【天羅万象】
井上純一初の著書。井上純一はこの業績により「天羅の井上」と呼ばれるらしい。
和風にケレン味溢れる世界観は、確かに90年代半ばの国産TRPGでは衝撃的だった。
だがしかしスタッフリストを見ると、世界設定、ライティング、システムデザインなど、
ほとんど重要なパートが井上純一以外で作られていることが堂々と明らかにされている。
何故これで「天羅の井上」になるのかロジックが未だに不明。
後に天羅万象・零というリニューアル版が作られたが好き嫌いの好みは割と分かれる。
システムデザインをした遠藤卓司によって高速かつ格好を付けたロールプレイを行える仕組みになっているが、
井上純一は「世界最速のTRPGを自分で生み出した」とエンゼルギアの後書きで記している。
【ビーストバインド】
井上純一著作のTRPG。実在する池袋の地名や店名、団体名がリアルに出てくる。
発売当初の煽りはこれが日本最後のオリジナルTRPGというものだった。 くしくも1999年夏に発売。世紀末の大予言的な煽りであった。
そして現実も世紀末の大予言と同じく別に日本最後にならなかった。終わる終わる詐欺とも言われた。
なお後に2ndバージョンとなるNT、3rdバージョンとなるトリニティと出るが出れば出るほど日本最後のオリジナルのありがたみが薄れ、
何の味も存在感もないゲームになっていった。
井上純一いわく、ニトロ+制作PCゲーム「塵骸魔京」はこのゲームを元にしているとブログで綴っているが
実際は世界観担当の夜刀史朗氏がシナリオライターを務めているため、雰囲気が似通っているだけのようである。
【アルシャード】
井上純一著作のTRPG。様々な要素の取り入れられたごちゃ混ぜファンタジー。
出来は良くもなく悪くもなくの凡ゲー。
しかし新世紀最初、つまり2001年のかなり早い時期に発売日を設定したため「新世紀最初のTRPG」というご大層を冠を付けた。
ビーストバインドとは別方向で権威付けの好きなゲームである。
後にff、ガイア、セイヴァーと出たがこちらも出れば出るほど特に味のないゲームになった。
ffに関してはFEARの手前味噌のSRSを使用したことで「スタンダードRPG」を名乗る暴挙を働いている。
これによりスタンダードとは何かという定義づけの問題が時折発生する。
【エンゼルギア】
エンゼル・コアの続編企画の未発売エロゲー、または同ゲームを元にしたTRPG。
エロゲー版は2003年には開発開始されていたが度重なる延期の果てに先にRUNEが倒産してしまったため完成することはなかった。
一方TRPG版はFEARからゲーム版の当初の発売予定の半年前である2003年8月発売。
こちらも井上純一が自画自賛しているが、売れない、知名度もない、やったプレイヤーからもクソゲー認定を受けるほどの出来だった。
【ナイトウィザード】
菊池たけし著作のTRPG。FEAR社発行。
菊池たけしの得意なリプレイを軸とした世界観の広がりを売りにして、キャラクターや世界観の強い人気を得ているゲーム。
大手エロゲーメーカーアリスソフトの『夜が来る!』にかなりのインスピレーションを受けたと公言しているが、
それに加え前述の手法で独自の世界を構築している。
エンゼルギアが出ない間に、何故かRUNEからエロゲー化された。
ただし主要キャラや原作原画家が参加することは許可されず、
ナイトウィザードの名前と世界観を使った別物の何かという微妙なものが出来上がり、スタッフさえも口にしない本物の黒歴史となっている。
【テラ・ザ・ガンスリンガー】
和風ファンタジーであった天羅万象をウェスタンスタイルに変更したゲーム。
一応は業界にムーブメントを起こした天羅万象と地続きのゲームなのだが恐ろしいほどに存在感がない。知る人ぞ知るマイナーゲー。
これもまたブログにて、テレビ東京系アニメ「ガン×ソード」はこのゲームのアニメ化と書き連ねているが、
他にその話をしている記事がググっても見当たらない…
【天羅WAR】
天羅万象とテラ・ザ・ガンスリンガーの世界を融合させたゲーム。和風の天羅と洋風のテラ世界の戦いという井上純一版スパロボ。
また何故かエンゼルギアに出てくる天使兵などの設定も絡んでくる。井上純一の独りよがりとも称される。