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統一地方選:「原発選挙」に急転/無投票区のはずが、反対派が突然出馬も
毎日新聞 2011年4月2日

 統一地方選の県議選・政令市議選は1日、東日本大震災に伴う福島第1原発事故の収束に見通しがつかない中でスタートした。九州・西中国で原発を立地、もしくは建設計画のある県では、無投票とみられた選挙区などで「反原発」を掲げる新人が相次いで出馬するなど原発問題が争点に浮上、革新系も勢いづく。有権者の関心も高く、原発を容認してきた現職は困惑する。

 ■山口

 「1票で上関原発がいらないという意思を示してほしい」。中国電力上関原発の建設予定地(山口県上関町)から30キロの範囲に収まる山口県光市。県議選光市区(定数2)から出馬した無所属新人は出陣式でこう訴えた。

 出馬表明は告示3日前。自民と民主の両現職による無投票とみられていたが、一転選挙戦に。同じ30キロ圏内の柳井市区(定数1)も、立候補届け出締め切り間際に反原発を訴える無所属元職が出馬、4人による混戦に。

 支持者から「孫の代を考えると建設してほしくない」との声が聞こえる光市区の現職は第一声では「安全性の確保」を強調した。

 ■佐賀

 10人が出馬した佐賀県議選唐津市・東松浦郡区(定数6)。九州電力玄海原発(玄海町)を巡り、国の原発政策に反対する無所属現職や共産新人が「福島の惨状を唐津に置き換えて考えて」などと訴えた。

 震災後、市には原発の安全性などへの問い合わせが50件もあった。同市呼子町のイカ釣り漁師(75)は「事故が起きたら漁業どころか住めなくなる」。

 原発を推進してきた民主、自民の候補は複雑だ。自民現職は「新エネルギー政策を国策として進めなければいけない」と訴えるのに懸命だった。

 ■鹿児島

 九電川内原発3号機増設計画を抱える鹿児島県議選薩摩川内市区(定数3)では、自民現職3人に社民推薦の無所属新人が挑む。新人は第一声で増設見直しを訴えた。昨年10月、最大会派の自民などの賛成多数で県議会は増設推進陳情を採択した。ある自民現職は出陣式で「県議会として国や九電に安全性を求めている」と主張したが、事務所には「なぜ同意した」などの声が相次いでいるという。

 ■大分・宮崎

 大分県議選は社民が公認・推薦14人を擁立。同県は四国電力伊方原発(愛媛県伊方町)の約40キロ圏内、上関原発予定地の約35キロ圏内にかかる。ある推薦候補の陣営は「(原発反対を)訴えるチャンス」と勢いづく。

 一方、10日に予定していた原発立地の是非を問う住民投票を見送った宮崎県串間市。県議選に出馬した2候補は原発立地への賛否を明確にしなかった。
最終更新:2011年04月03日 04:42