名前 |
山口芳寛 |
性別 |
男 |
生没年 |
1990~91(生月日不明) - |
出生地 |
日本・熊本県 |
犯行国 |
罪状 |
殺人、死体遺棄 |
犯行日/犯行期間 |
2011/3/3 |
逮捕年月日 |
2011/3/4 |
判決 |
無期懲役 |
現在 |
獄中 |
2011年3月3日、熊本市内、閉店間際のスーパーマーケット「エース清水バイパス店」で、3歳の清水心さんが行方不明になった。心さんはトイレに一人で行って、そのまま出てこなかった。いつまでたっても出てこないので、両親はトイレの外から呼びかけたが、返事はなく、使用中の多目的トイレも、男性が使用中であった。閉店になっても出てこず、両親は警察に通報した。このとき、多目的トイレから出てきた男性は、大きく膨らんだリュックを背負っていた。
翌4日、トイレから出てきた、不審なリュックの男が逮捕された。熊本学園大学で社会福祉を学んでいた山口芳寛であった。不自然に膨らんだリュックと、現場付近のガソリンスタンド前を自転車で疾走していたことをとがめられ、警察に任意聴取を受けたところ、罪を認めたのであった。同日、山口の供述に基づき、坪井川に遺棄された心さんの遺体が発見された。
山口は、心さんがトイレに入ったのをみとめると、それを追いかけ、多目的トイレに押し込んだ。山口は、多目的トイレの中で心さんに性的暴行を加え、その際騒がれたため、口封じのために絞殺したとみられた。トイレに入ってから14分後、遺体をリュックサックに詰めてトイレから出ると、自転車で坪井川に向かい、そのまま遺棄した。動機は裁判での陳述の通り、女児への性的興味とみられる。
2012年に行われた初公判で、山口は、犯行は認めたものの、殺意については否定、弁護側は「パニック状態になり抑えつけた」と陳述した。検察側は、「小学生ぐらいの女の子に興味を抱いていた被告は、わいせつなことをして殺害する目的で心ちゃんに近づき、騒がれたので首を4、5分間絞め窒息死させた」と述べ、無期懲役を求刑した。熊本地裁の松尾裁判長は、山口の捜査段階での供述が信用に値するとし、殺意があったと認定、「女児が感じたであろう恐怖感は筆舌に尽くし難い」として、無期懲役を宣告した。2013年、山口側は高裁へ控訴したが、棄却、上告も棄却され、無期懲役は確定した。
刑が確定してから少しして、心さんの遺族に山口は手紙を送って来たという。心さんの父親の誠一郎さんは、それを数年間読むことはなかったが、2018年に読む決心をしたという。
手紙の内容はひどいものであり、誠一郎さんが「家内には見せられません。見たら死ぬと思います」「娘や家族が救われることはない」との見解を示すほどのものであったという。
山口は、公判でも手紙のなかでも、謝罪をすることはなかった。
山口は、両親と弟との4人暮らしの、ごく一般的な家庭で育ったと思われる。町内会の活動にも参加し、近所づきあいも普通にあった。だが、友人からの印象では、「キレると怖い」という話も出ており、実際家族喧嘩の際にはひどく狂暴だったという。大学に入ったが、「ネクラ」の印象を持たれており、同級生ともなじめなかった。入学後保育園での実習に参加していたが、結局大学にも来なくなった。そののちに、この事件を起こしたのであった。
記事:東海林めぐる
最終更新:2023年04月07日 21:49