著:2スレ目>>209殿



信玄が亡くなり勝頼の代になったある日、躑躅ヶ崎館では重臣会議が開かれていた。

(`・ω・´)昌景「え~、では次は北条家に対する・・・・・・」

<丶´`A´`>釣閑斎「待たれよ! 先程の件には不服がある!」

(#^ω^)昌豊「(ピキピキ)釣閑斎! いいかげんにするお!」

<丶´`A´`>釣閑斎「黙れ百姓上がりが! 何の為の討議じゃ!」

(#^ω^)昌豊「このやろお!!」

(´・ω・`)昌景「(またか・・・・・・)お二方! お平に!」

今にも飛び掛ろうとする昌豊を信房が羽交い絞めにして止めた。

彡`Д´ミ信房「修理、落ち着かんか!」

(#^ω^)昌豊「美濃殿! 放すお!」

(’ー’*)昌信「皆様! 勝頼様の御前ですぞ!」

昌信の一言でその場は静まったが、武田の未来を示すような暗鬱とした雰囲気は拭えなかった。



(`・ω・´)昌景「まったく! あれでは喧嘩の為に会議を開いた様じゃ」

( ^ω^)昌豊「ごめんお」

彡`Д´ミ信房「温厚なお主が釣閑斎に対しては鬼の様になるのう」

(’ー’*)昌信「修理殿の気持ちも分かりますがね。 私も何故だか釣閑斎殿が好きになれませぬ」

(`・ω・´)昌景「しかしこのままでは困るぞ」

( ^ω^)昌豊「・・・・・・気をつけるお」



昌景は会議が終わった後も残り、両職である原昌胤と共に政務を片付けていた。

(`・ω・´)昌景「ふう、大体の政務は片付いたの。 帰るとしようか」



府中の町の賑わいの中、昌景は馬を進める。その昌景の目に一人の男が止まった。

(`・ω・´)昌景「・・・・・・あれは釣閑斎殿か?」

人目を引かぬように目立たぬ格好をしているが、明らかに長坂釣閑斎であった。

(`・ω・´)昌景「何か怪しい・・・・・・。 後をつけてみるか・・・・・・」

馬を従者に預け、昌景は徒歩で釣閑斎の後ろをつけた。

<丶´`A´`>釣閑斎「ふぅ、ふぅ」

息を切らしながら釣閑斎が向かった先は・・・・・・

(`・ω・´)昌景「ここは・・・・・・恵林寺ではないか」



<丶´`A´`>釣閑斎「これは和尚、今晩は」

恵林寺の住職に挨拶し、釣閑斎は進んだ。昌景は距離を縮めぬよう、広げぬよう後をつける。

(`・ω・´)昌景「ふむ・・・・・・あ、あそこは! お館の廟所!」

当時、信玄の死は隠されていた為に恵林寺に廟所を設け遺体を安置していた。

<丶´`A´`>釣閑斎「はぁ、はぁ! やっと着いたわい!」

着くなり釣閑斎は布を取り出し、廟所を磨き始めた。

<丶´`A´`>釣閑斎「お館様、勝頼様は立派になられ申したぞ。 まこと日の本一の大将になられるでしょう」

信玄の墓に話しかけながらも釣閑斎は手を休めない。

<丶´`A´`>釣閑斎「勝頼様とお会いしたいでしょうが、まだお館様の死は秘密となっております」
<丶´`A´`>釣閑斎「その為、勝頼様は参られぬのです。 この私で申し訳ないですが御墓は汚させませぬぞ」

(`・ω・´)昌景「・・・・・・」

釣閑斎の姿を見て昌景は何も言えなくなった。



<丶´`A´`>釣閑斎「はぁ、はぁ。 これでよし」

昌景は汗だくになりながら墓磨きをする釣閑斎に驚いていた。普段の傲慢な姿が微塵も感じられなかったからである。

(`・ω・´)昌景(ここは黙って立ち去った方が良さそうじゃな)

背を向け歩き出そうとした昌景であったが、お約束通り枯れ枝を踏んでしまった

パキ!

<丶´`A´`>釣閑斎「誰ぞ!!」

(´゙゚'ω゚') 昌景「(げえっ!)」

<丶´`A´`>釣閑斎「あ……三郎兵衛殿……」



(`・ω・´)昌景「すまぬ、覗くつもりは無かったのじゃ」

<丶´`A´`>釣閑斎「別に構いませぬが……いつから?」

(`・ω・´)昌景「街からついておった」

<丶´`A´`>釣閑斎「それはワシを疑われての事か?」



昌景は答えに詰まった。釣閑斎が敵と通じ、今から密会するのでは?と思わなかったと言えば嘘となる。

<丶´`A´`>釣閑斎「フン! やはりそうか!」

(`・ω・´)昌景「釣閑斎殿……」

<丶´`A´`>釣閑斎「皆そうじゃ! 皆がわしを嫌いよる! わしが人から好かれぬ事は自身で一番知っておるわ!」
<丶´;A;`>釣閑斎「……亡くなられたお館様もそうじゃった! 口才ばかりの者と陰ではおっしゃっておった!」
<丶´;A;`>釣閑斎「わしはいままで憎まれ役を続け奉公してきたのじゃ!」

釣閑斎はいつしか泣いていた。その赤裸々な言葉に昌景は何も言うことが出来なかった。

<丶´;A;`>釣閑斎「誰が自ら嫌われようとする者があろうや! しかしわしにはお主のような軍才は無い」
<丶´;A;`>釣閑斎「帥が汚れていては将も兵も動かぬ! その汚れをわしは引き受けてきたのじゃ」
<丶´;A;`>釣閑斎「それなのに、お主はわしを疑って……」

(`・ω・´)昌景「釣閑斎殿……」

<丶´;A;`>釣閑斎「馬鹿! 阿呆! うすらとんかち! 鬼畜! 猫口! 増上慢!」



思いつくままの罵声を浴びせた釣閑斎は息を切らしていた。

(`・ω・´)昌景「洟を拭いた方がいいな」

昌景は懐紙を取り出し、釣閑斎に差し出した。彼の顔は涙と鼻水でぐちゃぐちゃになっていた。

<丶´;A;`>釣閑斎「あ……」

言われるままに洟をかむと、そこにはいつもの釣閑斎が戻っていた。

<丶´`A´`>釣閑斎「ふう、お見苦しい所を」

(`・ω・´)昌景「なんの、疑ってすまなんだ」

<丶´`A´`>釣閑斎「構いませぬ。 しかし今回の事は……」

(`・ω・´)昌景「ああ、我が胸に秘めておこう」



翌日……

(`・ω・´)昌景「駿河の城の兵糧について……」

<丶´`A´`>釣閑斎「その前に討議すべきは……」

(#^ω^)昌豊「(ボガーン!!)この君側の奸め! いい加減にするお!」

<丶´`A´`>釣閑斎「黙れ! 貴様は田や畑を耕しておるが良いわ!」

(´・ω・`)昌景「やれやれ……」



(#^ω^)昌豊「腹立つお! あいつだけは許せんお!」

(`・ω・´)昌景「まぁまぁ、そう怒るな修理」

彡`Д´ミ信房「釣閑斎は何かとうるさいのう……」

(`・ω・´)昌景「そう言うな。 あやつはあやつで武田を考えておる。 忠臣である事は間違いないわ」

( ^ω^)彡`Д´ミ(’ー’*)「?」

(`・ω・´)昌景「おっと、何でも無いわい。 ハハハ」

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最終更新:2009年12月15日 16:28