小学5年社会「栽培漁業と養殖漁業について」


目標:栽培漁業と養殖漁業の特徴と違いを紙に書くことができるようにする。


先生:「今日は魚の取り方について勉強します。」
「五月の初めくらいから水産業について勉強してきて、この前の授業では銚子港についての勉強をしましたね?みんな覚えていますか?では前回の確認です。一人あたりが一日に食べる魚の量が多い1位から5位までの国を挙げてください。ではまず5位はどこだったかな?」

生徒:「スペインだったと思う。」

先生:「正解です。では4位は?」

生徒:「ノルウェー!!」

先生:「正解です。では3位は?」

生徒:「韓国!!」

先生:「いいですねー。では2位は?」

生徒:「日本!!!!」

先生:「よくできました。では最後です。世界で最も魚を食べている国はどこでしょう?」

生徒:「アイスランド!!」

先生:「大変よく出来ました。ではもう一度教科書の60ページを開いてみてみましょう。今みんなが上げてくれた上位5カ国が一日に魚を食べる量が書いてあるよね。ではみなさんは生活している中で、魚を食べ過ぎていると思ったことはありますか?生活していて魚食べすぎだよー!!と思ったことある人?」

(手が挙がった場合)

先生:「それはどんなときに思ったのですか?」
生徒:「毎日魚が続いた時。」

先生:「なるほど。ちなみに隆くん(今意見を言った生徒の名前とする)は魚は好きですか?」

隆君:「あまり好きじゃない。」

先生:「そっか。そしたら毎日魚が続いたら嫌だから、食べすぎだよー。お肉たべようよ。となるよね。他にはありますか?」

(生徒:「給食で魚が出たのによるご飯も魚だったとき。」などと意見が出てもさっきと同じように対処する。)

先生:「では今食べすぎていると思った子には、どんなときに食べすぎかを言ってもらったけど、実際日本は一日にどれくらい(何グラムくらい)食べていますか?」

生徒:「150と200グラムの間くらい。」

先生:「そうですね。150と200グラムの間くらいというと大体このくらいの魚になります。(写真や模型を持ってくる。)でもね実は、中大型の魚は世界中合わせて4億トンいるといわれているんだけど、今私たちは1年間で 計1.2億トン魚をとっているといわれています。そしてそのうちの1.0億トンが食用つまり、食べられているの。でも、食べられる魚は一億トンあるけど、世界は65億人いるといわれていると、世界中の人が平等に取った魚をたべたら、実は一日にど私たちは42グラムしか食べられないことになります!!でも、日本人が一日に食べる量ってさっきどれくらいっていっていたっけ?」

生徒:「150から200グラムでしょ」

先生:「そうするとやっぱり日本は魚をたくさん食べているということがわかるね。ではここですこし考えてください。このまま魚を今までのように採り続けたらどうなってしまうかな?魚は変わらない?それとも増える?それとも増える?さあどうですか?」


生徒:「魚の量がどんどん減る?」

先生:「その通りです。だから、今は取る漁業だけでなくて育てる漁業というものがあり、今はこの育てる漁業のほうが力を入れているんだよ。そこで、今日は育てる漁業の勉強をします。今からみんなに紙を配ります。今日はノートではなく、この紙に記入していってもらいます。いいですか?」

生徒:「はーい」

配布資料(これ↓を使って進めていきます)
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小学五年社会 魚の取り方の学び表)

先生:「まずこの紙の一番上に育てる漁業とかいてありますね?その下を見てください。二つに分かれていて、その上に漁業の名前を2つ書くところがあるのがわかるかな?(同じ表を黒板に板書して説明。)この表のように育てる漁業は二つの種類があります。まず一つ目は栽培漁業です。これは、「種苗と呼ばれる稚魚・稚貝などを人工的に育成しその交流によって資源を増やし再生産が期待できる範囲内で漁獲する漁業のこと」をいいます。今先生が黒板に書いていることは栽培漁業の説明の欄に書いてください。」(太字は板書)

生徒:「種苗って何ですか?」

先生:「種苗とは植物で言ったら種や苗のことを言います。他に質問はありますか?」

生徒:「稚魚と稚貝って何ですか?」

先生:「この稚という字にはおさないという意味があるのね。そうすると、稚魚と稚貝だから、おさない魚や貝ということで、卵からかえってまもない魚や貝のことを言います。他は大丈夫かな?」

(大丈夫だとする。もし、生徒から質問が出ない場合は自分で今行ったことを補う)

先生:「それでは実際に栽培漁業の様子を見てみましょう。このとき気付いた事を栽培漁業の気付いたところという欄にどんどん書いていってください。(実際にビデオかなにかあったらみせたい。なかったら、教科書の写真を使って説明)」

先生:「では次に育てる漁業の2つ目を紹介します。それは養殖漁業というものです。さあ、次は右側の欄をうめていきますよ。「養殖漁業とは魚介、海草などを生簀や籠、縄などを使って人工的に飼育して反映させる漁業のこと」をいいます。これも養殖漁業の説明の欄に書いていってください。」(太字は板書。栽培漁業の横に書く)

生徒:「生簀って何ですか?」

先生:「漁獲した魚や料理などに使う魚を生かしておくところのことをいい、こういうものです。(生簀の写真をみせる)他には大丈夫ですか?」

(大丈夫だとする。もし、生徒から質問が出ない場合は栽培漁業の時と同じく自分で今行ったことを補う)

先生:「それではこれから養殖漁業も実際に見てもらいます。さっきと同じように気付いたことはまた欄にどんどん書いていってください。そして今回はもう一つ!!さっき見た栽培漁業と何が違うのかということも考えながら見てみてください。(あとは栽培漁業の時と同様)」

(見終わった)
先生:「今二つの育てる漁業について説明して、実際にビデオで見てみたけど栽培漁業と養殖漁業の違いって何だろうね?」(表を下記記入していく)

生徒:「育てている魚が違う」

先生:「よく見ていましたね。そうです。育てられる魚の種類によって栽培漁業と養殖漁業に分かれます。例えば、魚類ではサケやアユは栽培漁業でタイやハマチや養殖漁業です。また、カキや真珠などの貝類やノリ・ワカメなどの海藻類、車えびなどの甲殻類も養殖漁業です。他に違いがわかった人?」

生徒:「栽培漁業は一回放流するけど、養殖はずっとそのまんま。」

先生:「みんなよく見ていますね。その通りです。栽培漁業は10センチくらいまで育ったら海にどんどん放流していくのだけど、養殖漁業はその場で育ててそのままそこで採ります。これは大きな違いですね。」

先生:「さあ、これで栽培漁業と養殖漁業の違いはわかりましたか?では最後にこれらの違いを書いてください。みんなかけましたか?」

先生:「(書き終えたら)そしたら、紙を裏にしてください。今日の確認をします。紙の裏に今日勉強した二つの育てる漁業の名前とその違いを記入してください。いまさっきやったことだから見なくても大丈夫だよね?」

先生:「(5分くらいたったら)では列ごとに後ろの人から前に回してください。上手くかけなかった人はお友達に聞いてみたり、先生のところに聞きにきたり、教科書をよんでみたりして今日勉強した二つの育てる漁業の名前とその違いについてはしっかり理解しておきましょう!!ではこれで今日の授業を終わりにします。」

補足

栽培漁業では、戻って来る魚しか育てないのか、という質問がありましたのでそれについて補足説明させていただきます。

栽培漁業は資源量を増加させるために、人工的に作った種苗を適正な大きさまで育て海に放流し、再生産が期待できる範囲内で漁獲することによって漁業経営の安定を図る漁業のことをいいます。したがって栽培漁業では戻ってくる魚だけでなく、戻って来ない魚でも漁業経営安定のため育てています。ただし、戻ってこない魚に関しては人口池をつくって稚魚を育てて海に放流しています。戻ってこない魚を捕獲して人口池をつくってそこで捕獲した魚から稚魚を作ってまた海に放流するということをしていかないと、戻ってこない魚が絶滅してしまう可能性があるからです。マグロが捕獲制限されているのは、栽培できないうえに、捕獲する量が年々増えてきたためこのままいくと絶滅してしまう恐れがあったからです。


りえ
最終更新:2007年06月03日 12:34