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5スレ目263


気がついたら僕は教会にいた。
「どうしましたか?」
初老の優しそうな神父こちらに気づいたようだ。
「罪を犯しました。」
「キリスト信者ですか?」
「いや・・・信仰は浄土真宗です。」
「ハハハ。面白いですね。ではまた来てください。神のご加護がありますように。」
教会を後にすると、人通りの多い県道沿いに出た。
本当に馬鹿なことしたな…マジで馬鹿だよ…
カバンの中の拳銃で頭を撃ちぬいて死んでやろうか?拳銃を乱射してやろうか?
誘われて行った行動が僕の人生最悪の日の幕開けだった。
午後6.00。第二文化ホール前バス停。
ここで起きたことが僕にとって人生最悪の日になるとはまだ思いやしない。
「鮎川太一…このバスに乗って…。」
背後からの声は紛れも無い銀行にいた女だった。
「アンタは誰なんですか!?」
「乗らないとポケットの中の拳銃から銃弾が発射されるわ。」
心拍数が跳ね上がり、鼓動する音が耳の中で響いていた。
汗まみれの肌を袖で拭くと、しぶしぶバスの中に入った。

僕と女はバスの奥のほうへと座った。
四方には誰も座っておらず、乗客は6名程度。
学生二人と老人が一人スーツ姿の男三名。誰もこの中に僕が拳銃を持っているとは思いやしない。
のんきに携帯をいじる学生を横目で見ながら女は口を開いた。
「貴方はいつ死ぬか決められているかと聞かれたことがある?」
女は奇妙な例え話をはじめた。
「チェンジリング・デイ…。ある日のことから境に私達は怪物扱いにされた。」
「アンタはもしかして…?」
僕は女が答える前に喉に詰まっていたものを吐き出した。
「ええ…巷じゃ能力者って呼ばれているのね…。」
僕の心拍数は最長に達していた。
「私は『機関』から仕事をもらったの…。鮎川さん。」
始めて「さん」付けで読んだ彼女の声は恐ろしいほど低かった。
「リッジウェイの脱獄。及び刑務所襲撃。そこで鮎川さん…。」
彼女の言葉は僕の運命を変えた。
「刑務所のコンピューターロックを解除してもらえないかしら?」
彼女は僕の正体をお見通しのようだった。
鮎川太一。「政府」のシステムにクラッキングを成功したクラッカー。
通称は「リロード」。そこらでは名が知れ渡っている。
「できますよね…リロード。」
僕はつばを飲み込み「YES]と答えることにした。
史上最悪の幕開けの日。僕の頭に何度もよぎった。


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最終更新:2011年05月05日 01:09
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