著:2スレ目>>624殿
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永禄四年九月十日、第四次川中島合戦
啄木鳥先鋒を見破った上杉軍が突如八幡原西に出現した事から始まった戦いは
上杉軍の一方的優位のうちに進み武田本隊は、左翼の穴山信君中央の飯富昌景の部隊を残し
壊滅または後退を余儀なくされていた。
伝令「申し上げます。山本道鬼斎殿、本庄越前守の陣に突撃し、斬り死なされたとのこと!」
(`・ω・´)昌景「なんと・・・典厩様、(諸角)豊後守殿に続き、道鬼殿までが・・・。」
伝令「寄せ手が本陣に向けて押し寄せてまいります!」
(`・ω・´)昌景「くっ…妻女山へ向かった兄者や美濃殿が戻るまでここは我等で凌ぎ切らねばなるまい。すぐさま迎撃態勢をとるのだ!」
山県隊は本陣を守りきるべく、上杉軍の猛攻に耐えたが徐々に陣形が崩れはじめ戦場は混乱の様相を呈してきた。
(`・ω・´)昌景「ちぃ、敵の数が多すぎる上朝からの劣勢で士気が萎えておる、このままでは・・・。」
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,( ´∀`)???「そこの御仁、名の有る将と見たワッショイ!名をお聞かせいただきたい!」
(`・ω・´)昌景「かく言う貴殿こそ先に名乗るのが礼というものではないか!」
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,( ´∀`)???「そうであったな、我こそは越後一の大力の士「鬼小島」こと小島弥太郎貞興!」
(`・ω・´)昌景「小島・・・鬼小島弥太郎か!」
2
鬼小島弥太郎、そう聞いて昌景はすぐにピンと来た。
(`・ω・´)昌景(あの時の長尾の使いか。)
先日、上杉政虎の宣戦布告の使者として武田の本陣に現れたのがこの巨漢であった。
(´∀`)信玄「この度長尾から使わされた使者は奴の幼少からの警護役であり、去る
天文二十二年に長尾が上洛した際、公方様のけしかけようとした狒々を
その大力で怯えさせたほどの剛の者だそうな。」
彡`Д´ミ信房「それは敵ながら天晴れでござるな。」
(`メω・´)虎昌「うむ、力だけならばそれ程の者は武田の家中にはおらんやもしれぬ。」
(´∀`)信玄「そう思うであろう・・・それ程の男の狼狽した姿見てみたいと思わんか?」
( ^ω^)昌豊「お?」
(´∀`)信玄「例の物を連れて参れ」
まもなく小者たちが二人係で引っ張ってきた檻の中を見てその場にいた将兵は絶句した。
そこにいたのは信玄の飼い犬で「人喰い獅子」と恐れられる猛犬である。
(`・ω・´)昌景「御屋形様・・・それは・・・。」
(´∀`)信玄「ははは、さすがの鬼小島もこやつに吠え立てられればさぞかし肝を冷やすであろう。」
(`・ω・´)昌景(やれやれ、時々こういうご無体な事をなさるのだからな・・・。)
間も無く弥太郎が陣中に姿を現した。
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,( ´∀`)弥太郎「関東管領の名代として参りました、小島貞興でございますワッショイ。」
(´∀`)信玄「うむ、お使い御苦労。」
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,( ´∀`)弥太郎「では、さっそくでございますがこの戦の大義名分は我等にあるワッショイ。」
(´∀`)信玄「うむ。」
床机に腰をかけた弥太郎は得々と口上を述べ始めた。武田のものにとってはこの台詞を聞くのはもう四度目になる。
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,( ´∀`)弥太郎「以上のことからこの北信濃の地は・・・ぐっ!?」
(´∀`)信玄(キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!)
弥太郎の脛部に激痛が走った陣幕の後ろから飛び出した「人喰い獅子」の牙がその肉に深く食い込んでいた。
だが顔を青ざめさせる事となったのは弥太郎ではなく武田の将兵だった。
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,( ;´∀`)弥太郎「北信濃の地は村上殿ら国人衆の元に返す事こそが天の理というものワッショイ。」
(´∀`)信玄「(なんと、叫び声一つ挙げずに使者の口上を読み終えるとは…。)うむ、貴殿らの言い分はよく解った。だが何度も申しておる通り
北信濃を渡すわけには参らん。どうしてもと申されるなら戦にて決着いたす所存と政虎殿にお伝えくだされ。」
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,( ;´∀`)弥太郎「承知仕ったワッショイ、その旨しかとお伝え申すが…その前に。」
耳を劈くような甲高い悲鳴が陣中に響いた。弥太郎は脛に喰らいついて離さない「人喰い獅子」の口元を強く握り締めた。
弥太郎の拳は顎を砕かれた「人喰い獅子」の鮮血で染まった。
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,( ;´∀`)弥太郎「会見の場を汚した無礼者を成敗ワッショイ!!」
弥太郎は「人喰い獅子」を自分の脛から引き剥がすと立ち上がり、そのまま片手で持ち上げると
思い切り地面にたたきつけた。「人喰い獅子」は顔の七つの穴から地を噴出し体を二、三度痙攣させ動かなくなった。
陣中はしんと静まり返ってしまった。
(`・ω・´)昌景(なんとこの男、唐土の樊噲の再来か…。)
この男の名と顔は昌景の脳裏に深く刻まれた。
4
(`・ω・´)昌景「先日の犬殺し、いや獅子殺し殿か!脛の具合はどうでござるか。」
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( ´∀`)弥太郎「あの程度傷たいした事ないワッショイ!それよりここで遭うたも何かの縁、
一対一の勝負を所望いたすワッショイ!」
(`・ω・´)昌景「お互い余り時間はかけられぬようじゃな、よかろう!お受けいたす。」
こうして二騎の武者がお互い相手に向けて駆け出した。昌景は自身の背丈を越える槍を振りかざし
弥太郎は大薙刀を振るって挑みかかった。体格からすれば勝負はすぐつくかと見られたが
昌景は馬上を飛ぶように動き回って弥太郎の薙刀を受け返し、すきあらば一撃を加えんと狙っていた。
(`・ω・´)昌景「さすがは鬼小島、一撃、一撃が堪える…。早々に蹴りを付けねば。」
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( ´∀`)弥太郎「くう、あの体躯このわしと三十合以上も渡り合うとは…少しでも気を抜いたらおしまいだワッショイ。」
人並みはずれた巨躯の男と、人並みはずれた矮躯をもつ二人の武者の
いつ果てるとも無く続く激戦に終止符を打ったのは一人の伝令であった。
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伝令「申し上げます!太郎義信様の軍勢が上杉本隊に突撃を加え、勇戦なされましたが
返り討ちに遭われ現在千曲川方面へ後退中、さらに敵の猛追を受けております!」
(`・ω・´)昌景「なんだと!?(馬鹿な!あれ程御屋形様に持ち場死守を優先されよと、仰せ付かっておられたではないか!)。」
伝令「このままでは右翼が切り崩されまする!」
(`・ω・´)昌景(血気にはやられたか、いずれにせよ義信様に万一の事会っては、御屋形様に…兄者に顔向けが出来ん!)
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( ´∀`)弥太郎「どうしたワッショイ!上の空で俺に勝てるとでも思ったワッショイ!」
(`・ω・´)昌景「あいや、待たれい!!この勝負ひとまず預けてくれぬか!」
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( ´∀`)弥太郎「なに!?どういうつもりワッショイ!!」
(`・ω・´)昌景「我等が若君、太郎義信様の御身が危ない。わしは卑怯者の誹りを受けてもかまわぬ。
が、主君を見殺しにして何の武士か、恥をしのんでお頼み申す。この場はお許しくだされ。」
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( ´∀`)弥太郎「…。貴様の行いは本来ならば許されざる卑怯の振る舞いワッショイ。
だが、ここは貴殿の忠節に免じてとがめだては致さぬ。いずれまた戦場で交わる事があれば
その時こそ白黒つけてやるワッショイ。ではさらば!!」
(`・ω・´)昌景「・・・かたじけない。」
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昌景の救援により義信隊の壊滅だけは避けることが出来た。
妻女山に向かっていた別働隊が八幡原に到着したのはこれより一時間ほど後である。
(`メω・´)虎昌「うおおおおお!!御屋形様、若、源四郎ぉ!!我等が参ったからにはこれ以上寄せ手の好きにはさせぬ!!」
これにより一気に形勢は逆転、その日の三時ごろには上杉軍は完全に戦場から退却した。
(`メω・´)虎昌「おおおおおお!源四郎、心配しておったのだぞ!!」
(;゙゚'ω゚')昌景「あ、あにじゃ…くるし…。」
(`メω・´)虎昌「おお、すまなかった。しかしおぬし槍の柄が太刀傷だらけじゃが…足軽相手ではそのような角度の傷はつくまい。一騎討ちでもやったか。」
(`・ω・´)昌景「はぁ、実は寄せ手の小島弥太郎殿とやりあったのでござる。決着をつけずに投げ出してしまったのですが…。」
(`メω・´)虎昌「なんと!先日の鬼小島か!あの化け物と討ちあうとは…。」
(`・ω・´)昌景「いやいや、鬼小島などとはとんでもない。かの者こそ花も実もあるまことの武士でござる。兄者も某もあの男には礼を申さねばなりますまい。」
(`メω・´)虎昌「???」
最終更新:2011年12月07日 00:05