『鎌倉新仏教』
平安末期から鎌倉末期にかけて生じた戦乱や飢饉による世相の不安、あるいは仏教界におきていた腐敗や堕落などに対して、新しい運動が仏教界から誕生した。これがいわゆる、鎌倉新仏教の始まりである。
新仏教の布教に貢献した彼らは、仏教を公家や貴族の手から民衆の手に取り戻し、そのことによって庶民教化の道を広げていった。
このことは、それまでの貴族にかわり新しい支配階層としての政治の場面に登場してきた武士が、貴族とは違って直接生産に関わる土着性を有していたことと関連がある。
この時期、寺院における僧侶教育では、僧侶を志願する少年や稚児たちが集団生活を送り修行を重ねていた。一方、僧侶を志願しない稚児や童子も寺院に学んでいた。この時代にはいわゆる学校というものがまだ設けられてなかったため、寺院が唯一の教育施設であったといっても過言ではない。
最終更新:2007年08月20日 11:18