ワイナー Weiner,Bernard (1935-)


 アメリカの社会心理学者。
成功・失敗の原因帰属が達成動機に及ぼす影響の研究から、原因の所在と安定性などを提唱した。
 ワイナーは成功・失敗の原因を能力、努力、課題の難しさ、運の4要因とした。成功・失敗の原因をどの要因に帰属するかということで感情やその後の行動への期待が異なってくる。たとえば、成功経験を能力や努力に帰属した時は喜びや満足感を得ることができ、次の行動にも期待を持つことができるが、この場合、失敗した時には落胆が大きく、将来への期待も低下する。また、成功経験を課題の難しさや運に帰属した時はそれほど満足感を感じることが出来ないが、失敗した時はそれほど大きく落胆することはない。

 成功・失敗経験は自尊心の形成に大きく影響する。自尊心を守ったり、高めたりするには「利己的帰属のバイアス」を作用させる。これは、ある成功経験にたいしては自分の能力や努力といった内面的なものに帰属し、失敗経験にたいしては課題の難しさや運が悪かったと外的なものに帰属することを示す。これは意図的に働かせることができ、予測された失敗や自尊心が傷付けられることを覚悟している場合は利己的な帰属が可能となるように自らあらかじめ原因を用意するのである。これをセルフ・ハンディキャッピングという。




めぐみ
最終更新:2008年07月03日 22:25
添付ファイル