①丙○四○、3年
②公約:
『自分が幸せだと思える学園生活を後輩へ託す』
『各組織団体活動の絶大的支援』
『色々やりたいけど棲み分け精神忘れるべからず』
手腕の程は兎も角、未成年の主張!的に伝えてェことはある。一つ宜しくゥ?
(―――然る昼休み中に流れる「アー、アー、テステス。…よしオッケ」との独り言じみた低音声。
突如として一人の男子生徒にジャックされた放送室。これは騒然とした教員が駆けつけるまでの、数分間の出来事である)
「…―――よォ、突然だがチョイと邪魔ァするぜ?
テメェ等、無事進級は出来たろうなァ? 各事情でうっかり留年しちまった奴、
学園生活が現役より長く楽しめると思えばそう悪い気分でもねェだろ。
新入生諸君は、新たな環境での生活、頑張れヨ。分からねェコトがあったら上級生に何でも聞くこった。
……ァ、俺が一体誰かって? 当方、3年C組、丙宗四郎。第12期生徒会々長、立候補者の一番乗りだ。
紙面にゃ乗りきらねェ挨拶と自己紹介も兼ねて、こうして場を拝借した訳だが―――…ン?
(本人の後ろから、ボソリと床にのびていた放送委員の声がマイクに拾われる。「……ぜ…前期、会長のやり方……パクリ、…じゃないスか……ッゲフ!」)
……。嗚呼、何か雑音が入ったが気にすンな。
さて、そういう訳なンで、今から数分間。己の声なンざ聞きたかねえ、興味ねえ、って奴は好きなように過ごして貰って構わねェ。
ちィっと耳障りかもしれんが其処は一つ、大目に見てくれや。ナ?
ンじゃ、始めるぜ?
まず、俺が生徒会長として思い描く学園の姿ってのは、
勉強して、遊んで、闘って、泣いて笑って、生涯誰の記憶にも忘れられねェ、そういうモンだ。
普通の高校生とは少し違う、当たり前なようで当たり前でない学生生活。
当たり前だと思ってたケド、後に思い出して、「幸せな高校生活だった」って思える。
俺がこの学園に来て一年半、俺をそう思わせてくれたのは他でもねェ、この学園だ。
此処にいて、俺と色ンな形の絆ァ繋いでくれた奴等の居る、な。
そういう大事な場所を、これから戦学の一員として生きてく後輩の為にも、
まあ……何だ。俺なりの形で護っていきてェ訳だ。ウン。
…ハイ、長ったらしい前置きは終了!
さて、肝心の活動方針だが……オイ、其処の「前期生徒会役員なら、どうぜ以前と似たり寄ったりなんだろ?」って思った奴。
前出て歯ァ食い縛れ。
…ったく。最後まで話を聞けってンだ。
先ず、一つ目【生徒会のメイン活動】について。
各組織、および各個主催によるイベント行事の全面的支援な。
「ホラ、やっぱ前期のパクリじゃん」……って思った奴。後で体育館裏来い。
コレはだな、俺率いる生徒会が敢えてイベントを考える手間を省……っと(咳払い)
って訳じゃあ、断じてなく!
折角面白そうなクラブが沢山つくられてンだから、それぞれの団体が
それぞれの特色を生かして目一杯学園を賑わせてるトコが見てぇじゃン?ってこと。
勿論、俺等も人頼みになってばかりじゃつまらねーンで。
夏にはドカンと一つ、その時期に相応しいでけェイベントを企み中ー。
学園総ぐるみでの超派手な夏祭りなんて、賑やかで楽しそうじゃネ? 乞うご期待ー。
二つ目【学園内施設】について。
此処ントコの
歴代生徒会を特徴づけてきた中庭の自販機は、従来通りに戻すぜ。 …え? 何だかつまらない?
まァ、そう言うなよ。代わりと言っちゃ何だが、学食に夏季限定メニューを追加してやる。
嗚呼それと。前期じゃ未遂に終わった生徒会室の再リニューアル、これも予定の一つだ。俺的にはもっと広くて、
綺麗で、でもって生徒の誰でも気軽に足を運べるような部屋にしたいねェ? ホラ、俺って寂しがりだから。
最後に、【任期と役員】について、だ。
俺のしたいコトが十分出来るだろう時間として、半年を貰うつもり。当然、途中で抗争が勃発しねェ限り、ナ。
役員については、一番分かりやすい形態として前期同様、当選後に副会長/書記/会計を募集。
但し、各定員枠を若干数増やそうかと思ってる。…そうそう。気分次第じゃ、
下僕=雑用係 なんて枠組みを追加すンのも悪くねェなあ?(ニヤリ)
何れにせよ、俺に同調して一緒に頑張ってくれるーってヒト、大歓迎。
因みに、前期生徒会の遺産。アレね、当然、処理を押付ける相手は俺の一存になるから。覚悟しとけ?
…そうそう。忘れるトコだった。
今、巷じゃ専ら噂の「辻斬り」君。
これだけ有名になってくると、生徒会としての対処ーなんてのも、
気になってくる奴等が居るンじゃねェか、と。
闇、と名乗る割にゃあ凶行の程度が温ィ、と個人的に思わなくもねェ。…が、
折角、自ら悪役を担ってくれている訳だし。何かしら絡んでみても面白そう。
但し。
生徒の中にはそういう類の騒動に絶対巻き込まれたくねェ奴、ってのも少なからず居ンだろ。
棲み分け――って精神を侵す輩は、即成敗。コレ、公約項目に追加ネ。
―――そういうコトで。
ダラダラと喋くったが、言いたいコト、上手く伝わったかねェ?
ま、生徒会長選出選挙なんて、そう頻繁にある行事でもねェし、な。
じっくり考えて、各自テメェの一番納得いく、信頼出来る人間を選んでくれや。
コレもまたマツリゴトの一つ。楽しむべし。」
(放送は開始時同様、突如として終りを迎える。オフとなったマイクの裏側で、誰かが駆けつけるより前にサッサと姿を眩ました、彼のその後の行方は知れない)
最終更新:2010年04月06日 14:26