著:2スレ目>>209殿
1
ある日のこと……
(´∀`信玄「美濃よ、今日お主を呼んだのは他でもない」
彡`Д´ミ信房「また城取り(築城)……でございますか」
(´∀`信玄「流石よ、その通りじゃ」
彡`Д´ミ信房「いずこに?」
(´∀`信玄「駿河田中、遠州との境目じゃ」
彡`Д´ミ信房「これまた難題を……」
(´∀`信玄「道鬼の技を継ぐお主にしか出来ぬよ、やってくれるな?」
彡`Д´ミ信房「承知仕った」
(´∀`信玄「すぐさま出立致すがよい」
2
(`・ω・´) 昌景「お館も無理を申すものよ」
(’ー’*)昌信「左様、あの場所は河岸段丘にて城取りに向いておりませぬ」
彡`Д´ミ信房「いや……難しい分やりがいがあるわ。 それにな……」
( ^ω^)昌豊「それに?」
彡`Д´ミ信房「おっと、これは秘密にしておこう。 フフフ、では行って参る」
(’ー’*)昌信「美濃殿嬉しそうでしたね」
(`・ω・´) 昌景「あのお人は職人よ、城取りのな。 あの笑い……」
( ^ω^)昌豊「何かを企んでる時の顔だお!」
(´∀`信玄「ハハハ、そうか笑っておったか!」
(`・ω・´) 昌景「しかし無事出立なされました」
(´∀`信玄「昔あやつが、幼かったわしの鼻先に芋虫を突きつけてきたも笑っておったわ」
(`・ω・´) 昌景「は?」
(´∀`信玄「この度もわしを驚かしてくれるであろうよ」
3
駿河田中……
彡`Д´ミ信房「ふうーむ」
(’ー’*)昌信「美濃殿、どうですかな」
彡`Д´ミ信房「おお弾正来たのか! 丁度良かった、お主の意見も聞きたい」
(’ー’*)昌信「それより……気付いておりますか? あの藪に……」
彡`Д´ミ信房「ああ、とうの昔に気付いとるよ。 どうせ徳川の乱波じゃろ」
(’ー’*)昌信「でしょうな」
彡`Д´ミ信房「好きなだけ見させてやるが良いわ」
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遠州浜松城・・・・・・
乱波「殿!駿河田中に武田が城を築こうと!」
家康「ぬわぁんじゃと!やはり我らとの戦に先駆けてか!」
酒井忠次「信長公にご相談成されませ」
家康「むう・・・・・・」
美濃岐阜城
( ><)光秀「殿!三河殿より急使が!」
(*‘ω‘ *) 信長「用件は?」
( ><)光秀「“駿河田中において武田が臣・馬場美濃守城取りを遂行中”との事です!」
(*‘ω‘ *) 信長「ほう。 あの戦傷を知らず、築城名人とか言う馬場美濃か」
( ><)光秀「今は一応武田と同盟しておるものの、いずれ信玄は京を目指しましょう。 となれば戦は避けられませぬ」
(*‘ω‘ *) 信長「上洛の布石・・・・・・か。 よし出立いたすっぽ!」
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( ><)光秀「何処へですか」
(*‘ω‘ *) 信長「駿河」
工エエェ(;><)ェエエ工
(;><)光秀「後生ですからお止めになってください!」
(*‘ω‘ *) 信長「俺がこういう場合に折れた事があったかっぽ?」
(;><)光秀「危険が過ぎまする!どうか!どうか!」
(*‘ω‘ *) 信長「くどい!手討ちにしてくれるぞ!」
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∧ ∧ どうしてもとおっしゃるならば
( *‘ω‘) !(><;) 私を斬り捨てて行ってください!
( ) ⊂ ⊂ ヽ
v v し─、ノ
∧ ∧
キュラキュラ ( *‘ω‘)
__,,ゝ┼─┼====┐
キュラキュラ | □| .| |:|ヾ二二二二二(O
_____|__,|_;||___,| |:|ノ-┬─┘
∩ ∩ |ミ/// / ~~|ミ|丘百~((==___
////( ///) /////└┼-┴─┴───┴──┐~~'-ゝ-┤
/ / 三)──)三);
//"" ∪ ∪ / //////...ゝ(◎)(◎)(◎)(◎) (◎)ノ三ノ──ノ三ノ;*;∵
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駿河では
彡`Д´ミ信房「よし、絵図は八分出来上がったな! お館の顔が楽しみじゃて」
(`・ω・´) 昌景「美濃殿、どうかな?」
彡`Д´ミ信房「おお、三郎兵衛! 見ろこれを!」
信房が見せた絵図は三重の円に枡の様な出っ張りが付いたものだった
(`・ω・´) 昌景「何じゃこれは? 城取りをせずに落書きをしておったのか? 城の絵図が見とうござる」
彡`Д´ミ信房「たわけ!これが城の絵図じゃわい!」
(;`・ω・´) 昌景「ええ!?」
彡`Д´ミ信房「この城が円形なのはな、攻め手が幾つに分かれても守り手は中心より最短距離でその場へ移動できるからよ」
(;`・ω・´) 昌景「はあ・・・・・・」
彡`Д´ミ信房「更にこれを三重の堀で固める。 どうじゃ、難攻不落の城よ」
(`・ω・´) 昌景「なるほど! 攻めに対し柔軟な守りが出来る・・・・・・これは恐れ入った!」
彡`Д´ミ信房「これが志半ばで死んだお師・・・・・・いや道鬼殿への最高の供養となろう」
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彡`Д´ミ信房「とうとう絵図が完成したわ! 甲斐に戻りお館に見せるとしよう」
(`・ω・´) 昌景「しかしホントにこのような城が・・・・・・」
彡`Д´ミ信房「報告したらすぐに木組み(土や木で出来た城の小型模型)を作らねばならん。 大忙しじゃ」
(`・ω・´) 昌景「まずはおめでとうござる」
彡`Д´ミ信房「さて・・・・・・明日には帰らねばならん。 寝るとしようか」
布団に潜り込んだ信房は妙な違和感を感じた
彡`Д´ミ信房「・・・・・・出て来い。 三つ数える内に来ねば人を呼ぶぞ」
闇に向かって話しかけると、そこから浮かび上がるように黒装束を纏った男が現れる
乱波「さすがは馬場美濃守様。 御見それしました」
彡`Д´ミ信房「お主、わしがここに来た翌日にはもう張り付いておったな。 三日目はいなかったが」
乱波「見抜いてられましたか!」
彡`Д´ミ信房「三日目にいなかったのは家康公に報告に行ったのじゃろ?」
乱波は飛び上がりそうになるほど驚いた。主まで言い当てたこの男の勘の鋭さは何なのだろうか。
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彡`Д´ミ信房「まあ良いわ、で何用かな」
乱波は冷や汗を浮かべたまま用件を告げた
乱波「実は我が主が美濃守様とお会いしたいと・・・・・・。御忍びで近くまで来ておられます」
彡`Д´ミ信房「家康公が?」
乱波「いかがでしょう。 殿を含め我らは一切、美濃様に危害を加えるつもりはございませぬ」
彡`Д´ミ信房「ふう~む・・・・・・よし、分かった。今から参ろう」
乱波「では御案内いたします」
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家康「さぁて、来ますかのう」
(*‘ω‘ *) 信長「馬場美濃・・・・・・剛毅な男と聞く。 必ずや来るぽっぽ」
家康「しかし信長殿・・・・・・急に浜松まで参られた時は驚きましたぞ。 しかも駿河への案内をせいとは」
(*‘ω‘ *) 信長「剛毅さでは俺も負けないぽっぽ」
家康「明智殿が止めませんでしたか?」
(*‘ω‘ *) 信長「うるさかったから鉄甲車で踏み潰してくれたわ」
家康「え・・・・・・? それってどう言う事で・・・・・・?」
そんな二人の下へ、使いに出した乱波が戻ってきた
乱波「馬場美濃守様参られました」
家康「何と! 誘いを出しといて何じゃが本当に来るとは!」
(*‘ω‘ *) 信長「俺がもし美濃守の立場でもここは来る」
家康「わしは来ませんな。 もしこれが罠で、殺されてしまっては元も子もない」
そんな家康の言葉を信長は鼻で笑った後、言葉を継いだ
(*‘ω‘ *) 信長「では手筈通り、俺は家康の従者ということに」
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彡`Д´ミ信房「武田が臣、馬場美濃でございまする」
家康「いや、夜分にお呼び出し申し訳ない」
彡`Д´ミ信房「なんのなんの、お気に召されますな。 そちらの方は?」
(*‘ω‘ *) 信長「徳川が臣、松平珍保宝斎でござる。 以後お見知りおきを」
彡`Д´ミ信房「ちんぽっぽさい・・・・・・? 失礼ですが初めて聞く御名前です」
家康「(ギクゥッ!)あいや、ハハハ! こやつは名が通る程の男ではないのでなハハハ」
(#‘ω‘ *)信長「(ビキビキ)家康覚えておけよ・・・・・・」
彡`Д´ミ信房「今晩は何かご用件がお有りで?」
家康「いや、武田徳川両家の繁栄を願って美濃殿と懇意になろうと思いましてな。 これ酒を」
家康が呼ぶと膳が運ばれてきた。三人の前にそれぞれ置かれる。
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歓談が進む・・・・・・が、信房の勘はとっくに怪しさを感じ取っていた。
彡`Д´ミ信房(あの松平珍保宝斎とか言う男・・・・・・もしや信長か? 畿内で忙しく駿河まで来る暇は無い筈だが・・・・・・)
彡`Д´ミ信房(武田で信長を知る者は秋山くらいか・・・・・・。 ここにおればのう)
彡`Д´ミ信房(酒には何も盛られていない・・・・・・。 となると呼び寄せた目的はひとつ)
彡`Д´ミ信房(・・・・・・調略か!)
家康「ハハハ、いやぁ楽しゅうござる。 ところで美濃殿」
彡`Д´ミ信房(来おった!)
家康「信長公がですな、そなたを高く評価しておられる」
彡`Д´ミ信房「はあ」
(*‘ω‘ *) 信長「世の人が一国の器量人と呼ぶに相応しい将だと常々言っておられる」
彡`Д´ミ信房「恐れ入ります。 しかしそれは買い被りと言うもの」
家康「ハハハ、御謙遜を」
(*‘ω‘ *) 信長「ここだけの話・・・・・・武田に御不満はありませぬか?」
彡`Д´ミ信房「・・・・・・あるとしたら?」
(*‘ω‘ *) 信長「話は早い。 世の噂どおり一国を預けるゆえに我・・・・・・じゃなくて織田家に仕えぬかと信長公が」
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彡`Д´ミ信房「・・・・・・ほう」
(*‘ω‘ *) 信長「美濃殿でしたら、織田家の天下布武を支えられましょう。 いかがか」
彡`Д´ミ信房「仮に一国を預けられるというなら何処でしょうな」
(*‘ω‘ *) 信長「さあ、それは・・・・・・」
彡`Д´ミ信房「信長公にお伝えあれ、美濃を下さるならば手を打つと」
信房の言葉に二人は驚愕した。美濃は信長の本拠だから渡せる筈も無い。
彡`Д´ミ信房「・・・・・・しかし、それでもワシが織田家をすぐに裏切らない保障はありませんがな」
そう言うと信房は高笑いを上げた。今の武田が美濃を得れば信玄は明日にでも上洛の為の手を打つだろう。
彡`Д´ミ信房「分かりましたかな? ワシはこういう男にござれば主・信玄でしか飼い慣らせませぬ」
彡`Д´ミ信房「この場におられぬからお話出来ますが、信長公はやはりうつけにござるな」
彡`Д´ミ信房「信長公の生まれた地・尾張は商いの国にござれば、信長公のお考えも商人と変わりござらん」
彡`Д´ミ信房「利で釣ろうとするが、それで動かぬ者もこの世におるという事を知らぬようじゃ」
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面罵され、信長の顔にみるみる怒りが満ちてくる。信房の上げる高笑いの中、信長は怒りを押し殺すのに必死だった。
(#‘ω‘ *) 信長「(こいつ俺が目の前にいるとも知らず!いや、気付いているのか?どちらにせよここまで愚弄されたのは初めてぽっぽ!)」
家康「美濃殿、お言葉が過ぎましょうぞ!」
彡`Д´ミ信房「ハハハ、いやこれは失礼。 礼儀など知らぬ甲斐の山猿の戯言でござる」
ひとしきり笑うと、信房は礼を述べた後立ち去った。
家康「あれ程の男とは・・・・・・」
(*‘ω‘ *) 信長「腹は立つが何じゃこの清々しさは・・・・・・」
家康「武田譜代の臣の結束は固いと聞いていましたが、一国を蹴るとは」
(*‘ω‘ *) 信長「しかし、この信長を愚弄した事は許せぬ。いずれ報いてやろう・・・・・・鉛玉でな」
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甲斐府中、信房は木組み作りのため粘土を捏ねながら、駿河であった事を話す
( ^ω^)昌豊「そんな事があったのかお!」
彡`Д´ミ信房「ああ、あの時の信長の顔と言ったら無かったぞ!ガハハ!」
(`・ω・´) 昌景「何とまあ・・・・・・」
彡`Д´ミ信房「尾張のあきんど大名に甲州武士の志、見せてやったわ」
(’ー’*)昌信「家康も驚いたでしょうな」
(`・ω・´) 昌景「しかし、何でまた信長直々に」
彡`Д´ミ信房「そこまでワシを高く買ってくれたんじゃ、喜ばねばなるまい。 しかし、やはり買い被りじゃな」
彡`Д´ミ信房「お館の元でなければわしは働けぬ。 何せお館の驚く顔を見るのがワシの至上の楽しみじゃからな」
彡`Д´ミ信房「よし、出来た! さぁてお館に見せに行くとするかの!」
最終更新:2009年12月15日 16:24