地球温暖化vs寒冷化

地球温暖化が昨今問題となり、北極の氷が解けているとか、異常気象とか言われ、ここ数日急に冷え込んでから急に暑くなったりと、まさに異常気象の様相である。しかし、一方、太陽の黒点活動から2030年ごろから寒冷化が進み、小氷河期が来るかもしれないという話もある。いったいどちらが正しいのか、専門家でない我々はどちらを信じていいのか困ってしまう。
 少々個人的見解で申し訳ないが、CO2を地球温暖化の主犯と決めつけるのは少々行き過ぎではないかと思っている。確かに温暖化は起こっている。しかし、CO2濃度の上昇と平均気温の上昇から短絡的にCO2が原因で温暖化が起きていると決めつけることはできない。別に石油会社から金はもらってもいないし、石油会社に勤めているわけでもないが、単純に科学的推論に無理があるように感じている。気温の上昇とともに水に溶ける気体の量は減っていくということはよく知られた事実であり、お湯の沸騰直前で水に溶けている気体が気化して気泡が出てくることは、たぶん、誰でも知っている。気温が上昇すれば、淡水や海水に溶けるCO2の量が減り、空気中のCO2量が増えると考える方が自然である。もちろん、反論はある。大気中の炭素同位体C13の比率測定から、化石燃料のC13比率と一致し、海水中の比率とは一致しない。よって、CO2主犯説は正しい、というものである。しかし、もう少し掘り下げて考えてみよう。海水中にも淡水中にも植物プランクトンは大量に存在し、光合成によりCO2を消費している。気温上昇しても、大気と接する表面付近のCO2濃度が増えるだけで、実際の大気中へのCO2放出量はほとんどないのかもしれない。逆に言えば、海水や淡水の大気中のCO2を溶かす力が気温上昇とともに弱まるため、大気中のCO2濃度は他で供給されるCO2量とのバランスの関係で上昇したと考えることもできる。結局のところ、気温上昇が原因で大気中のCO2濃度が増えたと考えた方が無理がないように思われる。決めつけて物事を言うのはあまり良くないと思っている。CO2が温暖化を引き起こす温室効果を持っていることも正しいと思っている。じゃあ、どっち、白か黒かはっきりせい、という人もいると思うが、科学の世界は白黒はっきりしないことの方が多いということを知るべきであると思う。はっきりしていれば誰も研究しないので、現在科学的研究に携わっている人は、はっきりしていないことを研究している。つまり、科学は明白ではない。
 実際問題として、人為的温暖化の可能性は非常に高い。ヒートアイランド現象はよく知られたことであり、都市部の気温は他より少し高い。人間が排出する熱は膨大であり、それが地球温暖化の原因になっていないと言い切ることはできない。膨大な量の化石燃料をエネルギーを得るために燃やし、その量は年々増加している。エネルギーは最終的にはすべて熱になるので、地球規模のヒートアイランド現象が起きていてもおかしくない。しかし、それから予測される気温上昇よりも高い上昇が起きているらしい。それゆえ、CO2主犯説が支持されるわけであろう。
 ヒートアイランド現象そのものは、人為的建造物などの熱放射環境が異なるために起こるという、外的環境要因を主原因としている解説が多い。人為的熱排出(暖房器具やエアコン、車など)もヒートアイランド現象にかなり寄与していると思われるが、最近の研究報告は人為的熱排出の寄与はかなり小さいと結論している。しかし、様々な要因が複合して現象が起こると考えるのが正しい考え方であろう。
 また、地球温暖化へのヒートアイランド現象の寄与は2-4パーセントという研究報告があり、かなり、小さいようであるが、全くないわけではない。
 太陽活動の周期からは寒冷化が起こるという話があったにもかかわらず、なぜ温暖化が起きているのか?様々な要因を突き詰めていくと、CO2主犯説に辿りつく。しかし、決定的証拠は?
 なぜ、このような疑念を抱くのかと言うと、科学を過信しすぎた結果、誤った結論に至った例が多いからである。科学は未だ発展途上であり、未解決の問題が星の数ほど存在する。わかった、これが真実なんだと、多くの人が理解し社会的通念となった後から、新たな発見があり、根底から覆された事例は沢山ある。多くの人が信じているからと言って、正しいとは限らないのが科学の世界である。科学は多数決では決まらない。
 一時期、ダイオキシンの猛毒性が問題となり、一般家庭や学校の焼却施設がすべて撤去された。また、発生源とされた塩ビ製品も大打撃となり、日本国内での塩ビ生産は大きく減少した。しかし、最近の研究では、ダイオキシン無害説があり、Wikipediaにもその記述がある。人体実験がほとんど存在しないことや、ダイオキシン事故の調査結果などから、示唆されている。危険性の可能性は研究報告で提出できるが、危険性の否定はほとんど不可能であることが、人々に不安を抱かせ、行き過ぎた結論へと導いてしまう。科学は常に流動的であり、真実はこうだと断定することが極端に難しい分野であると思い知らされる。ルイビトンやグッチのバックは塩ビの製品が最近多い。肌触りもよく、長持ちすると評判である。(一応念のため、科学が警鐘して人類の危機を回避した成功事例として、オゾンホールの問題がある。多くの家電企業製品からフロンガスを撤廃したおかげで、オゾンホールの拡大は止まっている。しかし消滅はしていないのでまだ予断を許さない状況のようである。)

1.気候が原因で二酸化炭素濃度が変わる。
2.二酸化炭素濃度が原因で気候が変わる。
3.近年の地球温暖化は、2が大きな原因である。

上記1~3は東北大学のpdfから参照したものである。冒頭で述べた私の見解は1であったが、これは別に間違ってはいないという認識でよいようである。ただし、CO2濃度の増加は人為的寄与(大量の化石燃料の燃焼によるもの)の影響が大きく、CO2の温室効果によって平均気温の上昇が世界的に起きていると考えるのが地球温暖化論の正統的解釈のようである。しかし、温暖化のあと寒冷化が来るのであれば、莫大な費用を費やして温暖化対策を講じることの意味があるとは思えない。太陽の黒点活動が近年になく異常に弱まってきているようであり、あと2、3年様子を見てはどうであろうか?

 今年、2015年は、記録的に平均気温が上昇したという報告があり、ここ十数年程度横ばい状態だった平均気温が一段と高い値になっているようである。やはり、地球温暖化はさらに続いていくのであろうか?ここ3年は温暖化が続いているので、いままで温暖化に懐疑的であった人の意見が消極的になってきている感がある。

 しかし、どうも釈然としない。CO2が温暖化の主犯であれば、それを科学的に証明する説明を専門家がきちんとするべきであったと思う。後で反論されるような科学的根拠を欠くマスコミ報道が多かったことが、地球温暖化懐疑論が台頭するきっかけを作ったのではないであろうか? 一つは、北極海の氷が解けて海面上昇が起こると報道したマスコミがあったことや、海面上昇により大都市が水没すると危険性を誇張したことであろう。南極の氷が融ければ海面上昇が起きるが、今年11月はじめの記事によると、南極の氷は増えているとNASAの研究チームの報告があり、これまでの南極の氷が融けているという調査結果が間違いであること示した。いったいどういうこと?と考えさせられる。これまでの専門家チームの研究報告はいったい何だったのだろうか。地球温暖化ありきで研究助成金をもらっているため、温暖化に反する結果の研究報告は廃棄されているという、ネット上のどこかで騒がれているようなことが本当に起こっているのだろうかと、疑いたくなってしまう。他の研究者による追試研究の必要性が強調されるべきであろう。

 温暖化ビジネスの問題もある。排出枠をお金で買うなんて、言語道断。できないことを約束して、できなかったらお金で帳消しにするなど、だれが考えても不合理である。本来、あるべき姿ではないと思うがどうであろうか?

 しかし、CO2が本当に温暖化の主犯ならば、CO2量を直接減らす方法を考えてみてはどうであろうか? 液体窒素や液体酸素は空気圧縮ポンプを使って簡単に作れるようになってきた。その過程で、空気中に含まれている二酸化炭素はドライアイスになる?このドライアイスを地下などに大型貯蔵室を用意して、保存すれば良い。保温効率が悪いとドライアイスが気化して大気中に逃げてしまうが、長期保存してドライアイスを大量にため込むようにすれば、大気中のCO2濃度は減らせるのではないであろうか? なんて、書いてしまったが、この方法ではドライアイスはできないようである。(ドライアイスはどこかの工場で排出される副産物としてのCO2を回収して作られるのが普通。液化空気を作る場合、最初にCO2が不純物として除去される。)しかし、昨今、日本は慢性的ドライアイス不足で韓国から大量に輸入しているらしい。
 調べてみたら、IPCCでも議論されていて、火力発電所などで直接CO2を回収する事業が始まっている。回収したCO2をドライアイスにして大量に貯蔵すればよい。そうすれば、慢性的ドライアイス不足の解消にもつながる。

 正直言って、私自身、温暖化論に対してちぐはぐな思いである。温暖化に対して、他の国々、特にアメリカやEU、中国が率先して対策を講じるのならば、排出量4%程度の日本も渋々対策を講じるということは理解できる。しかし、日本が率先して国民の税金から莫大な費用を捻出し、EUやロシアなどの国々から排出権を買うなどと言っていることはまったく理解できない。温暖化ビジネスでいったい誰が得をしているのであろうか?少なくとも日本に住み税金を払っている人は、さらなる重税にあえぐことになる。
最終更新:2016年01月27日 17:18