イソクラテス[前436~前338]

古代ギリシア、アテネの弁論家・修辞家である。
ゴルギアスに修辞学を学び、多くの子弟を教育。
アテナイにイソクラテスの学校を開設。
ペルシア征討を主張した「パネギュリコス(オリンピア大祭演説)」などで、散文の完成者とされる。

イソクラテスが、自身の学校で行われる、言論の錬磨を中心とする(教養理念)をピロソピアーと呼ぶ。

『人は、(教養理念)としてのピロソピアーによって、つまりピロソペインする(教養を積む)ことによって、運命としての「素質」からの解放を可能にする。あるいは、人が言葉の使用によって他の動物から区別されるように(言葉を使うことによって、動物から人へとなり得たように)、言論の錬磨を中心とするピロソペインする(教養を積む)ことによって「よりよき人間」となり得るのだ』
とイソクラテスは考える。


イソクラテスは、「教養のある人」とはどのような者であるかと自ら問う。

すなわち、「教養ある人」とは、よき思慮・賢慮(プロネーシス)を持ったものであり、それ故に彼はすべての実際行動・実践を立派に行うことができるはずである、と。

このよき思慮(プロネーシス)こそが、イソクラテスが希求すべきとする知である。



最終更新:2007年05月04日 11:54