名前 |
アレクセイ・セルゲイヴィチ・ファルキン |
性別 |
男 |
生没年 |
1982~ |
出生地 |
ソビエト連邦? |
犯行国 |
ロシア連邦、スヴェルドロフスク州エカテリンブルグ |
罪状 |
殺人、殺人未遂、強姦、窃盗 |
犯行日/犯行期間 |
2004-2017 |
逮捕年月日 |
2017/4/16-17 |
判決 |
無期懲役 |
現在 |
服役中 |
2017年4月15日、エカテリンブルク郊外のヴェルフニェヤ・ピュイシュマで、イリーナ・ヴァフルシェワが行方不明になった。友人の家を尋ねようと自宅を出てのちのことだった。友人との家の距離は歩いて行っても時間のかからぬ距離だったが、彼女が最後まで現れることはなかった。行ったきり、夕方になっても帰宅しないイリーナの身を案じて、夫が警察に通報、地域住民らと協力し捜索活動が行われた。捜索開始二日目、近所の廃屋の地下室の入り口に血液が滴っているのが確認された。
同じ日、近所の聞き込みにより、不審なルノー車の情報を得た警察が、一人の不審な男を連行した。彼の名前はアレクセイ・ファルキン、元ロシア非常事態省の付属組織の隊員だった。彼にレイプの前科があったこと、彼の所持していたルノーのローガンのトランクに血痕があったことが連行の決め手だった。彼はあっさりと罪を認め、イリーナの居場所を警察に教えた。それは近くの森林で、そこにはイリーナのバラバラ死体が埋まっていた。
アレクセイ曰く、事件は偶発的なものだった。
彼はその日、玄関先で友人と電話をしているイリーナをみとめ、彼の「欲求」をおさえることができなくなり、襲うことにした。電話を終えたイリーナのあとをつけ、後ろから襲った。さるぐつわで口をふさぎ、件の地下室に連れ込みカギを閉めると、すぐレイプした。イリーナは助けを呼ぼうと携帯電話に手を伸ばしたのだが、これはアレクセイにより破壊された。イリーナはせめてもの抵抗として、バッグの中にあったガラス瓶でアレクセイを殴った。逆上したアレクセイはイリーナを刺殺、すくなくとも40回は刺したという。そしてトランクに死体を詰め込み、そのまま森に逃亡、死体を切断、埋めた。
前述した通り、彼にはレイプの前科がある。それは上記の殺人事件から5年も前のことである。彼は当時結婚しており、2児の父として非常事態省のライフガードの職につき生活していた。ところが2012年の暮れ、彼はレイプ事件を起こした。彼はある女性教師をヒッチハイクで送り届けたのだが、この時対価、すなわち「運賃」を女性に要求した。価格は400ルーブル、女性は同意した。ところが女性は金を持ち合わせていなかった。アレクセイは、では何かよこせ、あるいは性交渉をさせろ、という。女性はこれを拒否した。その結果アレクセイが逆上、女性を殴打、ガラスに顔を打ち付け、後部座席でレイプするに至った。半年後、アレクセイは逮捕され、最終的に自白、謝罪をし、3年半の実刑判決を受けることになった。出所後、彼は離婚し、旋盤工として働き始めた。あらたな恋人をみつけ、更生したかにみえた。
ところがこのとき、警察が見逃していたさらなる余罪があった。すでに、彼は過去に2名の女性を殺害していたのだ。それは2004年・2005年のことだった。このことが発覚したのは2017年の逮捕ののちであった。最終的に、4件の殺害と、8件のレイプ事件、ほかの性倒錯行為、また幼少期の空き巣行為など、合計30件の事件が彼によるものであると確定、および推測されることになった。
アレクセイは逮捕されたのち、警察の捜査の途上で犯行を再現することになった。相手はもちろんマネキンであるが。この時、なんとアレクセイはとても喜んで事件を再現し、最終的にマネキンを破壊してしまった。
このようにアレクセイの犯行は非常に残忍で極悪のものであった。彼は酒癖が悪く、2017年の事件はいわずもがな、たいていの事件が酒に酔った勢いによるものだった。とはいえ、これは異常と言える。裁判の際、憤慨した市民により死刑判決を求める署名運動が起きたほどである。
スベルドロフスク地方裁判所は、アレクセイが殺人を一部否認したものの認めたため、無期懲役とし、また350万ルーブルの賠償金を課した。
記事:東海林めぐる
最終更新:2023年03月29日 15:19