救急箱を持ってきて手当てして差し上げたら、
「おかじまぁ……。ありがとぉ……☆」
との言葉をいただいた。とても愛らしかった。親方の溺愛も頷ける。
△月○日
街を巡回していたら亜季が
「兄さんはどうして親方さんについていってるの?」
と聞いてきた。
そんなこと決まっている。あの事件以来私は親方についていくと決めたのだ。それは森田もローターも同じだ。親方と小楠様は私たちが死んでも守る。
事務所に帰ってから、三人で改めて誓い合った。
□月△日
なんだか変な奴らが襲い掛かってきた。良く分からないが、青年を筆頭とした六人組だ。よくわからない相手だったが、何とか撃退した。…………世の中にあんなに強い相手がいたとは驚きだ……。……なぜか胸が「キュン」としたような気がしたが何だったのだろう……。
□月×日
今日は森田が行方知れずになった。そしてまた変なのが出てきた。「世界樹」とかいう組織の人間らしい。そのうちの一人が我々を(良く分からないが)「怠惰幻想館」と言うところへ引き込んだ。小楠様が奥の部屋に閉じ込められたと言う!
そこの罠は酷いものだった。ギロチンが所狭しと並んでいる部屋や、「呪」と言う赤文字が所狭しと書かれている部屋や、足場がすごく細い角材しかない部屋や、部屋の途中まで行くと、(良く分からないが)白装束で黒い長髪の女性(親方が「てめぇ!びっくりしたじゃねぇか!」と怒鳴った)が驚かしてくる部屋など、肉体的にも精神的にもダメージを与える罠だった。
大広間に到着すると、赤いブヨブヨした球が数個出てきた。割ると、赤い液体(血だろうか)が飛び出してきた。親方はそれを見て発狂した!どうしたというのか!数十分して、親方は正気に戻った。…………ある意味これが一番恐ろしかった。それにしても、どこからともなく森田が現れたがどこに行っていたのだろう……。
とにかく、我々は小楠様を見つけ、そこを後にすることが出来た。「バベルの塔」なるところを目指すことになった。さらに手強い相手が出てくるのだろうな……。