第2スレ ログ7

第2スレ ログ901~1024

[901]ハバネロ  08/11/09 22:39 UGnW9dxTxs
    ―トーテンコップをかぶり、鍵十字の腕章の兵隊は、突如として蓮田市に現れ、市の境界線一帯を包囲。
    逃亡を図る民間人、8名を捕獲・拉致。2名を射殺した。

    テレビ局は早々に落ち、消防署もほぼ壊滅、警察署も制圧は時間の問題だった。


    それから5分後。混乱が続く町中…セットされたスピーカーから、とある人物の声が響いて、町中に行き渡った。

    「あーあー、本日は晴天なりぃー。マイクテストー。
    ………あーあー。

    皆さんこんにちわ。まずはご挨拶を…『ラスト・バタリオン』幹部『ロンギヌス・ドライツェーン』リーダー、ミシュフェル・ブランケル・ミールと申します。よろしくどーぞ。
    えー、皆さんは非常に混乱し、不幸な事になった人もいることでしょう。
    えぇー、今からこの蓮田市はぁ、我々ナチスの占領下に入りぃ、『ダス・ドリッテ・ライヒ』の足がかりとさせて頂きまぁす。
    『ダス・ドリッテ・ライヒ』が完成した暁にはぁ、亡きヒトラー総統の遺志を継いでぇ、ここを『ゲルマニア』と称させていただきますので、楽しみにねぇ?
    あと、逃げだそうとする人は誰彼かまわずさらって毒ガスの実験に使うのでよろしくぅ。まあデータ取れるからいいんだけどねぇw
    おとなしくしていればこっちは手を出しませぇん。お互いの平和と幸せのためにぃ、何とぞご理解のほどをぉ。」

    呆然とする市民。放送はブツンと切れた。
[902]馬超 08/11/09 22:51 Q0w2hTJLJt
    局長室

    「あれが、来るまで持ちこたえらばいいが」

    と隼人は呟いた。
[903]No.Ⅳ【愚人王】 08/11/10 00:32 4yzjSVcowT
    >>890
    「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あれ?お前等って・・・」

    しばらく凹んでるうちにカノンちゃん復活、だがしかしそのときには、


    「ゴスロリ!?なんと!!ゴスロリでロリータ!?素晴らしい!!エクセレント!!ディモールト良い!!」

    既に仮面の変態はアーデルハイドの目の前に来ていた。

    「君ィ!!ゴスロリが似合うそこの君!!私の娘にならないか!?
    是非なりたまえ!!ちょっとパパって呼んで!!呼んで!!」

    覗き込むようにして顔を近づける変質者。こんな奴でも総司令官・・・大丈夫か『呪い十字』・・・orz


    >>899
    「俺も問題は無い。」

    バン!!ととっさに盾にした机を蹴り上げ、飛び散る埃を払い、ロバートも自らの無事を知らせる。
    こんなときでも取り乱すことも無く平静で、

    「・・・此処は本当に襲撃されやすくなっているな。」

    余計な一言まで口走れるほど余裕だった。


[904]森本 08/11/10 02:22 E-lv.N1
    >中の人
     先に謝ります。長文失礼します。


     蓮田市最後の警察署は何とか武装した集団に対して抵抗していた。なぜ、ちっぽけな警察が抵抗出来たのかは、2つの理由があった。
     ひとつは、ロボフが1キロ先のビルの屋上からシモノフ対戦車ライフルを撃ちまくって、警察署の右側、それと前後の一部を援護したからだ。
     二つ、警察官が常人より強かったからだ。しかし負けは見えている。
    「撃て撃て、予備弾の規則なんて守な!敵を近付けるな!」
     ある警官は、一階正面のバリケイドの内側で、自ら拳銃を持ち撃ちまくっている。彼の周りには、今にも逃げ出しそうな警官達が銃を握り締め戦っている。気丈な事に婦警も混じっている。
     しかし、敵も馬鹿ではない。ロボフの援護が入らない、警察署の左側側面を中心に攻め立てた。
     警察の主な武器はS&WのM37とシグザウエルP220JKだ。
     一方の亡国の軍隊はMP44やMP40、ましてや、モーゼルKar98k小銃等で武装しており、火力は圧倒していた。
     ボルトアクションの小銃は、機関短銃や機関拳銃の破壊力に負けないように、その機関短銃達は、機関銃に負けないように、ガラス、壁、バリケイド、人、机、書類を破壊した。残った数少ない拳銃は弱々しく抵抗した。
    「(駄目かな…?)」
     ある警官は殉職を覚悟した。左側面は、絶望的で正面からは、本格的な攻撃も再開された。
     その時、左側面を攻撃していた兵隊は機銃で撃たれた。空には日の丸を付けた、AH-1S(対戦車ヘリコプター)が4機飛んでいた。
     ヘリは兵隊を駆逐し始めた。
     このガンシップは沖の、ヘリ空母から発進した虎の子だ。警察署の屋上に一機の輸送ヘリが自衛隊の陸士達を落としていった。
[905]サウザーは冷たい手を握る 08/11/10 04:33 *Ql5aEOorQNd*pHSKopfkne
    >>898
    「おそらく、蓮田高校の騒動のときに現れた『人形』だと思いますが……ここを襲う理由がわかりません。見てのとおり、ただの補給基地ですよここは」
     片手で器用にリロードしながらもう片手でバスバスと撃ち続ける。
    「まぁでも最悪の事態にはなりませんよ。出来ればこちらも奥の手は使いたくないので、さっさと帰ってもらいたいところですけどね」
[906]アス 08/11/10 16:23 TJQuEy8NNQ
    Hey!DJ!カマせ
    ぱかっ。ピッ。
    「エマか。どうした。」
    アスカは携帯を取り出す。
    「アスカ!蓮田市がネオナチに占拠された!気を付けて!以上!」
    つーつーつー

    アスカは混乱している。
    (いきなり蓮田市がネオナチに占拠された?意味が分からん。」
    途中から考えている事が声に出ている。
    「おい、そこの二人、止まれ。」
    トーテンコップをかぶり、鍵十字の腕章の女性兵士が二人。
    「どうも、こいつ等がネオナチ…みたいだね。」
    竹原が見つめながら言う。
    「よし、通っていい。」
    兵士達はアスカ達をすんなりと通す。
    …これがインキュバスの特技一のつ「魅了」だ。
    これを喰らった異性は竹原の言うなりになる。
    「見た、あの二人、スゴイカッコイイよ~」
    アスカたちは背後の女性兵士の溜息混じりの声を無視しながら警察署へ向かう。

[907]馬超 08/11/10 17:19 g25QrhbSLT
    >>900>>902スルーです
[908]ハバネロ 08/11/10 19:42 UGnW9dxT73
    >>903
    「……………………

    ぱぱ?」

    至極キョトンとした顔で言ってみる。

    「娘にはなれない。貴方が私のマスターになるのなら、マスターという呼び方は可能だけど、お父様は私のお父様ただ一人だから」

    >>局長室
    「くそっ、もうここは特殊課としての機能を失ったな。マズい。街は混乱状態だというのに…」
    「んーだよ、弱気だな!局長のくせによ!」
    ハバネロが煙草をスパスパ吸いながら言った。

    「…よろしい。分かった。ロバート殿、ハバネロと京岡を連れて行け。貸し付ける。
    死亡者、行方不明者、街の状況等の情報は可能なかぎりこちらで提供する。
    こっちは戦える者が2名のみだ。どうせなら、手練れは複数集まっていたほうが都合がいい。」
    「処刑人に会えますかっ?!」
    京岡が若干目をキラキラさせて聞く。
    「マジかよ?!クソッタレ、クソみてぇな状況じゃねぇか!一抜けたい所だが…まあ仕方がねぇな…」

    >>904
    「リーダー、報告します。警察の連中、なかなか落ちません」
    帰還したファゴックスが報告。

    「うーん、困ったね…あぁ、そうだ。忘れていた。
    シュパーギンさんの部隊がいたんだったよぉ。あっはっは。
    もしもしシュパーギンさん?あなたのところの部下を使用してよろしいですかあ?」

    『……問題はない。ただ、私も前線基地に居させてもらう。どの地区を攻めるのだ?』
    通信からの声は司令官そのものだった。

    「基地とか地区とかないからねぇ…。警察ですよ警察。とにかくよろしく頼みましたから。」

    『よろしい。』

    シュパーギンは自室のドアを蹴ると、外に出て葉巻をふかした。


    ―エル・ディアブロの傭兵は警察署に向かい進軍。

    装備はカラシニコフ(AK47)にスティンガーにパイナップル(グレネード)といったものだった。

    そう。蓮田市は、まさに戦場と化したのである―
[909]森本 織部 08/11/10 19:51 sAET5AB3tB
    >>905
    「……」
     森本は、声にこそ出さなかったが「奥の手」という響きに、顔を曇らせた。
     この男は、何を持っているのだろうか?そして、それを言わないという事は、あまり良い物ではないのだろう。

     人形の数は膨れ上がり、ついにバリケイドに取り付き始める。仕掛けられていた指向性地雷は、爆音とともに、バリケイドの人形を吹き飛ばした。それでも、まだ人形は向かってくる。
     森本は軽機を捨てて、傍に置いておいた、着剣済みの九九式短小銃を持って、バリケイドの前に飛び出した。
    「結局こうなるのか。」
     森本は楽しそうに言うと、ライフルグレネードを一発撃った。それから、銃剣を使い、バリケイドに取り付こうとする人形達を破壊した。森本から見て奥の人形や、手の届かない所は基地の人間に任せ、人形がバリケイドに取り付いている所でのみ、森本は小銃を振るった。
[910]ハバネロ 08/11/10 20:08 UGnW9dxT73
    シュパーギンは黒塗りの車に乗って、市街を疾走する。

    「…………くくっ………」
    笑いがこみあげる。

    運転手である、彼女の護衛は喋らない。…否、喋ることが出来ないのだ。

    「戦場だ。くくく、戦場だ!!戦争は楽しいぞ。
    なぜかって?金が儲かるからさ。今回ナチの豚が私に払った契約金…あれだけでもうずいぶんな額だ。
    フフ………どれ、警察諸君に戦争のやり方を教えてあげようか。」
[911]No.Ⅳ【愚人王】 08/11/10 20:23 4yzjSVcowT
    >>908
    「うーん、マスターか・・・別にそれでもいいけどなんか主人と従者みたいな関係で微妙だなぁ。」

    アーデルハイドの提案に苦い顔をする。どうもこういうのには彼自身こだわりがあるらしい。

    「まあいいや。とにかく2人とも座って。ああ、黒田君はご苦労さま。もう帰ってもいいよ・・・って・・・
    そういや外騒がしいね。ああそうだ。なんでもナチ公が騒いでるって報告があったなぁ・・・忘れてた忘れてた。」

    テヘっと自分の頭をコンと叩くが、長身の仮面男がそれをやっても全く可愛くない。むしろ寒いくらいだ。

    「そういやロバート君とエリスちゃん遅いね・・・あ、連絡来てた。あー・・・なんか巻き沿い食ってるようだよ。」
    「なんだと!?」

    その一言にカノンが反応、ハンスが開いた携帯電話を覗き込むようにして後ろから見る。

    「あー・・・現在ロバート君は特殊課と合流、エリスちゃんは一般人に紛れて安全なとこからメールを送ってきたみたいだね。
    はぁ・・・まったく、ナチ公はいつになっても迷惑だね。同じドイツ人として恥ずかしいよ。」

    うんざりしたような顔(仮面で隠れて見えないが)でそう言うと、カノンに向き直る。

    「悪いけどカノンちゃんちょっと行ってきてくれる?警察とかも頑張ってるようだけどどうも旗色が良くないみたいだし。
    そうだね・・・五人くらい部下を連れてって。」

    「作戦は?いちおう此処は市街地だぜ?出来ても『eiserner Kreuzzug』までだろ?」
    「いや、調子こいてるようだからね・・・『Epidemisch』で・・・」
    「『Epidemisch』!?やれやれ、容赦ないね・・・」

    苦笑いすると同時に放送を入れる。内容は・・・

    「あー、日本支部の諸君、とりあえず暇でストレスたまってる奴ちょっと五人くらい来い。
    ちょっと外のナチ公絞めるから。作戦内容は『Epidemisch』、殲滅戦だ。」

[912]No.Ⅳ【愚人王】 08/11/10 20:32 4yzjSVcowT
    >>908(特殊課)
    「・・・心得た。」

    雅に一言だけそう答えると、京岡のほうに視線を向ける。

    「・・・今連絡が入ったが、カノンの奴も小隊を率いて出るらしい。
    長引けば合流も有り得る・・・とだけ言っておく。」

    無粋にそう言ってのけると外に向けて歩き出す。

    「・・・それと『ウェアウルフ』、俺と組む以上は煙草は此処に置いていけ。俺は煙草の煙が嫌いなんだ。」


[913]サウザーは冷たい手を握る 08/11/10 20:40 *Ql5aEOorQNd*pHSKopfkne
    >>909
    「ん? 余計なお客さんみたいだね」
     何事も無いかのように杖をついて現れるサユキ。
     やれやれといった様子でカイゼルに目を向ける。
    「カイゼルー、こういう手合いのお客さんはもっとスマートに返さないとだめでしょう? こんな弾薬使ったって無駄無駄。猛省しなさい」
    「も、申し訳ありません総帥……」
    「ん、分かったなら良し。お姉ちゃん、聞き分けの良い子は好きよ? さて、それじゃ、お客さんには丁重にお帰り願おうか」
     一歩前に出て、サユキは大きく深呼吸をする。
    「ん……あーあーあー……よし、と。それじゃはじめようか」

     そして、サユキは静かに歌い始めた。
[914]ハバネロ 08/11/10 20:41 UGnW9dxT73
    >>911
    「遠慮無く座らせてもらいます。名前を聞かせてもらえる?」
    アーデルハイドは座る。ヒルダもワンテンポ遅れて座る。

    >>912
    「………………………………………」
    「置いていけ」
    「…………………………………………………………………」
    「減給するぞ」
    「………………………………………………………………………………」

    「解雇するぞ」
    「すいません!おいていきます!」

    内ポケットから、煙草のカートンを3つばかり下に落とし、他のポケットからボトボトと煙草の箱を落とした。

    「吸い過ぎだ。給料のほとんどがコレに消えてるんじゃいか?」
    「吸う自由だってあるでしょう!」
    「公共の福祉というものもある」

    ハバネロはすっかりだまりこんでしまった。

    「一応自己紹介します。京岡円佳…ドラクルって呼ばれてたこともありましたけど、それは過去のことだってことで―」
    「行くぞっ!!行くぞ畜生!!」

    ハバネロは涙目で外に向かって歩き出す。

    …そのころ、シュパーギンは警察署から1キロ離れた場所で傍観していた。

    「ほうほう、民警も頑張るじゃないか。それでいい。儲かるのは我々のほうであるからな…くくっ…」
[915]森本 08/11/10 20:42 E-lv.N1
     警察署の人間は目を丸くした。自分達を殺すはずだった者達が死んでいくからだ。
     籠城戦の立役者である後藤は、放心したように、バリケイドの外を見ていた。
    「後藤さん!私は、一佐の田中と言います。」
    後藤は、声のした方に慌てて顔を向けた。そこには、偉丈夫な軍人が立っていた。
     後藤は、敵に抵抗したかった。田中は敵を警察署に引きつけたかった。両者の思惑はある部分で一致した。
     警察署で徹底抗戦をする。

    小銃三個小隊、迫撃砲一個小隊、対戦車一個小隊は、それぞれ配置に着き本当の敵を待った。
[916]サウザーは冷たい手を握る 08/11/10 20:49 *Ql5aEOorQNd*pHSKopfkne
     特殊課の惨状を見つめ、青髪の男はフンと鼻を鳴らす。
    「やれやれ……これはもう話どころではなさそうだな……とりあえず、俺も斬りこむとするか……面倒だがな」
     丸腰手ぶらの青髪男はそのまま戦場と化した特殊課へと足を踏み入れていった。
[917]No.Ⅳ【愚人王】 08/11/10 20:53 4yzjSVcowT
    >>914
    「ん?ああ、私としたことがまだ名乗って居なかったね。
    私の名はハンス=ベルク、空から落ちてくる系のヒロインを常に渇望する永遠のお兄さんさ。」
    「アホなこと言ってないでさっさと茶を入れろ。いちおう客人扱いなんだろ?
    俺はもう行くから淹れていかないぞ。」

    黒いアウターで再び身を包み、カノンは戦闘の準備を完了する。

    「で、早速お前が作ったコイツを使いたいんだが・・・いいんだろ?」
    「ああ、かまわないよ。でもそれは・・・」
    「オイ!!なんだよこれ!!」

    先ほど屈辱的な台詞を吐いてまで手に入れた木箱の中身は・・・

    「テメ!!ナイフじゃねえか!?銃は!?普通銃だろ!?
    しかもなんだよこれ!?ただのサバイバルナイフじゃねえか!?ふざけんな!!」
    「酷いなぁ・・・せっかく頑張って一から設計したのに・・・
    だいたいカノンちゃんさ~、もういい年なんだから銃剣付き拳銃なんか止めて堅実なガンスリンガーやりなよ。そういう意味を込めてソイツを作ったんだよ。」
    「俺はまだ28だ!!あーもういい!!とりあえずコイツはいちおうもらうぞ!!この話は帰ってからだ!!」

    箱に入った鞘に納まったサバイバルナイフを懐に入れ、カノンは外に居る部下のほうに向かう。


[918]特攻屋 08/11/10 21:05 E-wv2XZ
    >>889

    「(あ~、全くなんなんだこいつらは…)らぁっ!」

    一体の人形に拳がめり込み殴り飛ばされる。殴り飛ばされた人形は後ろの数体の人形を巻き込んで胴体から割れていた。

    拳護は今バリケード手前にて『人形』と応戦していた。
    食堂で騒動に気付き、基地出入口の一つに向かうと目に入ったのはバリケードと大量の『人形』と、それと応戦するオウガ達。
    拳護は厄介になっている身として基地の防衛に参加したのだ。

    「数ばかりいやがって…はぁっ!」

    また数体の人形がバリケードに近付き、拳護は殴り、蹴り、投げ飛ばしバリケードを守り続ける。

[919]No.Ⅳ【愚人王】 08/11/10 21:09 4yzjSVcowT
    >>914 (特殊課)

    「・・・ロバート=クレヴァーだ。安心しろ、お前のことは知っている。
    『ドラクル』、臓物メイドとかいう物騒な名で呼ばれていたので記憶に残っている。」

    なんということなさそうに歩きながら話す。

    「・・・言葉は交わしていないが、顔を合わせたこともあるはずだ。
    以前俺は米国でSPとして雇われていたしな。まあもっとも、黒服の金髪なんぞありふれているためどうせ覚えていないと思うがな。」

    フンと鼻をならし、そのまま歩き出す。

    「まあいい、とりあえず先に作戦だけ教えておこう。一度だけしか言わんから一字一句頭に叩き込め。
    まず俺達は基本的に目立たぬよう移動し、警察署を目指す。恐らくそこでは今交戦中だろう。
    俺達はまず気付かれぬようナチ公どもを横合いから・・・」

    右手に持ったP90をかざし、

    「皆殺しにする。」

    物騒極まりない台詞を吐く。
[920]ハバネロ 08/11/10 21:34 UGnW9dxT73
    >>917
    「そう。ハンスね。よろしくお願いするわ」
    無表情で挨拶をする。
    暇なので分厚い本を読む。タイトルは―「ソロモン王の小さな鍵」。

    >>919
    「…あぁ…あんまり覚えてほしくないあだ名で覚えてもらわれてしまいましたね…」

    京岡は若干げんなりする。

    「要するに、サーチ・アンド・デストロイって事だな。OKOK。シンプルきわまりないステキな命令だ」


    さてそのころ、シュパーギン率いる部隊の本営が完成していた。

    「配置完了しましたっ!」
    「上出来だ、少尉。あちらのほうは?」
    「はっ…あちらも戦闘状態にいつでも突入できそうです」

    「…よろしい。
    ならば戦争だ!!」

    カラシニコフを装備した迷彩服姿の「エル・ディアブロ」軍は、ナチスに加勢する形で警察署に正面、側面、上空の3方向から攻撃を開始した。

    「いいか、徹底的にやれ。徹底的にだ。草一本残すんじゃない。相手が生まれてきたのを後悔させてやるくらいのつもりで行け!!!」
[921]森本 08/11/10 22:24 E-lv.N1
    >>920
     自衛隊と警察官の連合軍は敵が異質なモノになったのを肌で感じた。
     ライフルは双方とも鳴り響き、迫撃砲は直上から死を巻き、援護の機関銃は面の暴力を加えた。拳銃とガンシップは彩りを添えた。
    「敵ガンシップ二機撃墜、味方二機墜落。」
    「死ね死ねくんなあ、フが…………」
    「目標確認、テー、弾着!」
    「人はいない!増援不可だ。」
    戦場だった。

    >>913
    「歌?」
    時間が止まったかと思った。
[922]FIND 08/11/10 22:32 9Lyyf4uhkw
    既に、蓮田市市街は日常と遥かかけ離れた世界となっている。特に警察署では警察官達とナチスが戦うという、馬鹿げた冗談のような、実に荒唐無稽な光景が広がっていた。言わずとも、そこは戦場だった。

    それを全て睥睨して黒い帽子の男は死地に向かって歩き出す。

    「ああ・・・本当、実に予想外だよねぇ?こんな場所で夢みたいに血が流されるなんて・・・ああ、本当に夢みたいだよねぇ?」

    嬉しそうに呟く男。近くに人は居ないので独り言のようだったが、目の先には戦場。それを見て楽しそうに喋る男は、異常であり、同時に広がる光景と釣り合っているようにも見えた。
[923]No.Ⅳ【愚人王】 08/11/10 22:40 J3r4AoeP5j
    街が銃声と爆音で包まれ、程よく戦場として彩られる頃、
    『呪い十字』日本支部のビルの一階では黒いアウターで身を包んだ男達が各々突撃銃を携えて整列する。
    AK47、AK74、ステアーAUG、M4A1 各々が統一性の無い得物を持って整列する姿は軍隊とは言いがたいものがあり、少々違和感がある。
    それもそのはず、『呪い十字』はいわゆる『引き抜き』により人材を集める組織であり、その構成員は元軍属や元傭兵、中にはSWAT出身という者が居るほど十人十色だったりする。
    よく言えばオールスターチーム、悪く言えば寄せ集め・・・というのが事実だったりする。
    だが、

    「・・・集まったようだな。」

    それらは統率する者の力によってしかるべき指示を与えられれば・・・良い意味で戦力として機能する。
    そうこの度の作戦の指揮を執るものは・・・

    「さて、こうして五人とも集まってもらったようだが・・・うーん、見ない顔も居るな。
    まあ同じ職場で働いているといってもまあ所詮そんなもんか。
    んで、お前等自己紹介とか要る?」

    カノンの問いに集まった五人は無言で首を振る。その無言の返答にカノンは満足そうに頷き。

    「うんうん、それでいい。所詮俺達は仕事で集まった他人同士、下手な馴れ合い等必要は無い。
    下手な馴れ合いは身を滅ぼす。だが・・・」

    頷いた状態から突然カノンの眼光は五人に向けられる。

    「馴れ合いは不要だ。だが命令は絶対だ。俺が死ねと命じたら反論の一言も無しに死んでもらうし、
    殺せと言えば、味方が人質に捕られてようと掃射してもらう。
    もう一度言う。俺の命令は絶対だ。異論がある奴は前に出ろ。今すぐ頭蓋に通風口をこしらえてやる。」

    無論、異論を唱えるものはない。むしろこの五名はそれぞれ羨望の眼差しを暴君に近き言葉を発す指揮官に向け、無言で銃を掲げそして跪く。
    そう、此度の現場指揮官は『処刑人』、若くして世界に名を轟かした敏腕の傭兵にして、紛争を終わらせた経験を持つ男。
    集まった五名の内にあるのは『畏れ』の感情と・・・

    「「「「「Sir! Yes Sir!」」」」」

    彼と共に戦えることに対する『歓喜』だった。

[924]ハバネロ 08/11/10 23:01 UGnW9dxT73
    「殺せ!!そうだ、面だ!!面で徹底的に潰せ!!
    …補給だ!!補給!!何をしている!!ほら衛生兵(メディコ)!!
    ラチが開かない!私が直接前線に―」

    「落ち着いてください…首領…」

    興奮するシュパーギンを、部下がなだめる。

    「何を言う?!戦争だぞ!金が儲かる!!これが楽しまずにいられるか?!」


    そのころ、大人しく座っているアーデルハイドは、ふわぁと小さいあくびをした。

    「ヒルダ、もし万が一敵が来たら…大丈夫よね」
    「問題無し~」
    「………同じドイツ人として恥ずかしいわね。ナチスの人たちって。」


    そのころ、オデッサ地下…ラスト・バタリオン本部では、ミシュフェルはお茶を飲んでいた。

    「報告します。警察が落ちません。」
    「おっけぃ。それじゃファゴックス、アーバンテラー出してよ」
    ファゴックスは目を丸くする。

    「しかし…あんなヤク中…」
    「いいんだってば。ほら。早く出してやりな。血の臭いをかげば体が動くさ。」

    ファゴックスは言われたままに、地下の牢獄にいるアーバンテラーの牢の鍵を外す。

    「ヒィヒィヒィヒィ………あぁ、てめぇか。どうしたぃ?てめぇもやりに来たか?」
    「興味無いな。それより、仕事だ。バイクの腕は鈍ってはいないだろうな?」

    「仕事?」

    アーバンテラーの顔が狂気に染まる。

    「………ヒィッヒッヒッヒ。いいいいいぃぃぃだろぅぅぅ!!今日は景気付けに一気に3本注射するかあ!!」
[925]流星@ケータイ 08/11/10 23:12 *zKw8LkUETEQ*E-q0Uj8
    >>908

    「局長。」

    拳銃を片手に流が口を開く。

    「自分も同行しましょう。
     連絡役としてであれば機能できると自負しています。」

    薄汚れたジャケットを翻して、雅を見据える。

    戦力としては彼らに劣ることも理解している。
    だが、同時に彼らよりもアタマの使い方は上手い事も自負していた。


    『首切策士』としての冷酷さは、未だに亡くした覚えは無かった。
[926]No.Ⅳ【愚人王】 08/11/10 23:15 J3r4AoeP5j
    >>ハンスサイド(ヒルダ&アリス)
    「まったくだよねぇ・・・やれやれ、野蛮人はこれだから嫌だよ。
    さて、平和主義者の私達は優雅にお茶でもしよう。」
    「・・・アンタも用意しろよ。」

    呆れたような口調で黒田はテーブルを用意し、湯を沸かし、スコーンを並べるなどして茶会の用意をする。
    このメンツを放っておけないという人のいい考えによる貧乏くじだ。

    「あー・・・いちおう俺素人だから味のほうはアテにすんなよ?
    予備知識はロー○ンメ○デンの記述くらいだから。」

    そう言ってポットの中の茶を並べたティーカップに淹れていく。
[927]ハバネロ 08/11/10 23:20 UGnW9dxT73
    >>925

    「分かった。同行を許可する」
    腕を組み、自らにできる事を考えつつ、局長は言った。

    >>926
    「ああ、ありがとう。黒田…」
    本を閉じて、記述された魔術の術式を頭で反復しながらアーデルハイドは礼を言う。


    そのころ―バイクに乗ったアーバンテラーは警察署―戦場だけを見つめて爆走中だった。

    「逃げる兵士はただの的ゥゥゥ!!向かってくる兵士はよく訓練された的ゥゥゥゥ!!最高にハイ!!って奴だぜぇぇぇーーーい!!いーやっほーう!!」
[928]森本 08/11/10 23:35 E-lv.N1
    >>924
    「おや!?」
    相手の圧迫が薄くなった。そうか、来たか。災厄を撒き散らせ。
     後藤一佐は顔に笑みを浮かべた。
     ナチと傭兵部隊の補給線は当然市街地だ。
     弾薬を運んでいたナチの兵隊達は、路地を曲がる。すると目の前に自衛官の服を着た人間を見つけた。自衛官は軍帽を目深にかぶり、表情は分からない。
     自衛官は両手のシグザウエルP226を使って彼らを存分に殺した。小さな体を生かして懐に潜り込み、至近距離で殺したのだ。
     別の補給線は狙撃で全滅していた。
[929]No.Ⅳ【愚人王】 08/11/10 23:57 J3r4Ayp/in
    >>927


    戦場と化した蓮田町、その中で堂々と走るワンボックスカーが三台ほど存在した。
    カノン=リーデベルト率いる一個小隊、黒塗りのワンボックスカーは当然防弾使用であり、そのナンバープレートはその辺の車から外し取り付けたものである。
    傍から見れば所属不明、だがそれも此度の作戦の狙いだったりする。


    「Mr.リーデベルト、目標の警察署までの距離は約2キロ、10分ほどで着きます。」
    「そうか・・・そういや道具は何積んだんだ?」
    「はッ!スティンガー一式にRPG7等といった兵器に各種弾薬であります!!」
    「ふーん、別にそんなに持って行かなくてもいいぞ?基本自分達が持てる程度で・・・」
    「は?ですが・・・」
    「いや、だってさ。」

    助手席の椅子を倒し、カノンは部下に向き、

    「得物は敵から奪えばいいじゃん。俺が傭兵やってた頃なんかナイフ一本で戦場に放り出されたもんだぜ?」
    「ハハ・・・流石です。・・・ん?あれは・・・」
    「ん?なんだ・・・バイク?」

    前を走るバイクを怪訝そうな顔で部下とカノンは見つめる。

    「なぁ・・・こんなときにバイクで走る一般人は居ないよな?」
    「ええ?」
    「無論警察や自衛隊はあんなもんで走らないよな?」
    「・・・その通りですね。」
    「・・・となると。」
    「『敵』・・・ですね。」

    ニヤリとカノンと部下の口元が歪む。


    獲物見~つけた♪


    心の中でそう呟くとカノンは早速通信で並走する部下に指示を出す。

    「そうだねぇ・・・ヘビーアームズ積んでるとこある?」
    「ええ、右のワンボックスのリアシートにM2が・・・」
    「よし、じゃあ目の前の馬鹿の隣に回りこませろ。」

    右のワンボックスがアーバンテラーが乗るバイクの隣につく。
    黒塗りワンボックスカー、向こうから見れば所属不明のよく分からない車は・・・

    「『やれ』・・・」


    挨拶代わりに横薙ぎに50口径をばら撒いた。
[930]流星@ケータイ 08/11/11 00:20 *dREvVA.OFhV*E-q0Uj8
    >>919

    「お会いできて光栄です、裏方担当の流と申します。」

    ロバートに会釈を含めた挨拶を行う。

    この国に滞在して数ヶ月。
    『首切策士』として疎まれながらも古今東西で駆使した自らのアタマは鈍り初めている。

    昔ほどの機転も無い。
    湧き出すアイデアに新鮮味が無い。
    何よりも、アタマの反応速度が低下している。

    ―――このままではマズい。

    死に触れ続けた空間からの脱出は望ましくはない。
    奴の息の根を止めるまでは、自らのレベルを下げてはならない。

    パラオードの弾倉を取り替え、ダマスカス鋼のスライドを引いて安全装置をかけてホルスターに戻した。
[931]No.Ⅳ【愚人王】 08/11/11 00:28 J3r4Ayp/in
    >>930
    「・・・ああ、話は聞いている。」

    無愛想ながらも返答はし、さらに流の顔をじっと見て、

    「・・・そういえばうちの総司令官が以前世話になったようだな。
    なんでも例の高校の騒ぎの際にお前と友達になったと言っていたが・・・・あんな男と友人になるとは奇特な奴だなお前も・・・」

    哀れみと奇異の視線を向けた。

[932]サウザーは冷たい手を握る 08/11/11 04:18 *Ql5aEOorQNd*pHSKopfkne
    >>927
     アーバンテラーのバイクの直線状……真っ向前に一人の人影が映る。
     各関節周りがしっかりと巻かれたゲブラーの黒い上下。一見、忍者か何かの着る黒装束のようにみえるが、良く見れば随所に工夫の凝らされたオリジナルの戦闘服。
     揺れない様、背中に固定された軍用リュックにしっかりとした軍用ブーツ。
     しかし、その男は手ぶらだった。それだけの装備で身を固めながらにして手ぶら。
     アンバランスにも程がある。
    「騒動を鎮圧するときはまずコマンドクラスから潰す。面倒が一番少なくて方法だ」
     黒の戦闘服で身を固めた青髪の男は嘆息して、アーバンテラーを迎え撃つ。
     
[933]サウザーは冷たい手を握る 08/11/11 04:38 *Ql5aEOorQNd*pHSKopfkne
    >>921
     それは奇妙な光景だった。
     サユキが紡ぐその歌は、何を歌っているのかは言葉からしてわからなかった。
     だが、そのメロディーはその場に居るものに強く何かを……悲しみと優しさのようなものを訴えかけてくる。
     悲哀と慈愛に溢れた儚くも優しい旋律……いや、それは旋律ではない。
     最早これは……戦慄。
     悲しみの裏に隠れた侮蔑。
     優しさの裏に隠れた嘲笑。
     それは脳裏に浮かび上がる程の極上の悪意

     ああ、この女は決して歌など歌っていない。
     これは宣告だ。これは諦観だ。
     もう何をしても意味はないという、つまりはお前の存在は無駄だと宣告する痛烈な侮蔑。
     もう何もする必要は無いという、つまりはお前の存在は無力だと嘲笑する残酷な諦観。

     それは耳を塞いでも聞こえてくる。
     それは目を閉じても見えてくる。

     その場にいる全てのモノに突きつける……無常なまでの衰退のメロディー……

     一人、また一人とオウガが倒れる。
     一体、また一体と人形が倒れる。

     またある者は発狂した。またある者はすぐ近くにいる者と殺しあった。
     カイゼル、森本、拳護には見る限り大きな影響は出ていないようだが……それ以外には者にも物にもそれは伝播していった……

     誰も持っていないのに暴発を始める火器。
     身体中の穴という穴から血を流して膝を突くオウガ。
     自分の四肢を起用に取り外して自壊する人形。

     その光景は異様というには余りにも異質で……残酷というには余りにも美しかった……
[934]No.Ⅳ【愚人王】 08/11/11 09:02 J3r4Ayp/in
    >>932
    「Mr.リーデベルト、前方に新たな人影を確認。・・・どうやら一人のようですね。」

    運転席の部下が蒼い髪の黒装束を発見し、報告する。

    「・・・こんな状況で単体で行動・・・そっちも自衛隊や警察の類じゃなさそうだな。」
    「どうします?」
    「・・・やり過ごせ。」
    「え?」
    「どうもあれはヤバイ臭いがする。こんな戦場で非武装で堂々としている時点で異常だろ。
    それにこちらも傍から見れば所属不明・・・下手に銃を向ければロクなことにならん。」
    「・・・ではバイク(アーバンテラー)のほうへの掃射は中断しますか?」
    「いや、そっちはとりあえずアシ(バイク)だけは潰しとけ。この状況ではどちらが味方か分からんが、十中八九どちらかは敵だろう。
    ならば最低限アシだけ潰しておき、機動力を削げ。」
    「成程、ではM2装備のワンボックスはバイクへの掃射は続行。
    しかし深入りはせず、我々もアシが潰れるのを確認したら離脱・・・でよろしいですね。」
    「ああ、理解が早くて助かる。」

    思ったより此度の部下は優秀だと感心し、カノンは二つの人影に目を向ける。
    ヤレヤレ・・・初っ端からこの泥沼、どうやら横槍を入れるのは
    自分達ではないようだと一考し、彼はため息をついた。

[935]森本 08/11/11 15:26 E-lv.N1
    >>928
    「……。」
    路地の真ん中で、背の低い自衛官は弾を拳銃に装填した。スライドが前進し、15+1発の弾丸をくわえ込んだ。


     他の路地裏では、老人がナチスの補給部隊を狙撃していた。撃っては場所を変え、また撃つ。
    「長生きするもんだねぇ。また復讐できる。」
    老人は屋根から屋根へ走って移動する。リー・エンフィールドを抱えて。
[936]アス 08/11/11 16:17 TJQuEy8NNQ
    歌が聞こえる。
    歌詞の意味は分からない。ただ、アスカと竹原でなければ狂ってしまうだろう。
    アスカはあたりを見渡す。
    「ハバネロさん!」
    アスカたちはハバネロ御一行を発見し、駆け寄る。

    「ヤバイな・・・」
    詠子は今ワンボックスカーの中にいる。
    彼女は羅針盤の力を使って紙になり、おりたたまって車の中にいる。
    「・・・ヤバイよコワイよ・・・(涙)
    カノンって人何か怖いよ・・」
    今彼女が変身している紙が見付かり、広げられたら実体化してしまいアウトである。
    そもそも彼女が楽して蓮田市に行こうと羅針盤を使って車に入ったのが原因である。

[937]森本 08/11/11 16:49 fuuGDyDHMs
    >>933
     森本は言葉を失い、呆けたように突っ立ているしかなかった。命有るものが崩れ落ちていく。彼が常に抱いていたイメージと、目の前の光景は似ていた、いやそれ以上だった。
    「いいなあ。いいなあ。」
     森本は知らず知らずの内に、両の目から涙をこぼしていた。

     突風が吹き、黄金の空薬莢が足元で転がり、空には色とりどりの落ち葉が舞った。
     薬莢は、寂しく澄んだ音をたて、枯れ葉は虚ろに擦れ合った。
    「生きていて、良かったかもなあ。」
     森本は泣いていることに気付いていないようだ。涙もぬぐわずに穏やかに笑っていた。
[938]アス 08/11/11 16:57 TJQuEy8NNQ

    エマは、銃弾の雨を潜り抜ける。
    彼女の目的は特にない。
    ただふらふらしているだけだ。
    ・・・とは言ってもステップ踏みながらカントリーロードを歌う少女・・・普通ではない。
    と、その時彼女は優雅にお茶を飲む二人組みを見つけた。
    「・・・・・・気にしたら、負けだよね♪」
    彼女の歌う歌は相変わらずカントリーロード。

    しかし、彼女は大きな失敗をした。
    彼女はカントリーロードを大声で歌っていたのだ。
[939]サウザーは冷たい手を握る 08/11/11 17:43 *Ql5aEOorQNd*pHSKopfkne
     サユキの歌が終わり、基地は静まりかえる。
     そこに残ったのは僅かな人間と大量の『壊れた』もの。
     人型が『壊れて』いた。
     人形が『壊れて』いた。
     武器が『壊れて』いた。
     機械が『壊れて』いた。

     静まり返った補給基地に、乾いた拍手の音が響く。
     一つの影が、拍手をしていた。
     大量の『壊れた』ものの山に腰掛ける、道化の仮面を被った長身の人物だ。

    「クカカカカ……いやハヤお見事。こちラ側では『JOKERS』は『そういう事』にナッテイるワケですか……因果なモノですネ」
     軽く会釈のジェスチャーを見せて笑う道化の仮面……アランに、カイゼルは銃口を向ける。
    「蓮田市に突如出現した謎の怪人……確か情報では『マリオネイター』アラン・スミシーとか言いましたか……アナタとは初対面の筈なんですが……初対面という気がしませんね」
    「クカカカ、カイゼル君も流石ですネ……やはリ、コチラでも勘の良サは一級品デスカ……しカシ……」
     伸びをして退屈そうにしているサユキに虚ろな眼窩をめぐらせ、
    「サユキ様の『歌』は少々違うヨウですネェ?」
     とアランは楽しそうに呟く。
    「レディに対して名乗りもしないってのはお姉ちゃん関心しないかな」
    「オオッと、コレは失礼をば、サユキ様……クカカカ……シカし、名乗り上げハまた……の きか いに させ て もら……」
     そこまで言って、アラン・スミシー……いや、人形は自壊して崩れてしまう。
     それを見て、サユキはまた儚く優しく微笑んで、
    「へぇ……ああいうのも最近はいるのかぁ……ふふふ、『コールドハンド』の為の準備、増えちゃったかな……」
     楽しそうに口元を吊り上げた。
[940]ハバネロ  08/11/11 19:22 UGnW9dxTxs
    >>929
    「きぃーーーーーーーやぁーーーーーーーーーーっ」

    アーバンテラーは奇声を発してバイクをメチャクチャに操縦する。

    「お、お、お、お、おめぇーーーーら!!何を考えてらっしゃるんだアアアアアアアっ?!
    殺す気かしかし?!」

    ジグザグに運転するその様はまるで飲酒運転のようだった。

    つぱーん!

    「アーッ!!」

    バイクのタイヤがパンクして、アーバンテラーは地面に投げ出される。

    「切れたアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!切れた!!切れた!!切れたアアアアアアアアアアッ!!クソッ!!意味分からないぞ畜生!!
    なんでだよ!!今日は三本も注射してきたのによおおおおおおおおおおおおおおおっ!!フザけんな!!アレがねぇと……虫か来るだろおおおおお!!俺のでぇ嫌いなムカデが迫ってきちまうだろおおおおおおおおおおおおっ!!」

    ごろんごろんと頭をかかえて転げ回る。意味不明な事を叫びながら―


    そのころ、ラスト・バタリオン本部ではミシュフェルはコーヒーを飲んでいた。

    「……強いねえ。マズいねえ。ブリッツクリークが台無しだねえ。」
    「どうします!?連中、存外に頑張りますが」

    「………カロン君、ドボリートとファゴックスを前線に押し出すように命令。あぁ、ドボリートは分かってると思うけど、3キロ離れてて大丈夫だから」


    †

    警察署から3キロ離れた場所で、ドボリートはPSG-1を構えて狙撃体勢に入っていた。

    眼帯は外しており―
    その眼は異形のものだった。

    目の周りに黒い染みが広がり、その目はぎょろぎょろと…もう片方のまともな眼と焦点は合っていない。

    「視力。
    2…4…8…16…32…64。最大。」
    独り言に併せて、その異形の目は巨大化し、スコープをのぞく。

    「さすがにこの距離から狙撃されるとは思うまいな!」
    ドボリートは引き金を引き、7.62ミリ×51ミリNATO弾をお見舞いしてやった。

    …的中率は約50%。
    (流石にこうまで離れると仕方がないが…残りはファゴックスがどうにかしているだろう…)
[941]天塚 08/11/11 20:20 E-xr47L
    ~信濃家~

    「舐めてるの…?乱暴な手段で私達を閉じ込めて…ハハッ毒ガス?毒ガス?
    苦しんで苦しんで苦しんで…死ね?」

    キライだ。嘘つきではないが、反面悪意のみに染まった邪悪な存在の声。

    「お姉ちゃん怖いから!」

    ぶつぶつ呟く姉を揺する燈哥。最近姉がやたらと神経質だ。
    たまに何もかも嫌だと呟き、怯えたように部屋に籠る。

    「ああ、御免ね燈哥…あ、はいもしもし…」

    燈哥に諭されて正気を取り戻したかに見えたが、途中掛かってきた電話に姉は部屋に戻り何かを探しだした。
[942]サウザーは冷たい手を握る 08/11/11 20:25 *Ql5aEOorQNd*pHSKopfkne
    >>940
     青髪黒尽くめの男は短くに息を吐き、意味不明の言葉を喚くアーバンテラーの足首に手を伸ばす。
[943]No.Ⅳ【愚人王】 08/11/11 20:33 J3r4Ayp/in
    >>940
    「アシ・・・潰しました。」
    「ご苦労。」

    ざまぁwwwwとご機嫌にアーバンテラーに一瞥をくれると、後は任せたと言わんばかりに蒼髪の黒装束はスルーする。

    「それでは再びワンボックスは並走、ただし異常があったらすぐに知らせろ。
    防弾使用だからと言って油断はするな。ライフル程度なら耐えうるが、パンツァーファーストにやられてはひとたまりもないからな。」

    すぐに頭を切り替え、新たに指示を出すと三台のワンボックスはスピードを上げた。

    警察署までの距離・・・あと約1キロ・・・

[944]FIND 08/11/11 21:19 9Lyyf4uhkw
    黒い帽子の男が緩慢に歩き、歩き、歩いて、遂には死地へと到達する。笑みを浮かべながら。

    既に、射程にもよるが銃弾で身を抉られる危険が充分にある距離。それも警察官達とナチスの間、つまり"暴力"が双方向で横断している場所の手前なので、ここから走っていけば間違いなく蜂の巣だ。というか、当然双方から見えにくい場所を通っては来たのだが、今まで人間だろうと銃弾だろうと誰にも襲われなかったのはまさに幸運と言える。もしかしたら存在感が無いのかもしれない。

    そして、そこで近くにあった半壊の塀を見つけ、その後ろに隠れるように歩み寄る。一応それなりの高さを保っている塀の傍で身を屈めると、遮蔽物としての役割は果たせる気がした。気がしただけかもしれない。何にせよそう言う疑念は全て忘れて、息を吸って、叫ぶ。

    「警察の方々とナチスの方々諸君!どっちでもいいからさ、俺に助けて欲しいと思う人は居ない?」

    言ってから、そもそも聞こえるかどうか不安になった。更に、片方はドイツ人軍団なので、言葉の壁・・・それはいいとして、そもそも一般的な考えの持ち主なら無視か攻撃であろう。勿論、状況如何なのでどちらかは知らないが、ずっと前に考えて叫んだというのに少しだけ男は後悔した。遅いけど。

    直後、まぁそれなら銃弾が飛んできた方を敵とすればいいか、と無茶なことを黒い帽子の男は呟いた。楽しそうに。
[945]森本 08/11/11 21:29 E-lv.N1
    >>940
    「ウプへ……」
    また、やられた。もう、駄目だ。
     隊員は、無線機に声を吹き込んだ。
    「右側面、保ちません!支持を!!」
    答えは返ってきた。
    「全員、二階に撤退!」
    警官と自衛官は、一目散に二階バリケイドを目指した。
    防火シャッターと防火扉は、一時ではあるが時間を稼いだ。
[946]八神 08/11/11 22:34 V-UJSI9
    なんか話の流れが別過ぎる上迷走してるけどとりあえず二の舞にならないよう分割。

    >>870
     八神が家へと帰ると玄関の扉の前には彼の妹、鈴が立っていた。

    「どうした……そんな所で」
    「兄さんが遅いからでしょう……、どうしたのその傷?! 何があったの、痛くないの?大丈夫なの……!?」
     鈴は血相を変え、七星に詰め寄っていく。
    「大丈夫だって。ちょっと不良に絡まれただけだから……」
    「全然ちょっとじゃないじゃないっ……! 本当に大丈夫なの……!?」
     ――本当に心配性だ、と彼は思う。以前からそうではあったが、最近は特に顕著だ。――あの日から。
    「……大丈夫だって。大袈裟だな。それより早く中へ入ろう。風邪ひくぞ」
     
[947]ハバネロ 08/11/11 22:36 UGnW9dxTxs
    >>942
    「てっ!!てめぇっ!!何すんでぃっ!!この俺をムカデ地獄に落としたりしたりする算段だってかぃおうっ?!!」
    数秒のうちにおびえたりけなしたり脅したり。しかも冷や汗が出てきて意味不明なことを…。
    腕には注射のあとが見て取れた。

    >>943
    「報告致します。ワンボックスが三台…」
    「応。敵対するようならば容赦はするなよ。これも契約の内だからな…」
    シュパーギンは葉巻をくゆらせた。

    >>944

    「ほほう…」

    徒歩で来た黒づくめの男…ファゴックスが、現場で黒い帽子の男を見つける。

    「ならば我々に加勢するがよろしいだろう。我が名は「ロンギヌス・ドライ」ファゴックス・クルーワッハ。ただしそちらの身の安全は自己責任でお願いしたい。」

    ファゴックスは前線に躍り出て、右腕をかざす。
    ―空中を飛び交う銃弾は、彼の右腕半径1mでバラバラに切断される。

    「私が突破口を切り開く!!同志諸君は我と共に進軍せよ!!」

    ―『認識した』物体を、右腕半径1mの空間の範囲内で切断する能力。
    組織幹部ナンバー・3の名は伊達ではない。
[948]馬超 08/11/12 00:17 Dvp5zzpugA
    「(あいつが、ナチスの組織幹部ナンバー・3)」

    と隼人は、すぐ近くのところに潜んでいた。


    「さて、そろそろ動くか…。
    あいつを、そのままにしたら厄介やし」

    弾を、カスタム銃「ノディス」に入れながら、呟いた。

[949]No.Ⅳ【愚人王】 08/11/12 00:19 J3r4Ayp/in
    >>947
    警察署まで一キロ圏内に入ったそこは既に出来上がった場所だった。
    炎上する警察車両、装甲車の残骸、警官や自衛隊員、ナチスの連中の死体が転がるそこら一帯は肉のこげる臭いで充満していた。

    「Mr.リーデベルト、そろそろ目的地に・・・」
    「ああ、んじゃあまあ諸君・・・」

    500mまで着たところでカノンは肩を動かし、

    「作戦名『Epidemisch』、殲滅戦だ。気合入れろ!」
    「「「「「はい!!!!!」」」」」

    通信でカノンの一喝が轟くと同時に、曲がり角にナチスの兵隊の後衛部隊が見える。
    警察署を攻める部隊の補給などを担当しているのだろう。装甲車などに武器を積んだその集まりに、

    「R~P~G~♪」
    「M2による機銃掃射・・・開始します!」

    徐行するワンボックスの後部からロケット弾が放たれ、別の車のリアシートからはキャリバー50の12.7mmの鉛の嵐が吹き荒れる。
    燃え上がる装甲車となぎ払われるナチスの兵隊、地獄の戦場への堂々とした参加表明は派手に行なわれた。
[950]サウザーは冷たい手を握る 08/11/12 07:07 *Ql5aEOorQNd*pHSKopfkne
    >>947
    「面倒だ。黙れ」
     腰元に手を回したかとおもうと、すぐさまアーバンテラーの首元に軍用サバイバルナイフを突きつける。
    「俺は軍使だ。戦う気はない。お前らの総大将のところへ連れて行け。可及的速やかにな」
[951]森本 08/11/12 15:09 E-lv.N1
    >>947
    「三階に撤退!」
    田中一佐は、焦った。
    たった1人の男の登場と狙撃による死傷者の増大により、警官と自衛官は追い込まれていた。
     田中一佐は、硬い声で指示を出した。
    「福原三尉に指揮権を譲渡。俺は敵を止める。」
    田中は、異議申し立ても聞かずに、二階と三階の階段の踊場まで飛ぶように走った。
     踊場に降り立った田中は、一振りの軍刀を持っていた。鯉口を切る。階段を駆け上がっていた雑兵は敵を発見し撃ち始めた。しかし、田中は階段を落ちるように駆け下り、すれ違いざまに、二人切り捨てた。
    「田中 満作または、試作品二号ここにあり。肉弾届く所までお付き合いをお願い致します。」
     朗々と田中は歌うように言い切った。
     田中の偉丈夫が階段を塞いだ。
[952]アス 08/11/12 16:27 TJQuEy8NNQ
    詠子サイド

    「ひゃぁ!」
    詠子の乗っている車が揺れる。
    「ううぇ…やっぱり楽しようとしたからだ・・・」

    エマサイド
    「カントリィロード、take me ho~me To the plase I・・・
    おりょ!誰かな誰かな?」
    エマは黒い帽子の男を見る。
    「おっちゃ~ん、何やってるの~、危ないよ~」
    エマは、黒い帽子の男に呼びかける。

    アスカサイド
    「・・・やっぱり、警察署か・・・」
    アスカは、残骸たちを眺めながら言う。
    「人違いだったね。」
    竹原がアスカに同情する。
    「目指すか。警察署に。」
    アスカたちは警察署へ向かう。」

[953]ハバネロ 08/11/12 19:45 UGnW9D6Sbr
    >>949
    「敵の増援!!連中、RPGにM2を持ってます!」
    「はん、泥沼ならこっちの得意技よ。何なら1週間でも戦ってやらぁ!!」

    傭兵部隊前線はかなり切迫した状況だった。

    「増援が来たようだな。よろしい」
    凛とした女性の声。兵士はその声の主を見て仰天した。

    「蝶のように舞い…蜂のように死ね!!」
    あろうことか我々の首領、エル・シュパーギンがウージーをワンボックスに向けて連射している!

    「さ、さ、下がってください!死んだらどーすんですか!」
    「状況が悪化したからこうしてはせ参じただけのこと。泥沼は我々の得意技だろう?よろしい!いいだろう、1ヶ月でも1年間でも戦い続けてやる!!」

    >>950
    「………ヒィ、くっくくっく?ムカデ、ムカデェェェェェ?!てめぇ、この俺に道案内をしろとぉぉぉぉ?!!」
    両目がぐりんぐりんとなってアーバンテラーはわめいた。

    「ぜぃぜぃぜぃ………、ぐ、ぐ、軍使だぁ?!あ、あ、案内だぁ?!
    て、て、てめェ………しようのない野郎だなしかし………
    し、し、仕方がねぇ。このまんまじゃ帰してもらえなさそうだしなァ、ぜぃ、ぜぃ、ぜぃ。
    知りたきゃ勝手につ、ついてきやがれってんだ…」

    ふるえる声でそう吐き捨てた。
[954]サウザーは冷たい手を握る 08/11/12 20:34 *Ql5aEOorQNd*pHSKopfkne
    >>953
    「そうさせて貰おう」
     すぐ後ろを……すぐ殺せる間合いを保って、アーバンテラーについていく。
[955]森本 織部 08/11/12 20:58 7uGp1dSBkN
    >>939
    「アラン・スミシー、か。監督不在の映画かよ。」
     森本は苦々しげにアランが居たあたりを、じっと睨んでいた。

     あいつは、嫌いだ。何故だか分らぬが嫌いだ。生理的に嫌いだ。

     森元は珍しくいらついた。
[956]ハバネロ 08/11/12 21:23 UGnW9D6Sbr
    生命保険会社オデッサ………入り口。

    「あの、そちらの方は…?」
    「きゃ、きゃ、きゃ、客だよ………ひぃ、ひひひぃっ………」
    アーバンテラーはもう真っ青だった。受付の者は怪訝な顔をした。

    「エ、エ、エ、エレベーター………ち、ち、地下に………ひ、ひひ、ほ、ほ、本部、ある……ぞ畜生!」
    いきなりキレたり、冷や汗をかいたり…非常に情緒不安定だった。

    ガタン、ガタ、タタタタタ………

    過剰なまでにふるえる手で、エレベーターの階下ボタンを押した。
[957]FIND 08/11/12 23:35 9Lyyf4uhkw
    >>947
    「ありがとうありがとう。それと宜しく。」

    ファゴックスの言葉に楽しげに返答する。味方は兎も角、これで敵は確定した。警察の方を見渡し、スーツの内側からベレッタM92を「愛銃が無いって本当哀しいよねぇ」と完全な独り言をぼやきながら取り出す。

    >>952
    色々な意味で場にそぐわない姿から声を掛けられて、躊躇も驚きも無く返す。

    「寧ろ、危険を冒さずして得るものなんて高が知れてると思うんだよねぇ。まぁ、危険に飛び込むだけが得る手段でもないと思うけどさ」

    そして、論点がずれた言葉を苦笑とともに付け足す。

    「そんなことはどうでもいいけど・・・俺はまだおっちゃんって呼ばれるほど老けてないって思ってたんだけどねぇ」
[958]No.Ⅳ【愚人王】 08/11/13 02:13 J3r4Ayp/in
    >>953
    「敵の部隊が反撃を仕掛けて来ました・・・ん?あれは・・・ロシア人の女?」
    「あぁ?ああ、ホントだ。あーありゃ『エル・ディアブロ』んとこの首領じゃねェか。へェ、今回は向こう側かぁ、ヤレヤレ・・・」

    馬鹿な仕事を取ったもんだと嘲笑し、通信のスイッチを入れる。

    「ケースSだ。並走する左右のワンボックスは先に前に行き、真ん中を空けてV字に停車し下りろ。いかに防弾使用といえど、突撃銃相手じゃガラスのほうが持たんからな。
    助手席側から迅速に出ると共に、そのワンボックスを遮蔽物として利用し、各自銃撃戦に移れ。」

    新たな命令を出すと共に、自分も懐からサバイバルナイフとグロック18Cを抜く。
    だが、

    「あの・・・左右への命令はいいですが、俺はどうすれば・・・」

    自分にだけ命令が来なかった隣の運転中の部下が恐る恐る訊ねる。
    その質問にカノンは・・・・

    「ん?ああ、そうだったな。安心しろ、お前には一番重要な仕事がある。一番楽しくて一番スリリングなのがな。」

    ニヤリと口元を歪め、彼の肩をポンと叩く。爽やかでもあり不気味ともとれるその表情は、女性的な顔立ちと相まって妖艶な印象すら受ける笑顔であり部下の背筋に冷たいものが走る。嫌な予感を察したのか、部下は恐る恐る・・・

    「あの・・・さっきの命令で真ん中を開けろってありましたよね。あれってまさか・・・」
    「そのまさかだよ。いやぁやっぱお前は察しがいいわ。生きてたら名前覚えてやるからちゃんとやれよ?」
    「生きてたら・・・やっぱ・・」
    「ああ、そんじゃあまあ気合を入れて・・・」

    前方の傭兵部隊の集まりを見据え、カノンは高らかにこう命じる。

    「突っ込むぞ。」

    後部座席にRPGやらスティンガーやらとっても危険なブツを積んだ中央を走るそのワンボックスは・・・
    堂々と前方の部隊に向かって特攻をかました。


[959]アス 08/11/13 16:21 TJQuEy8NNQ
    「そうかな、まぁいい。
    それよりも、少しやばいよ。」
    エマたちはいつの間にかナチス兵に囲まれている。
    「ここは・・・強行突破ですね。」
    そう言ってエマは銀ピカのモップを取り出して、高く、そう、槍で舞うかの様に構える。

    アスカサイド
    「何だ、あれは。」
    アスカが、道路の奥を凝視する。
    走る黒いワンボックスカー、それを追いながらマシンガンをワンボックスカーに浴びせかける多くの車
    「竹原、スピードを上げるぞ。」
    二人はブーツ型の超高速移動用ローラースケートのエンジンの出力を上げる。
    そのスピード、約130キロ。もちろん、ゴーグル着用。
    アスカはトンファを取り出す。
    竹原は瓦礫の中から拾った五番アイアンを取り出す。
    そして数分後、マシンガンを撃ちまくっている車に竹原が五番アイアンをヒットさせた。
[960]ハバネロ 08/11/13 19:17 UGnW9D6Sbr
    >>958
    「下がってください!首領!!お願いですから!!下がっ…」
    必死で制止する兵士の眼前で、バックファイアが炸裂した。

    RPG7から撃ち出される弾が、ワンボックスの若干手前で爆発する。

    「首領っ!!危ないですから!!下がってください!!」
    「………行ったか!!」

    両手にUSPを携え、V字型に展開したワンボックスの側面に出た男が一人。

    「私の懐刀も、なかなかやるだろう?」
    男の名は『フランケン』。長髪のその男は、無言のままUSPの引き金を引く。


    …そのころハバネロは、タバコ禁止令が出たので、仕方なくシガレットチョコをくわえていた。
    「さくーーーっといってさくーーーっと片づけようぜ…そろそろ禁断症状が出る…」
[961]森本 織部 08/11/13 22:17 7uGp1dSBkN
    >>951
     警官と自衛官はその四分の一が生き残っていた。
     残り75人。
     前線も後退し、最上階の五階。
     正確無比な狙撃が人数を容赦なく減らす。
     しかし、まだ警官と少数の自衛官は抵抗する。
     仲間は死んでしまった。気が狂ったもの、撤退で逃げ遅れたもの、銃弾で死んだ者、暴発して死んだ者。生き残った者は、千差万別に銃を持ち、撃ち続けた。
     ヘリも車両も救援も弾すらも尽きかけていた。

     一方、四階の階段で田中とファゴックスは出会った。
     田中は服も軍刀も血まみれで、階段の踊り場からファゴックスを睨みつけた。鞘に刀を戻した。
     そして田中は腰を落とし、右足を引き、左足を前に出した。居合いの構えをとった。
    「来い。」
     彼は何かをファゴックスから感じ取った。彼は刺し違える覚悟だった。試作品としての欠陥を使うときが来た。弾丸ならば弾く自信がある。
[962]ハバネロ 08/11/13 22:30 UGnW9D6Sbr
    >>961
    ファゴックスは右腕をかざす。そして、軍服姿の彼を見据える。

    「貴殿も軍人か。大のために戦い、大のために死す。
    その心意気―敵にしておくには少々もったい無いように思われる程だな」

    右腕から、霧のような獣の四肢が浮かび上がる。

    それは黒い霧のような不定形で、彼の右腕から確かに発生し、殺意や敵意が肌で感じられた。

    「………『ティンダロスの猟犬』もずいぶん獰猛になっている…ならば自己紹介としゃれこもうか。
    我はラスト・バタリオン幹部が『ロンギヌス・ドライ』…12の槍の内の3つ目、ファゴックス・クルーワッハ也……」

    右腕をかざし、ファゴックスは一気に切断の射程範囲に入れようとする。
    右腕に巣くう、その獣が獲物に食らいつくかのように膨張し、拡大し、牙を向き、田中を切断せんと襲いかかる。
[963]No.Ⅳ【愚人王】 08/11/13 22:45 J3r4Ayp/in
    >>960
    RPGのロケット弾の爆発に巻き込まれ炎上する特攻をかけたワンボックス、だが爆発する頃には既に運転席と助手席のドアが開いており、

    「池下昇ぅぅぅぅ!!!!!!」

    突然男が叫ぶ声が聞こえる。特攻からタイミングよく脱出した運転席に居た部下である。

    「ちゃんと生きてたぞクォラ!!約束どおり名前覚えてくださいよ!!」
    「応よ。」

    それに答えるように助手側のほうからも声が聞こえる。
    当然のように上手く脱出し、既に臨戦態勢の『処刑人』である。

    「池下昇(既婚者、巨乳の日本人の妻を持ち、最近妊娠が発覚、この作戦完了時に出る特別ボーナスはその出産費用に当てる予定)だな。覚えた!!」
    「ちょっと待て!!今死亡フラグ的設定入れたでしょ!?」
    「安心しろ!!殉職でも保険は降りる!!」
    「洒落になんないですよ!!」

    池下は叫びながら懐のグロック19と腰のグロック36を抜き、

    「行かせるか!!」

    無謀にも中ボスクラス(『フランケン』)に向かって行った。


    「うちの捨て駒君もなかなかやるだろ?」

    とりあえずカノンちゃんも対抗し不敵に笑って見せると、

    「どうでもいいが死亡フラグで見せ場が出来るってマジなのかな?」

    そんな不謹慎な台詞を吐きながらグロック18Cをフルオートへ切り替え、近距離の傭兵達を掃射していく。


[964]No.Ⅳ【愚人王】 08/11/13 22:56 J3r4Ayp/in
    >>960(ハバネロ達)
    「・・・カノン達が交戦状態に入った。相手は・・・『ウェアウルフ』、お前の元飼い主だそうだ。」

    前線の部下から通信を受け取り、ハバネロのほうを向くロバート、その顔は相変わらず無表情で何を考えているのかよく分からないところがある。

    「こちらもそろそろ前線に出ることになる。下手すれば遭遇する場合もあるが・・・そのときの覚悟はあるか?」
[965]特攻屋 08/11/13 22:58 E-wv2XZ
    >>939

    「おーい、総帥さん、カイゼルさん無事か~」

    戦闘中聞こえ始めた歌、それにより崩れ行く周り……拳護は惨状がおさまりしだい歌声の元へと向い、カイゼルを見つけた。

[966]ハバネロ 08/11/13 23:01 UGnW9D6Sbr
    >>963
    「おや、処刑人さんか。噂はかねがね。こうして戦えるとは実に幸運だ…」

    葉巻をくわえたシュパーギンが楽しそうに言う。

    「首領ー!!戻ってください!!お願いですから戻ってください!!」
    「死んだらどうすんですか!!早くこっちに!!」
    部下の悲痛な声が響く。そりゃそうだ。

    「私はここにいるぞ?さあどうした!倒してみせろ!処刑人!!」
    葉巻が揺れて、カノンの顔に煙がかかる。

    ちなみにそのころ『フランケン』は、池下へUSPを容赦無く浴びせる。
    しかしあまり本気でないようで、ちょっとかする程度で済まし、主の援護を主に担当した。

    †

    脇キャラの池下君、殺そうと思ったけれどもここで殺すと妻が悲しむだろうからあえて殺さない。
[967]ハバネロ 08/11/13 23:04 UGnW9D6Sbr
    >>964
    「へぇ。まあどうでもいいけどな。俺は」
    首をグキグキ鳴らしながらハバネロはシガレットチョコをゆらした。

    「あの人はもう俺の主人じゃないしね。ぶっちゃけどうでもいいぜ。
    ただ、すごく怖いだけだ………
    ヤバいぞ?あの人は?その気になりゃあ10年間でも15年間でも戦争続けるくらいのねちっこい性格だからな…?しかも戦争が大好きときたもんだ。金が儲かるからだってよ…イカれてんぜぇ」

    本当に怖いらしく、足が若干ふるえている。
[968]森本 08/11/13 23:15 E-lv.N1
    >>962
     警察署の屋上では盛大に煙幕が焚かれていた。
     煙幕を破って一機の輸送ヘリが飛び上がった。生存者、31人を載せて、一目散に逃げ出した。


     一方、警察署四階階段での事。
     田中は、ファゴックスの右手を軍刀で攻撃したが、無駄だった。田中は、ズタズタに裂かれながら、
    「我々の勝ちだ。」
    と小さく呟くように言った。
     死体になりかけた田中の体が輝いた。
[969]No.Ⅳ【愚人王】 08/11/13 23:18 J3r4Ayp/in
    >>966
    「倒す?寝ぼけるなよ。」

    掃射したグロックの弾倉を落とし、即座にアウターのポケットから新しい弾倉を出し、2秒に満たない速度でリロード、

    「『倒す』じゃなくて『殺す』だろ?」

    シュパーギンに向けられるグロックの銃口、既にフルオートに切り替えてあるそれは至近距離で火を吹いた。


    「ッ痛!Mr.リーデベルトッ!!」

    同じく池下もカノンのほうに向かい、後衛の部隊も突撃銃を携え前に出る。

    †

    ん?優しいなぁ。君がそんなことを言うと僕も死なす時に後ろめたいじゃないか(笑)
[970]ハバネロ 08/11/13 23:25 UGnW9D6Sbr
    >>969
    「…そうだったな。処刑人…クックク。少々表現が生やさしかったようだ」

    一対一であれば、シュパーギンは別に「死にはしない」。

    「うっとうしい外野がいるが、まあいいだろう。ここで戦いが長引けば長引くほど我々は儲かる。今はこれを楽しもうか」

    内ポケットからワルサーP99を取り出すが早いが、お返しとばかりにカノンに向けてブチかます。

    「だったら殺して見せろ?!処刑人よ、やってみせてもらおうか。この戦いが終わるまでにできれば…の話だがな!!」
    「首領ーーー!!お願いです!!危ないです!!戻って!!」

    「黙ってみていろ!!」

    シュパーギンが青筋を立てて部下に怒鳴る。ていうか部下は気が気でない。
    葉巻を吐き捨て、6本目の葉巻をくわえる。
[971]No.Ⅳ【愚人王】 08/11/13 23:27 J3r4Ayp/in
    >>967
    「戦争好きか・・ふん、くだらん。」

    興味なさ気にそう呟き、そそくさと歩く。

    「どちらにせよカノンのほうは心配はいらん。あの男がくたばるところなど想像出来ん。
    『処刑人』という大仰な異名が伊達でないことはこの目で見てきたつもりだ。」

[972]No.Ⅳ【愚人王】 08/11/14 00:10 J3r4Ayp/in
    >>970
    「!?っちィ!?」

    舌打ちをすると同時に横に跳び、俊敏な動きで遮蔽物があるところに飛び退く。

    「流石、楽には殺れそうにないか・・・」

    呟きながら周囲に居た傭兵の首をナイフで刈り、そこにもぐりこむ。

    「(肩と腹部に一発ずつもらったな。こっちのは・・・煙のせいで確認は出来んか・・・)」

    ケプラー製のアウターに食い込む9mmパラペラム弾を見てため息をつく。
    ヤレヤレ、相手の銃弾を頂戴するのは久々だと苦笑し、シュパーギンに向かって、

    「やるじゃねェか!!少々驚いた。傭兵『ごとき』にもらうとはな。だが・・・」

    楽しげに声をかけて不敵に笑う。

    「知っているか?この世には二種類の生き物が居る。一つは人間、もう一つは・・・『家畜』だ。」

    再びグロックの弾倉を交換し、ナイフを血振りする。

    「金を使うのが人間、そして・・・『金に使われる』のが家畜だ。言いたいことは分かるよな?傭兵屋。」

    息を整え肩を慣らす。被弾したダメージは・・・目立ったところはない。9mmという銃弾と防弾使用のアウターが功を相したのだろう・・・戦闘に支障は無い。

    「『家畜』に俺は殺れん。いいだろう・・・『屠殺』してやるよ豚共。
    食わせてもらった9mmは貴様等の調理代金で払うとしよう。」

    己が獲物に向かって『処刑人』に宣告する。絶対強者として威厳のこもったその声で・・・
[973]サウザーは冷たい手を握る 08/11/14 12:04 *Ql5aEOorQNd*pHSKopfkne
    >>956
     そのまま黙って地下についていく。
[974]アス 08/11/14 16:23 TJQuEy8NNQ
    「竹原、あのフランケンは任せたぞ。」
    「OK。何とかする。」
    竹原は、五番アイアンを放り投げると、メイクアップセットを取り出す。
    「時間が無いんだ。すぐに決めさせるよ。『ゴーゴンカラーコンタクト』!」
    竹原はコンタクトをはめ、石化の邪眼をフランケンに向ける。

    詠子サイド
    「今だ。今ならあのカノンって人もいない。」
    詠子は、紙の身体を器用にも紙飛行機にかえて、こっそりとワンボックスカーから抜け出す。

    エマサイド
    「ふっとべ!」
    エマはナチス兵に向ってモップをフルスイングする。
    それでも折れないモップ。
    「このモップは!神原財閥の粋を結集して作った物だ!例えこの星が滅ぼうともこのモップだけは滅ばないのだよ。」
    その調子でエマは銀色ぴかぴかのモップでナチス兵達を殴りとばす。
[975]ハバネロ 08/11/14 19:08 UGnW9twGHf
    >>972
    「おやおや。随分ご高閲を垂れるじゃないか。何様のつもりだ?挑発のつもりか?可愛い挑発だな。子供なら釣れるかもしれん」

    シュパーギンはバリケードに囲まれた本営に戻る。

    「総員!!後退!!我らが本営にて籠城戦を行う。フランケン!!戻ってこい!!」
    『フランケン』が素早い動きでシュパーギンの隣に収まる。

    「総員、よく聞け。戦闘を有利にするために罵詈雑言で敵を怒らせるのも確かに戦法ではある。
    だが、その自分が言った台詞に『酔って』しまうと、逆に滑稽だがら注意しろ?あの処刑人みたいにな?クックック………家畜だとよ?何だ?サディストの気でもあるかね?」

    そう言いつつ、ハンドグレネードを3つほど投下する。

    >>973
    「リーーーーダーーーーーー、アーバンテラーの帰還だぜぇーーーー」
    「おや。早かったじゃないか…あれ?」

    アーバンテラーは顔面蒼白で、後ろに客人を引き連れて本部に入ってきた。

    「きゃ、きゃ…客…だとよ。軍使だそうだぜぇっ………」
    「客?応接間など無くて申し訳ないが…用件は早めに言って欲しい。そろそろ作戦も終了が迫ってきている」

    確かに、全員は荷物をまとめ、すぐに出られるようになっている。

    「それよりも、早く!!早くよこせよぉ!!ムカデが目の前にいいいいいいいっ!!」
    アーバンテラーは息も絶え絶えに苦しんでいる。
    それを見て、カロンは注射器を手渡すと同時に何か紙に記録のようなものを付ける。

    さてそのころ戦場では…
    「警察署でドンパチやらかしてるみたいだな、京岡!お前、一足先にあっちの様子見てこい!!」
    「ラージャ!(了解)」

    京岡は鉄砲玉のように飛び出していく。制止するナチスの兵士をヘッドショットしながら。
[976]サウザーは冷たい手を握る 08/11/14 19:22 *Ql5aEOorQNd*pHSKopfkne
    >>975
    「ああ、安心しろ」
     言うと同時にアーバンテラーの足を引っ掛けて転ばせ、
    「俺も面倒は嫌いだ。用件ならすぐに済む」
     アーバンテラーの身体をリーダーと呼ばれた男……カロンへと突き飛ばす。
[977]ハバネロ 08/11/14 19:27 UGnW9twGHf
    >>976
    「あぁちょっと…やめて下さいよ、こいつは重要な『クランケ』なんですから」

    アーバンテラーを軽く抑え、注射器の薬を打たせる。
    「あぁ…これだ!!ヒィヒッヒッヒ…これだぜぇ…きやがった…クククックッッッック………」

    注射器を左腕に差し込み、中の液体を注射すると、人が変わったように笑い始める。

    「それで、用とは?簡潔にお願いしたいねぇ。軍使殿」
[978]サウザーは冷たい手を握る 08/11/14 19:29 *Ql5aEOorQNd*pHSKopfkne
    >>977
     アーバンテラーの身体を抑えた事で目前に迫った『それ』が見える。
     アーバンテラーを突き飛ばした目的は『それ』をアーバンテラーの身体の影に隠すため……『それ』……小さなスローイングナイフがすぐにカロンの眉間へと迫ってくる。
[979]No.Ⅳ【愚人王】 08/11/14 19:31 J3r4Ayp/in
    >>975
    「んー、やはり馬鹿じゃねェな。」

    駄目元で言ってみたが、まあそこで頭を沸騰させる阿呆ではないらしい。
    もっとも、始めから釣れるとは思わず、どういう反応かを見るための挑発だったのだが・・・

    「(好戦的ではあるが直情型ではない。あー・・・なんか親近感・・・)」

    まあそもそも元傭兵の俺がテメェのこと棚上げしてそんなことほざいても説得力無いか・・・と苦笑し、投下されたハンドグレネードに銃口を向ける。

    「三合会曰く、『こういうのはビビッたら負け』だったか?」

    この手のハンドグレネードはピンが外れてから大体4秒ほどで爆発するタイプが基本だ。4秒・・・

    「余裕だな♪」

    セミオートに切り替えたグロックをハンドグレネードに向け、一発ずつ的確に命中させる。
    投擲された手榴弾は、放られた力よりも強い運動エネルギーにぶつかり、方向を変えられたコンマ数秒後に爆発する。

    「あー、おーいお前等生きてるか?特に池下(「俺この仕事が終わったらしばらく休暇とって妻に付き添うつもりなんだ・・・この作戦のボーナスも出るし・・・」と出撃前に同僚と話してた既婚者君)よ・・・」
    「コラぁぁぁ!!!!さらに生存確率下げるような設定を台詞の裏に付けないでくださいよォォォ!!!!!」

    あー、とりあえず大丈夫そうだなと判断し、

    「総員、とりあえず追わなくていいぞ。深追いはするな。
    向こうが引き篭もってくれる以上動くまでシカトし、ナチ公共を掃討しろ。」

    的確に指示を出し、相手が引っ込むのを待つ。
[980]ハバネロ 08/11/14 19:40 UGnW9twGHf
    >>978
    「ひいいいいいいっ?!」
    カロンがすんでのところでナイフを避ける。
    「な、何するんですか?!殺す気ですか?!」
    「コイツこの野郎ーーーーーーっ!!殺すぞぉぉぉーーーー?!」
    ファゴッツが胸ポケットから拳銃を取り出して男に向ける。
    「待て待て待てよ。落ち着けファゴッツ。な?貴方の目的がさっぱり掴めないんだが、ひょっとして話し合う気ゼロ?超好戦的?かな?」
    ミシュフェルが慌ててファゴッツを制止する。

    >>979
    「…手榴弾を爆発する前に破壊したか。ずいぶん慣れた奴だ。うちに欲しいな」
    「首領!何やってるんですか?!死ぬ気ですか!!」

    部下が上司をしかりつける。

    「まあそう怒るな。ちょっと久しぶりに戦争をしたくなったものでな…いやすまん。」


    ちょっと笑いながら、シュパーギンは人数を確認する。
    「では、バリケードを有効に使いながら敵を攻撃する。深追いはするなよ」
[981]サウザーは冷たい手を握る 08/11/14 19:48 *Ql5aEOorQNd*pHSKopfkne
    >>980
    「ほう、避けたか。一番トロそうに見えたから狙ったんだが……全く面倒だな」
     気付けば、青髪の男はすっころんだカロンに軍用ナイフを突きつけて羽交い絞めにしていた。その場の注意が投げたナイフに集中していた隙に既に走り出して接近していたのだ。
    「おっと、動くなよ。余計な動きを見せればこの男の首を掻っ切る。銃もやめておけ。俺は躊躇いなくこの男を盾にするぞ」
     落ち着いたところでミシュフェルに返答する。
    「まぁ、有体で言えば話し合う気がないに近いな……しかし、思った以上にお人よしのようだな。まさか、あんなにコロッと騙されるとはこちらとしても意外だった。まぁ面倒がなくて助かったがな」
[982]No.Ⅳ【愚人王】 08/11/14 19:50 J3r4Ayp/in
    >>980
    「とりあえずワンボックスは置いておけ。ここまで来た以上必要ないし、あんなもんで並走してたら居場所を教えているようなもんだしな。
    そうそう、各自武器弾薬が無いなら仏さんのを拾ってけよ。
    特に池下(奥さんへのプロポーズは某ネズミの国のエレ○ト○カルパレードでした。)、お前の突撃銃炎上したワンボックスの中だろ?」
    「もはや死亡フラグでもない唯のノロケ晒しをありがとう。つかなんで知ってんだよアンタ!?今のはおかしいだろうが!?」

    もう敬語が崩壊した池下は傭兵が持っていたAKと弾倉を拾い上げる。

    「それじゃあ行くぞお前等。本陣に戻って装備を整え直してきた恐い傭兵さん方が戻って来る前にスタコラサッサだぜ♪」

[983]森本 08/11/14 19:51 E-lv.N1
    >>968
     明治2年に、新潟の貧しい小作農の次男坊として田中は生を受けた。その後に起こった、日露戦争の旅順で戦死したのだ。
     田中は、試作品として組織に拾われた。来るべき大戦で発生するであろう、大量の恨みを封じ込め、徐々に発散させる為の試作品だった。
     初の大容量搭載可能災厄だった。
     しかし、恨みの跡継ぎシステムが中ったらため、彼が死ぬと大量の恨みが周りに撒き散らされてしまう。
     そこで、不老化と身体強化をつけ、安全装置として恨みが漏れたさいに、その恨みを一度に爆発させる仕組みが備わっていた。


     田中の切断された四肢から黒い靄が吹き出た。それは、警察署を内と外から包んだ。ファゴックス を包んだ靄は彼を警察署の破れた窓から勢い良く投げ出した。
     直後に警察署は火球に変わり、半径五十メートルの範囲の建物を木っ端微塵にした。
     田中は灼熱の中で「いい奴に引導を渡して貰えた」と喜んだ。彼の長い生涯は幕を閉じた。
[984]ハバネロ 08/11/14 21:58 UGnW9D6S0C
    >>981
    「あの…本気ですかねぇ?我々としては非常に面倒なんですが」
    ミシュフェルは実に実に面倒くさそうだ。

    「…くっ、くそっ!私は戦えないんだぞ!ジャマする気か?!」
    「カロン、スケープゴートになる気はないかい?」
    「え、いや、待って下さいよ!私副リーダーですよ?!」

    ミシュフェルは面倒臭そうに頭をかいた。

    「目的を聞こうか。我々への攻撃が目的なら、我々としても相応の態度を取らせてもらう。その男をバラバラにするなり何なり自由にするがいい。代わりはいくらでもいるんだよ。さあ早く言え。時間が無いんだよ」

    >>983
    「ぐっ………ぬううううっ………」
    投げ出されたファゴックスは重傷を負い、地面に転がり落ちた。

    「まさかこんな隠し玉を…っ」
    ぜいぜいという嗚咽が漏れる。

    (分が悪すぎる…ここは退却だ!)
    ひどい火傷を負った体で、ファゴックスは戦場(キリングフィールド)から脱出(エスケープ)する。
[985]サウザーは冷たい手を握る 08/11/14 22:26 *Ql5aEOorQNd*pHSKopfkne
    >>984
    「答える必要はない」
     カロンの首筋を容赦なく切り裂き、ファゴッツに蹴りつけてその隙にミシュフェルへと距離を詰めてスローイングダガーを投げる。
[986]ハバネロ 08/11/14 22:34 UGnW9D6S0C
    >>985
    ダガーを、首をちょっと動かしてミシュフェルはかわす。
    「総員!!脱出だ!!全員屋上へ向かえ!!カロン、おい?生きてるか?」

    「………」

    「世話が焼けるねぇ!全く!!」
    ミシュフェルはカロンを引きずって屋上へ走る。

    「ヘリは用意しているな?!ファゴッツ!!」
    「あ、あたりめぇーーーーだ………」

    フラつきながらファゴッツも屋上へ急ぐ。

    「もしもしぃ?ドボリート?うん、作戦の最終段階に入ってよ」

    通信を切ったドボリートは、ナチス全軍に通信で告げる。

    「聞け、同胞!!我々は蓮田市占領計画を中止!退却とする!!多少犠牲が出てもかまわん、港へ向かえ!!」
    ラスト・バタリオン全軍はそれを聞き入れると一目散に港へ逃亡する。
[987]サウザーは冷たい手を握る 08/11/14 22:46 *Ql5aEOorQNd*pHSKopfkne
    >>986
    「素直に避ける所をみると……お前戦い慣れていないな? 面倒がなくて助かる」
     避けたダガーの柄が爆発し、中に仕込まれたベアリング弾が周囲にばら撒かれる。
     同時に青髪の男がナイフを振るう。
     どちらか片方よければどちらかは回避しきれないだろう。
[988]ハバネロ 08/11/14 22:52 UGnW9D6S0C
    港に、巨大な戦艦が乗り付けた。

    失われた国の、妄信的とも言えるその自称「国家」の科学を凝縮されたソレは、やはりハーケンクロイツを掲げた異様な戦艦だった。

    >>987
    「………くっ………!!」
    「仕方なく」ナイフが腕に突き刺さる。

    「な、なる、ほど、な?貴方の目的は我々の殺害。もしくは攻撃。
    よろしい。ここは逃げさせてもらおう!ここで死ぬわけにはいかないんでね!!」

    血にまみれた手で閃光弾とスモーク・グレネードをゴロゴロと転がして炸裂させる。

    「ヘリ!!ヘリの用意だ!!何してる下っ端!!早く用意しろ!!」
    屋上へ続く階段を駆け上がりながら叫ぶ。
[989]サウザーは冷たい手を握る 08/11/14 23:02 *Ql5aEOorQNd*pHSKopfkne
    >>988
    「――」
     蒼髪の男は「こんな至近距離でそんなものを使っても無意味だ。第一、スモークとスタンを同時に使ってもスモークで閃光が遮られる。無駄もいいところだ」と呟いたが、スタングレネードの放つ爆音に遮られ、それは誰の耳にも届く事はなかった。
     ナイフはミシュフェルの腕に刺さったままだ。いくら視界を塞ごうが距離を詰めることも追撃を放つ事も……いや、むしろここまで来れば止めを刺すことすら容易だろう。

     だが、蒼髪の男はそれをしなかった。乱暴にミシュフェルを蹴りつけ、そのまま解放する。

    「……まぁ、これだけ痛めつければもう充分だろう。思った以上に面倒のない相手だったしな。所詮はタダの残存兵か」

     それだけ言って、『背を見せて』来た道を普通に歩いて戻っていく。
[990]ハバネロ 08/11/14 23:09 UGnW9D6S0C
    >>989
    「ふっ…はっ…!!ぜぃ、ぜぃ、くそっ…くっくくっくっく…クソッタレめぇ…ふふふ…くくっくっくく…」

    ミシュフェルは屋上の扉を乱暴に開ける。

    ヘリはすぐにでも飛べる状態だった。

    「おい、カロン?大丈夫ですかぁ?」
    「………なん…とかね…」

    ずいぶん弱っているようではあったが。

    「アーバンテラーとファゴッツは?」
    「俺はぁーーーここにいるけどぉーーーー?」
    「俺様もいるぜぇ!!俺に殺させてくれれば良かったのによぉ!!ヒヒヒヒ……」

    アーバンテラーはつかの間のハイテンションを楽しんでいるようであった。

    「では、早いところ作戦を終了しよう。行くぞ!!」
    ヘリは浮上し、港へ到着した戦艦「カストール」へ進路をとる。

    …そのころ、警察暑、蓮田市全域から、兵士は退却し、まるで混乱が嘘のようである。

    「…全員聞け!!」
    シュパーギンは、部下に武装解除を命じ、一人戦場に躍り出た。

    「ナチスとの契約もこれで終了。諸君らとの敵対関係もこれまでと相成った。我々は帰らせてもらう。
    願わくば、次会うときは敵対関係になっていないことを」

    部下はいそいそと帰る準備を整えていた。
[991]No.Ⅳ【愚人王】 08/11/15 00:47 J3r4Ayp/in
    >>990
    「・・・終わったか。思ったよりはあっけない幕切れだな。」
    「Mr.リーデベルト、退却の準備が出来ました。貴方も車に・・・」
    「ん?ああ、ご苦労。だが俺はいい。ちょっくら相手に挨拶してくるわ。お前等先帰ってろ。」
    「は?いやしかし・・・ってちょ!?」

    言うや否やシュパーギンが居るほうへ走っていくカノン。
    池下(死亡フラグ回避)を含めた部下五名は呆然とし、

    「ま・・・まあいっか。多分あの人大丈夫だし。」

    その一言に部下総勢は頷き、バリケードに使っていたまだ無事なワンボックス二台にそれぞれ乗り込んでいった。


    「よう、お疲れさん。」

    シュパーギンが帰ろうとした頃に後ろから声をかけるカノン。
    両手を挙げてやる気が無いことを示すと、無用心にも気軽に近づいていく。

[992]アス 08/11/15 09:42 TJQuEy8NNQ
    「・・・あっけない幕切れだな。」
    ゴーゴンカラコンを取り外した竹原が呟く。
    「・・・死ぬかと思った。」
    詠子が竹原の後ろで震えている。

    「こら!逃げるな!おら!おら!おら!」
    エマは撤退するナチス兵を追っている。

    「・・・どういうことだ。これは。」
    アスカは警察署であったであろう所に立ち尽くしながら言う。
    「ここで待てば、ハバネロさんに会えるかな。」
    アスカは、リュックから暴君ハバネロを一袋取り出してその袋を開き、食べ始める。
[993]ハバネロ 08/11/15 12:20 UGnW9D6S0C
    >>991
    「おや、処刑人殿、お疲れ。仕事上敵対関係になってしまってね、割と迷惑をかけてしまったようだ」

    シュパーギンは苦笑する。

    「これから帰ったら部下に説教を喰らわされそうだ。貴方死んだらどうすんですかってな。少々楽しくなって無茶をしてしまってね…」
    葉巻を口からはなし、煙をはき出す。

    「首領!行きますよ!!貴方に言わなきゃいけないことがたくさんある!!」
    本営を畳みながら彼女の部下が叫んだ。

    †

    「あらら。終わったな…」
    ハバネロは頭をかいた。

    「出番無し。まあいいんだがな…んで、ロバートさんよ、あんたどうする?俺は状況を確認してすぐ帰らねばならん」
[994]No.Ⅳ【愚人王】 08/11/15 12:59 J3r4Ayp/in
    >>993
    「お互い様だよ。こちらとしても少々やり過ぎた部分もある。
    とりあえずそちらさんから頂いた二発については後で説教が待ってるだろうな・・・
    こちらも普段無口のクセにグダグダ五月蠅い同僚が居るんだよ。」

    まいったまいったと楽しそうに笑い、

    「とりあえず名刺交換だけでもしておくか?こちらとしても今後の為にそちらとの繋がりがあったほうが都合がいい。」

    クスリと笑うが目はマジだ。仕事が終わったばかりのくせに、もう次のことを考えて行動。プロ意識丸出しである。


    †

    「ふん、まぁ思った以上に余計なところが動いたのだろう・・・
    こちらとしては無駄弾を使わずに済んだということで良しとしよう。」

    仏頂面でそう言うと、手早く獲物をコートに隠れた背中に戻す。

    「俺はこれからカノンと合流し、同じく状況の確認をするつもりだ。
    我々の方にはほとんど何も無かったが、向こうはさぞ充実していたことだろう。
    そちらにとっても有益な情報が聞けるかもしれんが・・・」

    付いて来るか?と暗に訊いていた。

[995]ハバネロ 08/11/15 14:49 UGnW9D6S0C
    >>995
    「………ほう、なかなか感心な心がけだな。名刺か、いいでしょう…」

    シュパーギンは名刺の裏に番号を書き込んでカノンへ渡す。

    「用件があればこの番号まで。事と次第によっては駆けつけましょう…」

    †

    「…そーだな。一応付いていきますか。」
    面倒な人に会うかもしれないが、まあ仕方がなかった。
[996]森本 織部 08/11/15 16:16 7uGp1dSBkN
    「終了だ。」
     背の低い自衛官、ロボフの無線機に、低いしわがれ声が命令を伝えた。
    「了解。」
     彼らは目立つことなくその場から消えて行った。
     背の低い自衛官は服を変えて崩れた家の中へ入り、ロボフは駆け付けた機動隊の群れに紛れ、老人は背の低い自衛官の元へ急いだ。
    老人は瓦礫の上を小走りに移動しながら、友人に話しかけた。それは日本語だった。
    「田中、お前も、とうとう死んでしまったか。」
     老人は、深い皺を刻みながら警察署があった方をちらりと見た。
[997]No.Ⅳ【愚人王】 08/11/15 16:25 J3r4Ayp/in
    >>995
    「どうも、こちらも面倒が起きた時にそちらのお世話になるときがあるでしょう。なにとぞご懇意に・・・」

    同じように名刺を取り出し、自分の携帯の番号を裏に書き込み渡す。
    公私共によろしくと言う意味合いである。

    「ではそろそろ失礼しようか。こちらの迎えもそろそろ来る頃でしょうしね。」

    では、と名刺をうけとり懐にしまう。これ以上余計な馴れ合いは不要だろう・・・
    さて、向こうから見慣れた野朗の姿が見えてくる。黒いコートの金髪とダービーハットの男が見える。ん?・・・もうひとり・・・

    「メイド?・・・はぁ?」

    なんかもうひとり居る異質な存在に間抜けな声を上げてしまう。

[998]ハバネロ 08/11/15 17:28 UGnW9D6S0C
    「………ウェアウルフ………!!」
    シュパーギンは名刺を受け取るとニヤリと笑って、ハバネロに近寄る。

    「久しぶりだな…ウェアウルフ。何年ぶりだ?」
    「さーな」

    ハバネロは心底嫌そうな顔をする。

    「元気にしているか?」
    「まーね」
    「………ウェアウルフ。我々のところに戻る気は…無いか?」

    「首領。あんた、俺に負けない人でなしだな。
    あんたは俺を捨てただろ?傷だらけで帰ってきた俺をさ。俺はもうあんたの狗じゃないんでね。…それと、葉巻やめろよ。連れの奴が煙草嫌いなんだよ」

    「おぉ、おれはすまない。それでは諸君、また会う日まで」

    シュパーギンは仲間の所へ戻り、先頭をきって帰途についた。
    「お前ら、無駄話をしている場合か!家に帰るまでが戦争だ!」
    そんな声が遠くから聞こえた。


    「よう、カノン。大丈夫だったか?あのシュパーギンって人、相当面倒くさい空いてだったろ?」
    ハバネロが面倒くさそうに首を掻く。

    「え…カノン?じゃ…あの人が『処刑人』?!」
    京岡はカノンの元へ駆け寄った。
    「こんにちはカノンさん。えっと…特殊課に配属になった京岡円佳って言います。以後よろしくお願いします!」

    ぺこりと頭を下げて挨拶する。

    「こいつ、アメリカの対テロリスト人間兵器『ドラクル』っていうんだがな、偽名をそのまま使ってんだよ。一部には『臓物メイド』って呼ばれててな…」
    「なっ、よけいな事言わないで下さいよっ、ハバネロさん!」

    声をひそめて言うハバネロ、そして必死で制止する京岡。
[999]森本 織部 08/11/15 17:40 GoRGEoUS
     機動隊や自衛隊は、別に敵を深追いしに来たわけでも、調査に来たわけでもない。情報を植え付けに来たのだ。
     拡声器からのアナウンスが町に響く。
    「町の皆さん、テロリストは殲滅しました。もう大丈夫です。怪我をした方は南公園と蓮見公園に来て下さい。家が壊れてしまった方は、蓮田小学校に避難して下さい。」
     この、蓮田市が襲われた事件は、対外的には「大規模なテロ事件」、『蓮田市2時間戦争事件』として扱われた。


     『テロリストは「ネオナチ」であり、何らかの理由で蓮田市を占拠しようと自衛隊を潰し、蓮田市を完全占拠一歩手前までいくも、蓮田警察署署員と、独断専行で駆け付けた自衛隊一個中隊の活躍と犠牲により、蓮田市は救われた。』
     警備員は弾痕の残る自宅で、テレビを見ていた。
    「違う、違う。」
     テレビの中で、出演者達は警官や自衛官を誉めたり、テロリストを許せないといい、一個中隊の独断専行は合法的なのかを、取りとめなく話し合っていた。
    「違う、違う。」
     警備員はテレビに向かって、意味もなく否定する。
[1000]ハバネロ  08/11/15 17:49 Congratulations
    そのころ、ミシュフェル達の乗ったヘリは、本営である戦艦「カストール」へ収容された。

    「ただいまぁ…」

    「あっ、リーダー!お帰りなさーい。どうしたの?みんなケガしてるけど?」
    ととと…と駆け寄ってきた少年がミシュフェル達に声をかけた。

    「おぉ。ゲーデ君、カロンを頼む。ずいぶんこっぴどくやられてしまってねぇ、こりゃあしばらく養生かな…」

    ゲーデと呼ばれた少年はカロンを重そうに背負っていった。無茶であった。

    「お帰りなせぇ、総長。ケガ人はオレが運びますから。休んでいて下せえ」
    「すまんね、亜玉君」
    ゲーデが運んでいたカロンを、亜玉がかついでいく。

    「状況。死者175人。負傷者30人。まぁまぁだったな。この戦争は」
    ミシュフェルは独り言のように言った。

    「おほほほほほ…連中、もう勝った気でいるんですの?」
    「まあ、ね。でも好都合さ。とりあえず、作戦を練り固めるためにしばらく活動は控えような…ハゼリア君」

    戦艦は進路を南東に…。
[1001]サウザーは冷たい手を握る 08/11/15 17:58 *Ql5aEOorQNd*pHSKopfkne
    >>998
    「思ったよりは面倒がなくて済んだようだな……」
     その場にゆっくりと歩いてくる一人の男。
     ゲブラー製の戦闘服に身を包んだその蒼髪の男……
    「『処刑人』に『ウェアウルフ』……それに『ドラクル』か。お前らが敵に回らなくて助かったな。敵だったら面倒な事になっていた」
     
[1002]ハバネロ 08/11/15 19:43 UGnW9D6S0C
    >>1001
    「んあ」

    一目見て、ただの人じゃないことは分かる。

    「素人さんじゃないな。しかも俺らの名前まで知ってるときてる。誰だあんた?」
    まあ敵ではないようだが…果たして味方なのかも微妙な所だった。
[1003]サウザーは冷たい手を握る 08/11/15 20:17 *Ql5aEOorQNd*pHSKopfkne
    >>1002
    「……そういえば、今回の騒動は面倒続きで一度も名乗っていなかったな」
     蒼髪の男は肩を竦めて名乗る。
    「今はギルティブレイドと名乗っている……かつて戦場では、『ソードマスター』などと呼ばれていた事もあったがな」
     『ウェアウルフ』が、『処刑人』が、『ドラクル』がそうであるように、かつて戦場で名をつけられた兵士の一人……
     接近戦のエキスパート、否、接近戦の狂人にして狂刃。
     火器を一切使わず、己の体術と僅かな「刃物」のみで戦うイカれた兵士。
     血にまみれた刃を振るうその男を、人はいつしか、畏敬と侮蔑と恐怖を込めてこう呼ぶようになった。
     ……『刃に殉ずる狂人(ソードマスター)』と……


[1004]ハバネロ 08/11/15 20:23 UGnW9D6S0C
    >>1002
    「…ギルティ…ブレイド…。ギルティさんか。カイゼルブレイドみてぇな名前だな?」

    ハバネロはシガレットチョコをくわえる。

    「俺さー、ずっと中東の鉄火場で戦争ばっかりやってたからあんまり知らないや。ゴメン。」
    「私は名前だけは聞いたことあります。噂で、ですけど…」
    ドラクルもあまりよく分からないようだ。
[1005]サウザーは冷たい手を握る 08/11/15 20:36 *Ql5aEOorQNd*pHSKopfkne
    >>1004
    「奴と同じ組織に所属しているからな。この名は役職名のようなものだ」
     さらりと素性を明かし、ギルティは続ける。
    「今日は特殊課に用があって来た」
[1006]ハバネロ 08/11/15 20:44 UGnW9D6S0C
    >>1005
    「………」

    シガレットチョコを、口先でくいくいとゆらしながらハバネロは沈黙する。

    「………来たけりゃ勝手についてきやがれ。行くぞ、京岡。じゃーなカノン、元気でな」

    ハバネロはきびすを返して歩みを進める。

    「あんたが敵で、もし特殊課をブッ潰そうっていうならやめとけ。もうブッ潰れてるから」
[1007]天塚 銀樹 08/11/15 20:49 E-xr47L
    ~???~

    「うぉぉぉ!我等が主ダゴンしゃまがぁぁぁ!おいたわしや、おいたわしやぁ!」

    松明に照らされた洞窟で、老年の男の声が響く。
    身内でも失ったかのような悲痛な叫びは空気を震わせる。

    男の前には祭壇のようなものがあり、何かの儀式をする場所らしい。

    「こうなればこうなれば必ずや貴方のを敵ささげぇぇぇ!!」

    絶叫し、彼は倒れこんだ。
[1008]サウザーは冷たい手を握る 08/11/15 22:52 *Ql5aEOorQNd*pHSKopfkne
    >>1006
    「そんな面倒な事はしない。安心しろ。潰す気だったら端からナチ公共と手を組んでいる」
     そのままハバネロについていく。
[1009]ハバネロ 08/11/15 23:12 UGnW9D6S0C
    >>1008

    ボロッボロになった特殊課。
    全体的に黒こげになって、非常に痛々しい姿をさらしている。まるで火事にでもあったみたいだ。

    「局長!!」
    ハバネロはポケットから煙草を取り出す。呆れた男である、まだ隠し持っていたのだ。

    「やっと戻ったか。大丈夫か?」
    雅のその口調は、ハバネロの労をねぎらう優しげな口調。

    「ところで、その者は?」
    「客だってさ」

    「…敵か?それとも味方か?」
    局長が慎重に聞く。
    「少なくとも今の段階では敵じゃねぇな」

    局長はむぅ、とつぶやいて少し考えをめぐらす。

    「とりあえず、ここも酷い状態なんだ。いろいろと頭が痛くなる事後処理やら何やらで忙しくなると思われる。早急に用件を聞こうか?」
[1010]FIND 08/11/16 01:23 9Lyyf4uhkw
    結局のところ、その"戦争"が呆気ないような終結を迎えた時、彼が殺したのは精々警官数人だった。

    その割に弾薬を無駄に消費したが、それは何かいい加減に撃ったり、何か死体に見えるものを撃ってみたり、何となくただの建造物の壁を撃ってみたり、そんなことをしていたからだ。とはいえ、本人がその無意味を気にしている素振りは無い。

    「やれやれ・・・やっぱり、人海泥沼は余り向かないみたいだねぇ」
    嘆息。
    「まぁいいや」

    そう言って、黒い帽子の男は何事も無かったかのように歩き始め、"元"死地を去り出す。
[1011]No.Ⅳ【愚人王】 08/11/16 01:28 J3r4Ayp/in
    >>998
    「ん?別に、割と愉快な人だったぜ?まあやり手で敵に回すと面倒な相手ではあったがな。」

    機嫌よくそう言うと京岡のほうを向き、

    「ん?・・・ああ、よろしくな。・・・『臓物メイド』だと・・・」

    ハバネロの余計な一言にぴくっと食いつき、急に真剣な顔になる。

    「成程・・・お前も苦労してきたんだな・・・分かるぞ。自分は望んでも居ないのに、周りに勝手な名を付けられそれが広まり自分を示す記号になる苦しみは・・・
    俺も今でこそ『処刑人』というそれらしい異名で落ち着いているが、昔はこの容姿から勝手な呼び名を・・・」
    「・・・・・・・・」

    不条理に対する怒りで肩を震わすと同時に、同じ苦しみを持つ同士を見つけた喜びで熱くなるカノン、彼の過去の異名を知るロバートはしれっとした態度でそれを聞き流す。

    「っく・・・まあいい。それについてはまた会ったときにでも話そう。とりあえず『ウェアウルフ』、あんまりその異名には触れてやるな。
    お前には分からんだろうが、他人に己の恥ずかしい通称で呼ばれ続けることこそ精神的な苦痛は無いぞ。
    まあお前みたいに最初から人に堂々と名乗れる異名持ってた奴には分からんだろうがな!」

    この件に関しては俺は完全に京岡の味方に付くぞと全面的に表明し、

[1012]No.Ⅳ【愚人王】 08/11/16 01:44 J3r4Ayp/in
    >>1001-1002
    「あー・・・アンタか。来る時にすれ違ったな。」

    ギルティブレイドに顔を向け、しれっとした態度に戻す。

    「『刃に殉ずる狂人(ソードマスター)』ねェ・・・その名は戦場で聞いたことあるが・・・まさか本当に居たとはな。
    このご時勢刃物と肉体のみで戦う野朗が居たとは・・・正直こうして名乗り出る奴に会うまで信じては居なかった。」

    雰囲気を見る限り恐らく本物だろう。洗練された動きの一つ一つにある種の『キレ』が見える。
    比較的その道に通じる者として完成されたそれらに、

    「こうして会えて光栄だ。成程成程、素晴らしい。本来なら是非一戦・・・と言うところだが、
    恥ずかしながら先の戦いで鉛を二つ拝借した俺にはその資格はなさそうだ。」

    敬意を表すと同時に一歩下がる。

    >>1006
    「そうだな。先方が希望のようだし俺達はもう退くとしよう。
    途中でエリスも拾っていかにゃならんしな。」
    「ああ、ついでに拝借した二発について話を聞かせてもらおうか・・・
    まさか五名の部下の命を任されておいて、一人前線に突っ込んだわけではあるまいな?」
    「げ・・・」

    ヤベ余計なことを言ったな・・・と心で後悔し、カノンは、

    「それじゃあまたな。」

    手早くそう言ってダッシュで逃げ始めた。

[1013]馬 08/11/16 02:27 D-cDsy8
    隼人は戦いが終わったあとハバネロたちと、合流する事にした。


    バソコンをテスト期間中は禁止にされて、今ケータイで、してます
[1014]アス 08/11/16 09:17 TJQuEy8NNQ
    「ああ、アナタがハバネロさんですね。神原アスカです。
    私はアナタに尋ねたい事があります。
    海底都市ルルイエに行く方法です。」
    アスカはハバネロを見つめる。

    エマは、港で地団駄を踏んでいた。
    理由は・・・とっても簡単。
    ナチス兵に逃げられたからである。
[1015]ハバネロ 08/11/16 10:32 UGnW9D6S0C
    >>1014
    「かいてーとし?知らんがな。うちの局長が知ってると思うけどな。知りたきゃ勝手についてきやがれ!」

    3本目のタバコに火を付ける。


    さて…太平洋、戦艦カストール。

    「ガロット。同志の配置はどうなってる?」
    「はっ!ブリテン、アメリカ、ドイツ、ロシア、中東各地に点々と配置しているであります!いつでも命令を!!」

    軍隊口調で、「ロンギヌス・アハト」のガロットと呼ばれた人物が声も高らかに報告する。

    「そう。なら動かさないことだ。時がくるまでね。」
    ミシュフェルは腕に包帯をまいていた。

    「今回の戦争でだいたいデータは把握した。敵対組織に戦闘シミュレーション、次の作戦においていい練習になった」
[1016]森本 08/11/16 12:16 E-lv.N1
     蓮田小学校体育館にての、話し。


     埃塗れの一組の男女が床に腰を下ろしていた。
     ユウは首を回して周りを見る。
     放心した少女、気丈に明るく振る舞う老人、さっきから喚きっぱなしの若人達、炊き出しをする自衛官、床の吐瀉物を片付ける自衛官、家族で固まっている人達、小さな範囲に多くの人達がいる。
    「ねぇ、ユウ、」
     ユウの隣にいるスクが呼びかける。
    「なんだい?」
    「もしも、もっと早く情報を渡せていれば、もっと早く『災厄』を移送出来ていたら、もっと早く…。」
    「反省しているんなら分析しろ。次に何が起こるかを。」
     ユウは、体育館に集まった人間を見ながら、無表情に言った。
[1017]馬 08/11/16 13:49 D-cDsy8
    >>1014「やっと、見つけたで」

    アスたちがいたので、声をかけ、ついてくことにした。
[1018]ハバネロ 08/11/16 13:52 UGnW9D6S0C
    「………」

    星宮はテンションが下がっていた。珍しく。
    立て続けに良くない出来事が続いたため、やや元気を無くして机に伸びていた。

    「………うー」


    そのころ、シュブ=ニグラスのいる工場跡地に、二人の男が佇んでいた。

    「外なる神…か。力が弱まっているとはいえ、強大な力を持っているのであろう?ならば…」
    一人の男が建物に近づく。

    「このラスプーチンが、利用させてもらおう…」
[1019]流星 08/11/16 15:32 *zKw8LkUETEQ*8ihhfl5ReO
    >>フリメサイド(?)

    透き通るような蒼の中で、一機のヘリが悠々と進路を東へと向けていた。

    その貨物部にはハイネとⅣに加えて数個のヒトガタ。
    端正な顔立ちに意識は無く、スイッチの入っていないカラクリのような振る舞い。
    いや、彼等は正真正銘のカラクリであり、ハイネ同様の『合衆国』の構成員の一部だった。

    「・・・ええ、分かりました。 そのように。」

    偽りの笑顔を浮かべる男は携帯に似た無線機を置いて、傍らに置かれた資料に目をやった。
    所狭しと並べられた文字に目を配りながら、男は笑顔に似た表情を浮かべつつ向かいに座るⅣに声をかけた。
    「・・・Ⅳさん、これからの進路が決定しました。」
    Ⅳに手渡されたテキストの上にはアーデルハイド、それにヒルダの顔写真が掲載されていた。
    もう一人、顔写真の掲載されている者もいたが、それには紅いペンで×が記されていた。

    「我々の目的地は、ハスタ市。 面倒な劣等民族は撤退したようですし、丁度良い頃合でしょう。」

    Ⅳに手渡されたテキストには、アーデルハイド・ヒルダ両名の抹殺指令要項が書かれていた。
    そこには両名がハスタ市に潜伏しているという事が書かれているだけであり、"呪い十字"との関係は全く書かれていない。
    ハイネの手にした詳細の書かれたモノには掲載されていたが、それをⅣに渡すことはなかった。

    「―――ああ、それと。」

    忘れていたように腕時計を取り出す。
    それをⅣに渡すと、装着するよう指示した。

    「『合衆国』との連絡、それにⅣさんの居場所を示すための発信機にもなります。
    作戦の都合上、状況を把握するために必要なので、よろしくお願いしますよ。」

[1020]森本 08/11/16 15:37 E-lv.N1
    何は、ともあれ、蓮田市は夕闇に包まれていた。
    落ち葉が風に揺られて死体に張り付いていく、風が多くの紙を吹雪のように飛ばした。
    気温が低いお陰で、死体からの匂いは少ない。死体は明日から片付けるようだ。
     背の低い自衛官、もとい、今は背の低い赤毛の人は、隠れ家から双眼鏡を使って死体を見ていた。
[1021]No.Ⅳ【愚人王】 08/11/16 16:44 J3r4Ayp/in
    >>1019
    「・・・ええ、了解しました。」

    そっけない感じで返すとⅣは黙って受け取った腕時計を左手に着ける。
    発信機付きの腕時計・・・どうせ盗聴器も付いてるんだろうなぁとため息をつき渡されたテキストに目を通す。

    「しかし手が早いことですね・・・ヒルダさんにアリス・・・今の彼女等には何も出来ないだろうに・・・
    早急に始末するどころか、殺す価値すらないように思われますがね・・・」

    等と口では言ってみるが、この仕事の意味は分かってる。恐らく理由の一つは自分だろう・・・
    一度牙を向いた俺に忠誠心を示させる・・・そういう意味合いもあることは自分にこの仕事を回してきたことからも伺える。
    まったく、扱いといい発信機付き腕時計といい・・・これでは犬のようだ。だが、

    「・・・まあいいでしょう。義理は既に果たしましたしね。自分としても立場を示すのに丁度いい機会です。
    この仕事が終わった後にそちら側に訊いて貰いたいこともありますしね。」

    たとえ犬同然の扱いだろうと、自分には目的があり、合衆国という強大な組織はそれを叶えられる可能性がある。
    ならば畜生に墜ちたとしても・・・・

    「迷いはありません。ベストを尽くすとしましょうか・・・」

    自分は立ち止まるわけにはいかなかった。
[1022]流星 08/11/16 17:05 *zKw8LkUETEQ*8ihhfl5ReO
    >>『合衆国』

    薄暗い室内でシアターに映し出される映像。
    異様なまでに綺麗な映像は先刻のドイツ軍残党を映したモノだった。

    「未だに活動しているとは、しぶといゴキブリ共め・・・。」
    「ここまで執拗であると敬意すら覚えますね、全く。」

    特殊課、呪い十字、それに民警。
    三者三様の対応を取り対応する姿の中、目を引くモノがあった。

    「ほう、あの『暗殺者』がこんな場所に・・・。」
    「久しい存在ですな。 もう見る事は無いと思ってたおりましたが・・。」

    目を引く蒼髪。手にしたダマスカス鋼のパラオード。
    特殊課の人間に混じった、異色のアウトロー。

    『暗殺者』という記号で呼ばれた無慈悲な男。
    冷酷かつ残虐。作戦成功率99.9%。『無音殺人』の玄人。
    既に裏の世界から姿を消した伝説的と思われている存在。

    ―――かつて『合衆国』を敵に回した男、流の姿が映されていた。
[1023]流星 08/11/16 17:50 *zKw8LkUETEQ*8ihhfl5ReO
    >>1021

    「ええ、心強い発言です。」

    普段と変わらぬ表情でⅣの発言に返答する。
    未だに目の前の男が完璧な忠誠を持ったとは考えられない。
    いや。むしろ完璧な忠誠を持つハズが無いのだ。

    マシーンでも不具合が生じるのにも関わらず、どうしてヒューマンに絶対があるのだろうか。

    器用に片手で自動拳銃の分解整備を終えたハイネは、心の内側でぼやきを入れた。

    《―――当機は五分後に目的地へ到着予定。 ポイントR2-H6。繰り返す、当機は―――》

    整備を終えた拳銃をホルスターに戻したハイネの耳に、機内放送が進入した。

    目的地は市内郊外にある廃工場付近の資材置き場。
    少し中心街から離れた場所であるが、車両があれば問題ない。

    ハイネは静止している構成員を稼動させ始めた。
    静止していたヒトガタは突如とした目蓋を開き自らの稼働状況を確認し始める。
    「異常無し。」「ノープロブレム。」「問題ありません。」・・・。

    カラクリは動き始める。
    その動きは人間と瓜二つであったが、確実に人間ではなかった。


    ―――そして、ヘリのローターの風が地面の砂を吹き上げ始めた。
[1024]森本 織部 08/11/16 17:57 7uGp1dSBkN
    >>1020
    「おい、今度のが一段落したら、目標と接触するぞ。」
     赤毛の横に立っていた老人が写真と個人情報の詰まった書類を渡す。双眼鏡から目を離した赤毛は、受け取った書類に軽く目を通す。
    「スクとユウが情報源?」
     赤毛は切れ長の目を老人に向ける。
    「ああ、そうだ。」
     赤毛と老人は、それきり言葉を交わさない。
    「『フリーメーソン』、『警察特殊課』、『旧支配者』、『呪いの十字』、『オリハル』、『JOKERS』、そして『祟り』に接触してもなお、生き残っている稀有な人物。黒田清隆。」
     赤毛は双眼鏡を構えなおした。
最終更新:2008年12月20日 15:17