名前 ウラジーミル・ロナウノヴィッチ・サレンピーヤ
性別
生没年 1949-1976
出生地 アメリカ合衆国
犯行国 ソビエト連邦・アレクサンドロフ
罪状 殺人(連続殺人)
犯行期間 1975-1976
逮捕年月日 1976/3/11
判決 銃殺刑
現在 死刑執行済み

1975年11月14日、ソ連・アレクサンドロフ。アレクサンドロフ駅付近の森林保護区内で、18歳の少女タチアナ*1の遺体が発見される。遺体は裸の状態であり、周辺に衣服や彼女のものと思われる所持品が散乱していた。他に男物のニット帽血痕つきのハンマーが発見され、地面には引きずられた跡があった。警察は鉄道職従事者や近所住民に聞き込みを行ったり、彼女の近辺にトラブルがあったかを調べたりしたが有力な情報を得られなかった。何かしらの進展を期待した検察が捜査を延長させ、セックス殺人を疑って強姦の前科を持つ人物を洗わせることもしたが、これも役には立たず、事件は迷宮入りした。

しかし、事件以前に警察に届けられていた情報の中に、関連がありそうなものがあった。1975年9月27日、23歳の女性が石で殴打される事件があったのだ。被害者の女性は命からがら逃げだし、無事だった。彼女によれば、犯人は20代の男で、自転車に乗った彼女を無理やり引きずり下ろすと何度も殴り、「いうことを聞いてついてくるんだ」とせまったという。
またタチアナ殺害のおよそ1週間前、11月5日。裏路地で女性が襲われる事件があった。犯人は男で、レンチで女性の頭を殴り気絶させた。しかし通りがかりの男性3人組に現場を発見された男は、女性を放置して逃亡。女性は一命を取り留めた。この事件は多数の目撃者がいたにも関わらず解決には至らなかった。翌年1月16日にも、別の女性が襲撃される事件が発生している。

そして3月6日、恐ろしいことが起きる。ボクザラ通りに面した小屋の中でニーナ(インナ?)*2の惨殺死体が発見されたのだ。遺体は積まれた石炭の上に遺棄されており、タチアナと同じく裸だったが、違いとしては、強姦の跡がハッキリとみとめられた。
だが、遺体から重要な証拠が発見された。乳房のあたりに、犯人のものと思われる歯形があったのだ。歯形の照合の為、警察は容疑者を探し始めた。
ニーナの関係者への聞き込みから、ウラジーミル・サレンピーヤというバス運転手の存在が浮上した。サレンピーヤはニーナに惚れていたが、ニーナ本人はあまり乗り気ではなかったようだ。

警察はサレンピーヤに対し、遺体発見前日の動向を尋問した。
サレンピーヤは病気療養のために休暇をとっており、彼曰く午前中はずっと家に、午後はレストランに友人と行ったという。実はこの日、ニーナの電話番号を手に入れていたサレンピーヤはニーナとのデートを計画していた。だが彼女が深夜の10時まで働いていることを知り、友人との食事に予定を変更したという。そして食事を午後10時過ぎに終えると帰宅したと証言した。
だが友人の証言と齟齬が生まれる。友人の証言では、食事を終えたのは午後9時ごろであり、サレンピーヤが食事後どこにいったかはわからないとのことであった。
これを問われたサレンピーヤは内容を変更し、食事のあとはすぐに家に帰ったため、ニーナと会うスキはなかったと苦し紛れの証言をした。しかしこれも、別の目撃証言により覆された。サレンピーヤが帰宅したのは午後11時過ぎだったのだ。

ニーナの仕事が終わるのが午後10時であり、サレンピーヤの帰宅が午後11時と発覚したため、十分犯行が可能であると判断され、サレンピーヤのアパートに捜査が入った。
サレンピーヤの部屋からは、ニーナの所持品が複数発見された。また、歯形も彼のものであったことが確認された。

結局、サレンピーヤはタチアナ、ニーナ殺しと複数の襲撃を自白し、同年銃殺刑となった。

動機は最後まではっきりしなかったうえ、彼はごくごく普通の家庭で普通に育ったというのだから謎が多い。


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最終更新:2022年03月09日 22:35

*1 苗字不詳

*2 苗字は「グリチュギナ」という説明があるが、真偽不明。