第11次元


跳躍の世界

この世界は予定不調和で出来ていた。
突然足下がマイナス190℃に凍てつくこともあれば、手元が別空間になることもあり、それに巻き込まれると手足は返ってこない。
常に可能性が揺らぎ歪む世界だった。
生き延びるのも困難な状況で、当然生き残るものも絞られてしまった。
最後にはたった一人生き残った男が別個体で100万人に増殖するという事態が起きた。
同じ人間でも上下関係は発生し、ヒエラルキーが出来、頂点に立つものはその世界の箱庭を手に出来た。
ある時、些細なきっかけで下層に属していた男は、頂点の男を倒すために奮起し、ついに頂点の男を全力で殴ったら次元ごと崩壊してしまった。

現在は存在しない次元。


第11次元人
李紫土


更新 2012年11月17日
最終更新:2012年11月17日 19:28