名前 |
ドミトリー・ヴァレリエヴィチ・レベド |
性別 |
男 |
生没年 |
1986~ |
出生地 |
ソビエト連邦、アヴァザ |
犯行国 |
ロシア連邦、ハカス共和国、アバカン市 |
罪状 |
殺人、殺人未遂、レイプ、レイプ未遂、強盗 |
犯行日/犯行期間 |
2012~2017 |
逮捕年月日 |
2017/9/?? |
判決 |
終身刑 |
現在 |
服役中 |
2015年6月12日。ハカス共和国・アバカンではロシア・デーが祝われ、パーティが開かれていた。パーティは翌日の朝まで続いた。この朝、アバカンに住むアナスタシア・ボルゴヤコワが夫と喧嘩をはじめ、結局彼女は一人で家に帰るといってタクシーに乗り込んで会場を去ってしまった。ところが、これ以降、彼女を目撃した人物は一人もいない。彼女は失踪してしまったのだ。
彼女の父親である警官のヴィクトル・キチェーエフは親戚や彼女の友人をあたったというが、有力な情報はなかった。最終的に、彼女を乗せたタクシーが怪しいということになり、警察がパーティ会場だったカフェの防犯カメラを押収したが、時すでに遅く、データは上書きされてしまっていた。その後捜査が続けられたが、アナスタシアの行方どころか、彼女が乗ったタクシーの車種やナンバーすらわからずじまいだった。
親族の願いかなわず、結局2年後の11月、彼女は森林のなかで遺体となって発見された。
この一件から2年とすこしたった2017年9月2日、またもアバカンで、オクサナ・リトヴィーノワが失踪した。友人たちとカフェで過ごしたのち、朝帰りとなった彼女は、バス停で目撃されたのを最後に行方不明となったのだった。警察だけでなく親族や友人も協力し大規模な捜索が行われた結果、3週間後の9月21日、彼女のむごたらしい死体が、ミヌシンスク地区の路上で発見された。彼女は(この手の殺人でありがちだが)レイプされており、また金銭・貴重品は強奪されていた。
ところが数日後、犯人はあっけなく逮捕されることになる。
逮捕されたのはアバカンのタクシー運転手であったドミトリー・レベドであった。
逮捕の決め手は「グロナス(ГЛОНАСС)」という衛星測位システムであった。現場周辺でシステムのセンサーにひっかかったのが、まさしく彼の運転する乗用車だった。
ドミトリーは当初オクサナの殺害を認めた。ところが公判では一転、「自白を強要された」として無罪を主張した。また彼の内縁の妻は証言で、「ドミトリーが人を殺すほどの能力を持っているかどうかわからない」「公判のとき、ドミトリーの体にあざがあった」としており、ドミトリーの犯行に懐疑的だった。これはドミトリーが、日常生活では「いいパパ」だったことも影響している。事実、彼はバツイチなのだが、前妻にはキチンと慰謝料を払っているし、内縁の妻や子供とも関係は良好だったようだ。
そんな中、余罪が発覚した。ドミトリーはオクサナの殺害、およびのちに前述したアナスタシアの殺害で起訴されることになっていたのだが、なんとさらにナターリア・ヤコヴァという女性の殺害に関連しているとして再逮捕された。ナターリアが行方不明になったのが、アナスタシア失踪の直前、2015年6月6日、遺体の発見は2017年である。またそののち、さらに2名の殺害をしたとして起訴された。
彼の犯行はいたってシンプルだった。彼は標的の女性の前にタクシーを止め、乗って来た女性を歯牙にかけていった。また奪った貴重品を質屋で売り儲けようともしていたようだった。特にオクサナの指輪を売り飛ばそうとしていたころ、彼は逮捕されている。
なお彼は一度2014年ごろ逮捕されている。被害者の女性は彼により凌辱され、殺害されかけていた。しかし捜査官の職務怠慢により釈放されてしまった。すでにこの段階で2名を殺害していたドミトリーだったが、この職務怠慢がなければあとの3名の被害者を出さずに済んだといわれている。
彼は2022年10月に、最終的に15件の犯罪(レイプ未遂なども含む)で起訴され、終身刑の判決を受け、現在も服役中である。
最終更新:2022年12月06日 14:26