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ロリー・クリスマス

作者:◆KazZxBP5Rc

12月25日。
ショーウィンドウにはどの店にもクリスマスツリーやサンタクロースがあしらわれている。
夜になると綺麗にライトアップされるが、残念ながら今は昼である。
特に予定が無くても、街中を歩いているだけできっと何となくワクワクする。はず。
この大通りを一組の男女が歩いていた。
一人は、もはやロリコンと断言していいはずの大学生、東堂衛
もう一人は、そんな衛と同棲中でもう確実に両想いなくせになんだかまだ微妙な距離を保っている、平均よりちょっと小さめな中学生、鬼塚かれん
傍目には、二人はちょっと歳の離れた兄妹に見えていたことだろう。

大通りに突然緊張が走る。
「黒雪だるまっ!」
説明しよう! 黒雪だるまとは、とある変態が能力で作り出した兵士で、クリスマスイブに主にカップルとかに嫌がらせをするぞ!
今現れたこいつはその残党らしい。
やっぱりカップルとかに嫌がらせをしながら、大通りを闊歩している。
そして衛たちに近づいて……スルー。
「無視するなーっ!」
黒雪だるまには、二人はちょっと歳の離れた兄妹に見えていたことだろう。
もう怒った、と言わんばかりに衛は飛び上がった。だいたい10メートルくらい。
冗談とか誇張ではなく、本当にそれだけ飛び上がった。
衛の能力で重力を無視すると、地面を一蹴りするだけでどんどん空へと昇っていくのだ。
まあそういうこともできる能力だと思っておいてください。
とにかく次へ進もう。
衛は十分な高さで能力を解除した。
当然、落ちる。
その先には黒雪だるまの姿が。
「ニュートン・キィィィーーーーック!」
なんか適当に考えた技名を叫びながら、黒雪だるまに蹴りを入れる。
黒雪だるまは潰れた。
憂さ晴らし、終わり。


「メリー、クリスマス!」
四人の声が重なり、クラッカーが鳴る。メンバーは衛とかれんに、衛の友人の静岡幸広川端輪だ。
いつものメンバーマイナス某外国人教員。
「先生も来ればよかったのに。」
「年末年始は国で家族と過ごすんだって。」
この祭りの元祖であるキリスト教徒の間では、クリスマスもそういう日であるらしい。
「それはともかく、早く食おうぜ。待ちくたびれた。」
幸広が本音をこぼす。
四人の前にはわりと豪華なランチが並んでいた。
鶏とか、ケーキとか、シャンメリーとか。
「そうだね、じゃあ適当に。」
輪の適当な合図でパーティが始まった。
身内同士ならこんなものである。
食べたり、喋ったり、パーティゲームで遊んだりして、彼らは楽しいひとときを過ごした。

パーティも終わりが近づいてきた頃、輪が紙袋を取って、言った。
「かれんちゃん、預かってたもの、返すね。」
「あ、はい。」
なんだろう、と思う男性陣二人。それはそのまま衛に差し出された。
「クリスマスプレゼントです。」
いきなりのことに一瞬戸惑う衛。
「あ、ありがとう。あけていい?」
かれんは無言でうなずく。
中身はマフラーだった。
「内緒で編んだんですよ。」
「へぇー。」
首に巻いてみる。あったかい。感激で余計にあったかい。
そのあったかさをしばらく堪能した後、改めて。
「ありがとう。」
それから、衛もまた小さな袋を取り出した。
「僕からも、プレゼント。」
「そういやお前、この前からバイトやってたよな。」
幸広の言うとおり、これはそのアルバイトの成果だった。
先ほどと同じような流れを繰り返して、封が開けられる。
中に入っていたのは、チョーカー。
犬の首輪を連想させることから、周囲からはこんな反応をされます。
「うわあ……。」
「ごめん衛。俺、お前がそこまで変態だとは思ってなかった。」
ドン引きである。
しかし、かれんは全く気にしていない様子だ。
「ありがとうございます。」
まぶしい、まぶしすぎる笑顔。
大きくなってもその笑顔を忘れないままでいてほしい。
そう心から願うクリスマスの夕暮れ時であった。


おわり


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最終更新:2011年01月02日 20:02
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