ミドガルズオルム

Midgarsormr
ミドガルズオルム

邪龍

北欧

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北欧神話
  • ヨルムンガルド[Jourmngald]とも呼ばれる、世界蛇。
  • 古代スカンディナヴィア語で、『大地を取り巻く蛇』を意味する。ミドガルズは『大地の中心(人間界)』を、オルムは『蛇』を表わす。また、ヨルムは『巨大な』を、ガルドは『魔法の杖』を表わす。
  • 北欧神話最大の怪物で、海の底で、自分の尾を咥えて大地を取り囲んでいる巨大で真っ黒な毒蛇。
  • ヴァン神族のロキと、女巨人アングルボザの次男で、怪狼フェンリル、死神ヘルの兄妹。
  • 小さい頃は神々の国(アースガルド)のロキの館にいたが、世界に厄災をもたらすと危惧され、大地を取り巻く冷たい海へ投げ込まれた。神々は、これで、死んだと思っていたが、ミドガルズオルムは海の中で成長を続け、世界を取り囲むほど巨大になってしまった。そして、自分を追いやった神々に復讐する日を待っている。
  • 神々の中でもミドガルズオルムに対抗できたのは雷神トールだけだった。ある時、トールは、魔法巨人ウトガルザ・ロキに飼い猫を持ち上げてみろと言われる。その猫を持ち上げようとしても、不思議な事にびくともしない。力を込めて、ようやく脚一本が床から浮いた程度だった。だが、実際は、幻術でミドガルズオルムを猫に見せていただけで、ミドガルズオルムは、危うく咥えていた尻尾を放すところだった。
  • ウトガルザ・ロキに恥をかかされたトールは、二度とないように、ミドガルズオルムを引き上げ、頭を潰してしまおうと考えた。トールは従者を引き連れて釣りを始めた。餌は雄牛の頭、釣り針は船の錨、釣り糸は鉄の鎖だった。ミドガルズオルムがかかったと知ると、トールは力一杯引き上げるが、ミドガルズオルムの力が強く、船底を突き抜け足が海底に付いてしまうほどだった。それでもミドガルズオルムの頭が海面近くまで引き上げられ、トールは、ミョルニールを手に狙いを定めた。ところが、恐怖した従者は釣り糸を大バサミで切ってしまい、結局引き分けに終わってしまった。
  • 神々の黄昏(ラグナロク)では、ついにトールのミョルニールに頭を潰されて絶命するが、その時に吐き出した毒息でトールも間もなく死んでしまう。


最終更新:2011年09月15日 03:04