麻疹の流行に伴って、休校にする学校や大学が増加している。以前は麻疹で学校が休校になったりすることはほとんどなかったように思うが、近年麻疹があまり患者のいない病気になったことによって、逆に流行したときの対応が極端になるという事例だろう。東京ではほとんど雪が降らないので、たまに大雪になったりすると、交通が大混乱する。それと同じようなことだろうか。
 昔は麻疹はかかることが当たり前のような病気だったから、麻疹が流行してもそんなに社会全体が大騒ぎするようなことはなかった。
 さて、伝染病による休校措置、また、登校禁止措置は法的にどうなっているのかを確認しておこう。
 学校保健法が基本的な原則を規定している。

学校保健法
出席停止
第十二条
 校長は、伝染病にかかつており、かかつておる疑があり、又はかかるおそれのある児童、生徒、学生又は幼児があるときは、政令で定めるところにより、出席を停止させることができる。
臨時休業
第十三条
 学校の設置者は、伝染病予防上必要があるときは、臨時に、学校の全部又は一部の休業を行うことができる。

 そして学校保健法施行規則が実施基準を定めている。

出席停止の期間の基準)
第二十条
 令第五条第二項の出席停止の期間の基準は、前条の伝染病の種類に従い、次のとおりとする。
一 第一種の伝染病にかかつた者については、治癒するまで。
二 第二種の伝染病(結核を除く。)にかかつた者については、次の期間。ただし、病状により学校医その他の医師において伝染のおそれがないと認めたときは、この限りでない。
  イ インフルエンザにあつては、解熱した後二日を経過するまで。
  ロ 百日咳にあつては、特有の咳が消失するまで。
  ハ 麻疹にあつては、解熱した後三日を経過するまで。
  ニ 流行性耳下腺炎にあつては、耳下腺の腫脹が消失するまで。
  ホ 風疹にあつては、発疹が消失するまで。
  ヘ 水痘にあつては、すべての発疹が痂皮化するまで。
  ト 咽頭結膜熱にあつては、主要症状が消退した後二日を経過するまで。
三 結核及び第三種の伝染病にかかつた者については、病状により学校医その他の医師において伝染のおそれがないと認めるまで。
四 第一種若しくは第二種の伝染病患者のある家に居住する者又はこれらの伝染病にかかつておる疑がある者については、予防処置の施行の状況その他の事情により学校医その他の医師において伝染のおそれがないと認めるまで。
五 第一種又は第二種の伝染病が発生した地域から通学する者については、その発生状況により必要と認めたとき、学校医の意見を聞いて適当と認める期間。
六 第一種又は第二種の伝染病の流行地を旅行した者については、その状況により必要と認めたとき、学校医の意見を聞いて適当と認める期間。

 なお出席停止は、伝染病の他に、学校の秩序を見出し、授業や教育を成立させがたい原因を作っている生徒に対して行われることがあるが、その場合には、教育委員会が決定するが、伝染病の場合には校長の判断で可能となる。ただし、休校や出席停止の措置をとったことを教育委員会に報告する義務をおっている。
最終更新:2007年05月27日 21:49