「日本の将来展望:エネルギー不足をどう解決するか」についての私なりの考察

   太陽光発電の可能性と宇宙開発競争:
   小惑星帯からのレアメタル獲得競争はもう始まっている。
   究極の原子力発電は太陽原子炉である。太陽の効果的活用法とは? 

3.太陽エネルギーの開発競争 日本の取るべき選択

  どうやって狭い日本において膨大な量の太陽エネルギーをかき集められるのであろうか。現在世界的に進行しているメガソーラー太陽光発電はどのようになっているのであろうか?下図はウィキペディアから拾った資料である。太陽電池そのものの生産量は、残念ながら、日本は欧州や北米と横並びで、中国、台湾勢の急速な増加が目立っている。

  
出典:ウィキペディア:太陽光発電の市場動向日本の太陽光発電所

 日本よ負けるなと言いたいが、生産コストの安い中国、台湾が圧倒的に有利なのは明白だろう。日本企業が中国などで生産したものを逆輸入し、国内で太陽光発電を展開するというのが、最も安価な方法かもしれない。右図は、日本国内の出荷状況であるが、国内向け出荷は2008年ごろまで低迷していたが、近年かなり伸びてきている。政府の強力な後押しがなければ伸びない事情があるようだ。電力会社を中心とするメガソーラー発電計画も着々と進んでいるようである。(下図)
出典:ウィキペディア 日本の太陽光発電所
米倉山太陽光発電所

しかし、山を切り開いて設置してあるように見えるのは気のせいであろうか。おそらく、空き地などを有効活用したのであろうが、自然との調和がとれていないように見える。もしかすると日本国中の山々をメガソーラー発電で塗りつぶす計画があるのであろうか。かなり心配である。
 下図は、日本の森林面積と森林備蓄の推移を示したものである(出典:日本の森林分布・面積- 私の森.jp 〜森と暮らしと心をつなぐ)。森林面積はほとんど横ばいだが、森林備蓄は増大の一方である。
森林面積の推移 出典:林業白書林野庁森林資源現況調査(平成19年)森林蓄積の推移 出典:林業白書林野庁森林資源現況調査(平成19年)
なぜこのようなことが起きているのであろうか。森林の保護が叫ばれる中、せっかく植林して育てた人工林が放置されている現状がある。外国からの安い木材輸入によって、国内の森林の伐採がほとんど行われていない現実があるからである。間伐するにも費用がかかり、そのまま放置されている。そのため、適切な枝落としがなされていないことから、節の多い低級の木材ばかりとなっている。そのまま放置して枯らしてしまうより、伐採して有効活用することが現在さまざまな方面から叫ばれている。もったいないが、木材として利用できないのであれば、まきや木炭として発電所のエネルギー源として活用しようではないか。間伐材をあつめて発電する計画も小規模ながら始まりつつあるようである。ここに政府が後押しして、森林を利用した太陽エネルギー活用計画を推進する必要がある。
植林→CO2吸収しながら木々の生育→伐採および間伐→火力発電(燃焼してCO2の放出)→植林        (1)
のサイクルを実現することにより、木材を燃やしてもCO2温暖化には影響しないことは、明らかである。また、このサイクルを繰り返すことは、森林の保護にもつながる。しかしながら、問題として、低コストでこれを実現できるかどうかである。残念ながら、伐採するより、外国から安い木材を購入したほうが現時点では安価と言わざるを得ない。安い木材は、開発途上国での森林を大規模に伐採しての土地開発にある。ここでは(1)のサイクルは成立していない。CO2問題では問題ありとなる。
 さて、ガソリンにとって代わるアルコールを有り余る木材から生成できないかという考えがあるが、現時点では木材からアルコールの生成はたいへんなコストを必要とするようである。まだ研究途上と言えよう。木炭で走る車を開発したほうが経済的かもしれない。
 日本は森林大国であり、世界第3位の森林保有国でもある。国土の約7割は森林なのである。これを有効活用していくことは、とても重要であり、エネルギー問題の解決策の一つとして十分考慮していく必要がある。
 
最終更新:2013年02月22日 18:37