第3スレ ログ6

第3スレログ6

[753]No.Ⅳ【愚人王】 09/01/09 17:55 upSbJx7Sdl
>>750
「ん?ああ悪い、ちょっと失礼。」

携帯電話のバイブレーションに気づき反射的に携帯を取る。
場所を移そうかな・・・と思ったが、

「はッ!おいおい面白いのからかかってきたぞ。」

ハバネロにニヒルな笑顔を向けてそう言うと、通話ボタンを押す。

「よぉ!どうしたよ?まさかそっちからかけてくるとは思わなかったんだがなぁ。」


>>Ⅳサイド
「おお、助かります。いやぁ俺ではそっち方面のコネは無くてね・・・っと失敬、あまりの嬉しさに敬語が吹き飛んじゃいました。」

アハハと笑って誤魔化し、改めてありがとうございますと感謝の言葉を口にする。

「あー・・・大統領、これは興味本位でお聞きしますが・・・」

顔を上げた彼の顔には満面の笑みが浮かぶ。そして・・・

「貴方はヒトクローンについてどう思いますか?」


[754]アス 09/01/09 17:57 H8/szIgv4n
「何だ、鳥か。これぐらいの事で臨戦態勢をとってしまうだなんてな。」
アスカは『リベリオン』を背中に掛けなおして歩き始める。
やがて、元神原財閥の海洋研究所が見えてきた。
[755]天塚 銀樹 09/01/09 18:50 E-xr47L
呼びかけるかのように何度か鳥の声がする。
しかし、それでも返事がないせいか?その草むらからガサガサ音がして…

人の形をした変な光沢のある何か、が現れる。
[756]ハバネロ 09/01/09 19:27 S9Ic4sk5rV
>>753
「カノン……リーデベルト……か?」
弱々しい声でシュパーギンの声がした。
向こうでは「一刻も早く」や「首領!止血がまだ!」等の騒がしい声、そしてヘリの音のせいで声は聞き取りにくいものだった。

「特殊課の……局長に……取り次いで、くれ……ッ、
お前なら分かるであろう。ウェアウルフが今所属……している……組織……」

>>Ⅳサイド
「…………」
大統領は考えた。
立場というものがある、例え個人的な意見だったとしても、だ。そして今、宗教上、倫理上で最も議論が盛んなクローンときた。

「そうだな、時代は変わるものだ。あるいはいつの日にかは、そういったものが広く世に伝搬する世界がくるのかも……しれない」
一つ一つ言葉を選ぶように話す。
「クローン、か……
君だから言うがね、私は正直な所、期待も感じてはいるが、恐怖のほうが強いんだ。
全く情けないんだがね、人が人を造るという行為に何やら背徳的なものを感じずにはいられない。」
全くお笑いだ、と大統領は自嘲的につぶやく。

「無く子も黙る世界の警察……USA(ユナイデット・ステイツ・アメリカ)のトップが、人が人を造る程度で恐怖するなんてね……しかしながら、自分と同じ顔の人間が造られると思えば、やはり怖いんだ」
[757]No.Ⅳ【愚人王】 09/01/10 01:31 upSbJx7Sdl
>>756(カノンサイド)

「な!?おい!ちょっと待ってろ!」

すぐさまハバネロのほうに振り返り、携帯を押し付けるように渡す。

「テメェの元飼い主からだ!どうもヤバイ状況らしい!!」


>>(Ⅳサイド)

「いえいえ、全くもって真っ当なご意見です。大統領というお立場をわきまえた言葉であり、それでいて人間的でもある。」

うんうんと頷き続ける。

「確かに人を作ろうというこの研究は倫理的なことは勿論後々のことを考えればいくらでも悪用できる危険なものです。
ヒトクローンで構成された最強の兵・・・SF小説などでお馴染みのこんな絵空事も現実になれば笑えない話ですよね。」

いやぁいい意味でも悪い意味でも夢のある話ですね・・・と彼は笑顔で大統領の目を見る。

「だが、そのような問題だらけの技術でも使い方さえ間違えねば有用かつこの上ないでしょう?
特に医療分野に関しては目覚しい発展をもたらすことでしょうね。そう、だからこそ・・・合衆国なんですよ。」

ねェ?大統領・・・と大統領に歩み寄り、

「俺の目的の為にはその技術がどうしても必要なんですよ。
もう分かりますよね?そう、俺は貴方と取引がしたいんですよ・・・」

彼は告げた。

「俺はヒトクローンの『成功例』に関する資料を持っています。
貴方が俺に協力してくれるなら・・・それを・・・いや、それによってもたらされる全てをそちらに差し上げましょう。
その代わり・・・
その技術でいっちょ俺のクローンを作ってもらえませんかね?」



[758]ハバネロ 09/01/10 12:55 S9Ic4sk5rV
>>757
「えぇ?」
ハバネロはちょっと信じられなかったが、携帯を受け取る。
あの恐怖の首領がヤバい状況とは。

「……もしもし」
『ウェアウルフ……か』
弱々しい声。怪我でもしていそうな声だった。ハバネロは悟った。

「何があった?首領!」
『……く、 っ……、 詳しいことは……今から、そちらの、特殊課に到着してからだ……! 重要な用件』
ブツンと音を立てて携帯は切れてしまった。

「おい?どうした?」
「首領……今からこっち来るってよ……」
呆然とハバネロは答える。
全く信じられない。あまりにも弱々しいシュパーギンの声は聞いたことがなかった。

>>Ⅳサイド
「……君が望むなら、作るのはかまわない」
大統領はこともなげに言う。
「公表はしていない、というより公表などできないが、クローンによる人体実験は我が国でも行っている。
一応成果はあるらしいが、成功例となると貴重なものになるな」

大統領はⅣを見据える。

「ならばそして、聞いてもよろしいな? 何故自らのクローンを作ろうなどと考える?」
[759]アス 09/01/10 16:04 H8/szIgv4n
「!!!」
アスカは、何者かの気配を察知し、『リベリオン』を構え、振り返る。
そこには、人の形をした変な光沢のある何かが立っていた。
アスカはバッテリーを『リベリオン』につなぎ、何時でもそれを消し飛ばせるように身構える。

「そうか。見つかったか。」
アルスは電話の受話器を耳に当てながら、微笑む。
「ならば、早速『E=MA・00』の細胞を採取せよ。
少し手荒でも構わん。」

[760]馬超 09/01/10 17:10 v8h7KzEGNi
>>759島、上空

輸送機

「やっとつきましかー」

そこには、一人の少女が居た。

「で、任務はなんですか?」

「はい、今あの島にいる神原アスカ・竹原スミスなどの護衛…」

「ふ~ん、了解了解と…」

武装を装備し、ハッチを開けた。

「(では、行ってまいりますか~)」
[761]天塚 銀樹 09/01/10 18:21 E-xr47L
人と言うにはあまりにもその顔は隆起しカエルのようで、指の間には薄い膜のようなものがある。
それが…醜い化物が美しい鳥のような声で鳴くのだ。

「ィィィィィィッ!!!」

先程より高い音が響くと、別の方向からもそんな音がする…

「ィィ!!」

手には捕鯨でもするのか大型の銛が握られている。ソレを軽々とアスに投げつけ、同時にアスに駆け寄る。
[762]ハバネロ 09/01/10 18:47 S9Ic4sk5rV
そのころ、ルルイエ跡地。

「……騒がしいわ」
クトゥルフは霊体となり未だ存在していた!

というより、邪神は完全に滅ぼすことなどできはしない。
数億年の悠久の時を経て、肉体を取り戻し、再び地上へ帰り咲かんと活動を始めたり、そのまま眠りにつくものもある。

「身体を得ぬことには、眷属も出でず自らも力無き存在、か。
受け皿でもあれば取り憑けるだろうが、」

こんな海底にやって来る人間もいるはずがなかった。

「矢張り、このままいつかも知れぬ復活を待ちわびることとなろうか」
[763]No.Ⅳ【愚人王】 09/01/11 03:07 7aBC0UA7Yd
>>758(カノンサイド)

「はっ!なんだ。こっちに来る余裕はあんのかよ。」

ハバネロの言葉にカノンは鼻で笑って返すと割と余裕で椅子に座る。

「まぁ奴さんも人間だ。たまにはこういうこともあるだろうよ。」

すっかり他人事(まぁ実際他人事であるんだが)といった様子でへらへら笑う。


>>(Ⅳサイド)
「・・・すみません。具体的に話すことはまだ出来ません。
ですがそれをあえて言うなら・・・もう一人『Ⅳ』という存在が必要になったから・・・ですね。」

相変わらずの笑顔で話していたⅣだが、その表情にどこか寂しげな感情が浮かぶ。
喜怒哀楽、まるでその中の『楽』の笑顔の表面に『哀』をかぶせたようなその様は不自然であり歪とも言えた。
それに気づいたのかバッと自らの顔を右手で鷲掴みにし、『楽』が『哀』に押しつぶされないようにその激情を押さえ込んだ。
そしてそれが落ち着くと・・・

「・・・失礼、この先は勘弁してください。此処から先は・・・俺が醜態を晒すことになりかねないので・・・」

涙を押し殺すような声で静かに言い放った。


[764]ハバネロ 09/01/11 11:50 S9Ic4sk5Gz
>>763
シュパーギンの乗ったヘリが特殊課の前に到着する。
そこから乱暴にドアを開けて、血まみれ(であっただろう)シュパーギンが降りる。
すでに血は乾ききっており、服に顔に固まった血がこびりついていた。

その真後ろには「フランケン」。その少し後ろに、必死で制止する部下。

>>Ⅳサイド
大統領は無言でⅣを見つめる。

「分かった」
そして静かに言った。

「クローンの全てがミスカトニックにあるわけではないが、ミスカトニック大学が今の所最先端を行く研究室が存在する。
そこの研究室に向かい、君がそうしてほしいと言えば、引き受けてくれるだろう。
クローンの被験体など誰もやりたがらない、それに君が成功例の資料を持っているとなると、悪い顔はしないだろう」
[765]アス 09/01/11 14:30 H8/szIgv4n
「なっ・・・」
アスカは銛を寸での所でかわす。
そして返す刀で近寄ってきた正体不明の者をトンファで殴りとばし、手榴弾を投げる。
「何なんだ!いきなり襲ってきやがって!」
「気をつけてね。こいつ等、普通じゃない。」
アスカの横で、竹原が臨戦体制に入る。
「一筋縄じゃ、いかなさそうだな。」
アスカは、『リベリオン』についている安全装置を外し、銃口を向ける。
[766]天塚 銀樹 09/01/11 16:05 E-xr47L
「イァァァァァ!!!」

断末魔とも取れる絶叫がするも、火傷を負いつつソレは立ち上がった。
ぬめぬめとした光沢が消えて、組織が見えている。

「ァァァァァァ!!!」

ソレはまだ立ち上がった。あちこちで鳥のような鳴き声があがる。
火傷した奴が跳びあがりおそいかかる。七匹程度がアス達のまわりを囲んでいた。
[767]馬超 09/01/11 17:09 bLo1muuZBg
そのとき

「伏せてろ!!」

空中から、拡散型弾が落ちてきた。


[768]ハバネロ 09/01/11 18:21 S9Ic4sk5Gz
「騒がしいと思ったら、謎の生物と謎の人間の数体を確認」
「了解」

島に降り立ったベリンダと、数体の「ヘンカー」はザクザクと草むらをかき分けて立ち入る。

「これ以上騒がしいなら、貴方達の演習に使えるかもしれない」
「了解」
「ところで……あの人間じゃない数体のあれは何て言う生き物でしょう」
「了解」
「こんな島までやってくる人間。物好きって言うのかしら」
「了解」

何を言っても同じ答えしかないヘンカー。ベリンダは別にどうも思わず、彼らを従える。
[769]No.Ⅳ【愚人王】 09/01/12 02:32 7aBC0UA7Yd
>>764(カノンサイド)
「よお、また随分とこっ酷くやられたもんだな。イケイケで突っ込んだら虎の尾でも踏んだか?」

「兄さん!」

ニヤニヤ笑いからかうカノンをエリスが咎め、先方に対しごめんなさいと謝る。

「しかし・・・何があったんだ?お前らがそこまでやられるなんてよっぽどだろ?」

完全な興味本位でカノンはシュパーギンに訊ねる。

>>764(Ⅳサイド)
「ありがとうございます大統領、では早速これから向かうとします。」

一歩退いて丁寧にお辞儀をすると、

「それでは失礼します。今後とも末永いお付き合いを・・・」

口上を残し回れ右して背を向ける。

[770]ハバネロ 09/01/12 11:04 S9Ic4sk5Gz
>>769
シュパーギンはカノンを完全に無視し、ハバネロの前へ歩み寄る。

「……ご機嫌……うるわしゅう……」
「ウェアウルフ」

シュパーギンの口が動く。

「本来なら……私が何者かへ何かを提供したり、意志を共にして戦うということは有り得ないことだ。金以外ならな。
だが、我々は許してはおけない。あの連中! ラスプーチンにここまでやられて黙っておけるほど我々の懐は深くはない。
『ラスプーチンに関しては』我々と貴様らは共闘関係にあるのだということを伝えに来た」

いきなりそうまくしたてられたので、ハバネロは困惑するばかりである。

「首領。……何があった?」
「突如として『チカチィロ』の襲撃を受けた」

それで逃げてきたか、と言おうとしたが、流石に怒りそうなのでやめておいた。
しかし、プライドの高いシュパーギンが自分たちに共闘を望むとは……。ハバネロは意外だった。

「それでここまで?」
「ああ」

ふら、とシュパーギンがよろめく。
「おいおい、ちょっと休んでいけよ」
「黙れ」
ふー、とハバネロが息を吐く。

「あんたが責任を感じるのは分かる。
だがな、休めるうちに休んでおくのも人を指揮する立場にある奴の仕事だろーが」
「……」

シュパーギンがソファーにどっかりと座る。
「少し……腰を落ち着けるだけだ」
はいはい、とハバネロが返事をする。
[771]アス 09/01/12 14:12 H8/szIgv4n
アスカたちは、さっと伏せて焼夷弾の直撃をかわす。
周りでは、銀色の生物が悲鳴を上げて燃えている。
「敵か!」
アスカは『リベリオン』の銃口を空へ向ける。
「地上にもか!」
竹原は地上の人間達に『リベリオン』の銃口を向ける。

[772]天塚 銀樹 09/01/12 15:59 E-xr47L
「ピギャァァァァ!!!!」

痛みや衝撃に断末魔のような叫びが児玉する。
しかしその中に幾つか言葉が混じっていた。

「燃えるぅぅぅ!?だだでぇっじぬものがぁぁぁ!!」

燃えながらに叫ばれたのは人の声だ。焼夷弾を落としたソレに向かい銛を投げつける。

人よりは頑丈らしい、死ぬとか叫ぶ割に人並み超えた力で銛は宙に…
[773]ハバネロ 09/01/12 16:37 S9Ic4sk5Gz
「……報告を終了します」
ハゼリアはミシュフェルに、ロシアにて知り得た情報を報告していた。

「……ハゼリア、」
ミシュフェルはハゼリアの方向を見ないまま言う。

「君、悩んでいるのだろう」
「!」

どんぴしゃりと心の中を見透かされた気がした。

「私に反逆することも視野の一つなんだろう?」
「…………」
「まあ、いい。せいぜい考えてみるがいいさ。ナチスに忠義を尽くすか、自分の誇りに忠義を尽くす、かを」
ピピピピ、と通信が入る。

「こちら本部。……なんだ、ベリンダか」
『こちらベリンダ。ルルイエ近くの島で、人と人外が戦ってる。いい演習になりそうだけど』
「慎重にねー」

適当に返事をしてミシュフェルは通信を切る。

「……ハゼリア、我々には兵器がない」
「?」
ミシュフェルはハゼリアの方向を向く。

「ならば、我々が兵器となろう。という発想には誰も至らない。だが我々ならできるかもね」
文字がずらりと書き並べられた腕を見せる。

「愚カナ人間ダ 過去ニ縛ラレテ 過去カラ何モ学バズ マタ戦禍ヲモタラソウト……」
ヨグ=ソトースの声も、今のハゼリアの心にいちいち突き刺さるようで、ハゼリアはきびすを返して部屋を出た。
[774]馬超 09/01/12 16:37 NoName
「あらあら、必死ね…」

少女は呟くと、何事もなかったように避けた。


「でもね……」


そして、銛を投げた者に向かい。

「世の中、そんなに甘くない…!!」

銀色の生物に投げた返し、一発食らわせ。
袖から出た、小型双剣でそのまま切った。

[775]No.Ⅳ【愚人王】 09/01/13 02:57 7aBC0UA7Yd
>>770
こりゃよっぽど不機嫌だ。おまけに素直じゃないときている。駄目だこりゃといった様子でカノンは両手を開いておどけてみせる。
そんな兄の様子にあきらめたのか、とうとうエリスもため息をつきスルーを始め、視線をシュパーギンに集中し、

「落ち着いてください・・・と言っても多分無駄でしょうね。ですが、もう少し筋道を通して話してもらえませんか?」

とりあえず初対面で完全に年上ってことで敬語で会話を試みる。

「まずはそのラスプーチンと『チカチィロ』とやらが何であるか、そしてなぜそちらと対立しているかをよかったら話してもらえませんか?
今の話だけではハバネロさんも雅ちゃんに報告するときに支障があるでしょうし・・・」

[776]アス 09/01/13 17:14 H8/szIgv4n
「・・・・誰だ。答えてくれ。」
アスカは、少女に話しかける。
少女に警戒されないように、『リベリオン』の銃口を上へ向けて。


[777]馬超 09/01/13 18:42 *7*7*7*
「クリス・イオドです…」

少女はそう言うと。

「まだ、敵がいるので注意してください…」
[778]ハバネロ 09/01/13 19:10 S9Ic4sk5Gz
>>775
「…………、」
シュパーギンはエリスを見る。
冷や汗が一筋、頬を伝わった。

この場に局長がいれば、とハバネロは思う。

「ラスプーチンとは『チカチィロ』のボス。
チカチィロとは、失われたロシア帝国を再臨させようと動く狂気の集団。
ラスプーチンは死刑の予定の人間や負傷兵に非人道的とも言えるほどの人体改造を施し、いびつな兵によって暗躍している。……そして、」

言葉を切った。あまり言いたくないかのように。

「不愉快な事に、私は弱みを握られている。
ウェアウルフがロシアに来た時に、共にラスプーチンを殺した……はずであった。
しかししぶとく生き残っていたようでね」
「生きてたの?!」とハバネロが声を上げる。

「そして私を殺しにかかった」

ハバネロが腕をくむ。

「何で生きてたんだろうな……不死身じゃあるまいし」

>>ルルイエ付近島
「強そうですね。しかも見かけない人ばっかり。どうしましょうか」
「了解」

ベリンダの独り言に、決まり切った返答の「ヘンカー」。
[779]天塚 銀樹 09/01/13 21:38 *3PbAi4XW2DD*E-xr47L
未だに動く者達はいたが、それ以上の数が出る様子が無い。
怒り狂うかのように荒々しく鳥のように鳴く。残りは六体程でうち一体は棒立ちしていた。

水の中に住んでいそうないでたちにしては機敏、跳ぶように走り拳をつきつけようとする。

「絶対にしろ!!」

彼?は何かを大声で、明確な言葉で指示をする。
[780]怠惰・ベルフェゴール 09/01/13 22:35 OnKoGQBTLU
>>モスクワ市内ビル屋上

「くそっ!」

 ヴィジョンを乗せて空を飛んでいくヘリを見てフォルズはベルフェ
ゴールのタッチパネルを苛立たしげに叩く。そして一呼吸置いて平静
を取り戻すと呟いた。

「…蓮田市か」

 フォルズはヴィジョンとナイアの会話から奴の次の居場所を推測す
ると、ベルフェゴールの中にショットガンをしまう。そしてカイルを
見ると、ばつが悪そうに言う。

「…撃っちまった事は悪かったな。だが、あいつは俺が殺さないとい
けない人間なんだ…じゃないと」

 フォルズはそこで一度言葉を切ると、どこか昔をなつかしむように
彼は空を見上げる。そしてベルフェゴールのエンジンを起動させる。

「それじゃな、青年。縁があったら…まぁ、撃たれた人間に会いたい
奴もいないだろうけどな…」

 ベルフェゴールのアクセルを踏み、彼はそのまま元きた道を進む。
[781]ハバネロ 09/01/13 23:14 S9Ic4sk5Gz
「……遅いですねえ」
ナイアルラトホテップは黙示録を最後まで読み切った。

「退屈ですねえ」
ふぁぁと欠伸をしてつぶやく。

工事現場の内部はどこかひんやりとしていて、殺伐としていた。

外で終末主義者の演説が聞こえていた。耳を傾ける。
今こそこの世界は粛正され、新たな世界が生まれるという内容だった。
つまり、入信すれば終末からは生き残れる、と。

「ヨハネの黙示録」に記された内容と似たような事が起こったので、終末主義が発生したのであろう。
思惑通りに事が進んでナイアはほくそ笑む。

実に楽しそうに笑う。
[782]馬超 09/01/13 23:21 nFjjdWPjNb
「(さていきますか…)」

カイルは呟くとダガーを戻し、ライフルを持つと。

「(これから、忙しくなりますね…)」。

暗闇の中に消えた。

[783]No.Ⅳ【愚人王】 09/01/14 01:44 7aBC0UA7Yd
>>778
「あー・・・そういやお前ロシアに行ってたんだよなぁ?はッ!土産が無いから忘れてたよ。」

シュパーギンとエリスにガン無視されたので仕方なくターゲットをハバネロに変え、カノンが訊ねる。

「お前向こうでそんなワイワイ楽しくやってやがったのか?
後で具体的に話せよ。手ぶらで帰ってきたことについてはその土産話で勘弁してやるからさ。」

「失われたロシア帝国の再建・・・この間のナチ達といいなんかやたらそういうの多いわね。」

エリスはそんな兄を華麗にシカトし、呆れたようにため息をつく。

「しかし殺してたのに生きていた・・・か。具体的にどう殺したのですか?死体の確認などはしなかったんですか?」

疑問を解消するために二つ質問してみる。

[784]アス 09/01/14 17:28 H8/szIgv4n
「クリス・イオド・・・さっき僕たちを助けてくれたから、敵ではなさそうだね。」
竹原が、アスカに話しかける。
「ああ。でも、残党がまだ残っている。」
アスカは、余裕の表情で焼夷手榴弾を取り出して、残りの6体に投げつける。

[785]ハバネロ 09/01/14 20:30 S9Ic4sk5Gz
>>783
「……手榴弾を一発喰らわせた。
死体の確認? する間も無く死骸など消え去っていた。
糞っ……刺青野郎め」

「いれずみ?」
アーデルハイドがその単語に反応する。

「ラスプーチンという男、全身に文字を書いていたよ。非常に不愉快だったね」
それを聞いてアーデルハイドは不安そうな表情をする。

「……実際に見てみないと分からないけど。
その人はひょっとしたら自分自身をネクロノミコンにしているのかもしれない」
[786]No.Ⅳ【愚人王】 09/01/15 01:58 7aBC0UA7Yd
>>785
「手榴弾で吹っ飛ばした・・・ねェ。」

そして死体の確認の間も無く消えたってことは、それほどのダメージを受けても動ける体だってことなのだろう。
面倒だなとカノンは呟きアリスを見据え、

「常人なら即死でもおかしくないようなダメージを受けても大丈夫な体になる・・・ネクロノミコンってのはそんな働きもあるのか?」

恐らくこの中で最もそっちの分野に詳しいであろう彼女に尋ねる。

[787]ハバネロ 09/01/15 16:34 S9Ic4sk5Gz
>>786
「うん。まずその物質の老化、風化が完全に無くなる。
人間の場合、不老不死に近いものになる。
それを打開するには、心臓を破壊するか召還呪文でその体に封じられている邪神を召還する。これだけ」

ただし、とアーデルハイドは補足する。

「召還呪文を使ってただの人間に戻すためには、動きを封じないといけない。対象に逃げられると呪文の意味がないから」



戦艦カストール。
ふるえる声で、ミシュフェルに通信が入った。

「ドボリートかい。なんだい?」
「……リーダー、あの男が……!」

ミシュフェルはドボリートが入り口あたりにいるであろうことを思い出す。
と、そのときふいに通信の声が変わった。まるで誰かに機器をひったくられたかのように。

「久しぶりですね。私です。何十年ぶりでしょうか、『ロンギヌス・ヌル』とでも言いましょうか」
ミシュフェルは瞬時に理解をした。

帰ってきたのだ。
彼にとってはもはや敵地同然の此処に。

「……今更ここに何の用だ? グリゴリー・ラスプーチン」
[788]アス 09/01/15 17:34 H8/szIgv4n

中東、スエズ運河付近

「そうか。『E=MA・00』の細胞は手に入ったか。」
アルスは、電話を置く。
「そろそろ、動き出さねばな。
我等、『ジャセス』も。」
アルスは、ニヤリと微笑み、パソコンに触る。


蓮田市
「見てよ。ガソリンがまた値上がりだって。」
エマが、パソコンの画面を見つめ、顔をしかめる。
「相次ぐタンカー行方不明に次いでガソリンの値上げ。
嫌になるなぁ・・・」
詠子が、P○Pをやっていて返答しない。
「無視か・・・何だかなぁ」
エマはまたパソコンのキーボードをたたく。
そのエマの腕には、注射の跡らしきものがあった。

[789]No.Ⅳ【愚人王】 09/01/15 22:14 7aBC0UA7Yd
>>787
「よし、心臓破壊の方向で・・・」
「言うと思ったわ。」

もうお前黙ってろよと心で毒づき肩を落とす。

「ケースバイケースね。まぁ兄さんみたいなのはそういう手っ取り早いのが向いてるとは言えるけど・・・
しかし・・・まだ仮定の話である以上あまり深く考えても仕方ないわ。こっちはまだそのラスプーチンの顔すら見ていないんだし。」

クールに話を切ると再びシュパーギンのほうを向き、

「シュパーギンさんでしたね。とりあえず現状ではまだはっきりとしたことは言えませんが、もしこの地でそのラスプーチンと我々がもめるようなことがあれば貴方方にご協力を求めることになるかもしれません。
そのときはどうぞよろしくお願いします。」

静かに頭を下げた。
[790]ハバネロ 09/01/15 22:53 S9Ic4sk5Gz
>>789
「……ああ。こちらこそ、」
シュパーギンは立ち上がると、同様に頭を下げる。

「よろしく頼む」
そしてくるりと背を向けて、局長室を去りゆく。

「帰る」
「おいおい、局長に一言何か言ってくれよ」

しかし、シュパーギンは聞く耳すら持たず、スタスタ歩きさってしまっていた。



工事現場には、謎の箱と書き置きが残されていた。

”待っても来ないようなので暇つぶしに行って参ります。
依頼をこなせるようならば、ヴィジョン氏はこの箱を開いてくだされば私はすぐさま駆けつけます。
他の人は、この『輝くトラペゾヘドロン』は開かないよう。

―這い寄る混沌”

そして当のナイアルラトホテップはというと、どこであろう蓮田高校の屋上にいたのだ。

「ヒマですね。所詮暇つぶし。星宮さんに挨拶でもすませましょうか」
そして、実に大胆不敵と言うべきか、屋上のドアをあけて階下へ歩き出す。
[791]No.Ⅳ【愚人王】 09/01/15 23:24 7aBC0UA7Yd
>>790
「ほっとけ。向こうも疲れてるだろうし。」
「雅ちゃんには私からも事情を説明しておくから大丈夫よ。」

兄妹揃って言うと兄はあー・・・とうなだれてだらしなく座り、

「にしても・・・此処人少ないわね。まともなデスクワークが出来るのが雅ちゃんだけってのも少々問題があるわね。」

妹は辺りを見回してそう言った。


[792]ハバネロ 09/01/15 23:39 S9Ic4sk5Gz
>>791
「おっしゃる通りで」
ハバネロもどかっと座り込んで言う。

「…………、」
アーデルハイドが広いソファの端でもう寝ているのに気づく。

「やけに早く寝やがって、……全く」
「あうー、しょうがないですよ。疲れてるでしょうし」

ハバネロはまずカノンを見て、それからエリスを見る。

(この二人が、元々Ⅳの知り合い……ってか……)
自分に二人を知っているかと聞いてくるくらいだし、もしや割と気にかけているのでは、いや絶対そうだとハバネロは思う。

何やらむしょうに腹が立った。
カノンが殴り飛ばすというのも何故か今は頷けた。
シュパーギンがⅣのことをこぼさなかったのは幸運であろう。
雰囲気的に話さなかったのだろうか。



蓮田高校屋上前階段。

「……わっ!」
星宮がちょうど通りかかったので、ナイアルラトホテップはぬっと彼女の眼前に姿をあらわした。

「……えっと……、あっ!八神君をさらった……?!」
「まあそうですね。ちょっと話でもしませんか?
なに、危害は加えません。暇つぶしなだけですし」

そういうと、屋上へさっさと歩いていってしまうので、星宮はあとをついていってしまう。

言葉通り危害を加えるわけではないようだった。
本当に、ちょっと通りかかって彼女を見かけて、世間話にでも誘うような感じだった。
[793]No.Ⅳ【愚人王】 09/01/16 01:43 7aBC0UA7Yd
>>792
「可愛い笑顔ね。何かかけるものない?このままじゃ風邪引いちゃうから」

アーデルハイドの寝顔を見て微笑むとヒルダに訊ねる。そして・・・

「さて・・・こちらから話すことも特に無いし、せっかく暇なんだしモスクワに行ったときの話でもしてくれや。
あのおっかねえ首領とってことはただの観光じゃないんだろ?ハリウッド映画一本取れるほどのアクションはあったんじゃねえか?」

ニヤニヤしながらカノンはハバネロに絡みだす。

[794]怠惰・ベルフェゴール 09/01/16 16:04 oFG3mEcigE
>>790
「くっく…ついつい昔話に華を咲かせちまったぜ…」

 ヴィジョンはナイアとの待ち合わせ場所である工事現場に悪びれた
様子もなく現れる。

「本当にここで待ち合わせたのかね?誰もいないようだが」

 その後ろから自らの手で車椅子の車輪を回して蛭孤が現れる。彼は
辺りを見渡しながら言った。
 ヴィジョンは地面に置かれていた箱を手に取るとそれを指差しなが
ら言う。

「どうやら置き土産みたいだな。くっく…俺以外は開けるなとさ」

「…どこでも呼び出せるのかな?…折角だから依頼主様に私の駒を見
せておくのも悪くないだろう」

「了解、了解。それじゃ根城でご対面といきましょうかねぇ…くっく
く」

 ヴィジョンはその箱をぼろぼろの上着のポケットに入れると車椅子
の蛭孤の後に続いて歩き始める。
[795]森本 09/01/16 16:41 Lpry7yDrLG
>>リタサイド
 八神誘拐事件、あれから何日かたっていた。
 はじめは、習慣の違いや振る舞いの異常さで黒田に迷惑かけていたが、今はだいぶなくなってきた。
 授業中、ずっと教師の顔を見続けたり、きょろきょろ周りを見たり、黒田に近づく人物をチェックするためにその人物をガン見したりする行為は未だ健在だ。
 クラスメートも慣れたもので黒田のことをからかっている。
 ちなみに、黒田のお弁当はリタが作るようになっていた。理由は、
「学食で食べるよりは安全。」
 などという理由だった。
 今は昼休み。周りの生徒は真冬を迎える寒さに負けずに馬鹿な遊びをしたり、おしゃべりをしている。
[796]アス 09/01/16 17:03 UY8abqm/.J
「辺りには、敵らしきものは見当たらないな。」
アスカは、燃え上がる6体の敵を眺めながら、言う。
「そうだね。クリス・・・さんだっけ?支援、感謝しますよ。」
竹原がクリスに微笑む。
「もうそろそろ研究所だ。さっさと行くぞ。」
アスカが、武器をしまいながら歩き出す。
[797]馬超 09/01/16 17:40 tIDFMc9gV9
>>794
「(着きました…)」

カイルは工場を眺めていた。

「(ここは、フォルズさんが着たら突入しますか…隼人は来るか、分りませんし…)。」


[798]No.Ⅳ【愚人王】 09/01/16 18:34 nCxTVLjbQ9
>>795(黒田サイド)
昼休み、皆が昼食を取ったりおしゃべりをしている頃、黒田も例に漏れず友人達と集まりワイワイやっていた。
元々あまり積極的に人と群れることはない彼だが、だからと言って友達が居ないというわけではなく、協調性も人並みにあることから一応心を許せる友人も居る。
本日も仲間内で愛妻弁当だのなんだのからかわれた後現在は・・・

「おーい、次清隆だぞ。」
「分かってる・・・少し黙れ。」

日課である昼食後のトランプに勤しんでいた。大富豪、比較的ポピュラーなこのゲームであるが、今回の清隆はやけに真剣だったりする。
理由は数分前、皆より遅く黒田が昼食を食べ終わった頃のある友人の一言から始まる。

「やっと食い終わったかこのエロゲ主人公。」
「あぁ?」

893張りのにらみを友人に利かせ、アホかと軽く流そうとする。
最近リタと住みだしてからこの手の話題でからかわれるたびに適当に流していた黒田だが、本日は違った。
なぜか今日はやけにしつこくこの話題が続いた。

「見ろよ、またリタちゃんお前のほう見てるぞ?」
「・・・別にアイツは妹みたいなもんだよ。ここ最近は慣れてきたとはいえ、まだ俺に依存しているだけだ。」

うぜェ・・・と思いながら食後のお茶をすする。

「なぁ清隆・・・ちょっとお前リタちゃんに告白して来いよ?」
「っぶ!?」

思わず噴出す黒田、ゲホゲホっとむせてくわっと睨みつける。

んでもって・・・


「じゃあ今からトランプやるからお前最下位なら罰ゲームな。」


で今現在に至る。

「糞・・・お前ら絶対組んでんだろコラ?俺のカードばかり阻止しやがって・・・」
「なんのことだ?」
「知らないよ。」
「ちょwwwお前必死すぎwwww」

糞共が・・・・



[799]ハバネロ 09/01/16 18:47 J..yAg3jKt
>>793
ヒルダはタオルケットをアリスにかけてやる。

ハバネロは、「んー」と思い出すような感じで話し始めた。

「ハリウッドねぇ。
とりあえず、謎の連中―「チカチィロ」の奴らってのは後で分かるんだが、そいつらにいきっなり攻撃されたときはびっくりしたね俺。
とりあえず何でロシアに行ってたかっていうと、「ネクロノミコン」人間に対抗する手段を求めてっていうのがあるんだけど。
向こうさんもそれを俺らに知られると都合が悪いのか襲いかかってきやがってな。」

Ⅳのことは触れないように注意して喋る。



屋上、星宮はとうとう屋上に来てしまった。
これはナイアの作戦では、自分を誘い込むために言ったのではないかと星宮もちょっと心配になる。

「んー、屋上というものもまた違う趣があってよろしい」
ナイアはそんなことを言っている。屋上のフェンスにもたれかかって、グラウンドをぼんやりと見ている。

「せっかくなので何か喋りましょう。ただの暇つぶしですって、安心してください」
「……何で、八神くんをさらったり……?」

ナイアは視線をグラウンドから移さずに口を開いた。

「だぁから、あなた方が面白いかどうか試したんですってば。もし危機に陥ったとき、誰がどんな感じに動くか、とね」
「……じゃ、誰が『面白い』人?」

うーん、とナイアはちょっと考える。

「一番は黒田清隆。二番目は銀髪の少女と八神妹で、三番目はそれ以外ですねぇ」
どうも、この男は本当に喋りたいだけのようだった。

「でもですよ、星宮さんは個人的に応援してますよ?」
「え?」
ナイアはグラウンドから視線を星宮に移す。
「あなた、結構頑張りますもの」
「……そ、それはどうも」

星宮は分からなくなった。何故この男はここにいるのか?

「あー、暇ですね。 依頼主がなかなか来ないので抜け出してきちゃいまして。
『アレ』が開かれたら話の途中でもおさらばです。ま……、のんびりいきましょうか」
ふああ、とあくびをしながらナイアは言う。
[800]怠惰・ベルフェゴール 09/01/16 19:29 oFG3mEcigE
>蓮田市付近・国道
「…腹減った」

 フォルズはベルフェゴールを押しながら言う。モスクワからここま
で舟や飛行機の中に隠れてきた彼は一言で言うなれば不法入国であ
る。もう少し緊張感を持つべきなのだろうが…

「…腹減った」

 同じセリフを吐いてフォルズはベルフェゴールとともに蓮田市内へ
と入っていく。


>蓮田市・某所

 暗闇に包まれた巨大な部屋。そこに一つのスポットライトが当た
る。

「ただいま帰りましたよ」

 そのスポットライトの中心にいる人物、蛭孤が暗闇に向かって言
う。その隣にはにやにやと笑うヴィジョンの姿がある。

「おいおい。これは何のマネだぁ?…節電かぁ?」

 ヴィジョンは真っ暗な部屋を見渡して誰にともなく言う。ここから
ヴィジョンたちは工場に向かったのだが、その時はちゃんと電気はつ
いていた。
 蛭孤は目を細めると彼の質問に応える。

「ちょっと劇的な出会いというのを演出しようと思ってね。ちょっと
部屋の電気を落としたんだ。無論、この闇の中にみんないるよ。…と
いうわけでみんなを待たせるのも悪い。さっさとさっきの箱を開けな
さい」

「くっく…仰せのままに『社長』殿」

 ヴィジョンはポケットからさっき拾った箱を取り出すと何のためら
いもなくその箱のフタをはずす。
[801]ハバネロ 09/01/16 19:35 J..yAg3jKt
>>800
「おっと」

ナイアはふいに、何かに気づいたように声をあげる。

「星宮さん、私はもう行かないと。短い間でしたが楽しかったです」
「ちょっ、……え?!」

ナイアの姿はフェードアウトして、消える。

あとには呆然とする星宮が残された。



ぽん!という音、白色の煙、そして紙吹雪と共に、「輝くトラペゾヘドロン」からナイアが召還される。

「どうも、こんにちは。這い寄る混沌ことナイアルラ……、おやおや。ずいぶん人数がいますね。初めましての方もいますね?」
[802]天塚 銀樹 09/01/16 20:28 E-xr47L
「さぁ、そこで白拍子が舞う!!!優雅な立ち振る舞いの前にさしもの鬼一も魅了される!!
静御前が舞を終えて一礼するるといやぁ、見事と鬼一は手を叩く…」

ベンベンと勢い良く机を叩く。
昼休みは燈哥の持っていた人形で寸劇なぞする。
題目は『鞍馬天狗~源静のルーツ~』だそうだ。

「直後っ!!鬼一の胸に突き刺さる短剣!!
目を真ん丸にして静御前をみてそのまま…あの鞍馬山の天狗がグラリと倒れる!!」

「おおう!?強いね静ちゃん!?」

燈哥は目をキラキラ輝かせて、人形の戦いに見いる。
姉が最近様子がおかしいものの、首をくくるわけでもない。
町中で用も無くふらついているらしいが…それだけだ。

「ちなみに鬼一法眼の六書にあった虎の巻、牛の巻ってのがあって…
鬼は牛の角と、虎パンツがあるんだ。」

嘘知識と共に人形劇が終わる。
最近やり始めた人形劇シリーズは遠くからせせら笑いながら見てくれる人の存在で日に日に凝っていく。
遂には、水飴と粉ジュースを配りながらするようになった。

「おじちゃーん!!つまんなーい!!」
「は?なんだって?おらぁ耳が遠くてねぇ?」

とりあえずこの行為は毎昼休み、燈哥の机周辺恒例行事になっていた。
[803]No.Ⅳ【愚人王】 09/01/17 02:58 nCxTVLjbQ9
>>799
「・・・へェ・・・ふ~ん・・・」

ニヤニヤしながらハバネロの話を聞くカノン、だんだんその笑みはいやらしいものになっていく。
そしてしばらくすると・・・

「そうかそうか、そいつはすごい体験だったなぁ・・・でもちょっと俺が求めてるものとは違うんだよなぁ。」

アハハと笑いその整った顔をハバネロの目と鼻の先まで近づけ、

「ハリウッド映画つってもフィクションじゃなくてノンフィクションが聞きたいんだよ。お前さぁ・・・嘘つくの下手過ぎ。
「ネクロノミコン人間」に対抗する手段を求めて?おいおい、その「ネクロノミコン人間」とやらを見誤ったからシュパーギンの奴は痛手を負ったんだろ?
え?何お前・・・俺に聞かれちゃまずいことでもあんの?ん?どうなん?ん?」

壁際まで追い込んで問い詰める。

「・・・兄さん、程ほどにね。」

エリスも内容に興味を示したのか止めることはしない。

[804]No.Ⅳ【愚人王】 09/01/17 03:15 nCxTVLjbQ9
>>798(黒田サイド)
「・・・」

黒田は人生三度目の絶望を味わっていた。両手から零れ落ちる二枚の手札、そしてワーワー自分達の勝利に騒ぐ愚者共(友人達)・・・
最悪なことにまだ昼休みの終わりには時間が有り、この空気も何も無しでは済まさないといった感じだ。

「清隆、観念しろ。」
「・・・俺は別にその罰ゲームを認めるなんてこと言ってない。」

肩を叩きリタの居るほうを指差しゴーサインを出す友人に苦し紛れの言い訳をする黒田、その背中には数々の修羅場を潜り抜けてきた漢の威圧感は無い。
ブーブー文句を言う三名のクラスメート、だが黒田は「こんな不条理な話あるかぁ!」と反論する。
だが・・・

「おーいリタちゃん、清隆がなんか話あるってさぁ!!」
「おまwwwwwwwww」

そんな言い分を許さないのが現実であった。

[805]怠惰・ベルフェゴール 09/01/17 12:35 oFG3mEcigE
>>801
「モスクワぶりだなぁ、旦那。ああ、この携帯返しとくぜ?あっちじ
ゃそれどころじゃなかったからなぁ…くっく」

 ヴィジョンはナイアの登場の仕方に驚く様子もなく、上着のポケッ
トからクローン携帯を取り出して彼に向かって投げて渡す。

「始めまして。面と向かって話すのはこれが始めてですね」

 蛭孤はそう言って車椅子の車輪を動かしながら彼の目の前まで移動
する。

「あの追いかけっこは楽しく拝見させてもらいましたよ。私は中禅寺
蛭孤。まぁ、端的に言えばここにいるメンバーの親玉ですね」

 蛭孤はそう言って暗闇を見渡す。そこに漂ういくつかの気配。その
気配を感じながら彼は右手を上げる。

「そしてこれが私の…」

 彼はそこで一度、言葉を止めると指を鳴らす。それとともに今まで
真っ暗闇だった部屋の壁側から強烈なライトの光が放たれる。
 そしてその光源をバックに立つ四つの影。各々、自分の感性でかっ
こいいと思われるポーズを取っている。その顔は光源の反射でよく見
えない。

「駒です」

 そしてその四人をバックに蛭孤はゆっくりとした動作でナイアに向
き直る。

「さてはて。それではヴィジョンに話したとても楽しいお話をどう
ぞ。ナイアさん」

 蛭孤はそう言ってにやりと笑う。
[806]ハバネロ 09/01/17 12:38 J..yAavYoA
>>803
「…………、」

なかなかどうして、こいつ嫌な奴だとハバネロは素直に思った。

「お前に話すことなんてこれ以上無いね。
そーやって威圧的な態度取られても迷惑なんだよ。
それともどうする?力づくででも俺を屈服させるか?」
[807]アス 09/01/17 14:24 UY8abqm/.J

 海洋研究所
アスカは、海洋研究所のドアを開けた。
誰もいない。
「研究員は、予定通り誰もいない。」
アスカは、事前に、この研究所の人間全員に、1週間の休暇を出していた。
余計な人間に、アスカの目的を知られたくないからだ。
「しかし、なんか嫌な雰囲気だね。」
竹原が、周りを見渡す。
「人がいない施設なんてこんなものだ。行こう。」
アスカたちは、施設内の廊下を歩き出す。
[808]No.Ⅳ【愚人王】 09/01/17 14:39 V8LZOEGIiT
>>806
「・・・ちっ・・・しらけた。」

興味を失ったという様子で離れ背を向ける。

「分かったよ。話したくないなら別にいい。エリス、俺はもう帰る。
お前も早く帰って来いよ。夜の女の一人歩きは危ねェし。」

「ええ、分かったわ。」

ふん・・・と不機嫌そうに息巻くと、スタスタとカノンはその場を後にする。

「・・・」

そしてその場に残されたエリスは何も言わず黙っていた。

[809]ハバネロ 09/01/17 18:04 J..yAavYoA
>>808

ふう、とハバネロは正直ほっとした。
が、それと同時に、少し悪いことをしたかもしれん、という気持ちも起こる。

だがしかしこれでいい、間違ったことはしてねぇはずだと自分を納得させる。

「あの、ハバネロさん―」
ヒルダの声。

”私たちに隠し事とか……してないですか?”

そんな言葉が投げかけられるのかとハバネロはその刹那思う。
ヒルダは少し言葉に間をおいて、自分の心を再確認するかのように何も喋らない。

「……何でもないです」

結局ヒルダは特に何も言わなかった。

「あー、悪いことしちまったかな」
何故か罪悪感がつのった。
[810]森本 09/01/17 18:47 E-lv.N1
>>804
「何だ、清隆。」
 リタは全く疑う様子もなく清隆の前に立つ。
[811]No.Ⅳ【愚人王】 09/01/18 01:01 V8LZOEGIiT
>>809(エリスサイド)
「・・・気にしなくていいわ。兄さんも言ったとおり言いたくないことなら別に無理に言わなくていい。」

エリスも特に追求することなくハバネロに言う。

「まぁ話したくなったら話してくれればいい。兄さんに話せないようなことだったら私にでもね。」


>>810(黒田サイド)
「いや・・・その・・・」

お前も来んなや!!!と心で絶叫するがぐっとこらえる。
心臓の鼓動が高くなるのを感じる。普段はなんでもないのに、このときに限ってリタの目を見ることが出来ない。三名の友人がニヤニヤとした顔でこちらを見る。
アイコンタクトでゴーサインを出す一人にくたばれ氏ねと心で毒づき、息を吸い込みリタの顔を直視する。

「う・・・」

止めろ!!そんな疑いの無い目で俺を見るな!!
畜生、なんて様だ!かつては魔王の鬼子とまで言われたこの俺がこんな小娘一人に・・・

「よしよしよしよし、いいだろう・・・」

俺は覚悟を決めて笑う。頬の筋肉がかなり無理しているのが分かる。
ああ、人は追い詰められたとき笑うっていうがこれってマジなんだなぁ・・・・

「リタ、この件は後で説明する。」

ハハハ、なんかテンション上がってきたァ!(この時点で自我崩壊)
この胸の高鳴り!!この気持ち・・・まさしく愛だぁぁぁ!!!

「大好きだぁ!!!」

高らかに叫びながら黒田はリタに抱きついた。クラスメートがその場で注目し、直後黄色い歓声を上がった。



[812]ハバネロ 09/01/18 10:09 J..yAavYoA
>>811
「……すまん」
ああちくしょう、この人いい人だなと思う。
いつかこの借りは返さなければなるまい。

「父……様……」
静かに寝ていたアーデルハイドの口から寝言が漏れた。
[813]アス 09/01/18 14:39 UY8abqm/.J

海洋研究所地下2階
海底調査用潜水艦が浮かぶプールに、小型の潜水艇が1機だけ浮かんでいる。
小型潜水艇はボールのような形をしていて、バルカンが2基付いている。
「よし、これを使ってルルイエに向かうぞ。」
アスカと竹原が潜水艇に乗り込み、潜水艇が海へと出て行く。


[814]八神 09/01/18 15:09 V-UJSI9
>>811
「……?」
 それはアリアがお手洗いから戻る途中の出来事だった。
 本来ならまっすぐ七星のいる教室に帰るところだが、ちょっとした人だかりが出来ていたので覗いてみると、突然黒田がリタに告白してさらに抱き着いたというのである。
「……へぇ。」
 面白そうなのでもうちょっと見てみることにした。
[815]森本 織部 09/01/18 21:30 s3d.BUPNBF
>>811
 周りの人間はニヤついてはいるが、危険な悪意は感じられない。しかし変な雰囲気だ。そして肝心の清隆は焦ったよな、怒ったような、複雑な挙動を示している。何がしたいのだろう?
 私は変だとは感じてはいたが、心のどこかで清隆が私に襲いかかって来ないと信じていたので、その行為は不意打ちだった。清隆が叫びながらこちらに来た。
「大好きだぁ!!!」
「あっ。」
 小さな声が私の口から洩れた。
 その時には、私の小さな体は清隆の体にすっぽりと包まれていた。周りの生徒が歓声を上げている。私は清隆に抱えられたまま棒立ちだ。
 振りほどこうと思えば出来たが、私の思考は固まったままだ。なのに頭に血が昇って行く感覚はある。それと同時に温かみを感じた。清隆に包まれたのは初めてなのに、何か懐かしいものを感じた。
 私は無意識のうちに、清隆の制服の背中をぎゅっとつかんでいた。
 このあとの清隆の立場なんてものは考えてもいなかった。
[816]馬超 09/01/18 21:40 h9TlOtahrf
「(おや?ここに戻ってきてみれば、なにやら大胆だな…)」

隼人はコッソリ、見ていた。

「(さて、こちらはあそこへ、行きますか…)」
[817]ハバネロ 09/01/18 22:19 J..yAavYoA
>>815

きゃ~~~~~~~~~っ?!

思った。
多分声にも出た。

別に校内をブラブラしていただけで、あのナイアという男から生還できてボーっとして歩いていたら人だかりができていて覗いてみたら、それと同時のタイミングで抱k

星宮は茹で蛸のように赤くなっていた。
見ている星宮のほうが死にそうな顔だった。

両の手は信じられないというふうに口を軽くふさぎ、「……ぁ、ぁ……」という吐息みたいな声が漏れた。

後ろに後ずさると、トン、と軽く背中からアリアにぶつかった。
[818]馬超 09/01/18 23:01 l4BWYlTcSx
>>817
「なにやってんだ、おまえ?」

と隼人は思わず、星宮にツッコンだ。

「熱でも、でてんのか?」
[819]No.Ⅳ【愚人王】 09/01/19 01:59 V8LZOEGIiT
>>812(エリスサイド)
「それじゃあ私も失礼しようかしら。此処に居ても邪魔になるだけかもしれないしね。」

もうこの話は終わりだといった感じで立ち上がりハバネロに一瞥し、

「今度来たときに雅ちゃんに言っておいてあげるわ。施設内に喫煙エリアを設けてあげたらってね。
今は吸ってないけど私もちょっと前までは愛煙家でね。吸いたい気持ちは分かるわ。」

不敵に、そして優しく微笑んだ。


>>815(黒田サイド)
「あ・・・ああ・・・」

予想外の反応に顔を真っ赤にした黒田はその場で硬直した。
振り払うなりボディブローなりそんな反応を予想し、「あーあ、残念清隆君振られちゃったねェ。」的なENDで収拾が着くだろうと考えていたのに・・・

「り・・・リタ・・・」

そこから先の言葉が浮かばない。
ふと視界にギャラリーの姿が映る・・・ああ、女子がキャーキャー言ってるよ・・・ちょ!そこのお前!写メは止めろ!!
ヒューヒューとかマジ止めろ!!ああ・・・響き渡る携帯カメラのシャッター音・・・

「清隆・・・やりおったわ・・・」
「まさかハグまでかますとは・・・マジ勇者だわ。」
「つかリタちゃんって親戚じゃね?うわ・・・これなんてエロゲ?」

けしかけた三名がそんな能天気なことをほざいているのが聞こえる・・・
糞ッ!やはり頼れるのは己一人!!考えろ!考えろ俺!!
そうだ!!ここは「なぁんてな!軽いジョークだよ」って誤魔化せ!!
最高にへタレで小学生かよwwwなレベルだが、一応の収拾は・・・

「う・・・」

そんなときにリタが自分の制服の背中部分をぎゅっと掴むのを感じる。
嘘・・・マジで?

「く・・・」

思考が高速で展開されていく。今からでも遅くはない、耳元でボディブローを指示し、予想したパターンをさせるとかどうとか・・・だがそれは彼女の気持ちを・・・
馬鹿な!俺とリタはそんな関係では!しかし・・・・

冷たい思考と良心の狭間で揺れる。ああ・・・頭が・・・

「清隆・・・」

友人が何かに気づいたように口を開く。


「気絶してなお君臨するか・・・・」


友人の目に映ったのは立ったまま気絶する漢の姿だった。



[820]八神 09/01/19 14:36 V-UJSI9
>>817
「あら?」
 遠巻きに見ていたアリアにぽふ、とぶつかってきたのは星宮だった。その顔は赤く染まり切っていて、ひどく狼狽している。
 そういえば、とアリアは思い至る。
以前意図せず食事――にかこつけたでぃーぷきすだったが――を見られた時にも同じような反応をしていた。
 随分と純情なのね、とそうアリアは思った。
今時の若者の中ではとても珍しい部類なのだろう。もしかすると天然記念物クラスかもしれない。
彼女に対しては人慣れした小動物のような印象を抱いていたアリアだが、意外と箱入りなのかも知れないな、と印象を付け加えた。
 ……まぁ、可愛らしい小動物のようだという印象はより強まったのだが。
[821]アス 09/01/19 17:14 UY8abqm/.J
太平洋、海中
アスカたちが乗る3人乗りの潜水艇は確実にルルイエへと向かってきている。
「この辺りだな・・・」
アスカが海底をライトで照らしながら、ルルイエの入口を探っている。
「もしかして、海中洞窟になっているんじゃないか?」
竹原も、真剣にルルイエへの道を探っている。

[822]ハバネロ 09/01/19 19:21 J..yAavYoA
>>819
「あいよっ」
ひら、と片手を振ってハバネロはエリスを送る。

「あぁっ、さようならです!エリスさん!」
ヒルダもあわてて別れの言葉を口にする。



>>820
「う、あ、アリア……ちゃん」
バクンバクンという鼓動が心臓に脳味噌に五臓六腑に体全体に響き渡る。
「あ、あ、う、あわああああっ」
わたわたと困ったように手をひらひらと動かす。



「設置完了しましたぁっ」
ハーケンクロイツのワッペンを付けた軽装の男が、市役所の裏側の生け垣に何かを設置する。
タイムをカウントし続けるそれは爆弾だった。
「任された仕事はこれだけだな? よし、引き上げよう」
ハーケンクロイツの男は足早に退避を始める。
[823]森本 織部 09/01/19 23:05 s3d.BUPNBF
>>819
 清隆の体から力が抜けているのに気がついた。
「……清隆?」
 呼びかけてみたが返事が無い。首に手を当て脈拍と呼吸の有無を確認。どうやら目を開けたまま気絶しているようだ。
 直感的に自分が何かをしでかしたのだろうと予測した。
 清隆の腕の中で器用に回れ右をして背中に清隆を乗っける。そのまま清隆を背中にのっけて保健室へ向かう。
 保健室の先生は驚いていた。
 そして気絶した状況を聞いて笑い転げつつも、呆れていた。

 蛇足だが、小柄な人間がしかも女子が何の苦もなく高校生男子を背中に負ぶさって教室を出て行く。かなり奇妙な光景だっただろう。
 そして小柄な女子の方は、涼しい顔をしている。
 ちなみにリタは恥ずかしがるという事は無かった。なぜなら「保健室に気絶した人間を運ぶのに背中に人を乗っけるというのは至極当然」と考えていたからだ。
[824]ハバネロ 09/01/19 23:16 J..yAavYoA
>>823
「あんたさぁ、すごいというか呆れるというかさぁ、何て言うか……くっくっくっ、信じられない」

保険医の先生は足を組んでまだ笑っている。

彼女の名前は森岸優花といった。

「ん、くろだ……きよたか?」
その名前を見たときに、ちょっと気づいた風な表情を見せる。

「……ふぅん。」
周防が言ってた奴か、とちょっと漏らしたが、すぐに黒田の顔をのぞき込む。

「すっごい気絶のしかただねぇ、まあベッドに転がしてりゃ起きるだろ」
[825]森本 織部 09/01/20 00:10 s3d.BUPNBF
>>824
「そうですか。ありがとう御座います。」
 リタは無表情に、しかし律儀にお辞儀をしながら森岸に礼を言う。黒田に仕込まれた動作だ。日常生活を開始した当初はろくすっぽ礼も、挨拶もなかったが今は律儀にするようになった。
 ちなみに教え込んだ黒田はベッドの上だ。
 その寝ている黒田の横の丸椅子にはリタが腰掛ける。
 チャイムが鳴っても腰かけている。
 その顔は黒田を見ている。

 どうして私は、清隆にしがみついてしまったのだろうか?
 そもそも私は、誰かに抱かれたことがあっただろうか?
 なかった。
 お母さんも、お父さんも……。
 大きくなっても誰も手を出してはくれなかった。
 そうくると、清隆はお父さんみたいだ。
 お父さんみたいだから、しがみついてしまったのだろう。
 きっとそうだ。 
[826]No.Ⅳ【愚人王】 09/01/20 00:29 V8LZOEGIiT
>>825(黒田サイド)
「ん・・・っく・・・んあ?」

ベッドから間抜けな声が聞こえると、ぬくっとベッドから黒田が起き上がる。

「あれ?え?何?保健室?・・・ほえ?」

目をぱちくりさせて間抜けに口を開けて周りを見渡す彼の姿は傍から見ればとても間抜けに見える。
リタにとっても流石に寝起き直後の姿は見せていないので、その姿は新鮮に映っただろう。

「あれ?・・・リタ・・・俺は・・・・あ・・・」

頭の中がだんだんとクリアになっていくのを感じる。ああ、そういえば俺は・・・・

「!?マテ待て待て待て!!!あれには深いワケがッ!いや深いか?
って違う!!ちょっとタンマ!!タイム!!タイムアウトォォォ!!」

バッと掛け布団を勢いよく被るとそのままもぐり込み顔を隠す。
その姿はまるで母親に学校に行きたくないと駄々をこねる子供の姿を連想させ滑稽だった。

「・・・まずは状況を説明してくれ。俺は何故保健室に居る?」



[827]No.Ⅳ【愚人王】 09/01/21 17:59 V8LZOEGIiT
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最終更新:2009年03月03日 17:59