◎武本和幸
県議立候補者
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朝日新聞 2011年4月2日
自民党現職2人のほかに立候補の動きがなく、無投票とみられていた県議選柏崎市・刈羽郡選挙区(定数2)は1日、原発反対派の元刈羽村議が立候補し、一転して選挙戦になった。福島第一原発の事故後、柏崎刈羽原発の地元でも不安が高まる中、原発の是非が一番の争点になりそうだ。
いずれも自民党現職の東山英機氏(66)、三富佳一氏(72)は原発推進の立場で、柏崎刈羽原発所長や協力企業から推薦状を得ている。三富氏は出陣式で福島第一原発事故にふれ、「(原発が立地する)柏崎刈羽の防災を改めて検証し、あらゆる想定をした対応を国と事業者に求めたい」と強調し、理解を求めた。
東山氏の陣営幹部は突然の選挙戦に「準備はしてきた。原発以外の争点もある」と冷静だが、「(原発事故の行方が見えず)風がどう動くかわからない。その意味で怖い」とも話す。
両氏は柏崎刈羽原発のさらなる安全対策が必要だと訴えており、有権者の原発への不安をいかに拭えるかが選挙戦のカギとみている。
これに対し、元村議の武本和幸氏(61)は1日夕、柏崎市内で立候補の会見を開き、「原発への不安の声を代弁し、福島のようなことを柏崎刈羽で繰り返さぬようチェック機能を担う」と訴えた。
柏崎刈羽原発の総点検と7号機の早期停止、福島第一原発で事故対応する作業員の被曝管理徹底、原子力防災計画の見直しを公約に挙げた。特定の政党や団体の推薦は断り、幅広い支持を集めたいという。
原発の是非を突然問いかけられた有権者には戸惑いも広がる。候補者の訴えに耳を傾けていた市内の男性(76)は「原発で柏崎が成り立っている部分も大きい」と原発の必要性を認める一方、「(県議会で)反対派が危険性を指摘するのも安全のためには必要だと思う。一言でイエス、ノーと言うのは難しい……」と話した。(清水康志)
最終更新:2011年04月03日 20:50