第3スレ ログ4

第3スレログ4

[451]天塚 銀樹 08/12/13 23:59 E-xr47L
>>449

「…人浚い!!」

曲がり角、ナイアが通り過ぎるのを見てさけぶ。
眼鏡をコンプレックスとする沙耶は出かける時は眼鏡を外す。

人浚い相手なら良心はいらない。

「…よしっ!!」

荷物を起き、片手に2Lペットボトルを持ち、駆け出した。
[452]馬超 08/12/14 00:13 qfHbNP.piU
>>451

「あ、沙耶さんだ…」

走ってる途中に見たので呟いた。
[453]八神 08/12/14 00:15 V-UJSI9
>>447
 全然効いてない……!
 七星はここでようやく確信した。これは”いけないもの”だ、と。
 しかし今の状況では何も出来ない――
「くっ、離せッ……!」


「貴ッ様アァ!!」
 アリアと鈴も突然の事に一瞬呆然としてしまっていた。しかし事態を把握した次の瞬間には二人とも爆ぜるように駆け出していた。
 二人とも頭に血が上り表情は憤怒に染まっている。
[454]馬超 08/12/14 00:22 qfHbNP.piU
>>453「落ち着け二人とも…そんな表情したら何されるかわからんぞ…」

隼人は二人に言う。


モスクワ

「(任務で来たのは、いいがホントにナチスの連中がいるのか)」

ヨウは小声で、呟いた。


[455]No.Ⅳ【愚人王】 08/12/14 01:13 X1/XU2eekz
>>449
「っちぃ!リタ、お前は皆と一緒にナイアを追え・・・いや、違うな。」

指示を出そうとした瞬間に言いよどむ。冷静に、どこまでも冷静に・・・瞬時に頭をクリアにし、次の手を考えそして・・・

「・・・いや、皆と一緒でなくていい。アイツ等とは別に独自に追ってくれないか?」

その目が澄み渡り、絶対零度を思わせる程に冷たいものになる。

「しばらくは・・・そうだな、俺が合図をするまでは手を出さなくていい。
それまではナイアを見失わないことを第一に動き、要所要所で連絡が来るだびに俺に現在地と状況を教えろ。」

的確に指示を出していく。

「なるだけ向こうに気付かれないように動け。そして期を見て俺と合流し・・・挟撃する。」


[456]森本 08/12/14 01:40 E-lv.N1
>>455
「了解。」
リタは黒田のもとから風のように走り去った。そしてアリアと鈴が出す派手な音を目印にし、ナイアの視界に入らぬように追いかけた。
 ついでに、追跡の奥の手を用意しておく。
[457]No.Ⅳ【愚人王】 08/12/14 02:07 X1/XU2eekz
>>456
「よし・・・んじゃあ俺は俺で動かさせてもらうか・・・」

皆が皆馬鹿正直に追ってるが、あれじゃあ駄目だろ。
相手はまともじゃない上にこちらはチームワークも糞もない烏合の衆。
たとえ捕まえたところで奪還出来る可能性は微妙なところだ。
そもそも相手の土俵の上でやっている時点で下策だ。

「ずるしてなんぼ。まぁ追いかけている連中はテキトーに陽動にでもなってもらって・・・」

携帯を出して宣言する。

「『俺達』は横合いからぶん殴るとしようか・・・」


[458]ハバネロ 08/12/14 10:06 NC6Q5r23qx
>>453-457
「なるほど。面白い……八神七星。君はなかなか面白い友人に恵まれている。
あの追いかけてくる二人の恐ろしい女性達は最高だ、ハナマルをくれてやりたいほどに……
かたや「黒田清隆」は冷静に私を打ち倒すために計算高く司令塔のように指示を出し……。
君をさらった甲斐があるというものだ。心配しなくても取って喰おうというわけじゃない。ただこのまま、もう少し私にさらわれてくれれば。」

ナイアルラトホテップは逃走劇を楽しむかのように笑い、助走を付けてフェンスを飛び越えて、そのまま住宅街へ逃げ込む。



「ぜぇ、ぜぇ……みんな早いよ……はっ、はっ、もうみんな見えなくなっちゃったし……」

星宮は一人取り残されてしまっていた。
[459]馬超 08/12/14 11:44 23T9ozApT.
>>458

「(逃げこんだって無駄だ、お前の気配を感じればすぐわかる…)」

隼人はそう呟くと、フェンスを飛び越えて、住宅街に行った。


[460]天塚 銀樹 08/12/14 13:23 E-xr47L
>>459

眼鏡が無くて誰だか解らない筈だったが…声でそこに隼人がいるのは解る。

ぼやけているが他に自分の前に数名凄まじい勢いで追いかけているのは解る。
しかし犯人の顔は見えない。人を持っていることくらいしか…

どうでいい、とは思わない。久しぶりに自分の身心が軽い。
独り言を高速で呟いているのか?唇を動かしながら駆ける。

「学生がそんなんじゃ駄目じゃない?」

星宮を追い越し際に、今は必要ではないだろうペットボトルを置く。

「追い付けないならそれでも飲んで…」

前にあるらしいフェンスが多少邪魔だが、まだ解る。
自分の声にならない声が、動きを目印にソレを捉えている。
[461]アス 08/12/14 13:51 phMi7aeZZ0
「・・・行っちゃったか。」
竹原が呟く。
竹原は『サタンルージュ』を仕舞って、また歩き出す。

「ゼェゼェ…」
エマはベッドで寝込んでいる。タミフルは・・・見付からなかった。


[462]森本 08/12/14 14:11 E-lv.N1
>>458
「目標、三丁目の住宅街に入り込んだ。そこから五丁目に向けて逃走中。」
リタは黒田に携帯電話で近況報告をした。
[463]アス 08/12/14 14:31 phMi7aeZZ0

「ん・・・」
アスカは、目を凝らす。
「アイツ・・・ナイア!
…ま、いいか。関係ないし。」
アスカは、ナイアをほっておくことにした。


[464]No.Ⅳ【愚人王】 08/12/14 14:49 X1/XU2eekz
>>462
「了解・・・っち、住宅街か・・・事を起こすには場所が悪過ぎる。」

皆が追跡中の現在、市内の地図を手に報告に応対する。

「まだ手は出すな。とりあえず住宅街を抜けるまでは基本そのままで頼む。しかし・・・そろそろ追跡している皆の中にも脱落者が出る頃だろ。
星宮さん辺りはもう脱落してるんじゃないか?」

相手が相手だけに普通の高校生である彼女はもうリタイアだろう。
言い方は悪いが、足手まといがリタイアしているのは状況の好転でもある。

「俺は俺で準備を整え公共交通機関やらで先回りするつもりだ。
だがその間に追跡組の思わぬ活躍で奪還出来そうな状況になったら・・・自己判断で追撃をかけていい。
いいか、この作戦でお前を目立たないようにしているのは将棋で言う『金』の働きをしてもらいたいからだ。勿論守りではなく攻めのな。
見て分かると思うが、今追撃している中には化物じみたのもいるだろ?そいつらは『飛車』や『角』だ。
彼らはスペック的には優秀だ。だがそれだけでは詰むのは難しいだろう。
だからこそ・・・止めの『金』なんだよ。」

盤上ではなく持ち駒の『金』、まさに止めと言えよう。

「というわけで引き続き追跡を続けてくれ。頼んだぞ。」

そう言って電話を切り、すぐに進路を変更する。
そして・・・

「だが相手は卑しくも『神』、王将なら『金』で事足りるが流石に相手が悪いな・・・」

ならばと考え再び電話帳を開き、あるところへかける。
そう、『金』だけで詰むのが難しいならさらなる持ち駒を増やすだけ。そして場合によっては・・・

「盤上すら変えるだけだ。」


[465]ハバネロ 08/12/14 15:24 NC6Q5r23qx
「さて、そろそろ面白くなってきたな……?」

住宅街を駆け抜けて、脇道から車道の脇へ抜ける。
かなり開けた所で人通りもまばら。

「うーむ、脱落者が出たな。つまらない……それにひきかえ、あの少年少女は実に面白い。マジ楽しい。特にあの『司令塔』……
なるほどなるほど。団子のようにひとまとめになって追うのではなく上手い具合にじわじわと私を追いつめるべく作戦を立てる……か。」

楽しそうに笑う。

「さあどうした諸君?私はここにいる。せいぜい足掻いて見せてくれ。この私に本気を見せてみろ!」
[466]馬超 08/12/14 16:59 qfHbNux0Ny
>>465
「(星宮は脱落か…。
さて…奴から八神を助けないと、アレが使えないしどうする…)」

隼人はいろいろと考えていた。
[467]八神 08/12/14 17:10 V-UJSI9
>>458
 高いフェンスをアリアは一足で、鈴はその前の障害物を踏み台がわりにして跳び越えた。
 そしてなりふり構わず一心不乱に追いかけていく。

「うっせー馬鹿! お前の目的なんぞ知るか!
 離せ! はーなーせー!!」
 七星はばたばたと暴れ、ナイアの脚をげしげしと蹴りつける。
[468]馬超 08/12/14 17:30 qfHbNux0Ny
>>467「おまえら、チームワーク良くしろ!そんなことをつづけてたら…あいつがホントに死ぬぞ!…」

隼人は二人に言う。
[469]馬超 08/12/14 17:40 qfHbNux0Ny
書き忘れ
なんとなくさっきのやりとりを見て思った。

「(まぁ、ここぞの時はまじめにやるか…あの二人)」
[470]ハバネロ 08/12/14 18:30 NC6Q5r23qx
>>467
「うるさい。なかなかつまらないや、君は」
さらに人気が少ない場所へとナイアルラトホテップは走る。
「しかし、あのお二人もなかなか頑張る。君もただ蹴るだけじゃなくて、もう少し建設的な行動を取ったらどうかな」



「あら?星宮さん?」
へたばる星宮の前に、京岡が通りかかる。
「あー、マドちゃん……実は、その……」

###

「……ええっ?!八神君がさらわれたって……どういうこと?」
「知らないよぅ……あたし置いてかれて……っ」
泣きそうな声で言う。

「……悔しい……」
「星宮さん、これ」
星宮に京岡が渡したモノは、双眼鏡だった。

「星宮さんに階段を登る元気があるなら、あそこの展望台からこれで人さらいを確認して頂戴。ただ追っかけるだけが道じゃない、星宮さんは自分ができることをやって。
私も頑張って追いかけてみるから」
星宮は頷いて双眼鏡を首にかける。

「……じゃ、また後で!」
京岡は一目さんに駆け出す。早い。……フェンスも飛び越えた。星宮は呆然とそれを見送った。
「あたしにできること、か……」



「おい、ハバネロ」
「んあ」
微睡みに落ちていたハバネロの頭を森岸が小突く。
「準備しろ。もうモスクワ空港だぞ」
「……んあー。目的地はこっから……どこら辺に……?」
「降りたら説明するよ、ほらとっとと準備しろ!」
[471]馬超 08/12/14 19:05 zqTShUdTRk
>>470
「(ん・…今度は京岡だ…)」

隼人は後ろのから、見て呟いた。

「(しかし…ナイアのやろう・・何をする気だ・・)」
[472]森本 08/12/14 22:36 E-lv.N1
>>465
「五丁目に入った。人影なし!」
リタは目標の頭を押さえるためにスピードをあげた。
[473]天塚 銀樹 08/12/14 23:41 E-xr47L
「…出る幕なさそうだけど…」

沙耶は確実にアレを追い詰めるならどうするかと考える。
鬼のような早さにはおいつけなくもないが…

「…よいしょ。」

人様の家の塀の上にのり走り出した。

「…所詮私は悪餓鬼か。」

そして迂回ルートで追いかけることにした。
[474]馬超 08/12/15 00:04 FIhj5.HDeg
「(そろそろ、人が居なくなって来たな…)」

隼人はあたりを見て思った。

「(もう少し、したらあれをやるか…)」

[475]No.Ⅳ【愚人王】 08/12/15 01:27 X1/XU2eekz
>>472
「よし、状況は好転。今『呪い十字』から連絡があった。
五丁目は既に『人払い』済み、直接的な協力は流石に得られなかったものの、そこでのドンパチならある程度目をつむる・・・要するに器物損壊程度はケツ拭きしてくれるそうだ。」


だが・・・と彼は続ける。

「それでも相手が相手だけに慎重に追跡をし続けろ。
だが俺の予想では追跡組に一人目立ちたがり屋の馬鹿が居るはずだ・・・
ああ、要所要所でレスしてる奴ね。とりあえずそいつがなんか阿呆な行動に出たら連絡しろ。もしかしたらそこがアタックのチャンスになり得るかもしれん。」


[476]森本 08/12/15 01:46 E-lv.N1
>>475
「了解。」
リタは短く言う。
 胸の内に不信感が芽生える。
「報告。目標は我々の追跡を振り切りるつもりがない。むしろ人気がない地点に誘導している様子。」
[477]No.Ⅳ【愚人王】 08/12/15 02:05 X1/XU2eekz
>>476
「・・・誘っていると考えるのが妥当だろうな。本来なら深追いせずに帰るところだが・・・」

今回は人質が居るためそういうわけにはいかない。

「・・・となると・・・あまり長引くとろくなことにはならないか・・・」

相手がどういうつもりだか知らないが、そういうオチが有力と言えよう。

「ならば早々にケリをつけるのが得策だろうな。仕方ない、あと五分待て。五分間に他の追跡組の連中が有益なアクションを起こさない場合は・・・」

電話の向こうで黒田は制服の中に隠した鞘入りのナイフの柄に手をかける。

「後方からはお前。前方からは俺で挟撃をかける。
成功率は・・・まあ八神を奪還という点では高く見積もって40%、正直分の悪い賭けだが・・・まあそこは他の連中の追撃に期待しよう。
あくまで対象をなるだけ長い間こちらに注意を引きつけさせることに重きをおくように。やれるか?』



[478]アス 08/12/15 16:20 phMi7aeZZ0
いきなりサイレンの音が閑静な住宅街に鳴り響く。
「クウォラァァァ!誘拐の現行犯で逮捕だぁぁぁ!」
セラがナイアに向ってディアボロを走らせる。
ディアボロの黒い車体の上にはパトランプが乗っかっている。
「待てや誘拐犯ンンンン!」
セラが時速約220キロで走る鉄塊をナイアに向ける。

「うわ・・・」
アスカがベランダで洗濯物を干していると全力でナイアを追うセラを見つけた。
「…止めさせた方がいいかな。」
アスカは苦い顔で部屋から『リベリオン』を取り出す。


[479]馬超 08/12/15 17:23 qfHbNYT0NZ
「(あいつ…あんなものぶつけたら、大変なことになるぞ・・)」

隼人は思った。


[480]ハバネロ 08/12/15 19:21 NC6Q5r23qx
「…………ふふ」
ナイアルラトホテップの顔から笑みがこぼれる。
「楽しい。純粋に楽しい。なかなか楽しい……くくく」

そのころ、星宮は展望台から双眼鏡でナイアルラトホテップを追い続けていた。

「もしもし?マドちゃん!!追い込めるよ!」
京岡は少し追跡の足が遅れている。

「左! 左から回り込んで!! 袋小路に追い込める!」
前方から黒田、後方からはリタ、そして左方から予期せぬ京岡!
「了解っ!星宮さん、ナイス指示!」
京岡は携帯をパタンと閉じて左から迂回する。
[481]馬超 08/12/15 20:29 CaGTay5hLa
「(なんか、盛り上がって来たな…)」

隼人は、思った。


[482]八神 08/12/15 21:30 V-UJSI9
>>470
「……そうかよ」
 わざわざ誘拐犯を喜ばせる趣味は無いが内心面白くなかった。
――人気がほとんど無くなって……その中で、明らかにこちらに向かってくる足音……
 彼は道中暴れながら、必死で集中し周りにある音を拾って読んでいた。
――携帯を使ってるのが三名、内容は……!

 そしてT字路に差し掛かる。そこで彼も新たな行動を起こすことにする。
――これで効かなかったらマジで手段がかなりないが……ままよ!
 おもむろに七星は左腕を曲げて振り上げると――
「だらぁっ!!」
 肘の先から――七星の想像しうる最大の速度で――刀の鞘がナイアに向けて突き出された!

「くっ……! はぁっ、はぁ……!」
 鈴は走り疲れくずおれる。アリアは先に行ってしまった。
 普通の人間であり訓練などしていない彼女には厳しいのだった。しかし。
「はぁっ……はぁ……後は任せたわよ、茶々」
 彼女の半身とも言える相棒に七星を任せることにした。
[483]ハバネロ 08/12/15 22:22 NC6Q5r23qx
>>482
「………ほほう!」
なかなか感心な少年である―ナイアは思う。この少年も面白い奴じゃないか。

そしてそこへ―

「覚悟しなさい!誘拐犯!」
左サイドバックからの京岡!!

「くっくっく……これは想定外だ……」
左はムリ。後ろもムリ。このまま無理にでもT字路を正面から突っ切るか右に行くか―右がデッドエンドであることはナイアは知らない。
[484]馬超 08/12/15 22:29 CaGTay5hLa
>>483T字路の方から

「やっと追いついたな…」

隼人がやってきた
[485]天塚 銀樹 08/12/15 23:11 E-xr47L
「…人間め。」

沙耶は笑う。自分一人で捕まえられそうはないが、追い詰める手伝いは出来るのかもしれない。

おおよそT字路付近ににいるのは解る。
塀の上、頭の中にある地図と…追跡者達の動きのお陰で何度か見失ってもすぐに解る。

T字路を強引に正面突破したら…沙耶は自販機の裏に隠れておく。
[486]No.Ⅳ【愚人王】 08/12/15 23:12 BqbDyscQ.W
>>483
「そろそろだな・・・」

T字路右方ででスタンバイしていた黒田が迎撃用意。
鞘から引き抜いたナイフを右手に持ち、それをに着ていた制服を被せる。

「リタ、一気に追い立てろ。此処でケリをつけるぞ。」

[487]ハバネロ 08/12/15 23:29 NC6Q5r23qx
モスクワ。

「あー……やっと着いた」
「ほら、とっとと歩いてこい。案内するぞ」
「こっから近いか?」

ハバネロは首をグキグキならしながら尋ねる。

「……歩けばそれほどでもない」
「んあ、ストップストップ。森本さんいねぇかな」
[488]馬超 08/12/16 00:43 5HDARN6y/C
>>485>>486「(いろいろと考えは、バラバラだがやることは、同じか…)」

隼人は回りをちらりと見て、思った。

「(さて・・どうでる、ナイア…)」

>>487
「(ん?、あれは報告にあった、警察特殊課の「ウェアウルフ」か…。
後は誰か知らんが、つけてみる価値はあるな…)」

ヨウは思うと。
気づかれないよう、気配などを出さずついて行く事にした。
[489]森本 08/12/16 01:50 E-lv.N1
>>486
「了解。」
 リタは返事を返すと同時に生け垣から飛び出し、ナイアに対して、右手に持ったシグザウエルを目標に向け暴徒鎮圧用の弾を放った。

>>487
「あ!いますよ!」
 森本は人垣の間から出て来た。
「着いて行っていいですか!?」
 好奇心で森本の目は光っていた。
[490]八神 08/12/16 13:04 V-UJSI9
>>483
「っせい!」
 七星は続けざまに鞘を抜き取りナイアの脇腹を突き、その反動で腕の中からの離脱を図る。


「……これで三方塞がりね」
 その背後からアリアが息も乱さず現れる。その瞳には全てを凍てつかせるような怒りが湛えられていた。
「いや、四方じゃの」
 そして壁となっている塀の奥にある家の、その屋根の上には長身の女(判らない方はナチス襲撃編参照)が立っていた。
[491]アス 08/12/16 16:13 phMi7aeZZ0
ガチャリ。
セラはグロックがいつでも弾を撃ちだせるように給弾する。
「見つけたァァァァ!誘拐の現行犯で逮捕だぁぁぁぁああぁぁああ!」
セラは大きく叫び、警察手帳を掲げ、片手でナイアにグロックを突きつける。

「・・・・あら。」
『リベリオン』を持ったアスカはベランダからセラの居場所を探していた。


[492]ハバネロ 08/12/16 16:53 NC6Q5lAWGG
「……………ふふふ」
ナイアは笑顔を見せた。弾が首に直撃する。首に穴が開いて頭が30度曲がった状態でナイアルラトホテップは笑う。

「デッドエンドか、なかなか見事な王手だ」
そして、八神を羽交い締めにして自らの盾とする。脇腹を押さえつつも……

「怖いな、皆さんは!こうなったらこの少年を盾にするしかないな!!」
さあ、どう出る皆々様方。
この『化け物』に対してどう対処する?

>>489
「おう、是非是非。森岸、一人増えるんだが」
「……目的地の図書館の外で待たせるんなら構わないな」
冷たいが当然な意見だった。

「目的地の外で待ってるならいいってさー。悪いな、簡単に見せるわけにはいかない代物のようでな」



「……ウェアウルフを補足しました」
『本部了解。人混みに紛れて尾行しろ。人がまばらな場所では尾行を解除せよ。over』
ハバネロ一行を人知れず尾行する数人の男。
「チカチーロ」というマークが着いた服を着込んでいた。
[493]アス 08/12/16 17:00 phMi7aeZZ0
「・・・喰らえ!必殺!・・・・・あら、あれ、あれれれれれれ!」
セラは頭を持って右往左往する。
どうやら頭を投げつけようとしたいらしいが、どうもセメダインを付け過ぎたらしい。
(注:セラはデュラハンです。)

[494]森本 08/12/16 17:21 cR1l9A0xVa
>>492
「要求に答えてやる化け物!」
 普段のリタなら無言でやってしまうところだが、自分に注意を向けさせるために声を出す。拳銃を懐にしまい、同時にナイアに向けて駆け出す。
 ナイアの左脇を掠めるように走り抜ける。ナイアの左腕をもっていくつもりで、リタは右手で持ったナイフを突き立てようとした。
 リタに腕力はないが速さはあった。

>>ハバネロサイド
「はあ、まあ、分かりました。自分は大人しく待っています。」
 森本はやや残念そうに言った。しらず知らずのうちに、大きく息をつく。その息が白い靄になって散らばっていった。
 寒さのためか森本は国防色の外套の襟を立てた。余談だが彼は年代物の外套とラシャのズボンをはいていた。
 
[495]馬超 08/12/16 17:43 O1R.WLEs1h
>>492
「おかしい…奴に限って、はやく事が進むとは…」


隼人は疑問に思った。

>>ハバネロサイド

「(人混みから、気配がするな…うまく、紛れてる見たいだが。
今はどう動くか見るか…)」

ヨウは思った。

[496]怠惰・ベルフェゴール 08/12/16 18:39 0hdcPcmYQm
 蓮田市で起きた神と人間たちによる追いかけっこ。それをあるビル
の屋上からから双眼鏡で眺めている青年の姿があった。
 歳は二十歳ほど、長い銀色の髪に白いシャツ、雪のように白い不健
康そうな肌。そして足が悪いのか、車椅子に座っている。

「やはりこの街は私を飽きさせない。…本当にいい街だ」

 彼は双眼鏡から目を離すと、そう呟いた。その顔は歓喜に満ちてい
る。

「『神』と『人間』の戦いをのんびりと『悪魔』が見つめる。何とも
詩的だね…。もう少し静かに待とうか、ここには私の駒たちの居場所
はないな。」

 彼は意味深にそう独り言を呟いて再び双眼鏡を目に当てる。その彼
の周りを腐臭でも嗅ぎつけたかのように何匹もの蠅が舞っている。
 『蠅の王』、中禅寺蛭弧はただただ傍観を決め込むのであった。今
のところはだが……


>>モスクワ

「ふぅむ。ロシアの首都なら何かわかると思ったんだがなぁ…」

 道端に『ベルフェゴール』を停め、それに寄りかかるようにしてフ
ォルズは空を見上げて呟いた。
 あの後、ガス欠状態の『ベルフェゴール』を押してどうにかこうに
か砂漠を突破、町までたどり着いて燃料を補給。
 その足でこのモスクワまで全力で疾走してきたのはよかったが、こ
の首都までの道なりの町でも奴の噂を聞く事はなかった。無論、この
モスクワでもそれは同じである。

「さてはて…次は日本か、どうしようかねぇ…」

 フォルズは目線を空から歩道に向ける。多くの人が行き交い、その
歩道はなかなか賑やかだった。
[497]ハバネロ 08/12/16 20:26 NC6Q5lAWGG
>>494
「……くくくっ……仕方がない。そろそろ締めに入ろう」
八神から手を離し、笑いながら後ずさる。
ナイフが突き立てられる―左腕から鮮血がほとばしる。痛がるそぶりは見せず、笑顔さえ浮かべるその表情はまさに狂気だった。

「なかなか面白い追いかけっこだった。少女二人は憤怒の形相で人とは思えない速さで追いかけてくるし、『司令塔』とナイフのお嬢さんはなかなかいいチームワークだったし……
そうそう、途中リタイアしたあの少女も活躍していたな。追いかけるのみが追跡とは限らないか……」
ちら、と星宮がいるであろう展望台を見る。



「森岸。いつになったら目的地に連れてってくれるんだよ?」
「あそこだよ」

空港からあまり離れていない場所にひっそりと建てられたレンガの図書館。

「アタシとアンタの二人で行くからな。森本さんとやらは入り口で待っててもらえよ」
「へいへい……」
それじゃアンタもちょっと待ってな、と森岸は言って一人で中に入っていく。

「あー、ようやく煙草吸える」
すぱすぱ。
「あー、すいませんねえ森本さん。すぐ済みますんで」

バイクに寄りかかって何やら呟く男に、「ばーん」と指で拳銃の形を作って反応を楽しんでやる。


「………?!」
モスクワに潜入中のハゼリアは、ハバネロ一行が謎の数人の男達に尾行されている事に気づいた。

(どう見ても軍の……いや、軍では無い?)
不審に思ったハゼリアは、ハバネロを尾行する男達を尾行することにする。
[498]天塚 08/12/16 23:25 *3PbAi4XW2DD*E-xr47L
>>497
「…あら?」

此方には動いてこない。
とりあえず誘拐犯を取っ捕まえて、自分はどうにかせねばならん。

いそいで沙耶は、ナイアの方へ向かう…が、誤算が起きた。
一つ、ナイアの姿が解らない。一つ、眼鏡をオトシタ。

「そこまでだ誘拐犯!!」

解らないが…とりあえず自販機裏からかけだし、追いついて、叫ぶ。
[499]ハバネロ 08/12/16 23:32 NC6Q5lAWGG
>>498
「ん……そういえば貴方も私を追いかけていたね。君もそれなりに面白いかもしれない。」
曲がった首からは血が垂れ流されてはいるが、それでもなお笑顔を浮かべていた。

折れた首を曲げて沙耶の方向を向く。

「愚かな人間にしては……君ら、なかなかやるじゃないか……」
嘲笑を込めてナイアはそう言い放つ。
「友情か、愛情か、正義感か、それは人それぞれだろうが、とにかく一つの目的に向かって自らの意志で前進したわけだ……」
[500]No.Ⅳ【愚人王】 08/12/16 23:39 BqbDyscQ.W
>>497
「ッ!?」

ナイアが展望台に視線を移した直後、その視界は何かに塞がれる。
背後からバサッと制服が被せられ、そして・・・

「・・・動くな。」

その刹那、ナイアの喉元に白刃が突きつけられる。
後ずさりのときに背後をとった黒田が首元に腕を絡め、逆手に持ったナイフを頚動脈に添えていた。
正真正銘のデッドエンドであり詰み。ナイアには人質も無いのでこれで完全勝利・・・なわけだが、

「・・・なんのつもりだ?」

それを決めた黒田本人は怪訝そうな顔でナイアの耳元問いかけた。



[501]森本 08/12/17 11:38 E-lv.N1
>>497
「あー寒い。」
森本はその場で足踏みをしている。
 そんなときに、ハバネロはライダーに指銃で狙いをつけていた。
「あら?」
 森本はつけられていた事に始めて気が付いた。
[502]馬超 08/12/17 13:43 WXNBlX7q9R
>>501
「(気づかれたか…)」

ヨウは思った。
[503]アス 08/12/17 16:26 7SxwG3.mtf
「・・・あれ、誘拐犯!誘拐犯はどこだ!」
セラは周りを見渡す。
そして八神を発見する。
「大丈夫かね!少年!」
セラは八神に駆け寄る。
[504]怠惰・ベルフェゴール 08/12/17 19:11 uppNsiqYys
>>497
 歩道をのんびり見ていると通行人の男から指鉄砲で撃たれるという
被害にあう。フォルズはそこで内心かちんときたが、ここで殴りにい
っては子供である。なので…

「ふぅん」

 その指鉄砲から発射されたであろう仮想弾の軌道をよんでそれをか
わすというリアクションを彼はとる。その後、折角なのでその男に対
して勝ち誇った笑みも浮かべておいた。
[505]八神 08/12/18 13:04 V-UJSI9
>>499
「うげっ!?」
 突然羽交い締めから投げ出され七星はバランスを崩し転倒した。
「ナナセっ!」
 アリアは真っ先に駆け寄り七星を掻っ攫うように引き寄せる。
 長身の女は黒田に取り押さえられたナイアを注意深く見ていた。
[506]森本 08/12/18 17:18 hwpnF0275T
>>502
 尾行されるのは良い気持ちではない。だが、放っておこう。ここは天下の往来。寒いとはいえ人々が闊歩しているのだ。何か仕掛けてくるとは考えにくかったし、自分もする気がなかった。
「ま、いっか…。」
 相手とばっちり目が合ってしまったのは、自分が未熟だからだろう。
 ちょっとした自己嫌悪中に>>504の一部始終を見た。
「はあ?」
 男のリアクションに最初は戸惑う。しかし、
「あはははははははは!」
 最後は笑う。ハバネロの横で腹を抱えて盛大に笑った。通行人に見られても構う気持ちにはなれなかった。


[507]馬超 08/12/18 17:36 1qmuwnSpxk
>>506
「(あそこの人は、放ってくれるみたいで良かったけど・…どうする)」

と考えてると。

>>504

「(あれは、確か報告にあったフォルズ=ヴァーンエッジだっけ?)」


[508]アス 08/12/19 16:28 7SxwG3.mtf
「大丈夫…みたいだな。」
セラは八神とアリアを見て言う。
「何なら、被害届けをウチから出しておこうか。」
セラは、グロックを仕舞って言う。


「ナチスの軍勢、外なる神・・・この世界の状態は昏迷を極めるばかりであるな。」
とある部屋の中、ワイングラスを持った髭の男が言う。
「・・・今こそ、世界は管理者を必要としている。」
髭の男は、誰もいない部屋でつぶやく。
「・・・この私こそが・・・その管理者に・・・」
男は、そう言いかけて、立ち上がり、扉を開く。
扉の外には、大勢の仮面と黒マントの人が、大勢待ち構える。
仮面と黒マントの人たちは、声を揃えて声を上げる。
「アルス・ヴァーンエッジ様、万歳!!!」
アルスと呼ばれた髭の男は、にやりと薄ら笑いを浮かべる。
[509]ハバネロ 08/12/19 18:50 htsXC8tiBQ
>>500
「なんのつもり、か……まあいいや。面白い人達だから教えてやろうか。
人間ってのは面白いのが時々現れてねえ。私がちょっと吹き込んだだけで核開発を進めたり核を発射したり殺したり殺されたり……
君らが面白い人間かどうか確かめさせてもらったよ。」

メキメキと音を立てて首に空いた銃のキズがふさがる。

首をグキンと大きい音を鳴らして元に戻す。

人間業では……いや、もはや人間ではなしえない芸当。

「さて、黒田少年やその他の人たちが正義感に基づいて八神少年を助けるのは分かる。
八神少年も自らに危機が迫っているわけだから助かろうとするのは分かる。
だが分からないのはそこの金髪の少女と八神少年の妹とおぼしき少女だ……」

ニヤニヤした表情を継続したまま言う。

「お嬢さんがた。一体何故少年を助ける?
ひょっとして……それはこの少年に対する『愛』とやらか……?」

>>504
「なッ……?!この俺の弾道を見切っただとっ!」
せっかくなのでノッておく。
「おい!準備出来たぞ、早く来やがれ」
森岸の声が入り口からする。
「何だよ、今この人と遊んでたのに……森本さん、ちょっと待っててな。すぐ済むからさ」

ハバネロは煙草を携帯灰皿に突っ込んで歩き出す。

「……つけられてるな。気をつけな。」
小声で注意もしておいた。



一方、彼らをつけまわしている「チカチィロ」の男達。
「……目標が図書館に。バイクの男と何らかの接触」
『了解。バイクの男にも尾行をまわせ』



ホワイトハウス。
「………」
大統領は一人で資料を読んでいた。
「『Ⅳ』をここへ呼べ。依頼したい事がある」
かしこまりました、と秘書の一人が一礼して室内から廊下に出る。
[510]森本 織部 08/12/19 23:02 Bdb/e2XZwz
>>509
「清隆!離れて!」
 リタの表情は化け物を目にして硬くなる。


>>ハバネロサイド
「あい。気を付けていますよ。」
 森本はにっこりと笑う。
「いってらっしゃい。」
 手を振ってハバネロを見送る。その後、車が途切れたのを見計らってバイクの男に対して右手の親指を上げてサムズアップする。
[511]ハバネロ 08/12/19 23:18 htsXC8tiBQ
>>510
「………おう、森岸。ちゃっちゃと済ませるぞ」
ハバネロの言葉を無視するように森岸はずんずん図書館のカウンターへ歩く。ハバネロは黙ってついてゆく。

司書に森岸が何やら話しかけ、それからハバネロをぐいっと引っ張ってくる。

「ほら、説明しな」
「えーっと……あれだその……この前のナチスの襲撃があっただろ……」
いきなり説明を要求されたので若干しどろもどろになる。

「その親玉っつうのかな、総長っつうのかな……とにかく、その野郎がちょっとばかり厄介な物を使い始めてな、そんでここにある資料だか何だか知らないが、えーっと……『エイボンの書』の写しだっけ?それが要る」

司書は無表情でそれを聞いていたが、ハバネロが話し終えてから3秒後に森岸に小声で何やら言った。

「いいってよ」
森岸はそれだけ言うとずんずんとさらに奥に歩いていってしまうので、ハバネロは急いで追いかけた。

本棚の奥の奥。図書館の一番奥まった場所、埃の臭いが若干する周りとは少し違う古めかしい棚で森岸は止まった。

「これだな」
彼女が取り出したのは一冊のヒモでとじられた書物だった。
「持ってっていいのか」
「ああ。重要なのはアンタがこれを必要としているっていう理由だけ。ああそうそう、アンタにこれに記されている重要な情報を提供したら後はコレはアタシが持っていくからね」
言いながら、森岸は入り口へと歩みを進める。

「ソレにほんとにヨグ=ソトースをどうにかする方法が書かれてるんだろーな」
「多分な」



『こちら本部。特殊課の男の姿が見えたら尾行を強化せよ』
「彼らを捕らえる事を前提とした命令か?」
『そうだ』
「チカチィロ」の名札が付いた男たちは尾行の網を強め、しかし一定距離から近づくことなく追跡していた。
[512]森本 織部 08/12/19 23:42 Bdb/e2XZwz
>>510
「どうしようかなあ?」
 森本は暇つぶしがてらに取りとめないことを考えていた。
 九九式小銃は今は持ってない。拳銃は現地調達の二丁。手榴弾は無し。煙幕もなし。銃剣はある。
「僕としては軽いなあ。」
 さて有事の際はどうしようか?ああ、そうしよう。
 森本は何かを考えついたようだ。
 獰猛な笑みでバイク乗りを見据える。
「冗談で済みますように!」
[513]怠惰・ベルフェゴール 08/12/20 01:14 j0DgO0d4P7
>>509
「ふふふ、まぁ、これが俺の実…ありゃ?」

 自分の前髪をかきあげかっこつけている間にハバネロは森岸に呼ば
れ、図書館へと入っていってしまっていた。

(…女連れか、何ともうらやましい)

 フォルズは目を細めてそう思う。そしてふと視線を歩道に返るとハ
バネロの隣に立っていた、さっきまで馬鹿笑いをしていた青年、森本
がこちらに親指を立てている事に気づく。

「イエーイ!」

 フォルズは子供のようにそのサムズアップに応えた。さっきから通
行人はおろか車ですら彼を避けて通行しているのだが、彼はそんな事
を気にする様子もない。

「…俺は初対面の人間たちと一体、何をやっているんだ?」

 気にはしないがふと我に返る。正直な話、これではただの馬鹿キャ
ラである。


>>512
 そして我に返るついでに気がつく、さっきの彼が今度はこっちを獰
猛な笑みを浮かべて見つめている。

「…な、なにかな!青年」

 フォルズはその獰猛な笑みに恐怖を感じながら大声で森本に向かっ
て聞く。
[514]No.Ⅳ【愚人王】 08/12/20 01:21 /jWjDv6.Jf
>>509-510(黒田サイド)
「・・・・・・取り乱すなリタ、殺るつもりならもっと早くから全滅している。」

化物の所業を目の当たりにしても顔色一つ変えず、冷静にそう答えナイフを退く。

「だいたいこの状況・・・警戒する以前に始めから出来レースだ。
コイツが本気なら瞬きする間を無く俺が殺られ、その次は・・・まぁ近くに居る数人がやられている。
対して俺達はどうだ?この場にコイツにチェックメイトをかけられる駒が存在するか?
確かにチェックはかけたが、こっから先に俺達に手は無いし、たとえその術があってもそれは『すべきではない』。」

そう、仮に何か手はあったとしてもこの状況は分が悪過ぎだ。
目の前のこの恐るべき人外を倒す術が存在したとして・・・それを成すための犠牲は軽く見積もっても半数は失うという結論に至る。

「とりあえず皆一度落ち着け。幸い目の前に居るのは『話が出来る』知的生命体だ。
多少おふざけが過ぎるようだが言葉の通じない獣よりはマシなほうだ。
此処は人間らしく言語という手段で『穏便』にお話をしようじゃないか。」

好意的に微笑み再びナイアに問いかける。

「さて、続きと行こうか。今度はもっと分かりやすく訊くとしよう。
アンタはなんのつもりで人攫いなんていう低能で糞ったれな行為に出たんだ?」



[515]No.Ⅳ【愚人王】 08/12/20 01:41 /jWjDv6.Jf
>>509(Ⅳ)
ホワイトハウス内部、紅い絨毯が敷かれる通路でSPと思しき男達に囲まれてⅣは歩いていた。
アメリカ合衆国、世界に『覇』を唱え公然とその武力を誇る言わずと知れた大国、そのトップからのお呼び出しとあれば拒むわけにもいかないだろう。

「ま、気の乗らない仕事を続けさせられるよりは遥かにマシなんですがね。」

ナチスの虐殺の後、俺達は緊急の呼び出しで合衆国に戻された。
理由はシンプル、世界中の被害を及ぼした虐殺、その騒動の中心に居ながら、元凶を仕留められなかった。
そのどうしようもない事実を世界に知られることは『合衆国』の威信に関わりかねないからだ。
まぁ早い話がぶっちゃけ女子供に関わってる場合じゃなくなった・・・というわけだろう。いやぁ良かった良かった。

「失礼します。」

目的の場所に着き、黒服が開けたドアから軽く会釈して入室し、

「こうしてお目見えするのは初めてですね。お会いできて光栄です・・・プレシデント。」

敬意を込めて挨拶をした。

[516]森本 08/12/20 02:29 E-lv.N1
>>513
 森本は笑みから、一転して表情はきょとんとしていた。
 海外で日本語で話しかけられたのに驚いていたのだ。
「Nothing.別に何にもないですよ。」
 英語と日本語で返事を返した。
[517]ハバネロ 08/12/20 12:50 htsXC8tiBQ
>>514
「……この少年をさらって、君らがどーいった行動に出るかを確かめさせてもらった。
この世界、この状況を引っかき回す上で主な舞台になりうるこの町。この町の中で面白い人間が誰かを見極めさせてもらった。
……結果は上々。実に面白かった」
満足そうな表情でナイアルラトホテップは言う。
「だが一つ腑に落ちない事がある……そこの銀髪のお嬢さん、君は本当にこの少年を『愛して』いるからこの少年を助けたのかな?」

>>515
「うむ、急に呼び出してしまって済まない……君に一つ依頼がある」
大統領はイスに座った状態で机の中から一つの手のひらサイズのケースを取り出した。
「私の元大統領秘書……ラスプーチン。その正体はロシアの回し者。
私もそれを承知のうえで彼を懐においた。その結果、分かったことは一つのみ」
ケースの中には何も入っていない。

「彼はこのケースにとある『虫』を入れてアメリカにばらまいた。今、回収作業を進めている。毒を持った虫ということでね……
彼はこれを幸運を呼ぶ虫などと言って一般市民にばらまいたのだ。
今ロシアでも同じような事が起きているとの情報が入った。
君への依頼は、ロシアに向かい、この虫がどういうもので、どういった目的でばらまかれたのかを探ってきて欲しいというものだ。
一般市民に広く浸透しているようだから、誰から買ったものかということを聞いていけばすぐにたどり着けるかもしれない。多少荒事になってもかまわない、ただしあまり危険な所までは深入りはしないで欲しい。
……急な話で済まないとは思う、しかし君が一番適任だと思うのだ」
[518]ハバネロ 08/12/20 13:04 htsXC8tiBQ
ハバネロと森岸は図書館の外へ出た。
「どれどれ、早速確認しようじゃないの」
「そう焦るなよ……」

ぺらぺらとページをめくり、目的の箇所を見つけて森岸はめくる手を止めた。ハバネロがのぞき込む。

やや読みにくい文字でこう記されていた。

”霊体を何かに封じるには媒体が必要である。それも強大な力を持つ霊体、つまり邪神を封じるにはネクロノミコンという本を用いる。
しかし中には地面、それも地球そのものを媒体として封じられている場合もある。
封印を解くには、ネクロノミコンを破壊し、しかるべき呪文を唱えればよろしい。もしも地球そのものに封じられていた場合は、地球そのものの秩序を破壊する、大規模な破壊活動が必要と言えよう。”

この先から筆跡が変わっていた。

”私が全てをかけて作り上げた、人体を使用してのネクロノミコン。もしもこれによって何者かが人体そのものを媒体として封印された場合、その人間を破壊すれば、それに封じられた何者かは、その人間が朽ち果てるまでの数十年は絶対に外に出てくることはできない。
その人間が朽ち果てて、その何者かは解放され、自らのもといた場所へ還っていくだろう。
もしも人体ネクロノミコンを応用し、封印した何者かの力を自らの力にすることができたなら、それは恐ろしいことだろう。もしもそうなってしまったなら、その人間は強力な結界呪文を用い、自らの体を保護するところまで発展しているかもしれない。それは十分考えられる。
結界を破る何かがあれば対処はできよう。だがもし自らに封じたモノが『外なる神』などといった人間が決して近づいてはならないような恐ろしいものだったとしたら、もはや『神殺し』も一撃では通用しない。彼らも必死の抵抗をするかもしれない。人間部分を破壊することができるまで気を抜いてはならない。
一つ言っておかなければならない。『邪神』、それも『外なる神』は存在そのものが概念的な存在なので消し去ることはできない。たとえ倒したとしても、長い年月を経て蘇り、自分がもといた世界に帰っていくだろう。そもそも彼らに近づいてはならないのだ。外なる神は狂気の存在なのだから。
外なる神も旧支配者も、基本的には自らから歩み寄ってくることは皆無、もしくは非常に希有である。
だが一つだけ、人間の世界を冷笑し、他の邪神すらもあざ笑う存在があるのである。例外的な存在として。
あえて名前は出さないが、その存在には注意を払うべきだろう。

アブドゥル・アルハザード 筆”
[519]アス 08/12/20 15:10 7SxwG3.mtf
“地中海の怪!相次ぐ石油タンカーの蒸発!”
アスカはパソコンを眺める。
「・・・このままではガソリンが値上がりしてしまうではないか。」


一方、地中海沿岸。
「よし、どんどん石油が集まってきているぞ。」
鍛え上げられた肉体をもつ仮面の男が、タンカーを見上げながら言う。
「これでEUは干上がりますよ。」
もう一人、仮面の男が出てきて、タンカーを見上げる。

[520]怠惰・ベルフェゴール 08/12/20 18:14 j0DgO0d4P7
>>516
 とてもじゃないが中の人がアニメの見すぎで日本語が世界標準語に
なりかけているという事を言い出せる雰囲気ではない。

「ハハハ…そうかい」

 フォルズは乾いた笑いを浮かべると歩道から目線を空に戻しかけ…
ふと気がつく。

「日本語がわかるって事は…青年、君は日本人か?」

 再び、森本の方に視線を向ける。そして『ベルフェゴール』に寄り
かかるのをやめると、彼の方に向かって歩き始める。無論、車道を突
っ切っていくので車からはバッシングの嵐である。だが、それをフォ
ルズはそれを完全に無視。

「日本人なら一つ聞きたい事があるんだが、いいかい?あーでも名前
も名乗らずにいきなり質問ってのは失礼に当たるか、日本人は礼節を
大切にするらしいしな」

 フォルズは車道を渡り終えると、森本の前に立って一つ咳払いをす
る。そして自分の顔を親指で指して名乗る。

「俺の名はフォルズ=ヴァーンエッジ、見ての通りただのフリーの旅
人さ。…国籍は聞かないでくれ」

 最後に中の人の心からの願いが出たような気もする自己紹介の後、
彼は続けた。

「初対面でいきなりフレンドリーすぎてまことに申し訳ないと思って
いるが…質問してもいいかな?青年」

[521]森本 08/12/20 20:24 E-lv.N1
>>520
 近付いてきたフォルズに対して、手袋を外した右手を差し出す。
「森本織部と言います。よろしくお願いします。それで、質問ってのは何ですか?」
 森本は和やか笑みを浮かべた。
[522]ハバネロ 08/12/20 21:46 htsXC8tiBQ
「……ふむ」
ハバネロは図書館の外に出た。森岸も出る。

「なるほどねぇ」
「用は済んだな?」
情報はくれてやったからもう用済みだろ、と言わんばかりにエイボンの書の写しをしまってしまう森岸。

(神殺しか……局長に報告せねばならんなぁ、面倒くさい……)

「んあ。森本さん、バイクの人ともう友達に?」
ハバネロはシガレットチョコをくわえて訪ねる。
「洒落た名前でもあれば自己紹介にも華が咲くんだがねぇ、あいにく俺にゃあ名前が無いんでね。昔昔なら「ウェアウルフ」ってあだ名で呼ばれてるんだが今は何の因果か「ハバネロ」とも呼ばれてるな。よろしくな、バイクの人」
[523]怠惰・ベルフェゴール 08/12/20 23:06 j0DgO0d4P7
>>521
「あーこりゃどうも。森本織部くんね、森本くんでいいかな?」

 フォルズはその右手を握り返すとそう聞く。そして図書館から出て
きたハバネロにも気づくとそっちにも話をかける。

「そっちはハバネロくんか。俺はフォルズ=ヴァーンエッジ、よろし
くな!」

 フォルズは森本との握手をやめると、さっきと同じように自分の顔
を親指で指して名乗り上げる。そして真顔になると二人に向かって聞
いた。

「森本くんの連れという事は君も日本人か?まぁ、そうでなくても聞
いてくれ」

 彼はそこでポケットに手をつっこむと重々しい口調で言う。

「…右手に銃口がある男を知らないか?今の最新の情報だと、このロ
シアか日本にいるらしいんだが…」
[524]ハバネロ 08/12/20 23:34 htsXC8tiBQ
>>523
「……分からないな。おい森岸、右手に銃口のある男だってよ」
「アタシに聞くな」

その時である。

「……動くな」
フォルズとハバネロと森本と森岸の周りを4人の男が取り囲む。
その周囲に、さらに遠巻きに3人の男。
全員「チカチィロ」と読める文字が浮かび上がった帽子をかぶり、同じ服を着ていた。

「命令により、貴様らを連行する。大人しくついてこい。命令である」
「…………」
ハバネロはそれを聞いて少し考える。

「どうします?お二方?」
「ついてこい。命令だ」
機械的に男は繰り返し、しかも拳銃の銃口まで向けている。
[525]馬超 08/12/21 00:25 IEqq44.MU4
>>524
「(何だ…やつらは一体…)」

ヨウは謎集団を見て思った。

「(助けるべきかな…)」

[526]No.Ⅳ【愚人王】 08/12/21 01:31 /jWjD5eF.q
>>517
「・・・」

幸運を呼ぶ虫って・・・それで騙される米国民と露助ってどんだけ民度低いんだよ・・・

「あープレシデント・・・それはネタで言ってるのか?と言いたいところですが、どうにも本気みたいですね。」

とりあえず空気を読み頷いてみせる。

「まぁ色々と突っ込みたいところはありますが・・・この件のおかげで気の進まない仕事から免れたのも事実です。
了解しました。快く受けさせて頂きましょう。」



[527]アス 08/12/21 09:50 7SxwG3.mtf

日本時間 23:25 スエズ運河周辺

ズドン!
水色の戦車が、筒から火を噴く。
砂色の戦車が爆発する。
ターバンを巻いた兵士達は、仮面を着けた兵士の銃弾により、次々と血を噴出して倒れる。
「・・・スエズは、落ちたな」
司令官らしき仮面の女性が、仮面の下でニヤリと笑う。

[528]ハバネロ 08/12/21 13:45 htsXC8tiBQ
>>526
「感謝する」
ケースをしまい、安心にたように大統領は言う。

「君にはすぐにでもモスクワに飛んでもらうことになるだろう。飛行機はこちらで手配する。あちらでかかった諸々の費用も、帰還してから依頼金と共に支払おう」
[529]森本 08/12/21 20:17 E-lv.N1
>>523
はてさて、完全に包囲されている。足がない状態で抵抗したら、最終的に追い詰められて終わり。まあ、悪あがきでもしますか。
「質問。何が目的?」
 時間でも稼ぎしましょう。
早く来てね。
[530]ハバネロ 08/12/21 20:26 htsXC8tiBQ
>>529
「……エイボンの書の写し」
恐ろしいほどの無表情で「チカチィロ」の男達は答える。
「これがどうしたってよ」
森岸が吐き捨てるように聞く。

「渡してもらう」
「………」

森岸が写しを取り出すと、男の一人は無表情でそれをひったくり、ページをぱらぱらとめくって何かを探し出す。
「……やはり」
とあるページで手が止まる。先ほどハバネロが確認した「人体ネクロノミコン」とその詳細についての所だった。
「これを知ったようだな。我々と来るのだ。さもなくば強硬手段に及ばざるをえなくなるのだぞ」
[531]怠惰・ベルフェゴール 08/12/21 23:06 j0DgO0d4P7
>>524
「男からのお誘いは丁重にお断りさせてもらってるんだが、この状態
じゃそうも言ってられそうにないねぇ…」

 フォルズは両手を軽く挙げるようにして言う。

(…まいったな。ベルフェゴールから離れるんじゃなかったぜ)

 彼は自分の愛車から離れた事を軽く後悔する。だが、一瞬でその後
悔をやめると今度はここからどう脱出するかを考える。
 そして森本の質問によって森岸が男に渡した『エイボンの書の写
し』を見てフォルズは口を開いた。

「悪いな、お兄さん方。俺はこの方々とは無関係だ。エイボンの書、
人体ネクロノミコンといわれてもさっぱりでね。俺だけでも解放して
くれないか?」

 そしてさらに付け加える。

「どうしても駄目ならせめて愛車に貴重品、鍵ぐらい取りにいかせて
くれないか?今は物騒だからな、こんな路上に放置してたら全部盗ま
れちまうよ」

 そこでハバネロの方を見て男たちに気づかれないように軽くウィン
クをする。果たしてこれで初対面のハバネロに『俺が何か騒ぎを起こ
す』というのが伝わるのかどうか不明だが、ここで行動の自由を奪わ
れるのは何としても避けたい。
 普段なら逃げる所だが『奴』の情報を聞いた人々を置いて一人だけ
逃げるというのでは何とも寝覚めが悪い。

(さてさて…どうでるかな?)

 フォルズは男たちの反応を待つ。
[532]ハバネロ 08/12/21 23:35 htsXC8tiBQ
>>531
「……成る程」
ハバネロはニヤニヤする。
「どうした、おい」
森岸が気持ち悪そうにたずねる。

「森岸は下がってなぁ……」
ちら、と森本にもアイコンタクト。口元はやはり笑っている。
(一悶着やるかもな。準備よろっ!)
人数を確認する。
こちらに4人。遠巻きに……3にん。

「……貴様も一緒だ。物を取りに行くなら早くしろ」
男はあくまで無表情に告げる。


「フォルズさぁん!」
ハバネロは彼に向かって声をあげた。
「……おっ始める時は派手にな!」
「?」
男は訝しげにハバネロを見る。
[533]八神 08/12/21 23:46 V-UJSI9
>>517
「……クッ……!」
 アリアは耐え切れない、というように小さく笑い出す。
「『本当に愛しているから助けたのか』、ですって? ククッ。人をゲームの駒の様にしか見れない貴様にはこんな想いは抱けないのでしょうね――」
 笑いは嘲りを含み高くなっていく。そしてアリアはこの世の全てに宣言するように、高らかに言い放つ。
「愛してる。愛しているわよ。この上ない程に、私はナナセを愛している」
 ――そう、それは最早愛と呼ぶには悍ましい程に。
「ナナセを失えば私の全ては終わってしまう。それほどにナナセは私に必要なの。だから、私からナナセを取り上げようなどと言う輩は――誰であろうと、許しはしないわ」
[534]森本 08/12/22 00:15 E-lv.N1
>>532
「ん。」
 軽く首を傾げて二人に返事をする。
[535]馬超 08/12/22 00:36 1qmuwGF9sD
>>532
ドォン!!ドォン!!ドォン!!

ヨウは隠れていた場所から出て、遠巻きに居た「チカチィロ」の3人を乱射し撃った。

「(3人はやった・・残るは、ウェアウルフの方か…そこに居る奴ら、このれで動揺すればいいが…しなければその直後、閃光弾を投げしかないな…)」

>>533

「(恋する女は怖いねぇ~」

隼人は軽い気持ちで思った。

「で・・ナイア、どうする…?。
お前は、逃げられんぞ…」
[536]No.Ⅳ【愚人王】 08/12/22 01:33 /jWjD5eF.q
>>528(Ⅳ)
「・・・いえ、今回の依頼・・・依頼金は結構、その代わり少し頼みがあります。」

真剣な瞳でプレシデントを見据える。

「実はこの国の遺伝子工学・・・それも最高権威にあたる研究チームに少し見て欲しい資料がございましてね。
依頼金の代わりに貴方からそちらに口添えを頼みたいのですよ。」


[537]ハバネロ 08/12/22 15:26 htsXC8tiBQ
>>533
「愛している?」
ナイアルラトホテップの顔から笑顔が消えた。

「違うね。君はこの少年の事は愛してなんかいない。
君の言ってる事は実に独りよがりで独善的で自己中心的で自分勝手だ。
この少年の事を本当に愛しているのなら、この少年の事を第一に考えた行動を取るはずだ。
……だが君はどうだったろうね?自分のしてきた事を思い返してみろよ?」
少しずつ、アリアの方向に歩みを進める。

「この少年の事なんて何一つ考えてなかったじゃないか……
彼の事など考えもせず、ライバルを蹴落として、自分が彼と一緒になることだけを考えて……そんな自分勝手な行動を愛と呼べるはずが無いじゃないか……?」

ナイアルラトホテップの顔に浮かんでいるのは軽蔑の表情。ただそれだけだった。冷たい目でアリアを見据えていた。

「君は『愛して』なんかいない。この少年に対する独占欲。それと歪みきった依存心。それを愛とはき違えているだけだ」

>>536
「……いいだろう」
大統領はうなづいた。
「その件については任せてもらおう。すぐにでも問い合わせをしておく」
ジーンテクノロジー、か。
大統領もわずかながらではあるが興味のある分野ではあった。
[538]アス 08/12/22 16:09 7SxwG3.mtf
「いよう。竹原、久しぶりだね。」
竹原の背後にセラが立つ。
セラの声を聴いた竹原が顔を真っ青にする。
「この近くにい~い坂を見つけたんだ。ちょっと付き合ってく・れ・な・い?」
セラは竹原を羽交い絞めにしてディアボロに引きずり込む。

[539]怠惰・ベルフェゴール 08/12/22 19:02 j0DgO0d4P7
>>535
 すまん、スルーするぜ…。とりあえず俺のキャラにも最初で最後か
もしれない活躍の場くらい残しといてくれ…。

>>532
「どうもお手数おかけしてすみませんねぇ」

 フォルズは苦笑いを浮かべながら男たちの輪の外に出る。これで少
し気が楽になるが、問題はこれからである。ハバネロの声援に手をぶ
らぶらさせながら彼はベルフェゴールに向かう。無論、車道を突っ切
って。

(派手にか。俺にはちょい厳しいな)

 フォルズは車のクラクションの音を聞きながら考えをまとめる。

(相手は冷静沈着な兵士って所だな。攻撃なんかして一人でも生き残
ったらハバネロくん、森本くんたちが危険だな。例え仲間一人死んで
も動揺せずに生き残った人間が彼らを殺すだろう。)

 そもそも彼の腕でこの人通りの多い路上で発砲しても標的に当たる
可能性は低い。下手をしたら通行人に当たるだろう。そんな事を考え
ているといつの間にかベルフェゴールの前まで着いていた。
 彼はそのままベルフェゴールのリア部分に置かれている、旅行カバ
ンの中から男たちに見えないようにあるものを取り出す。それは車な
どによくついている発炎筒だった。


 ところで皆さんは三億円事件というのを知っているだろうか?戦後
最大のミステリー、時効を迎えた迷宮入り事件である。
 偽の白バイ警官により、一瞬にして冬のボーナス三億円が奪われる
というショッキングな事件で多くの遺留品があるにも関わらず犯人は
最後まで捕まらなかった、今も謎の多い事件である。


 そして何の因果か、フォルズが今やろうとしている事はこの三億円
事件で使われた強奪方法に偶然にも酷似していた。

(さて、あとは俺の演技力と彼らが混乱の中であの連中をぼこぼこに
出来るかどうかにかけるしかないな)

 フォルズは発炎筒に火をつけると、それをベルフェゴールの車体の
下に投げ込んだ。そして息を思いっきり吸い込んで叫んだ。

「ダイナマイトだぁー!みんなー!早く逃げるんだぁぁ!!爆発する
ぞぉ!!!」

 囲んでいる男を動揺させる事ができないなら群衆の混乱を利用し相
手に隙を作る。これがフォルズの手だった。
 ベルフェゴールの車体下からは煙が上がり、今にも爆発しそうな雰
囲気を醸し出している。

「早く逃げろー!きっとテロリストの仕業だぁー!」

 フォルズはベルフェゴールから離れて身を屈めるように路上を走
り、様々な言語で叫び続ける。

 ただのどよめきが混乱に変化するまでさほど、時間はかからなかっ
た…
[540]ハバネロ 08/12/22 22:48 htsXCBwOLa
>>539
「ぬっ……!!」
「チカチィロ」の男達は一斉に銃を構える。
「射殺せよ!!ナチスの一味とも考えられる!!殺せ!!」

彼らが銃口を構えた瞬間、一発の銃声で男の一人が脳天に穴を開けて倒れる。

「ふん……フォルズさんもなかなかやるじゃねぇか……。俺をなめるんじゃねぇぞ?テメェらごときの並大抵の連中なら相手になんねぇっつうの」
「きさっ」
貴様、と叫ぶ前にハバネロは両手撃ちでもう一人の男の顔を吹っ飛ばす。
残った一人は適当に腹でも蹴って倒れた所に一発お見舞いして黙らせてやった。

「あークソッ!!遠巻きの連中が……」
遠巻きの3人は分散してどこにいるかは見当が付かなくなってしまっていた。
「おいコラ!ハバネロ!!どうにかなるんだろうな!」
森岸の叫びは無視しておいて、あたりを見回す。
「上手い具合にグチャグチャに混乱してるな……役者だねぇ、あの人」

遠巻きの3人の一人はフォルズが確認できる位置でとあるケースを手に取っていた。
「こちらチカチィロ。状況は以上だ」
『シャッガイ・インセクトの試用を許可する』

通信を中断し、男はケースを開く。
今ロシアで一部の層に安価でバラまいているとある虫。
表だっては『幸運の虫』であるが、ごく一部の組織や人間には真の役割を秘密裏に教え―

虫はフォルズにねらいを定めて一直線に飛んでいく。
脳髄を完全に乗っ取らんと。
[541]馬超 08/12/22 23:04 GJqkxVyEry
>>540
その時

ドォン!!

虫をヨウが銃撃し、撃ち落した。

「(撃ち落したが、まだ居るのか)」
[542]No.Ⅳ【愚人王】 08/12/22 23:06 /jWjD5eF.q
>>537
「交渉成立ですね。では早速俺は向かうとしましょう。
ああ、出発の際には俺の『鷲』も返してくださいね。当たり前ですがここに入る際に二挺とも取り上げられてしまったので・・・」

爽やかに微笑むと共に、

「では失礼します。」

一礼し退室した。


[543]ハバネロ 08/12/22 23:23 htsXCBwOLa
>>542
「彼に速やかに武器を返してやりたまえ。
それから……データベースを頼む」

大統領はてきぱきと部下に命ずる。机の上のPCが起動する。

「さて……遺伝子工学……だったかな」
[544]森本 08/12/22 23:33 E-lv.N1
>>540
 フォルズの声でチィカチイロの気がそれた瞬間に森本は動いた。
「は!」
 右の袖からデリンジャーを取り出し低い体勢をとり、遠巻きしていた連中に弾を食らわす。
「一人逃げた!」
 すぐさまデリンジャーを投げ捨て別の拳銃に持ちかえる。ついでに死んだチィカチイロの銃を拾い上げて、フォルズにパスをする。
[545]ハバネロ 08/12/22 23:37 htsXCBwOLa
>>544
「おぉっ、森本さんもデリンジャーの使い手か!どうりで銃持ってる風には見えなかったわけだ……」
ハバネロも一応持ってはいるものの、コルト・ガバメントがやはりメインだった。

別の「シャッガイ・インセクト」はハバネロに猛スピードで迫る。

「………っ?!」
とっさに受け身!

「森本さん!伏せて!」
森本さんまで道連れて地面に倒れ込む。

虫は彼らの頭上を飛び越えて、一般市民の頭に『潜り込む』。
[546]アス 08/12/23 17:15 7SxwG3.mtf
蓮田市市街
「・・・これはこれは。・・・ここにはあまり近寄らない方が良さそうだ。」
サングラスとマスクの男がそう言って立ち退く。
「いや、だからこそここは重要地点なのかもしれないな。」
サングラスとマスクの男は通信機を取り出しす。
「アレン様、やはりこの蓮田市はアルス様のおっしゃる通り、重要な場所です。
・・・引き続き、調査を行います。」

蓮田市山中
べチャッ!べチャッ!
セラの乗る車に2匹の虫がぶつかる。
「・・・・じゃまだぁぁぁぁぁ!」
セラはワイパーを動かし、その虫―シャッガイ・インセクト―を窓の脇に追いやり、ヘアピンカーブを曲がる。
セラの横の助手席では、竹原が白目をむき、走馬灯を見ている。

蓮田市市街
「何だ!あの虫は?」
詠子が一般市民の頭に潜り込む『シャッガイ・インセクト』を見る。
一般市民が逃げ惑う中、詠子が一般市民の巻き起こす人の濁流を遡る。
[547]ハバネロ 08/12/23 17:30 htsXCRc9NV
「試験開始。『マザー』より全てのシャッガイ・インセクトに命令。
日頃の恨みを晴らせ!!」
ロシア―モスクワ某研究所。

一般市民は暴徒と化し、警察にたやすく鎮圧される―

「なるほど」
『マザー』を自称したラスプーチンは街に設置されたカメラで様子を見る。
「まあ確かに一般市民であれば簡単に鎮圧されるだろうな……
折りを見て虫を回収しようか」

暴徒が連行され……しかし混乱はとどまらない。

「まあまあ合格だ。
敵の戦力を削ぐ『シャッガイ・インセクト』。
戦闘能力を高めた戦闘集団『チカチィロ』……見た目が悪いのは我慢するとして……
そして……私のこの体」
ラスプーチンは腕をくむ。

「まだだな……まだ足りない。
ロシアを世界最強の国にするにはまだ足りない。
たとえば戦争になったとして、何が必要だ……?」
[548]アス 08/12/23 17:43 7SxwG3.mtf

「ぎゃぁぁぁぁぁぁ!くるなぁぁぁぁ!」
詠子がマシンガン(ゴム弾)を乱射する。
詠子は今、シャッガイ・インセクトに操られた人間達から逃げている。
「助けて!HELP!私を助けて!」
詠子がマシンガンのマガジンをかなぐり捨てて次のマガジンを取り出す。
「・・・シマッタ!」
詠子は、目の前にそびえ立つ三つの壁を見る。袋小路である。
「い、いやぁぁぁぁ!」
シャッガイ・インセクトが、詠子に『潜り込む』。

「・・・!」
アスカが、何かを感じ取ったかのようにびくつく。
「詠子、何か、言ったか?」
アスカが振り返ると、虫―シャッガイ・インセクト―がアスカに潜り込もうとした。
アスカはすぐに身を伏せ、PCの下にある『リベリオン』を取り出し、砲身でシャッガイ・インセクトを殴り潰す。

「バルカンパァァァンチ!」
エマがシャッガイ・インセクトを素手で殴り潰す。
「フフフ・・・エマ、完全復活!」
エマが部屋から出た。


[549]ハバネロ 08/12/23 17:55 htsXCRc9NV
局長室。

アーデルハイドは紅茶を飲んでいた。
ヒルダはその後ろで座っている。
「帰ったぞ」
静かな局長室に、ドアを開けて局長が帰還する。

「……外が騒がしいようだったけど」
「暴動らしいな。今はほぼ鎮圧されてる」
ふう、とため息をついてアーデルハイドの隣に座る。

「だが……問題なのは突然発生した『虫』のほうだ。
虫そのものの数が少ないからどうということはないだろうな。だが気になる……後で署の方に……」

じーっ

「………どうした?」
アーデルハイドが局長をじっと見つめていた。
「雅さんってすごいのね。
その年で随分しっかりとしている。
私とは大違い……」

局長はいきなりそんな事を言われたのでちょっと面食らった。

「……そんなことか?対したことじゃない」
「雅さん、両親は?」

両親。雅は若干遠い目をした。

「…………いたよ」
[550]アス 08/12/23 18:00 7SxwG3.mtf
「だぁぁぁぁ!死なん!何故死なない!」
エマはまだ部屋の中でシャッガイをモップ(神殺しモード)で叩いている。
「畜生!頑丈だけが取り柄か!」
・・・その内マンションの床に穴があくぞ。

ズドン!
アスカが窓ごとシャッガイをプラズマ砲で吹き飛ばす。
「チッ!虫ごときにこれを使うとは!」
アスカが毒づき、エマの部屋に直行する。
[551]ハバネロ 08/12/23 18:20 htsXCRc9NV
シャッガイ・インセクトは「幸運の虫」とうたわれて市民に知られていた……が、広まっていたかはまた別の話。
墜とされた虫は雪が解けるかのように消え去った。



エル・シュパーギンは市街を歩いていた。
目的地に向かう前の息抜き、といった所である。

『フランケン』は駐車場で待たせてあった。

(出発時間まで残り……1時間と30分……か)

喫茶店にでも入ることにした。
コーヒーでも飲んでやろう。
目的地のモスクワではこんなものは飲めなそうだから。
[552]怠惰・ベルフェゴール 08/12/23 18:53 j0DgO0d4P7
>>544
「森本くん、サンキューだ!」

 フォルズは投げられた銃を両手でキャッチすると、それを自分に向
かってくるシャッガイ・インセクトに向かって構えた。

「ちっ、何だか知らんがくらうがいい!このクソ虫め!」

 そのまま引き金を引くが、その銃口から発射された弾は虫には当た
らずに明後日の方向に消えていく。

「うおおおおおお!!」

 そのまま絶叫して残りの弾も発射するが、それらは全て虫には当た
らずに明後日の方向へと飛んでいく。そこでふと気がつく。

(…俺の腕であんな小さな虫に当てるのは無理だ!)

 そこで空になった銃を投げ捨てると、フォルズは全力疾走でベルフ
ェゴールに向かって走る。その後ろをその虫は飛んでいく。だが、人
間の足と虫の飛行速度では虫の方に分がある。フォルズとシャッガ
イ・インセクトの距離は少しずつだが、狭まっていた。
 だが、シャッガイ・インセクトが彼に接触する直前、何者かの銃撃
でそれは中空で破砕する。

「ウボァー!」

 その衝撃でフォルズはその場に仰向けになって倒れこんだ。そして
そのまま辺りを見渡すと、そこには見知った顔がある。銃を構えた女
性だった。
しばらくどこで会ったのか思い出せなかったが、それがアフリカの戦
場にいた女性であるという事を思い出し、フォルズは勢いよく立ち上
がると、ポーズを決めた。

「アフリカで出会った乙女!乙女じゃないか!また会うとはこれが運
命?はっはは、まいるねぇ。どうだい?あそこの喫茶店でお茶で…う
わっ!」

 空気を読まないで女性、ヨウを口説き始めたフォルズの頭上近くを
シャッガイ・インセクトの大群が飛び、彼は転ぶようにしてその場に
座り込んだ。

「ちっ、むさい男どもの次は変な虫か!全くもって今日は厄日だ
な!」

 フォルズは座り込んだまま、毒づく。
[553]No.Ⅳ【愚人王】 08/12/23 20:43 /jWjDVYmAV
>>(Ⅳ君サイド)

「来ましたよロシア・・・つーかモスクワ!!ロシアのこロシア(殺し屋)おそロシア(恐ろしや)!!」

空港に降り立つと共に意味も無く高らかにダジャレを吐くⅣ。
その姿は一人で居れば何処にでもいる日本の観光客であり、とてもじゃないが『一にして千の軍勢(サウザンド・ワン)』の異名を持つほどの凄腕には見えなかった。

「さてと、んじゃあホテルのチェックインだけしてさっさと仕事と行きましょうか。」



[554]ハバネロ 08/12/23 21:13 htsXCRc9NV
「よろしい、試験終了。『マザー』の命令、全てのシャッガイ・インセクトは帰投せよ」
ラスプーチンが高々と命ずると、シャッガイ・インセクトの動きは止まり、どこかへ吸い寄せられるように散っていく。
あるものは空高く、あるものは地面にとけ込むように消え、ある物は瞬間移動でもしたかのように消え失せる。

「ラスプーチン殿。報告です」
「チカチィロ」の男……ラスプーチンの部下であり、肩が異常に肥大した男がラスプーチンに耳打ちする。

「……一にして千の軍勢……?!
なるほど。尾行を付けろ。
ただし、人通りが多い所で、半径30mは最低でも距離をとれ。決して単独行動はさせるな。人通りが少ない所に行ったら尾行は中止。以上」

こうして、人知れずⅣを監視する「チカチィロ」が配備された。

ロシアに潜入調査しているハゼリアがソレに気づくのも無理の無い話、すぐに「チカチィロ」に不審を抱く。
(……誰を追っているのかしらね?)
見ると、どうやら一人の男を尾行している様子。
(あの男に何かあるのかしら……?)

ハゼリアもⅣを尾行することにした。
本当は彼を追うことにより、「チカチィロ」の思惑を探ってみようと思ったのであるが、尾行に夢中になり、「チカチィロ」が既にⅣの半径30m以内から退散してしまっていたのは気づかなかった。
[555]森本 織部 08/12/23 21:24 GoRGEoUS
>>551ハバネロ、ロシアサイド

 混乱も過ぎ去り、荒れ放題になった大通。
「あー、皆さん無事ですか?」
 森本は地面に強かに打ちつけた鼻を撫でながら立ち上がった。
[556]No.Ⅳ【愚人王】 08/12/23 21:33 /jWjDVYmAV
>>(Ⅳ君サイド)
「・・・」

人通り溢れる大通りの中、黒スーツにモスグリーンのコートそして大小のスーツケースを左右の手に持つⅣの姿は見事に人ごみに紛れていた。
傍から見れば出張に来ているビジネスマン、だが、

「・・・・・・ふッ・・・」

尾行されてるなぁこれ・・・

既に彼自身尾行の存在に気付いていた。

「(人数は分からないが・・・若い女性が居るな・・・参ったなぁ。もてる男は辛いね。)」

自然な動作で公道で止まる車のバックミラーなどでバゼリアの姿を視認し、クスリと苦笑した。
[557]ハバネロ 08/12/23 22:13 htsXCRc9NV
>>555
「……どうにか……こうにかなっ……!!」
まず口を開いたのは森岸だった。
「無茶苦茶だ!!畜生め、写しは取られるしよ、しかも何だぁ?シャッガイ・インセクト?」
「俺も平気だ」
ぱんぱんと埃を払ってハバネロも返事をする。


「……アタシの役割はここで終わりだよ。報告しなきゃいけないことは山積みだし、多分大目玉喰らうだろうし。
ハバネロには悪いけどアンタは一人で帰んな」
森岸はくるりときびすを返して立ち去ろうとする。

「あぁ、おい!ぁんだよ、せっかちな女だな……」
「そっちの局長さんによろしく言ってくれ!」

森岸は完全に見えなくなった。

「タバコ吸おう」
煙草に火を付けたとき―
「ここにいたのか、ウェアウルフ」
一難去ってまた一難。

黒塗りの車に乗った男がいつの間にかそこに居た。

「誰?」
面倒くさそうにハバネロは言う。また面倒な事になんなきゃいいが。
ていうか俺の仕事も終わったんだし帰ってもいいんだが。
……これで面倒じゃ無いってほうが不思議だよなぁ……

「乗れ。できればお前の連れの人も一緒に。話がある」
「誰からさ?」
「我々の首領、エル・シュパーギンからだ。もうすぐモスクワに到着する。重要な話らしいんだ」

ホラやっぱり。面倒な事になっちまった。



>>556
ハゼリアは少しずつ、少しずつ距離を詰める。
33m。30m。ついに25mを越え、少しハゼリアは立ち止まる。
見ると、この距離で追跡しているのは自分一人。

「……?!」
嵌められた……?!いやそんなハズは……
困惑していると、Ⅳの姿がどんどん小さくなっていってしまうので、急いで彼を追った。


「不審な女一名を確認。そちらも併せて尾行する。」
『本部了解。距離を十分に取れ』
そんな無線連絡が「チカチィロ」の間では行われていた。

ハゼリアは随分尾行には向いていなかった。
[558]No.Ⅳ【愚人王】 08/12/23 22:27 /jWjDVYmAV
>>557(Ⅳ君サイド)
「・・・なんか可哀想になってきたな。」

どうやら最初に気付いた彼女は単独で動いており、他の連中とは違うようだ。
困惑しているバゼリアにはぁ・・・とため息をつき、

「仕方ないなぁ。」

呟きと共にまわれ右をしてバゼリアと目を合わせ、

「マリー・・・マリーじゃないか!?」

大仰にリアクションを取り、25m先の彼女に向かい歩いて近づいていく。

「おいおい、ロシアまで追っかけてきちゃったのかい?仕事だって言っただろ?」

そう言った直後に彼は・・・

あ、
わ、
せ、
ろ、

と口パクし、軽くウインクした。

[559]ハバネロ 08/12/23 23:01 htsXCRc9NV
>>558
「………っ?!!」
突然の事に驚き、ハゼリアは言葉を失う。だが―

(あ…わ…せ…ろ…    合わせろ……?!)

機転の良さはとりあえず常人以上であった―

「あぁ……御免なさいカール!!」
大仰な口調で、普段出さないような声を出す。

「でも、カールがいない生活が寂しくてぇ……」
[560]八神 08/12/23 23:08 V-UJSI9
>>537
「ふふ。案外ピュアな事を言うのね? 人をたぶらかし玩びかどわかし破滅へ導くのが生業のトリックスターが」
 アリアはナイアの蔑笑に劣らぬ程の冷たい笑みを浮かべ続けている。
「愛なんて独善に決まっているじゃない。今更何を言っているの? 愛したい愛されたいなんて所詮は欲よ。自分本位で浅ましい、それでも――抑えられない。だから救いが無い。そもそもそれくらいで萎えて枯れるような想いなら、私はとうにこの命を止めている」
 そして、アリアは続ける。
「お前は勘違いをしている。
 愛しているから、独り占めしたくなる。愛しているから、依存していまう。独占欲も依存心も愛欲の産物。
 独占欲から依存心から愛している? 全くもって順序が逆だわ」
 それに、と更にアリアは続ける。
「私はナナセを独占する気は無い。私はね、ナナセが喜んでくれるならそれでいいのよ。そして、ほんの一滴でもいい、少しでも愛してくれればそれで。
 私の独善で彼を喜ばせられるなら、そのために私に出来ることを私はいかなる事も厭わない。手足もがれこの眼刔られようと、それがナナセになら、きっと愛を叫び続けられる。
 もし、他の女も欲しいと言うのなら、その女を調教してプレゼントしてもいいし」
 最後に平然ととんでもないことをいってのけた。
[561]No.Ⅳ【愚人王】 08/12/23 23:08 /jWjDVYmAV
>>559
「ッブッ!?」

バゼリアのノリの良さに思わず噴出す。オイオイ、どう見ても東洋人な俺にカールは無いだろカールは・・・
あー・・・まぁ偽名って事にしておいて、

「失敬、しかし着いてきちゃったなら仕方ないなぁ。
いいよ。今回の仕事は荒事じゃないしホテルまで一緒に行こう。」

ニヤニヤと笑いながらいきなりハグし、耳元で・・・

「そこでゆっくりお話しましょう。綺麗なお姉さん♪」


[562]怠惰・ベルフェゴール 08/12/23 23:10 j0DgO0d4P7
>>555
「何とか…」

 フォルズはゆっくりと立ち上がって言う。そしてふと思い出したよ
うに辺りを見渡して叫ぶように言う。

「乙女!乙女はどこに!?」

 正直、傍目から見たらかなり危ない人である。


>>日本・蓮田市

「やはり、この町は楽しいよ。うん」

 ビルの屋上、そこで蛭弧はくつくつと笑いながら呟いた。その周辺
には雪のように消える虫の屍骸に溢れている。

「まさか、追いかけっこの鑑賞終了とともに虫に襲われるなんてね
ぇ…」

 彼は再びくつくつと笑った。そしてポケットから古い機種の携帯を
取り出すと、それのダイヤルを押して耳に当てる。

「ああ。『背中』かい?そろそろ迎えを頼むよ。さすがに外の冷たい
風がつらくなってきた」

 それだけ言い終えると彼は一方的に電話を切ってしまう。そして帰
還の最中なのだろうか、一匹だけよろよろと飛んでいるシャッガイ・
インセクトを見つけるとそれを見て呟く。

「悪いねぇ…私も虫は好きだけど、君みたいな人を操る事に長けた虫
は勘弁願いたいね」

 蛭弧はちらりと路上で暴徒となって暴れている市民を見る。そして
右手の人差し指でその虫を指して呟く。

「『剣の虫』」

 彼の呟きと同時に一瞬にしてシャッガイ・インセクトは細切れとな
って地上へと落ちる。それを見届ける蛭弧の隣に『それ』はいた。

 昆虫でいう蜂を大型化したような外見。だが、本来針があるべき部
分は鋭い、まるで刀のような形をしていた。その虫、『剣の虫』は複
眼で雪のように消えるシャッガイ・インセクトの屍骸を見つめ続けて
いた…。

[563]ハバネロ 08/12/23 23:18 htsXCRc9NV
>>560
「ふうん。なるほどねぇ
愛しているから、愛しているからこそ……その人を独占したくなる、か」

目を見開いた。

「ふっ……ははははははははははははははははははははははははははは!!
なるほどなるほど……くっくくくく……
それが君の言い分か……
私としたことが少し感心してしまったよ……
やっぱり君は面白い……ひどく面白い……」
実に楽しげに笑う。

「……私のこの人間の姿では無く、一応の基礎になる姿……平たい言い方での『真の姿』を見せるのはまだ早いね。
だがまぁ、面白いって事が分かっただけで良しとしようかな。
それじゃ、諸君。また機会があればお会いしよう。私はもうちょっと他の人間と戯れるよ。
第2のラッパを鳴らさねばね……」

パチンと指を鳴らすと、手品のように煙と紙吹雪が舞い、ナイアルラトホテップは消え去った。

>>561
「……くっ……」
情けなかった。実に情けない。
「ロンギヌス・フュンフ」ともあろう自分がヘマをやらかすとは、まあ仕方ないので成り行きに任せるしかなかった。
[564]No.Ⅳ【愚人王】 08/12/23 23:26 /jWjDVYmAV
>>563
「よしよし、じゃあマリーいい子にしててくれ。今・・・」

背中をさすり優しく呟くと、

「邪魔なのを・・・退かせるから。」

ニヤッと笑みを浮かべると共に30メートル以上先に居る『チカチィロ』のほうに顔を移す。
直後視線が冷たいものになり、研ぎ澄まされた一刀のような眼光を一直線に向け、

う、
せ、
ろ、


同じく口パクでこそこそ覗いている連中に自分の言いたいことを伝えた。



[565]馬超 08/12/24 00:00 jZeEI2yA2I
>>563
「ち、逃したか…」

隼人はいまいましそうに言った

>>562

「うるさい!黙れ!!」

と言うとヨウは、フォルズに股うちをした。
[566]ハバネロ 08/12/24 13:31 htsXCgwAV8
>>564
「……?!」
「チカチィロ」の男達が本部に通信する。

「不審な女とターゲットは接触したようだ。
しかしながら奴の警戒の元でこれ以上は尾行はできそうにもない」
『了解。尾行は終了、これ以降の尾行も取りやめとせよ』

男達は音も無く立ち去る。



「……首領が俺らに用って?」
ハバネロは実に厄介そうに聞く。
「そうだ」
「拒否権は?」
「お前以外の者になら在る」

ハバネロは森本の方向を力無く見た。

「……どうする?ついて来たくなかったらついてこないでもいいぜ。むしろソレお勧めするよ。首領はおっかないから」
もはや自分の首領ですらないのに、「首領」と呼んでしまう悲しさ。
[567]アス 08/12/24 14:09 7SxwG3.mtf

モスクワ 地下下水道内部。

作業服をきた仮面の男達が、それを見上げていた。
仮面の男達が見上げるそれは、高さ約3メートルの鉄の巨人。
鉄の巨人にはコードがたくさん繫がれている。
「では、試験運転を始めよう。コースはモスクワ市内を巡る下水道をまずは5キロほど走ってみよう」
赤い作業服を着た仮面の男が言い、鉄の巨人に繫がれたコードが外されていく。
青い作業服の男が、リモコンのスイッチを押すと、鉄の巨人の眼に光が宿る。
鉄の巨人が、下水道の水を蹴り上げ、歩き出す。

蓮田市市街

詠子は、目を覚ました。
辺りには変わらぬ景色。
ただ、そこに居る人たちの顔には、混乱が鮮やかに浮かんでいる。
「・・・なんだったの?アノ虫は・・・」
詠子は、空を見上げる。


[568]No.Ⅳ【愚人王】 08/12/24 18:11 A7c.IbNKoU
>>(Ⅳサイド)
モスクワ、とあるホテルのフロントで・・・

「さて・・・マリー、ベッドは一つでいいかい?モスクワの夜は寒いからねぇ。
二人で暖めあおうじゃないか。(笑)」

尾行が消えたのを知っていながらも相変わらずハゼリアに悪ふざけを続けていた。

「しかし・・・前回はゴスロリ幼女、今回はアダルティなお姉さんとフラグか。既婚者設定が無ければ某有名スパイみたいに熱い夜がまってるんだけどなぁ・・・」
[569]森本 織部 08/12/24 19:09 Bdb/e2XZwz
>>557
「ああ……まあ、もういいですよ。」
 森本は付いて行く気だ。
[570]ハバネロ 08/12/24 21:26 htsXCBwO2l
>>568
「う、ううー、恥ずかしいからそろそろ止めにしてもらえないかしら」
……既婚者?
「貴方、結婚してるの?」

>>569
「なら乗りたまえ」
黒塗りの車に誘われる。
「どこまで連れて行く気だ?こっちは急ぎなんでねぇ、早い所解放してくれ」
別に急いでいるわけでもないがそう言っておく。

「すぐそこのホテルだ。時間は取らせない」

とあるホテルに、エル・シュパーギンはもう入っていた。
「フランケン」を従えて。

「『チカチィロ』の連中め。勝手な事を言う」
シュパーギンはずいぶん機嫌が悪かった。



「どーもこんにちわ。私、ナイルラトホテップと申します」
南極、戦艦カストールのミシュフェルの部屋にどこから入ったものか、ナイアルラトホテップがいた。
「……貴様……ナイアルラトホテップ……ですかねぇ、どこから来たんです?」
口調が途中で変わった。

「どうも、ミシュフェルさんにヨグ=ソトース。私、今とっても機嫌がいいんです。耳よりな情報をお教えしましょう。腕がちぎれようと、頭が吹っ飛ぼうと主の命令に従い進軍する兵士の造り方を……」
ニヤリと笑う。
[571]怠惰・ベルフェゴール 08/12/24 22:44 J00DNIvu3R
>>565
「そのお願いは断らせてくれ。黙ったら君みたいなかわいい子を口説
けないだろ?」

 その股うちを足で止めてフォルズは苦笑いを浮かべながら言う。そ
して辺りを見回しながらさらに続ける。

「ハバネロくんたちも行ってしまったみたいだし、俺もそろそろ行く
とするかね…」

 フォルズは足を元に戻して大あくびをして言う。そしてヨウに背を
向けると手をひらひらさせながら言った。

「縁があったらまた…いつまでも乙女って呼ぶのもつらいな。よけれ
ば名前でも教えてもらえないか?」
[572]ハバネロ 08/12/24 23:05 htsXCBwO2l
「……どうしました?」
ナイアルラトホテップが言ったその「材料」は奇怪なものだった。
水と炭素を用意せよと言うのである。ミシュフェルは訳が分からず沈黙した。

「水は海水でも集めたらどうです?炭素はまあどうにか工面してください。
用意したら外に来てくださいね。お教えしましょう。
貴方ほどの魔術の力があるのなら……できるはずだ」

にやっと笑って部屋から出て行く。




ハバネロサイド……

とあるホテルの前で、ハバネロと森本を乗せた車は止まる。

扉の前で「フランケン」が出迎えた。
「出迎えご苦労」
「…………」
やはり何も喋らず、フランケンはついてこいとばかりにくるっと背を向けて歩き出す。

中に入ると葉巻の臭いがした。

「やっぱり居るのかぁ……ちっ」
舌打ちでもしておいた。



「あぁっと……」
ナイアには逃げられた。折角追っかけてきたのに……しかし、アレは流石にヤバい相手だろうと京岡は思う。

「八神君? 大丈夫?」
[573]馬超 08/12/25 00:09 WXNBl3o8WZ
>>571
「ヨウ=ソルトスだ……もうそんなマネするなよ…。」

ヨウはイライラした顔でフォルズに言う。



[574]No.Ⅳ【愚人王】 08/12/25 01:45 A7c.IbNKoU
>>570(Ⅳサイド)
「ええ、可愛いお嫁さんが居ますよ。年が10歳ほど離れていますけどね。」

笑顔で話すこの男の年は27・・・犯罪の臭いがする。

「もっとも、ちょっとした事情でそんな可愛いお嫁さんをほったらかしにしてこんなとこまで来ちゃいましたけどね。
しかもこんな綺麗なお姉さんとお近づきになれて・・・今俺は猛烈に浮気がしたい気分です。」

・・・・・・・・・・・・・・・死ねばいいのに(中の人の心の呟き


>>黒田サイド
「・・・・・・・・・ふぅ・・・」

消えたナイアに別段驚きもせず黒田はため息をつく・・・と思いきや、

「あーーーーーーしんど!!マジしんどいわ!!うわ冷や汗出てきた!?
あーやべッ!マジ怖ッ!?なんなのアイツ!?マジ化け物じゃねぇか!?ありえねぇよ!!」

脱力してそんなことを言い出して座り込んだ。


[575]馬超 08/12/25 02:46 WXNBlzZ45P
「化け物・・ねぇ~…」

隼人は、ため息をつきながら呟いた。

「この前とか、出てきたやろ。
怪物やらなんやら、いろいろと、少しは慣れろ…」
[576]アス 08/12/25 10:10 7SxwG3.mtf
モスクワ 地下

がしゃん、ウウィーン。
がしゃん、ウウィーン。
モスクワの下水道の中をリモコン操作の巨人が歩く。
がしゃん、ウウィーン。
がしゃん、ウウィーン。
「ところでマクスウェル殿。どうやってこの『ストーム』を地上に送り出しましょうか。」
青い仮面の男が、赤い仮面の男―マクスウェルと言うらしい―に話かける。
「あ、それ考えてなかった。」
マクスウェルは、リモコンのレバーをいじりながら、その巨人―ストームと言うらしい―の重大な欠陥に気付く。

蓮田市 アスカのマンション

「…という事で、ま、皆疲れているだろうし、旅行に言って来い。」
アスカが、みんなの前でそう言う。
「アスカは、どうするの?」
竹原が、アスカに質問する。
「俺は、色々とあるからな。お前等だけで行って来…」
アスカはいきなりハンカチを顔に押し当てられ、意識を失う。
アスカの背後には、エマの姿。
「エマ、ナ~イス!」
詠子が親指を立てる。
「じゃ、行きますか。ロシアに!」
竹原がアスカをロープでぐるぐる巻きにして担ぐ。
[577]八神 08/12/25 17:06 V-UJSI9
>>572>>574
「あぁ……なんとか大丈夫」
 ナイアが行ってしまったことで七星も疲れの色を隠し切れなくなる。
「みんな、ありがとう。迷惑かけて、ごめん」
 七星は尽力してくれた皆に心から感謝し、心から詫びた。
 と、そこへ。
「はぁっ、はぁ、兄さん……ああ! 兄さん無事だったの!?」
「あぁ、何とか」
「うあ゛ぁ゛んに゛ぃ゛さぁ゛ん゛!!」
 鈴が走り寄って来てひしと抱き着いた。無事な七星を見て安堵したのか滝のような涙が溢れ出す。
「う゛え゛え゛ぇんに゛ぃさぁ゛んよがっ゛たよぉ゛ー」
 鈴は七星に抱き着いたままわ゛んわ゛んと泣き続けている。七星はよしよしと頭を撫でてやることにした。それを見るアリアの目は心なしか羨ましそうだった。
[578]特攻屋 08/12/25 17:52 E-wv2XZ
>>572

ホテルに入って行くハバネロ達。

その後に、ごく普通に続いて入っていく少女が一人いた。


[579]ハバネロ 08/12/25 19:07 htsXCBwO2l
>>574
「……そう。
ところで、貴方妙な連中につきまとわれていたけど……もちろん、私以外のね。あの連中と何か関係でもあるの?」



「みんなー!大丈夫だった?」
星宮がようやく追いついてきた。
「誰も怪我してない?」
「とりあえずはね」
京岡はさらっとそう返事をする……が、若干手がふるえている。
(何なの……?!あの人、首に傷を受けてもピンピンしてて……?!)


ハバネロサイド。
「フランケン」は無言で部屋に入っていく。
え?入っちゃって良いの?という不安そうなハバネロの声。

「入れ」
シュパーギンの声がした。ハバネロのテンションが下がる。

「……久しいな。ウェアウルフ。それとそこの人は始めまして」
「元気そうだな」
言葉を慎重に選んでハバネロは受け答えする。



そのころ、ニュースでは海面下降の不思議について取り扱っていた。
地球温暖化のまっただ中、海面が若干ながら下降した、というニュースである。地球の気温からして全くありえない事態であり、第2のラッパだの何だのという特番も組まれるらしい。

戦艦カストールの内部、広い場所ということで格納庫に、今、人の形をした兵士がずらっと大量に並べられていた。
「上出来ですね」
ミシュフェルの隣のナイアルラトホテップがほほえみながら言う。

「海水と炭素、これさえあれば先ほどの製造方法でいくらでも作れます」
「…………」
「多少ゼラチン状にはなってしまうかもしれませんが。何て言うんですかね、ホムンクルスみたいなもんですよ。人造人間?ああ、そうそう。そういう言い方がぴったり―」

「何ガ目的ダ」

ヨグ=ソトースの口調で、冷たく質問する。

「…………すばらしいでしょう。命令には忠実だし簡単に死なないし材料も入手しやすいし製造方法も魔法陣に組み込んで魔術で作るだけ」
質問を聞いていなかったかのようにニヤニヤと言う。

「こんな事を私に教えて何か目的でも?」

今度はミシュフェルの声でそう質問される。

「第2のラッパ」
ナイアルラトホテップはそれだけ言った。
そして聖書を取り出す。

「どれどれ。……ニガヨモギ?川がねぇ……大変ですねぇ、どうしましょう?
ねえミシュフェルさん、全世界の川の3分の1を毒にする方法とか知りませんか?」
[580]怠惰・ベルフェゴール 08/12/25 20:05 J00DNIvu3R
>>573
「ヨウちゃん、ね。俺はフォルズ=ヴァーンエッジ、よろしくな!」

 自分の顔を親指で指差して名乗りを上げる。そしてその手をポケッ
トに突っ込むと、ベルフェゴールに向かって歩きながら彼女に聞く。

「そんなマネって言われてもお兄さんは皆目見当がつかないねぇ…君
を口説いたこと?それともさっきのダイナマイト騒ぎかな?」

 ベルフェゴールの目の前まで歩くと、フォルズは車体の底にある発
炎筒を路上に捨てる。そしてベルフェゴールに跨ってヘルメットを手
に持った。
[581]ハバネロ 08/12/25 20:25 htsXCBwO2l
蓮田市。

とある公園に周防充は腰掛けていた。
その右隣には鎧の男。

紅孔雀だった。

「聞いたか?」
缶コーヒーのカフェオレを飲みながら周防は世間話のように話しかける。
「何がだ」

「……海面下降のニュース。騒いでいるのが、ごくごく少数ではあるが、いるだろ?もはや狂信的とも言える終末主義者。」
「ああ……」

思い出したように紅孔雀はため息をつく。

「別に事の大小が問題じゃない。ちょっと下降したからって、すぐまた海面は上昇するだろうし、聖書にあったような「海の3分の1が無くなる」なんてありえない。だけど、だけどよ。」
カフェオレを一気に飲み干し、話を続ける。

「そういう風に『騒いでいる』連中がいるってことは、ヤバいと俺は思う。きっと、こういう事は聖書の『第7のラッパ』まで続くと思う。誰が何を企んでいるは知らないが、終末思想があふれるっていうのはマズいんじゃないか?」
「…………」

「前に、『アレイスター・クロウリー』という元々うちの幹部だった人が一部の者を率いて『新生フリーメーソン』なんて組織を作ってしまった。
ああいうことがまた起きるとも限らない。
俺が言いたいのは、お前達『特別戦闘課』も十分気を付けて欲しいってことさ。
確かに特別な許可が無ければ戦闘はできないけど―」

紅孔雀は何も言わず立ち上がった。

「詳しいことはお前達情報課が調べてくれればいい。話は分かった」
そのままスタスタと歩いていってしまう。

―朴念仁め。
周防はこっそりと呟いておいた。
[582]No.Ⅳ【愚人王】 08/12/26 00:13 0bAYxT9t6A
>>575-579(黒田サイド)
「俺は大丈夫だよ。しかし・・・今になって冷や汗が止まらないけどね。」

ハハハと苦笑いをして星宮に答える。

「久しぶりだよ・・・あんなに生きた心地がしないのは。
まぁ状況が状況だったせいかもしれないけど・・・」

「慣れろ」とか素っ頓狂なこと言っている頭のおめでたいの(本日見事に役立たず)が居るが、今回は本当にやばかった。
まさか白昼堂々あんな風に人攫いをやってくるとは・・・
少なくとも今回の件であのナイアとかいうのに狙われているのが『特殊課』や『呪い十字』といったプロ連中のみならず、
俺達みたいな高校生も含まれるということがはっきりした。
故に・・・

「今までのようにただ巻き込まれるだけの形ではなく、何時襲われてもおかしくない状況に陥ったわけだ。
ハハ・・・大出世だな。神様ありがとう地獄に堕ちろ。」

あまりの状況の悪化に前作の誰かさんの口癖を真似てみる。


>>579(Ⅳサイド)
「残念ながら心当たりはありませんね。今しがたこちらに着いたばかりで荷物もこの通りやっと置いていける段階ですし。」

バゼリアの問いに答えながらホテルのベルボーイに左右に持っていた大きいほうのかばんを渡す。

「むしろ俺としては貴女に色々訊きたいくらいなんですけどね・・・
・・・立ち話もなんですし話は部屋の中でしませんか?
そこでのほうがゆっくりお話出来ますし。」


[583]アス 08/12/26 10:06 7SxwG3.mtf
「やってきました!神原アスカご一行INモスクワぁ!」
セラがクレムリン広場で絶叫する。
アスカ以外のメンバーが拍手する。
エマ「蟹喰いたいかぁぁぁぁ!!!」
アスカ以外「ううぉぉぉぉ!!!」
アスカ「むぐぐぐぐぐ!」
詠子「ボルシチにぃぃぃーーピロシキぃ!」
アスカ以外「ひゃっはぁぁぁぁ!」
アスカ「むぐぅぅぅぅ!」(ジタバタ)
竹原「ウォッカをぉおぉぉ・・・一気飲みっ!」
ブッチッ。アスカが猿ぐつわを噛み切る。
「テメェ等!俺は大事な用があるからお前らだけで行って来いと言ったんだ!それなのに俺まで強引に連れてきてどうするつもりだ!テメェ等!」
アスカが怒鳴っても詠子たちはレーニン像がどうのこうので相手にしていなかった・・・

[584]ハバネロ 08/12/26 11:44 htsXCBwO2l
>>582
(さて、どうしましょう。このままこの男にくっついていれば、ロシアのやっていることの何かがつかめる……かも、か)
部屋へ歩みを進める。
「まあ、そうね。そうしましょうか」



「お前達をここまで呼んだのは他でもない」
シュパーギンは早速本題に入る。

「……我々に協力しろ」
「は?」

シュパーギンは立ち上がり、ハバネロの真ん前に立った。

「貴様らが協力せねば……貴様を殺さねばならなくなる。
今回の我々の雇い主の部下と先ほど一悶着あったらしいな?あれでもう貴様らは敵認定だ」
「雇い主?いくらで雇われた?」

シュパーギンは答えない。

「我々に協力すれば貴様らは敵ではない。さあ協力しろ」
(何だ……いつになく弱気だな?)
「チカチィロとかいう組織に雇われたのか、首領」
「『帝国私設戦闘団チカチィロ』だ」

てーこくって……。

「つまり、俺らのことを助けたいってこと?」
「そう解釈しろ」

ハバネロは少し分かった気がした。
―首領はその組織に弱みを握られている。

「で、どう協力しろと?」
「その組織……チカチィロが実験を進めているとある計画を探りに来た可能性のある男の抹殺」

ふーん、とハバネロはさも他人事のように相づちをうつ。

「一にして千の軍勢の異名を持つ東洋人を殺せ、という命令だ。私とお前とで」
[585]天塚 08/12/26 12:12 E-xr47L
沙耶は思う。

(…眠い…)

此処最近そうだ。眠い。
気が付けば何もかも終わっている。
怖い。そして嬉しい。
眠っている間に全ては過ぎる。ひっとらえる筈の相手がいない。

「ぁあ…職場間違えたかしら?」
[586]ハバネロ 08/12/26 12:47 htsXCBwO2l
「だがまぁ、殺す必要は無いかもしれんな。というより、お前じゃ殺せないかもしれんな。そもそも殺さなくてもいいかもしれんな」
「え?」
「…………」

シュパーギンは怖いくらいにハバネロを見つめている。

(……なるほどね)

「チカチィロの誰に雇われている」
「グリゴリー・ラスプーチンという男だ」

森本さん、ちょっといいかとハバネロは森本に耳打ちする。

「首領は多分弱みを握られてるんだ。普通ありえないぜ、あの首領がこんなすんなり行くなんてさ。
つまりだ……その「一にして千の軍勢」とやらを、言いつけ通り殺すふりをして弱みを握っているラスプーチンの命を殺る……というわけだ。多分な」

ハバネロはシュパーギンの方向を向く。

「一つ条件がある。その「チカチィロ」についての情報を提供するなら俺はやってもいい。森本さんは……まあ部外者だし強制はさせない。どうだ」
「仕事が無事終えられたなら情報でもなんでもくれてやる」

よし、とハバネロは納得して森本の方向に向き直る。

「まあそんなわけで、なんか悪いな……ゴタゴタしまくっててさ。
今回はちょっとキツいかもしんないし、森本さんには無理にやれとは言わない。どーする?」
[587]No.Ⅳ【愚人王】 08/12/26 14:16 0bAYxT9t6A
>>584(Ⅳサイド)
「♪」

部屋の鍵をカードキーで開けてご機嫌で入室。
部屋は洋室の奥に和室がある和洋折衷のスタイルで、それなりの広さであった。
ちなみにベッドは一つ・・・

「ハハ、マリー見てみなよ。なかなか大きいベッドじゃないか。
これなら二人で寒い夜も暖めあえるね。」

・・・しつこい。
[588]ハバネロ 08/12/26 16:49 htsXCBwO2l
>>587
「……はいはい」
ため息をつく。

(恐らくあちらにはしばらく戻れないだろうな……大丈夫だとは思うけど)
「ところで、貴方は何故モスクワまで?」
[589]馬超 08/12/26 18:39 qgjUYznUyN
>>583

「(なんだ、あの集団は…?)」

ヨウは騒がしいなと思った。

「(それより…さっきから、地下から反応がある
まぁ、これを調べるのが任務だしね、まずは武器の調整とか済ませてからいくとしますか、地下だし…」


「ところで黒田…ナイアは裏で何かしてたり、突然表に出て何かしでかしたりするから、用心しといた方がいいぞ…」

そう言うと隼人は、騒ぎが収まったので特殊課に向かうことにした。
[590]ハバネロ 08/12/26 18:57 htsXCBwO2l
「……貴方を守るために?」
「そうだな」

しーんとした局長室。
アーデルハイドの紅茶はもう冷め切っていた。

雅は自らの両親の事を簡単に説明した。

自らを守るために身代わりとなって逝ったことを……
テロリストの凶弾に倒れたことを。

「…………」
アーデルハイドは分からなかった。
なんと言えばいいのか?

ごめんなさいと謝ればいいのか?
安易な励ましをかければいいのか?
身勝手な慰めをしてやればいいのか?

分からないので彼女は黙る。

「あぁ、すまん。こんな話をしてしまって」
「そんな。雅さんが謝る必要は……」
ヒルダがどうにかこうにかフォローする。

「ねえヒルダ」
「はい?」

冷め切った紅茶を見つめながら、アーデルハイドは問う。

「Ⅳは元気にしているかしら?」
「あうー、元気なんじゃないですか?」
「……ハイネも元気かしら?」
「そんな心配しなくても、元気にしていますって」

二人に会ったら言わなければならない事があるな―とアーデルハイドは静かに思った。
[591]No.Ⅳ【愚人王】 08/12/26 18:58 0bAYxT9t6A
>>588(Ⅳサイド)
「先ほど言ったとおり仕事ですよ。しかし・・・お話をする前にせめて自己紹介くらいしませんか?
この先ずっとマリーやらカールで会話するってのもなんかあれですし。」

やっと真面目になったのか微笑みながらハゼリアを見つめ、

「とりあえず俺の祖国では人に名前を尋ねるときはまず自分から名乗るってのがマナーなんで先に名乗らせていただきます。
俺の名は・・・あー・・・とりあえず仕事で来てるんで仕事上の名を名乗らせていただきますね。
俺の名はⅣ、『一にして千の軍勢』なんて大仰な名で呼ばれてるくせに、ぶっちゃけ千人分の働きなんか出来ないどこにでも居るフリーの傭兵です。」


>>589(黒田サイド)
「もう既にしでかしてるだろうが・・・あともうお前関西弁は使わないほうがいいと思うぞ?
ところどころで忘れるし、ぶっちゃけ使ってても偽者臭いから。」


[592]ハバネロ 08/12/26 19:23 htsXCBwO2l
>>591
「そう。Ⅳ……ね
私はハゼリア。フルネームはハゼリア・キュルテン。仕事は……貴方とそう変わりは無いわね。今回、貴方の周りをかぎ回っている連中を調べているの。それで貴方を追跡していて今に至るってわけ」

ハゼリアも自己紹介する。

「全く面倒なことになっちゃったわね。連中がバラまいた『虫』についても調べないとならないし」



「首領、よろしいですか」
ハバネロの隣をすり抜け、一人の人物がシュパーギンに耳打ちする。

「……分かった。
ウェアウルフ、どうやら近くのホテルにターゲットはいるようだぞ。しかも……ラスプーチンとその部下もお出ましだ」
ハバネロはその言葉の意味が分かった。

本当のターゲットはラスプーチン……

「その「一にして千」……ありゃ、「千にして一」だっけ、まあいいや。
その男はどんくらい強い?」
「お前を5秒でハチの巣にできるくらいの実力」

ハバネロは思う。
……また「並大抵の奴」ごときじゃすまないヤツと一悶着あるんかい。
[593]馬超 08/12/26 21:32 it4JkIITyQ
>>591
「最近はいろいろとあって使ってる暇ないから…。
とりあえず…いろいろと治まって、平和に戻ったら使う予定だ…」

隼人はそう言うと。

「ところでお前はどうするんだ」

[594]No.Ⅳ【愚人王】 08/12/27 02:13 H4OBLLFrDL
>>592
「ハゼリアか・・・良い名前です。・・・ところで貴女今『虫』と言いましたか?」

当然のことながら今回の目的に当たるそれに食いつきを示す。

「実は俺の今回の仕事はドンピシャでそれなんですよ。
その『虫』についての調査、それが俺の仕事です。」

ということは・・・とⅣは続ける。

「さっき俺を尾行し、貴女が真に狙っていた連中がラスプーチンとやらの使いというわけですか。
やれやれ・・・入国早々目を付けられるとは・・・有名になり過ぎるのも考えものですね。」


>>593(黒田)
「どうするもこうするも俺はさっさと帰るよ。
お前みたいに中二病全開の阿呆と違って俺はこのくっだらねぇトラブルにそれほど首を突っ込む気はないんだよ。」

似非関西弁を使わないほうがいいと言っているのに、「平和に戻ったら使うよ」・・・なんて戯けな返答をしてくる阿呆にそっけなくそう答えた。



[595]アス 08/12/27 10:39 JAvIhMzW02
「ふ~う。寒い。さすがロシアだけの事はあるね。」
エマが耳当てを弄りながらホテルのロビーに入る。
「まずは食事だね。蟹♪蟹♪蟹♪~」
詠子がニット帽を脱いでレストランに向かう。
アスカはぐるぐる巻きのまま竹原に担がれてレストランに入る。
・・・また猿ぐつわをはめられている。

[596]ハバネロ 08/12/27 12:32 dYG1BP8RyE
>>594
「あら、そうだったの?ふうん………」
ハゼリアは、ふとドアの方向に目をやる。
そのまま慎重にドアまえ歩み寄り……少しドアを開けて首だけを廊下に覗かせる。

「人がいない……?」



シュパーギンとハバネロが話をしているところに、突然背後からたくさんの何者かを引き連れた人物が現れる。

「ほら、お出ましだ」
ハバネロが振り返ると……そこにいたのは、見た目は20代後半あたりの色白の男。
怪僧ラスプーチンだった。

「やあどうもシュパーギンさん。おっと、他2名も今日は。人払いも既に済みまして、手はずはもう整っていますから、準備のほどをよろしく頼みます」
「……こんな連中で、「一して千の軍勢」を倒せると思うのか?」
ハバネロがタバコに火を付けながら聞く。

「そこはあなた方の出番です。とりあえず、複数の方向から一斉攻撃をお願いします」
ラスプーチンは部下を引き連れ、悠々と部屋を去っていく。

シュパーギンも部屋を出て……チラ、とハバネロを見る。
アイコンタクトだった。
[597]森本 08/12/27 16:52 E-lv.N1
>>586
「自分としては、軍勢を名乗る人物に会いたいので協力しますよ。」
 森本は楽しそうに言った。
[598]森本 08/12/27 16:57 E-lv.N1
>>582
「清隆、やっぱり怖い?」
リタは武器をしまいながら黒田に尋ねた。
[599]ハバネロ 08/12/27 17:08 dYG1BP8RyE
>>597
「……よし。
じゃ、首領からの合図があったら……ターゲット切り替え。あのラスプーチンの脳天に弾丸をブチかます。よろしい?」
にやっと笑ってハバネロが言う。

そのころ、着々とⅣとハゼリアがいるホテルの周りに兵が配備される。

「こそこそと探りを入れられてはかないませんからね、ここらで地獄に墜ちてもらいましょう。突入待機、人払いは済ませたな?よろしい。」
ホテルの裏でラスプーチンは指示を出す。シュパーギンも一緒にいた。

「シュパーギンさん。妙な気は起こさないことです、貴方の過去を暴かれたくはないでしょう?」
[600]森本 08/12/27 17:20 E-lv.N1
>>599
「了解。」
 分解してあった99式小銃を組み立てつつ森本は、返事をする。
最終更新:2009年03月03日 17:53