ベルゼブブ

Beelzebub
ベルゼブブ

魔神、堕天使

イスラエル/ヨーロッパ

----------出典----------

ユダヤ教、キリスト教、『列王記(旧約聖書)』、新約聖書、『地獄の辞典』、『失楽園』
  • ベルゼブル[Beelzebul]、ベルゼバブ、ベールゼビュート[Belzebuth]、バアル・ゼブル[Baal-zebul]とも呼ばれる。
  • ヘブライ語で『蝿の王』を意味する。
  • 中世ヨーロッパにおいて、悪魔の権力者、魔界の王子、サタンに次ぐ魔王と恐れられた。
  • 元々はキリスト教が布教する以前、パレスチナにおいてカナン人に崇拝されていたバールが異教の悪魔として権威を失墜させられたもの。バールは、バアル・ゼブル[Baal-zebul](『高き館の主』『気高き主』の意味)とも呼ばれていたが、邪教神として発音が近いバアル・ゼブブ[Baal-zebub]『蝿の王』と呼ばれた。
  • 旧約聖書の『列王記』や新約聖書(「マタイによる福音書」「ルカによる福音書」)においても名前が登場するが、唯一神に反抗する悪魔として言及されている。
  • ジョン・ミルトンの『失楽園』では、かつて熾天使の聖歌隊に属しており、堕天使となった後も威厳に満ちた賢王の姿で描かれている。コラン・ド・プランシーの『地獄の辞典』では、髑髏柄の羽根を持った巨大な蝿で描かれている。ゲーテの『ファウスト』では、牛の姿で、耳はおどろおどろしく、髪は色とりどりで竜の尾を持つとされ、フランスの貴族ジル・ド・レは、ベルゼブブが豹の姿になるところを目撃したと言っている。また、パランジェーヌの『ゾディアコ・ヴィテ』には、途方もなく巨大で、その腰かける玉座も巨大、額には火の帯を巻き、胸は厚く膨れ、顔はむくみ、目はぎらつき、眉は吊り上がり、威圧感にあふれる風采。鼻孔は極度に広く、頭には二本の大きな角がある。肌はマウル人(アフリカ人)のように真っ黒で、両肩には蝙蝠に似た大きな翼が生えている。大きな両足はアヒル、尾はライオン、全身を長い毛が覆っている、と非常に細かい描写がなされている。
  • 地獄の宰相にして、ハエ騎士団の創設者。地獄の空軍を指揮下に置く。
  • 炎を吐き、狼のように吼える。中世ヨーロッパにペストを流行させたと恐れられているが、一方で作物を荒らすハエの害から人間を救うこともある。
  • 7つの大罪の内の『暴食』を司る。


最終更新:2011年10月12日 01:11
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