学級の保護者会の「子どもが先生の授業がわからない」というクレームに関してのコメントです。
 本当にこういう状況が起こったから、別の機会を設けるとかして、全体での話し合いでの取り扱いは、とりあえずできるだけ短く切り上げる、というのがいいと思います。従って、こういう場合どうするかというより、ここでの高学歴でという立場からのコメントをしたいと思います。
 私の場合、博士課程までやっているので、「高学歴」であることは間違いありません。子どもは、先生に対しては、大体は好きだったし、また、反抗的であることはなかったと思いますが、嫌いだった先生はそれぞれ一人ずついました。また、特に好きだった先生も双方にいました。好きだった先生は、勉強をしっかり教えてくれる先生で、勉強にいいかげんな先生は嫌いだったようです。それから、表裏のある先生は嫌いだったと言っています。つまり親の前ではにこにこしているのに、子どもの前だとかなり怖いというような。
 一概には言えませんが、高学歴の親で、子どもが塾に通い、なおかつ先生を嫌いなので、勉強が分からない(実際には分かっている。)というようなクレームを付けるというのは、稀ではないかと思っていますが、甘いでしょうか。そういう話を聞きますか?
 親が優秀であれば、子どもも優秀であることが、多く、小学校の勉強でつまずくなんてことは、あまりないわけですから、そこらは鷹揚に構えているのではないかなあと。
 塾で分かっている上に、学校での勉強に不満があるという場合には、やはり、基本的に、塾とは異なる勉強をしっかりとやるというのが大切ではないかと思います。塾は所詮塾であり、「問題を解く」練習主体になります。ところが、学校では、実験とか、実習、実技等、塾ではほとんどやれない勉強を、多様に行うことができるのです。そういうところで身につける力を重視し、その重要性を理解させるということが大事ではないか、そして、それがうまく行けば、塾を基準にした授業のうまさなどは、あまり問題にならなくなるはずです。
 中学受験等の必要性で、塾で勉強している場合にも、小学校の学習で必要なことは、しっかりと行い、塾での受験勉強は、個人で行うものであることを認識してもらう必要があります。

 さて、そういうことを踏まえて、このときの先生の対応を見ると、私としては、少々不満な点があります。それは、自分の力不足を簡単に認めて、謝ってしまっていることです。本当に力不足で、謝るような状況を作りだしてしまうなら、教師として、本当にやっていけるのか、再検討した方がいいです。
 まず、絶対に必要なことは、親が何を言おうと、教師が生徒個々人の学力の理解状態を、しっかりと把握しておくことです。この生徒の場合には、勉強が分からないというのではなく、先生の教えかたが気に入らないわけだから、「わからない」といってきたことに対して、生徒の実情を話ながら、決して分かっていないわけではないことをまず説明すべきです。
 そして、気に入らないのは、塾の方をいいと思っているからで、学校の勉強と塾の勉強の違いを分かって貰い、確かに至らない面はあるかも知れないが、こういう目的、方法でしっかりと勉強をさせていることを説明すべきです。何も卑屈になることはないのだし、学歴という点でコンプレックスをもつ必要もありません。
 教師だってちゃんと大学卒なのだし、本当に力のある高学歴の人だったら、そんな無茶なことはいいません。(よほど教師の教えかたが酷い場合は別として)
 だから、自分の方針と、生徒たちの状況をきちんと説明することが大切で、そうして、長い目で見てほしいということでいいのではないでしょうか。
 もし、親に悪意があるなら、別の機会を設けて、しっかり向き合うことが必要でしょう。(わけい)
最終更新:2009年04月17日 20:15