【ライター】

基本的にシナリオを書く作業をする人間を差す。
シナリオ作業全般、ゲームに多く登場する台詞回しやシナリオの流れを決めるため、ライターの腕がゲームの質を半分以上決定する。
よって、ライターの名前だけで売れるゲームも多い。
人気ライターはエロゲーを離れ表舞台へ羽ばたくことも多い(まどかマギカの虚淵玄など多数)。
ただし井上純一の周りでこうなったということもなく、井上純一が大きく影響を与えたということがないので、
本人が「TRPGによって新しい世界が作られた」と言っても注意すること。
多くは当のライターの実力であったり努力の賜である。

【原画家】

エロゲーにおいて顔とも言える存在。カバーパッケージからキャラクターの絵など全てを担当する。
同人業を兼業している人間も多く、人気原画家の即売会における人気は嘘偽りなく30分以内で完売する超大手である。
井上くんはこの人気作家達を見下し敵視するがその理由は不明。
なお、人気原画家には美大卒でないどころか、専門卒、大学から絵を描き始めたなども珍しくない。
それでもちゃんとした絵が描けるかは本人の才能と努力次第である。
後述するグラフィッカーを経験させられている人間の方が多い。
また同人からスカウトされたとしても、最近は自分で同人誌の表紙イラストをCGで塗ることが多いので、
グラフィッカーとしての基礎的な知識を学んでいることが多い。
理由はグラフィッカーの知識がなければ、影の付け方の指定や基本作業が滞るため。

【グラフィッカー】

原画家が作ったイラストにCGで色を塗る作業をする人間。実はエロゲー会社において裏番長とも言えるほどの存在。
何故なら彼らの仕事が早ければ原画家は遅筆でも納期に間に合わせることが出来るし、
彼らの腕が上手ければ実力以上に綺麗な絵に見せることが出来るからだ。
様々なメーカーで若い人気原画家よりも古株のグラフィックチーフが偉いというのは、よくある話である。
工業製品でたとえるなら、現物のデザインを作るのが原画家なら、現場で黙々と精密な部品を作るのが彼らである。
現場を知っていると決して馬鹿に出来ないどころか、怒らせると怖い存在であるのはすぐに分かる。
井上くん(※井上氏ではない)は過去スレにおいて「上流に立てない絵描き崩れ」と言ったが、
優秀なグラフィッカーは会社が決して手放そうとしないし、何かの都合でリリースされれば争奪戦になる程の人材である。

【プロデューサー】

エロゲー会社において凄い肩書きを持つように思われがちだが実はただの裏方であることが多い職。
プロデューサーという職が実際にあるわけではなく、何かを兼業している人間がゲーム内でプロデューサーを名乗らせられることが多い。
ゲームの企画・立案などに携わり、その総責任者がこの肩書きをつけられる。
ゲームが売れるとそこそこ褒められ、何かトラブルが起こると真っ先に様々な場所へ謝罪させられる二番目に損な役回り。

【ディレクター】

エロゲー会社においてもっとも可哀想な職。
ゲームの製作が開始されてそれぞれの職種の人間が時間通りに働けているか、
働けていないならどうやって発売日までに調整するかなどを考える。
また声優事務所に連絡を取ったり、流通だけでなく小売りとの対策を考えたり、時には現場の空気をなごませる為の役回りをさせられるという、
現場の管理という名の気苦労の絶えない職。
そしてプロデューサーのように売れて褒められることもない。
プロデューサーと兼任することが多いが、グラフィッカーなど他の職種がなることもある。気苦労が絶えないので誰もやりたがらない。
納期が遅れそうになると責任者としてつるし上げを食らうのも理由の一つ。

【流通】

エロゲー業界において商品の取次をするだけでなく、小売店に売り込む力や商品の発注数を増減させる、
また製作資金を貸すなど正にこの業界でもっとも怖い会社。普通のエロゲー業界の人間ならまず敵にしないし出来ない。

【ホビボックス】

エロゲーの二大流通業者の一社。流通トップのヴューズに比べると規模はかなり劣るがやはり有力。
何故かこの話題が出ると井上くんが発狂する。

【ブランド】

エロゲーを持っているメーカーが使い分ける会社の名前。
Aは純愛系のゲームの時に、Bはダークな話、Cは陵辱系、という具合にイメージごとに使い分けるのが普通である。
しかしABC共に元を辿ればあるメーカー、ということになる。
ブランド名が有名すぎて、元のメーカーの名前が知られていないパターンも多々ある。
例としてはクラナドやカノンで有名な「Key」は会社名ではなくブランド名。「Key」を所有しているメーカーは「ビジュアルアーツ」である。

【製作期間】

エロゲーの開発期間は意外と時間がかかる。紙芝居ゲーなんて言われるがそれでも最低一年半はかかる。
1・企画を出す(スタート地点ではあるが、売れるゲームを考えるため数年越しになってしまう企画もある)
2・スタッフを決める
 (早く決まる時は決まる。だが社外の人間を使うとなるとベストの人材を選定するのにギャラとの折り合いも絡み複雑化する。
 そして外部の人間が仕事を受けてくれない場合別の人間を探すことになるので割とコネと運任せ)
3・売上本数を見込む
 (実はこの段階ですでに売上をあらかた見込む。というか企画の段階で予定本数を決める場合もある。
 絵描きやシナリオ、そして会社で大体の固 定客が買うのがエロゲー業界だから、割と見込みの計算は出来るのだ)
4・軸の仕事開始(まずライターが動く。その指示を受けつつ原画も動く。他のスタッフは別の仕事をしていることが多い)
5・全体が動き出す(広告用のCGなどは真っ先に上げる。同時に広報なども動く。ここら辺から客の目にもよく動きが見えるようになる)
6・予約開始(この辺りでは大体完成時期の見込みを立てられていることが多い。
 逆に言えば延期をするというのは製作工程に大きな見誤りが出来たという無能の証と捉えていい)
7・完成(実は細かい工程は色々あるが端折るとこうなる)

ここまでで平均的に一年半から二年くらいかかるのである。
特に売上を左右する1・2の部分は非常に大事になる。安くない買い物なので信用させることが第一なのだ。

【製作資金】

ゲームを製作する資金。実は自前で用意出来るメーカーは少なく多くが流通から借り入れすることとなる。
そのため借り入れの際流通に企画書を見せ、どの程度売れるかをアピールしなければならず、流通に受けるゲームを作らねばならないメーカーが多いのも事実である。

【版権】

エロゲー会社が倒産した時に、資金の回収出来なかった債権者が真っ先に権利者達から取るもの。
要するにゲームの販売に関する権利一式。
ゲームのダウンロード販売・廉価な再販などで、売った分を回収出来なかった赤字の補填にする。

【外注】

外部の人間に仕事を発注依頼し仕事をしてもらうこと。
エロゲー会社は基本的に零細企業が多いので、契約社員を含め運転資金のかかる社員を大量に常駐させられない。
よって、特に必要な仕事以外はフリーランスの専門職に任せる。
主に発注されるのは、音楽や背景など。基本的に権利を買い切る形になる。
ただし場合によってはゲームの顔とも呼べる原画家やシナリオライターを呼び寄せることもある。
原画家など重要な仕事を呼ぶのは二通りの場合がある。
一つは話題作として出す場合。
もう一つは社内スタッフに製作させている間、運転資金を稼ぐための繋ぎのゲームを作る場合である。
一年中拘束される時間のかかる仕事は原画家、ライター、その開発のディレクター程度なので
ディレクターだけ任せておいて、後は手の空いている人間の余力をそこに注ぎ込むのである。
もちろん原画家やライターといったきつい仕事、また音楽など専門の仕事を外部の人間に任せるため賃金は割高になる。
それでも社内に人間を抱え込むコストを減らしもう一つラインを作ることが出来るという大きなメリットを持つ。
一般的には一作毎の契約となるので、連続してリリースしない限り何年も関わらない。
また開発の遅延が発生すると原画家への拘束料が発生するため、長期に渡って延期が発生した場合、そのゲームの開発を凍結する。

【納期】

エロゲー開発において忌み嫌われるものの一つ。流通との取り決めによって決定した発売日に向けてのゲームの完成日のことを指す。
緩めに設定すると開発時間がかかり社員の固定給が増えるので社長や出資者から嫌がられ、
短めに設定すると原画や社員を始めとして現場の人間が死ぬ気で頑張る気にさえならなくなる。
発売日の予定が伸びるとゲームが完成せず、流通に借りていた金に関することだけでなく、商品を納入するはずだった小売り業者、
また何より発売日を待ち望んでいたファンを裏切ることになるので、メーカーの信用がガタ落ちする。
余談だがエンゼルギアはこれを何回も繰り返したので、RUNEという会社の信用低下の一つになったのは間違いない。

【背景】

エロゲーにおける基本イラストの一つ。背景のイラスト。グラフィッカーが描くことが多いが、背景を専業とする会社もある。
地味だがこれがショボいと途端にゲーム全体がショボく見える。何故ならゲームの九割以上の場面で映り続けるからである。

【声優】

エロゲーキャラにボイスをつける人。現代は声優志望者過多でアニメなどの仕事が取れず食えない声優がエロゲーに流れることも多い。
また拘束時間が数日で何万というギャラが入るため、食えないと言われる声優にとって魅力的な仕事に映るらしい。
もちろんエロゲーなので、ヒロインなら喘ぎ声を出さなければならないため汚れ仕事として嫌う声優ファンやアニメファンも多い。
ただ最近は顔出しして専業エロゲー声優としてイベントを行い、地下アイドル的な熱狂的人気を誇る声優も多数いて、一概に馬鹿に出来ない。

【飲み会】

フリーの業界人にとって実は大変重要な会合。
お互いの顔を知り合わせ、会社の仕事を譲り合う、もらうなど飲み食いする場ではなく食っていくための戦場である。
また業界人が多数集まるため、様々な会社の悪評や噂が瞬時に交換される。なかなかメーカーが新作を出さないという理由を探ると、
業界人が飲み会で情報交換している際に悪評が広まって敬遠されていたというのは珍しくない。

最終更新:2014年12月18日 02:28