記銘
記銘とは、記憶の過程の中でものを覚えるときにまず行う『憶え込む』ということであり、符号化ともいう。
記憶は過去の経験を保持し、のちにそれを再現する過程、または働きである。このためには、情報を憶え込み、その情報を頭の中にしまっておき、必要な時に取り出すという過程から成り立っている。これを記銘(符号化)―保持(貯蔵)―想起(検索)という。
記銘はいくつかのタイプに分けることができる。たとえば『日本』と書かれた言語材料が提示されたとする。このとき、ある人はこの字の大きさや筆跡などの視覚的属性としてとらえるかもしれないし、『ニホン、ニッポン』などの音韻的属性で記憶するかもしれない。さらに、『自然豊かな大地に囲まれ、さまざまな景観を四季によって味わうことができる国』という意味的属性を思い浮かべる場合もあるだろう。これは個人によって大きく異なる。
記銘と関連した事柄に記銘学習と
記銘障害が挙げられる。
まず、記銘学習とはある事柄を反復して記銘させる学習のことをいい、これは長期記憶を作るための典型的な学習方法である。
これには事柄の意味に関係なく憶え込む機械的学習と、事柄の意味を手掛かりにして覚える論理的学習(有意味学習)がある。
リハーサルと関連付けると、機械的学習は
維持リハーサルと、論理的学習は
精緻化リハーサル?を用いている。
そして次に記銘障害について紹介する。記銘障害とはたった今起こった出来事を記憶することが出来ないことであり、前向性健忘とも言う。たとえば、朝ごはんを食べたのに食べてないと思い込んでしまう。時間的感覚が乏しくなったり道に迷ったりすることが頻繁に生じる。こうなると生活上に様々な障害が発生したり、対人関係も難しくなってしまう。そして過去に覚えたことを思い出す事が出来ないという想起障害(逆向性健忘)と対をなしている。
最終更新:2007年11月21日 01:37