「日本の将来展望:エネルギー不足をどう解決するか」についての私なりの考察

   太陽光発電の可能性と宇宙開発競争:
   小惑星帯からのレアメタル獲得競争はもう始まっている。
   究極の原子力発電は太陽原子炉である。太陽の効果的活用法とは? 

4.太陽エネルギーの開発競争 日本の取るべき選択2

 日本は世界第3位の森林大国であるが、周りを海で囲まれた島国である。日本国の国土は狭いが、海は広大である。これを利用した太陽光エネルギー獲得を考えることは、国土の広い大国とのエネルギー獲得競争に対抗しうる手段を獲得することになる。しかし、簡単ではなさそうである。海面に太陽光発電パネルを大量に浮かべるなんてことは、誰でも考えつく単純な発想であり、しけ時の破損などを考えると、維持管理は困難を極めそうである。また、漁業にも影響がありそうである。地球温暖化によって、日本の周りの海がだんだん暖かくなっている折、太陽光発電パネルの設置で海水温度を下げる効果もあると考えれば一石二鳥かもしれないが、台風対策や船舶の航行障害、海水による漏電対策などの問題山積みで、とてもペイする話ではないかもしれない。
 海洋の自然を守りながら、光合成植物や微生物を大量に培養し、生産物を加工するシステムを構築するというのも選択肢の一つであろう。ただ、微生物の場合、海の一区画に留めておくことは不可能であろう。小さなプールで培養するしか手はなさそうである。エネルギー源として有効で、太陽光を吸収してどんどん成長するやや大きめの植物をどこかの海域で盛大に養殖し回収する。生産物を効率よく、しかも、安価に加工し、最終の目的物に仕上げるシステムが考えられればと思うのであるが・・・・・ 具体的には、今の私には何も案が浮かばないのが実情である。そもそも、どんどん成長する植物があたり一面の海に広がったら、それを止める手立てもないばかりか、近辺の漁業に大打撃を与え、それが世界中に広がりでもすれば、あ、いや、それ以上考えるのはやめよう。とにかく、現時点で有効な方策は思いつかないとだけ述べておくことにとどめよう。しかし、何か方策はありそうである。

5.太陽エネルギーの開発競争 日本の取るべき選択3 宇宙開発

 日本は国土は狭く、石炭、石油がふんだんにあるわけではない。ほとんど全て、外国からの輸入に頼っているのが現状である。ふと、空を見上げると、エネルギー源としての水素ガスを大量に保持する木星があるではないか。なんとかして木星から大量の水素ガスを運んでこれれば、エネルギー問題は解決するかも、と馬鹿な発想をしてみた。実はこの解決策は、悪魔の発想であった。確かに水素を燃やせば水H2Oが生成するだけで、環境問題なんて発生しようもなく、なんの問題もないように見える。しかし、地球の元素バランスが崩れてしまうのだ。少量の水素ガスを木星から運んだだけなら問題は起きないが、大量に運び続けたら、これは大問題を生じさせることになる。大量に運んだ水素ガスがすべて地球の大気中の酸素と反応し燃えてしまったら、酸素濃度が激減し、地球は死の星と化してしまうことは明白である。木星の水素ガスエネルギーを当てにしてはならないことが、ここで明確になった。いや、水素だけではない、その他の酸素と結び付く燃焼性のある化学物質を他の天体から大量に地球に持ち込んではならないことになる。ということで、燃焼性のある化学物質を他の天体から持ち込む計画は選択肢から排除される。
 さて、表題にもある「究極の原子力発電は太陽原子炉である。太陽の効果的活用法とは? 」という問題に、話を移行しようと思う。まさにそのとおり、太陽は古代より生命を育んできた礎であり、われわれ人類の生みの親でもあるが、銀河系宇宙の中では核融合という水素を燃焼させヘリウムを生成する恒星として位置づけられる。これは、超巨大な核融合反応炉であり、科学が追い求めてきた夢のエネルギー源なのである。このエネルギー源は誰のものでもないが、生きとし生けるすべての生物がその恵みを享受している。エネルギー資源に乏しい日本は、いかにして効率よく万民共有の太陽が放つエネルギーを獲得するかを考えねばならない。ここに、宇宙開発競争に参入しなければならない理由がある。まだ石油が安く使える今でなければ、宇宙に進出する夢はどんどんと遠ざかってゆくことであろう。宇宙に出るためにはロケットが必要であり、ロケットの燃料は石油から精製し化学的に変化させたものを使用することが多い。石油価格がどんどん高騰するのは目に見えているが、安く手に入るときに宇宙開発に積極的でなければ、燃料が高価になると、ロケット打ち上げ費用がどんどん嵩むようになるであろう。
 それでは、ロケットを打ち上げて何をするのかであるが、人工衛星を大量に打ち上げ、できるだけ太陽に接近させ、巨大な鏡を使って太陽光を集光し、地球を回る人工衛星に送り、そこから地上に送るのである。地上ではキャッチした太陽光を使って太陽光発電を行うことになるが、太陽光が十分強ければ、直接黒色物体を加熱し、水を沸騰させて発電タービンを回す方法が最も効率が良いかもしれない。その他の方法として、レンズで集光して太陽光発電パネルに照射することにより発電効率を上げた実例もあるので、この方法を大規模化してもよいかもしれない。安全性を考え、あまりにも強力な太陽光線ビームを地表に送るることは避けたほうがよいであろう。太陽光線をキャッチする場所はできるだけ広い範囲で太陽光線をキャッチできる安全性を考慮したものにする必要がある。問題があるとすれば、雲や空中浮遊物質による光の拡散である。ロスがあまりにも大きければただ地表を温めたで終わってしまう可能性があり、地球温暖化に拍車をかけることになりかねない。太陽光の周波数を変調し、損失が最小限になるようにできればよいのだが、問題は残されている。さらに、太陽風などの影響が大きいことも、この計画の成功に関わる重大な問題である。とにかく、問題は山積みであるが、チャレンジである。
 このような考えは、私が独自に考え出したものではない。ずっと以前から、日本国内の研究機関で研究開発が進んでいる。京都大学の研究チームは、宇宙空間で太陽光発電を行い、マイクロ波(大気中の透過率が最も高い周波数の電磁波)にして地上にエネルギーを送信する研究を進めている。大阪大学の研究チームは、太陽光をレーザー光線に変換する装置の開発にかなりのレベルで成功している。宇宙空間で太陽光を集め、それをレーザー光線に変換すれば、レーザー光線の直進性と遠距離到達性は通常光線よりはるかに高いので、遠距離の人工衛星間のレーザー光線によるエネルギーのやり取りは実用的レベルに到達するであろう。あとは、大量の人工衛星群によってかき集められた太陽光エネルギーをどのようにして地上に効率よく送信するかである。日本は資源の乏しい国であるので、エネルギー資源も輸入に頼らざるを得ない状況であるが、無尽蔵にある太陽エネルギーを宇宙空間からかき集めてこれれば、エネルギー輸入に頼る必要がなくなる。もちろん安価な電気エネルギーを供給できるようになれば、国内での工場誘致にとって有利となり、産業の空洞化は防げることになる。日本という国を維持し、産業を活発化させるためには、日本は宇宙開発競争に乗り出さなければならない。
 出典:ウィキペディア:宇宙太陽光発電

最終更新:2013年02月14日 15:29