永い後日談のネクロニカ シナリオ

後日談を始める前に

  • 想定プレイ人数:3~4人
  • 使用ルールブック:基本、歪曲
  • 寵愛点:44点

概要

 このシナリオはネクロマンサーがお気に入りの玩具(PCとは別)を見て楽しむために作った、外に見える閉鎖空間(空や森は壁に投影されたもの)を舞台としたシナリオです。
 姉妹達を作ったネクロマンサーと、この空間を作ったネクロマンサーが同一なのかについてはNCにお任せします。

あらすじ

 鳥のさえずり、窓からさす光。
 そんな穏やかなもので君達は目を覚ます。
 記憶のおぼろげな君達に一人の少女は微笑んだ。
 「勇者様、どうか魔王を倒して下さい」
 これは、後日談ではなく英雄譚。
 英雄が悪を打ち倒し、後日談を迎えるまでの物語。

使用ルールブック

 基本ルールブック、箱庭の物語、歪曲の舞踏

レギュレーション

 寵愛点44点の新規製作ドールでのプレイを推奨しますが、同程度の成長後の継続ドールでもプレイ可能です。
 但し、継続ドールの場合は初期の記憶のカケラ二つ以外の記憶のカケラを指定タイミングまで削除してのプレイをお勧めします。


アドベンチャーパート

●カルマ
 アドベンチャーパートのカルマは「城に辿り着く」です。
(魔王城でも、王城でも達成)


●目覚め
+ ...
    小鳥のさえずりと、差し込んできた陽の光で君達は目を覚ます。
    どこにでもあるような素朴なベッドから身を起こし周りを見渡せば、自分と同じように周りを見渡す少女達がいることに気付いた。
    君の記憶の中にその少女達はいないけれど、今までずっと一緒に過ごしてきたような感覚と、彼女等が仲間だという不思議な確信が君にはある。
    状況の確認のためにも、彼女達と話すべきだと感じるだろう。

 PLからの質問を受ける前にPC同士の自己紹介をして貰い、他のPCへの未練を決定してもらって下さい。
 作成時に減少させていない限り、通常通り未練に3点の狂気点がたまっている状態からのスタートです。(継続ドールの場合は今までの状態を引き継いで下さい)

 この部屋には窓と、姉妹の人数分のベッド、ドアが1つあります。
 窓から外を眺めると青い空と、人の行きかう風景を見ることが出来ます。
 最終戦争等の戦争時に関する記憶のカケラを持っているドールは違和感を覚えるかもしれません。
 ドアから出ると廊下に出て、下に降りる階段があります。その他にも部屋がありますが、鍵がかかっており空きません。
 下に降りた場合●宿屋に移動して下さい。

●宿屋
+ ...
    君達が階段を下りていくと、そこには一人の少女がいた。少女は君達を見ると嬉しそうに笑い、小走りで近づいてくる。
「勇者様!おはようございます、昨夜はよくお休みでしたね」
    言われた覚えのない呼び名であるにも関わらず、勇者と呼ばれたのが自分達だと君達には分かった。
    少女は君達の様子を気に留めず、続けて口を開く。
「どうか、今日こそ魔王を倒して下さいね」
    そういって少女は笑った。

 PCからの質問タイムになります。以下に書いてあるセリフを基に解答をしていって下さい。()の中が質問内容となります。
 とはいえ、少女が知っていることは余り多くありません。セリフから分かる情報以外の質問があった場合、「ごめんなさい、分かりません」と答えるようにして下さい。
 また、「魔王城がどこにあるのか、どっちにあるのか」等の魔王城を確定させるような質問には意味不明な言葉を返し、一瞬止まった後、「どうかしましたか?」と笑う描写をし、その場にいるPC全員に±0の狂気判定を行ってもらって下さい。城についての質問の返答は他のNPCも同様です

「私、ですか?私はイオタといいます。この宿屋の娘です」(名前を尋ねる)
「魔物を放ち、世界を征服しようとしています」(魔王が何をしたのか)
「勇者様も御存知の通り魔王城ですよ」(魔王の場所)
「ネクロマンサー? 聞き覚えがないですね」(ネクロマンサーについて)
「魔物や魔王を打ち倒して下さる救世主様です」(勇者とは何か)
「勇者様は国王様がお選びになりました」(自分達が勇者の理由)
「国王様はこの国を作ったとても素晴らしいお方です」(国王について)
「王城に居られます。お会いになったでしょう?」(国王の場所)
「勇者様が魔王を打ち倒すことが私達の願いです」(何をすればいいか)

●旅立ち
+ ...
    宿屋から出てみれば、青い空と沢山の人が行きかう姿が真っ先に目に入る。多くの人々が行く先に目を向ければ白く輝くような城が見え、反対側に目を向ければ見るからに禍々しい城があった。どちらが魔王城かはっきりとは分からないが、とにかくどちらかの城が魔王城なのは間違いないだろう。

 ここでカルマを公開して下さい。
 この宿屋から出た場所を中心として左側に禍々しい城(魔王城)、右側に輝くような城(王城)に続く道があります。また、道の両側にある家々の間を行き、町から外れれば、森が見えますが、森に行こうとしても何か壁のようなものがあり先に行けません。(実際に壁。画像が投影されている)
 行きかっている人々には、姉妹達と違い改造などをされている様子はなく、ただの人のように見えます。沢山の人がいますが、声をかけても忙しそうで、反応しません。
 また、禍々しい城側に進む人は、途中で家や店に入っていき、城に向かっている人はいなさそうです。

 禍々しい城側に進む場合には☆魔王城側の一番上の●淀んだ空へ、
 輝くような城側に進む場合には☆王城側の一番上の●幸せな町へ移動して下さい。
 そのまま城を目指す場合はどんどんと☆の中の描写を下に行っていけば大丈夫です。
 城に入らない限りは引き返せるので、魔王城側と王城側の間にこの道があることだけは覚えておいてください。

☆魔王城側
●淀んだ空
+ ...
    見るからに禍々しい城に向かい進む君達。進むにつれ賑やかだった道は段々と人が少なくなっていき、とうとう君達以外誰もいなくなった。ふと、上を見れば、恐ろしいほどに暗く淀んだ空が目に入る。それを見た君達は何か言い知れない不安とぼんやりとした既視感を感じた。

姉妹達に+1の狂気判定を行ってもらって下さい。
狂気判定の失敗、成功関係なくNCの判断で空に関係する記憶のカケラを渡しても構いません。

●魔物の村
+ ...
    禍々しい城が遠目に見える以外、草や木しかなく閑散とした道を行く君達。そんな状況に辟易してきた頃、進む先に家が見えた。それも一つではない。たくさんの家があり、村のようになっているように見えた。

 一度ここで描写を止め、村に近づくかを聞いて下さい。
 近づかなくても、遠回りにはなりますが城に辿り着くことは可能です。
 遠回りするという事になった場合は●魔王城に移動を。村に近づくと決めた場合はこのまま描写を続けて下さい。

    その村に近づいていくと人影が遠目から見えた。人がいる。その事実は君達に少しの安心を与えるだろう。
――けれど、近づいていくにつれ先程見えた人影にどこか違和感があると気が付いた。
    大まかな形は人に見える。ただ、何かが人と違う。そんな漠然とした違和感は、更に近づき、人影がはっきりと見えると確信に変わった。あれは人ではない。
    頭に隠れていたもう一つの頭や余分に生えている3本目の腕はまだましだ。足のあたりから生えているタコの足のようなもの。胸にぽっかりと大きく空いた穴。それは、化け物と呼ぶにふさわしい姿だった。周りを見れば、また別の恐ろしい姿をした化け物が見つかった。どうやらここは化け物の村のようだ。

 変異パーツ特化の改造をされたような見た目の元ドールが居ついている村です。
 姉妹達は、なんとなく気持ち悪さや、嫌悪感を抱くようにされています。(姉妹間では変異パーツ特化のドールがいても特に何も感じません)
 町で魔物の話を聞いている場合、ここにいるのが魔物ではないかと感じるでしょう。
 ここでは、魔物を倒し(殺し)5パーツまで魔物のパーツを得ることが出来ます。
魔物のパーツは町で買い物に使える他、2つで基本パーツを1つ修復できます。
パーツを得る選択をした場合、何個取得したかを記録しておいてください。
 また、話を聞こうとした場合は家に全員閉じこもってしまいます。うっすらと「勇者」「殺す」といった単語は聞こえるかもしれません。
 彼女達は自分が魔物として扱われること、勇者が魔物を殺すことを知っているので怯えているのです。

●魔王城
+ ...
    とうとう禍々しい城の前まで君達は辿り着く。
    そこは、静寂に包まれていた。
    先程まで見かけていた化け物も居らず、中から音が聞こえてくることもない。大きく豪奢な扉だけが君達を入ってこないように押し止めようとしている。
    扉に鍵がかかっている様子はない。君達がしっかりと力を入れ、扉を開けようとすれば、いともたやすく扉は開くだろう。

 描写の通り城の前です。扉から中に聞き耳を立ててみても、周りを探索してみても、静かで何かが居そうな気配はありません。
 扉を開いて、中にはいる場合は次の描写に進んでください。

    扉を開き中に入ると、豪奢で禍々しい外装とは裏腹な殺風景さが目に入った。それと同時に、君達の後ろでバタンという大きな音がする。
    後ろを振り向けば扉が閉じていた。扉を開けようとしても開くことはない。焦る君達に、涼やかな声がかけられる。
「私を倒すまで出られないわよ」
    その声に振り向けば、黒い少女が立っていた。
    その姿を見た瞬間。彼女が魔王だという不思議な確信が君達に生まれた。

 殺風景な部屋の中心にぽつんと置いてある玉座に少女(魔王)は座っています。
 扉は姉妹達が力を合わせても、壊すことも開けることも出来そうになく、基本的には魔王の言う通りに倒すしか、出る方法はありません。
 魔王のセリフ例は以下の通りです。彼女は何度もこの状態を繰り返しており、ここから出ることをあきらめていて、また時間をかけると姉妹達に愛着がわいてしまう事が分かっている為、早く姉妹達と戦おうとします。皮肉っぽい口調で姉妹のいう事を否定していくといいでしょう。
 それでも姉妹があきらめず、魔王と一緒に外に出たい、もしくは魔王を幸せにしたい。という発言をした場合(魔物を殺している場合は同発言をしても無効)、発言のたびに、シークレットダイスで魔王からその発言をした姉妹への対話判定を行い、一度でも成功したなら成功時のセリフを言って下さい。
彼女が言う足りないものとは精神的な支えのことです。それに姉妹達が気付き、たからものを渡そうとする、もしくは魔王に対する対話判定(振っていいかはNCが判断して下さい)に成功した場合、●お気に入りに移行して下さい。
 姉妹が戦闘すると決めた場合や、会話が止まった場合、言いたいことがない確認後、次の描写に進んでください。

「私は魔王よ。それ以外の何物でもないわ」(名前は?)
「えぇ。あなたたちにどう見えているとしても、正真正銘私が魔王よ」(本当に魔王なのか?)
「さてね?どうせ倒さなければ出れないのだから関係ないでしょう?」(町の人の言っていることは本当か)
「私の意志かどうかに意味なんてあるのかしら?英雄は悪を倒すのが仕事じゃなくて?」(ここにいるのはあなたの意志?)
「まぁ、戦うつもりが無いのならずっとここにいるといいわ。勝手にして」(姉妹が戦おうとしない場合)
「さっきから好き勝手言ってくれているけれど、それは不可能なことだわ。だって、あなたたちは持っていて、私にはないものがあるもの」(魔王からの判定成功時)

「もう言いたいことはないかしら?」(質問が止まった場合)

「なら始めましょう」
    そう彼女が言うと、高い位置に開いていた窓や壁に開いていた穴からネズミや虫、それに紛れて人の形をした化け物が這い出てくる。
    魔王はそれを見て、一息吐き。――君達に襲い掛かった。

魔王城側のバトルパートへ移動して下さい。

●お気に入り
+ ...
「私なんかに必死になってバカみたいね。今なら気分がいいからさっさとこの首持っていってくれないかしら」
    そういい魔王が君達に笑いかけると、君達以外以内筈の部屋にカツンという靴の音が響き渡った。君達も、魔王も動いてはいない。するはずのない音だ。
    音をした方に顔を向ければ白い少女がそこにいた。一目見ただけで分かる。彼女はネクロマンサーだ。
    「あのさぁ、僕のお気に入りをたぶらかすのやめてくれないかなぁ」
    そういって彼女は苛立ち交じりの視線を君達に向けた。

 お気に入り(魔王)をたぶらかされたことによりネクロマンサーが王城から飛んできます。姉妹に対しかなりの苛立ちがある状態のため王城での時の態度とは違い、敵対的な言動をするようにしてください。セリフ例は以下の通りです。
 姉妹との会話が続かなくなった場合、次のシーンに移って下さい。

「君達は勇者だって、そういわれたでしょう?なんでちゃんと役目をこなさない訳?」
「君達に教える義理はないねぇ」(名前は?)
「んなわけないじゃん。魔王を倒す救世主だって町の人間に言われたでしょう?」(勇者として救うべきだと思った)
「ふーん?そんなの君達と変わらないよ。君達だって作られたお人形なんだからさ」(町の人には人間味が無かった)
「だから?君達には関係ないよね」(魔王を閉じ込めているのはお前か?)
「わかってるけど、だから?」(魔王が苦しんでいるとは思わないのか)

「他に言いたいことはある?ないよね。じゃあ始めよっか」
    ネクロマンサーがカツンと靴を鳴らすと、視界の端で魔王が気を失ったのが見えた。それと同時に、どこからかメイド服の少女が現れ、君達に向けて敵意を向けてくる。
    魔王の安否を確かめる為にも、戦ってこの状況をどうにかするしかないだろう。

場所は魔王城ですが、王城側のバトルパートに移って下さい。
戦闘前に、特に魔王を救おうとしたドールには魔王への中立者への未練を与えても構いません。

☆王城側
●幸せな町
+ ...
    輝くような城の方に進んでいくと、どんどんと人や家が多くなり、賑やかになっていく。店も何件かあるようだし見ていってもいいだろう。見るとしても見ないとしても、人波にもまれてはぐれないように手を繋ぐといいかもしれない。

 人で混雑している大通りのような場所です。ここで手を繋いだ状態での対話判定は+1して下さい。
 何か気になる店を探す場合は「道具屋」「武器屋」「雑貨屋」の3つを見つけることが出来ます。姉妹達が見に行く場合はそれぞれのシーンに移動して下さい。
 但し、姉妹はお金を持っていませんし、どの店でも一人一つ(薬は各一つ)までしか買えません。

 ・道具屋
    店の中には何か良く分からないもののホルマリン漬けや、厳重に保管された粉末等々、様々なものが並んでいた。その中でも丸い瓶に入った赤い薬と青い薬が、君達の目を引いた。
    「いいものに目を付けますねぇ、さすが勇者様」
    後ろから話しかけ振り返ると眼鏡をかけた少女が立っていた。どうやらここの店主のようだ。

 イオタという少女が店主を務める店になります。薬についての説明を求められた場合は、「赤い薬はケガを治す薬で、青い薬は精神を安定させる薬ですよぉ。ちょっと副作用はありますけどねぇ」と返答し、以下のゲーム上の性能を値段以外開示して下さい。
 また、姉妹もしくはPLがお金を持っておらず買えないという部分に気づいたのなら、「では、魔物のパーツ等の素材と交換ならいいですよぉ」と返答し、値段を開示して下さい。他の場所でパーツとの交換でいいという事を言っている場合、性能開示の時点で値段も出して構いません。
 彼女も魔王などについては宿屋の少女と同じ程度しか知りません。尋ねられた場合は口調を変えて似たような返答をしてください。また、この店に薬以外で役に立ちそうなものはありません。

赤い薬:壊れているパーツを2つ修復・基本パーツか強化パーツかはダイスで決定。偶数で基本パーツ。奇数で強化パーツ
決定した側のパーツが壊れていないか一つしかない場合過剰分を壊れている側にまわしてよい。狂気点一点増加
基本パーツもしくは魔物のパーツ二つか強化パーツ一つで買える

青い薬:狂気点を一店減少、任意のパーツを3つ損傷
バトルパートで使用の場合はどちらの薬も2カウント減少

 ・雑貨屋
    そこには服やぬいぐるみ等の身近なものが並んでいた。その中には君達のかすかな記憶に残っている、大切なものによく似たものもあった。たとえ同じものではないとしても、少しの心の支えにはなるかもしれない。
    あたりを見渡せばふわふわとしたワンピースを着た少女が掃除をしていた。彼女がここの店主だろう。

 ファイという少女が店主を務める店になります。道具屋と同じように、効果や値段を開示して下さい。魔王については彼女も宿屋の少女と同じ程度しか知りません。

 たからもの追加取得
 基本パーツもしくは魔物のパーツ5つか強化パーツ2つで買える

  • 武器屋
    その店には剣や銃といったものから何のものか良く分からないかぎづめ等、武器と呼ばれるものがずらりと並んでいた。君達の使っているものと比べると粗雑なものだが軽く使う分には問題無く使えるだろう。
    呼びかければ、奥の鍛冶場のように見える場所から短髪の少女が出てきた。彼女がここの店主なのだろう。

 ローという少女が店主を務める店になります。道具屋と同じように、効果や値段を開示して下さい。魔王については彼女も宿屋の少女と同じ程度しか知りません。

 攻撃マニューバを一つ取得可能(バトルパート終了時データから消去)
 取得するマニューバのレベル+1個の基本パーツもしくは魔物のパーツか基本パーツで支払う時の半分(切り捨て)の数の強化パーツで買える

●王城
+ ...
    多くの人とすれ違いながら歩いていくと、徐々にすれ違う数が減っていき、人の声も遠くになっていく。人とすれ違わなくなり、声がぼんやりとしか聞こえなくなったころ、君達は輝くような城の前に辿り着いた。
    誰かに止められることもなく、大きな扉が目の前にある。
    君達がしっかりと力を入れて押せば扉はいともたやすく開くだろう。

 描写の通り城の前です。扉から中に聞き耳を立ててみても、周りを探索してみても、遠くから声が聞こえてくる以外は静かで何かが居そうな気配はありません。
 扉を開いて、中にはいる場合は次の描写に進んでください。

    中へ入ればずらりと並んだ使用人が君達を出迎えた。それと同時に背後でバタンという音がする。けれど、そんなことが気にならない程に君達の目を引いたものがある。
    使用人に囲まれて玉座に座り、君達を見て微笑む少女。
    彼女を見た瞬間、君達には分かった。彼女はネクロマンサーだ。

 ネクロマンサーは今まで取られてこなかった選択肢を選んだ姉妹達に驚きつつも、新鮮な行動にご機嫌になります。会話が滞ったのなら次のシーンに進んでください。
 セリフ例は以下の通りです。

「嬉しいなぁ、まさか来てくれる勇者がいるなんて!」(最初)
「君達も珍しい物を見た時は興奮するだろう?初めてだから嬉しいんだよ」(なぜそんなに喜んでいるのか)
「そんなに警戒しないで。僕は今とっても楽しいんだ」(警戒された場合)
「ネクロマンサーなんて呼ばずに王と呼んでくれない?今は僕の役割はそれだからね」(ネクロマンサーと呼ばれた場合)
「アンだよ。ふふっ、機嫌がいいから名前で呼んでもいいよ?」(名前を聞かれた)
「ダメだよ。折角なんだから、僕と遊んで行ってよね」(外に出たいといわれた)
「魔王は僕のお気に入りなんだ。まぁ、君達に合う事は無いかもね」(魔王について)

    「じゃあ、そろそろ遊ぼうか」
    そう彼女が言うと、ずらりと並んでいた使用人達が一斉に君達へ敵意を向ける。
    この状況から逃れるためには戦うしかないだろう。
    王城のバトルパートに移って下さい。

バトルパート

☆魔王城
+ ...
●勝利条件
 勝利条件は「魔王の完全解体」です。
●カルマ
 バトルパートでのカルマは「一人も完全解体されない」です。

敵の配置は以下の通りです。
魔王以外の手駒のデータは基本ルールブックと箱庭の物語を参照して下さい。

※数が書いていないものは1体

+ 魔王データ

  • 戦術
 ヒルコの庇うやドラッグイーターの妨害を利用し、魔王を守りながらスウォームで嫌がらせをし、魔王で大きなダメージを狙っていきましょう。魔王は機動力が高い為、ホッパーで避けるのも視野に入れていきましょう。また、失敗作でリミッターを絶対に壊せるので1ターン目が終了したなら壊すといいでしょう。
 防げる手が減ってきたなら、平気がある限り攻撃できるので、足、胴に攻撃が当たる時は受けてしまうのも手です。生存本能で相手を痛い目に合わせましょう。
 魔王は戦闘を淡々とこなしますが、ダメージを受けた際に押さえきれなかった声を入れると、いいと思います。

魔王が破壊されたなら姉妹達の勝利です。
戦闘終了処理をして下さい。

☆王城
+ ...
●勝利条件
 勝利条件は「王の完全解体」です
●カルマ
 バトルパートでのカルマは「一人も精神崩壊しない」です。

敵の配置は以下の通りです。
王以外の手駒のデータは基本ルールブックと歪曲の舞踏を参照して下さい。

※数が書いていないものは1体

+ 王データ

  • 戦術
 まず、マウントの乗り手兼主には王を指定しましょう。また、改造しているので隠せますが、強制再起動のためにデータを公開しておきましょう。
 基本的に精神攻撃がメインです。精神攻撃担当のバンシー、ナイトメアは、攻撃できる位置に移動して、どんどん攻撃していきましょう。
 王は、マウントに守られながら、援護や妨害、具現する悪意等で嫌がらせをしていきましょう。誰かホラーが倒れた時が本領発揮です。強制再起動を使ってヘイトを買っていきましょう。
 また、マウントは王を守るために反射跳躍で逃げられるようにしておく為に基本的に巨大な足で移動するといいでしょう
 描写については、王城に来た姉妹が敵の時はひたすら楽しそうに。●お気に入りからの場合はひたすらに攻撃的に演じるといいと思います。

  • 戦闘終了処理(共通)
戦闘に勝利した場合以下のパーツが獲得できます
人数 基本パーツ 強化パーツ
3人 14
4人 18
たからものの効果処理など、戦闘後処理をすべて終えたら、
●魔王城から来た場合はエンドパートの☆魔王城
●王城から来た場合はエンドパートの☆王城
●お気に入りから来た場合は☆勇者
に移動して下さい。

 戦闘に敗北した場合はどのルートかに関わらず、最初と同じように、記憶を失った状態で姉妹達が目覚める演出をして、セッションを終了して下さい。

エンドパート

☆魔王城
+ ...
    魔王と名乗る少女が倒れ、取り囲んでいた化け物は去り、君達は自分達の治療を終えた。少女が実際に魔王であり、いっていたことが正しいのならば扉が開く筈だ。
    けれど、いつまで待っても扉が開く様子はない。どうしたらいいのかと悩む最中、何かを叩くような音が君達の耳にはいる。そちらを見れば、不揃いの色をした双眸と頭に乗った王冠以外白い少女が手を叩いて微笑んでいた。
「ありがとう勇者様、最後にふさわしいとてもいい劇だったよ」
    知らない少女のはずなのに、君達にはなぜか分かる。彼女はネクロマンサーだ。


 とても楽しい見世物が見れたのでネクロマンサーは上機嫌です。彼女に戦闘の意思はありません。魔王が負けた以上これからはワンサイドゲームになってしまう事が分かっているので、姉妹がこれからどうしたいか(ここに居たいか、外に出たいか)を聞きに来ただけです。姉妹から疑問を問いかけられても、警戒されても無視をし、存分に姉妹達を褒め称え、にこにこと笑いながら問いかけましょう。
セリフ例は●王城にあるので参考にしてください。
 但し、村の魔物を倒しパーツを得ている場合は、姉妹達の希望を聞く前に、取得したパーツ数を足したシークレットダイス(行動判定)を振り、成功した場合は●因果応報に移動して下さい。
 基本的にここから出たいというのが望みだとは思いますが、ここにいたいと答えた場合は、姉妹達はサヴァントとなり、町の一員として扱われます。その描写をして終わって下さい。
 外に出たいと答えた場合は次の描写へ移行して下さい。

「いいよー」
    君達のここから出たいという言葉にあっさりと少女は承諾した。あ、でもその前に。と少女は言葉を続け、一つ手を叩く。
「消してた分を返してあげるね」
    突然、頭の痛みと少しの吐き気が君達を襲う。
    それが収まったころ、君達は忘れていた記憶の欠片を取り戻した。

 継続のドールの場合は最初に消した記憶のカケラの回復を行い、姉妹全員に記憶のカケラを一つ配布して下さい。(特に渡したいものがない場合はランダムで決めるといいでしょう)
 配布が終わったのなら次の描写に移って下さい。

    君達が落ち着いたのを確認した少女は君達が何かをいうよりも早く、ぱちんと指を鳴らし、にこりと微笑み手を振った。
「ばいばーい」
    その声が聞こえ、意識が一瞬遠のいて、君達は気付けば荒野の中にいた。
    ネクロマンサーである彼女を信じるのならば、君達は外に出たという事になる。
    なんにせよ、周りに君達以外の気配はない。ここで一休みしていくといいだろう。

 ここで姉妹に描写したいものがあるか確認して、姉妹の描写が終わったのなら次の描写で締めて、寵愛点を配布しセッションを終了して下さい。

    これから君達が何をするにしろ、それは今回の物語の後日談。
    君達は勇者として魔王を倒し、英雄譚はここで終わりを迎えた。


●因果応報
    にこにこと笑っていたネクロマンサーが突然何かを思い出したかのような顔をし、再度、にっこりと笑う。先程と同じ笑顔のはずなのに、なぜか君達を悪寒が襲った。
「ねぇ、君達そういえば、僕の玩具を壊したよね?」
    何のことだか君達には一瞬分からなかった。
    魔王のことをいっているのなら、先程まで彼女が上機嫌だった意味が分からない。
「あぁ、いや。殺したって言った方がいいかな?」
    そういわれてハッとする。君達が殺したものはもう一つある。魔物だろうと思ったあの化け物たちだ。
「思い出した?ということで、一つ運試しをしよう」
    ネクロマンサーがパチンと指をはじく。その音を聞いた瞬間、ふと眠くなった。

 行動判定‐1で全員に判定をして貰って下さい。失敗したドールは眠ることになります。全員が眠ってしまった場合、もしくは1人以外が眠ってしまった場合はネクロマンサーに素材として使用され、変異特化の改造をされたサヴァントとして魔物の村に連れていかれることになります。描写をしてセッションを終了してください。(1人の場合もアウトなのは一人ぼっちで外に出してもかわいそうだから(ネクロマンサー談))それ以外の場合は、「意志が強いね。まぁ、しょうがないかぁ」といって通常時と同じように外に出してくれます。荒野の描写をし、寵愛点を配布してセッションを終了して下さい

☆王城
+ ...
「あーあ、負けちゃった」
    その一言を残して、ネクロマンサーの少女は倒れ、手駒は全て動かなくなり、それと同時にひどい頭痛と軽い吐き気が君達を襲った。
    何者かからの攻撃かと身構えても、君達以外の気配は周りにはない。原因が分からない以上一度体を休めてみるのが得策だろう。
    体を休めていると次第に痛みも吐き気も引いていく。
    そしてその全てがなくなったころ、君達は少しの記憶を取り戻した。

 継続のドールの場合は最初に消した記憶のカケラの回復を行い、姉妹全員に記憶のカケラを一つ配布して下さい。(特に渡したいものがない場合はランダムで決めるといいでしょう)
 取得が終わったなら次の描写に移って下さい。

    人心地をついて、ふと足元を見ると一枚の紙が落ちていた。
    それにはこう書いてある。
「記憶を取り戻したなら崩壊はもうすぐだ。玉座を通り過ぎ、外に出ていくといい」
    その紙の文字が真実であることを表すかのように、どこからかガラガラという音が聞こえ、上から小さな瓦礫が落ちてきていた。
    急いで玉座の奥を見に行けば、入り口と比べると小さな扉がみつかった。恐らくそこから外に出ていけるのだろう。
    戸惑う暇はない。ここにいても潰されるだけなのだから。
    君達が扉を開き、急いで外に出ればそこには荒野が広がっていた。
    後ろを見れば大きな建物が一つ佇んでいる。君達はどうやら大きな箱庭の中にいたらしい。その箱庭の主があのネクロマンサーだったという事なのだろう。
    これで、君達は自由になった。これから何をするか話し合ってもいいだろう。

 ここで姉妹に描写したいものがあるか確認して、姉妹の描写が終わったのなら次の描写で締めて、寵愛点を配布しセッションを終了して下さい。

    今回の物語はここで一区切り。だってこれは英雄譚。
    君達が知らない哀れな少女がいるとしても、英雄たる君達が大きな悪を倒したのだから、これで物語はおしまいだ。
「どうか、君達の後日談が面白くある様に」
    誰からか分からない紙の裏にはそう書かれていた。

☆勇者
+ ...
    ネクロマンサーは、ほとんど動けないものの、まだ意識はあるようで、憎々し気に君達を見つめた後ふぅと一つ息を吐いた。
「……はぁ、もういいよ、負けたし。ここから何処かに飛ばしてあげる。その子もついでに連れてって。もう顔も見たくないし」
    そういって倒れている魔王のことを指し示し、君達に言うとふいっと顔をそむけてみせた。

 ネクロマンサーは致命的なダメージを受けており、自分がもうすぐ動けなくなるであろうことを察している為、勝手に幸せになればいいという思考で皮肉は言うものの態度が柔らかくなっています。記憶を渡す前に、会話を姉妹がしようとするのなら少し付き合ってもいいでしょう。
 特に何もなさそうなら次の描写に移って下さい

    彼女は、ふと何かを思い出したといった様子で君達に笑顔を向ける。
「返してあげる。最後にいい顔見せてよね」
    ネクロマンサーがそういったとたん。君達の頭に痛みが走り、吐き気がこみ上げた。
    しばらくし、それが収まったころ。君達は忘れていた記憶の欠片を取り戻した。

 継続のドールの場合は最初に消した記憶のカケラの回復を行い、姉妹全員に記憶のカケラを一つ配布して下さい。(特に渡したいものがない場合はランダムで決めるといいでしょう)
 取得が終わったなら次の描写に移って下さい

    君達の頭痛が収まったころ少女は君達が何かをいうよりも早く、ぱちんと指を鳴らし、にこりと微笑み手を振った。
「じゃあ、バイバーイ。せいぜい、幸せになってね」
    その言葉を聞き、一つ瞬きをする間に君達は荒野に立っていた。少し見渡せば、魔王が近くに倒れているのも見える。
    近くに敵の気配は感じない。ここで少し休んでも大丈夫だろう。

 ここで何か描写をするかどうかを聞いて下さい。
 魔王を起こすのなら、以下のセリフ例を基に描写して下さい。
 魔王を起こさないのなら☆魔王城の締めの描写をし、寵愛点を配布し、セッションを終了して下さい。

「こ、こは……?城から出られたの……?」(起きた直後)
「……なら私はどうすればいいのかしら」(外に出れたと確信後)
「……いいの?私、あなた達を何度も……。いえ、あなた達には分からないわよね」(一緒に行こうといわれた場合)
「少なくとも、一度あなたたちを壊そうとしたのは確かなのだし、いつ暴走するかも分からないと思うけど、一緒でいいの?」(↑の後)
「それであなたたちが納得するなら、ついていかせてもらうわ」(ついていって良い理由を言われた場合)
「あぁ、そうだ。まだ名乗ってなかったわ。私はね、マオっていうの。これからよろしくね」(完全に受け入れられた後)

 魔王を起こし、受け入れるのならすでに取得している魔王への未練を姉妹に変更、もしくは、魔王に姉妹としての未練を取得しても構いません。
 一通り描写が済んだのなら、次の描写で締め、寵愛点を配布しセッションを終了して下さい。

    さて、ここで物語は一区切り。
    これから先君達が何をするとしても別の物語だ。
    だってこれは英雄譚。君達は悪を倒し、少女を救ったのだからここで物語は終わりだ。
    ここから先は後日談。君達が何をするとしても、ここからは自由だ。魔王と呼ばれる少女だって、幸せになったっていいだろう。
    どうか君達の後日談に、幸運がありますように。

ネタバレ

+ ...
 寵愛点44点の新規製作ドールでのプレイを推奨とするのは、今回の物語がループしていた、という設定だからです。
 ネクロマンサーは魔王の精神をうまく保ちつつ、魔王が姉妹と戦わなければならない状態にすること(戦わなければ姉妹もここから出さないと脅している)で、何度も同じように殺さなければいけないという苦痛を与えるという事を楽しみにしています。
 姉妹達が一度勝てば、これからもずっと勇者側が勝ってしまう可能性が高い為、それはそれで面白いけれど、ちょっと違うので外に出してくれるわけです。そしてまた別の姉妹を作る、もしくは拾ってきて……というループをしている訳ですね。
 なのでバトルパートに負けたドールは、少し寵愛点を足して、もう一度というのもありかもしれません。

最後に

+ ...
 登場人物の口調が演じづらい場合や、本文が読みづらい場合には、自由に変更してかまいません。今回、登場人物にはギリシア文字から名前を付けているのですが(魔王とネクロマンサーはΩ(オーマとも読む)A(アンペア)から)、他の名前に変更しても大丈夫です。また、特殊アイテム(赤い薬等)の効果もNCの判断で変えたり、なかったことにしていただいて構いません。
最終更新:2021年10月23日 10:58