地球温暖化vs寒冷化2

NASAの公式ホームページ(http://solarscience.msfc.nasa.gov/SunspotCycle.shtml)によると、
The Maunder Minimum
Early records of sunspots indicate that the Sun went through a period of inactivity in the late 17th century. Very few sunspots were seen on the Sun from about 1645 to 1715(38 kb JPEG image). Although the observations were not as extensive as in later years, the Sun was in fact well observed during this time and this lack of sunspots is well documented. This period of solar inactivity also corresponds to a climatic period called the "Little Ice Age" when rivers that are normally ice-free froze and snow fields remained year-round at lower altitudes. There is evidence that the Sun has had similar periods of inactivity in the more distant past. The connection between solar activity and terrestrial climate is an area of on-going research.

(マウンダー極小期:太陽黒点数の初期の記録は、太陽は17世紀後半に不活性な期間に入ったことを示している。およそ1645~1715年、たいへん少ない太陽の黒点が観測された。当時の観測は近年ほど詳細に行われていなかったが、実際この期間の太陽はよく観測されていて、この黒点の減少についての詳細な記述が文書化されて残っている。この太陽の不活性な期間は、“小氷河期”(または“小氷期”とも訳される。)と呼ばれる気候学的期間に対応し、通常凍らない川が凍結し、雪原が比較的低地において一年中残っていた。より遠い過去において太陽が同様に不活性な期間があったという証拠がある。太陽活動と地球気候との関係は現在活動中の研究分野である。)

とあり、下図の1645~1715年の異常に太陽黒点が少なかった時期と気候が寒冷化した時期が一致するとの説明がある。

http://solarscience.msfc.nasa.gov/images/ssn_yearly.jpg

http://solarscience.msfc.nasa.gov/images/ssn_predict_l.gif

現在の太陽黒点は上図のように2009年ごろから始まるCycle24の活動期にあたり、1960年ごろのピーク時から太陽活動は弱まる傾向を示している。研究者によって様々であるが、1800年ごろや1900年ごろの寒冷化した状況に近づいているという見解から、1645年ごろの小氷河期に状況が似ているなどの見解もある。正直言って、太陽活動が今後どうなるのか全く分からない。素人目に見ても、予測は難しいとわかる。今後の動向を見守ることにしよう。

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 上図左は、Wikipedia "Global warming" の検索ページからの引用であり、出典はNASAとなっている。これを見ると、1970年代中頃より地球温暖化が起きていることがわかる。1900年頃から温暖化が起きていると言えなくもないが、1940年頃のピークを境にして減少傾向に転じた。この時期、地球寒冷化が叫ばれたことが推察される。1970年代中頃以降は平均気温は上昇し、2003年頃に気温上昇は止まったかに見え、2013年頃までやや平均気温の微妙な低下も見られる。しかし、2015年度の平均気温は相当上昇したように思われるので、上昇傾向が続いていると見ることもできる。太陽の黒点活動は1960年頃をピークに減少傾向にあるので、明らかに太陽活動が弱まっているにもかかわらず、気温の上昇が続いていることになる。それゆえ、太陽の黒点活動と1970年代以降の気温の上昇に因果関係はないと結論付けられ、地球温暖化に対する人的寄与が最も大きいと推測される。上図右は、同じWikipedia "Global warming" の検索ページからの引用であり、CO2濃度が1950年ごろから急上昇していることがこのグラフからわかる。2000年代に入ってからさらに一段と増加しているように見える。CO2に温室効果ガスとしての性質があるらしいということで、地球温暖化CO2主犯説が現在最も信じられている。しかし、反対意見もあり、温度上昇が起きたからCO2濃度が増加したという前ページでの議論もある。CO2濃度の経年変化に1940年頃のピークはないので、この頃の平均気温のピークの説明ができない。(もしかすると、第2次世界大戦(1941~1945)の影響があったのかもしれない。戦時中において大量のエアロゾルを発生し、火山の噴火と同様な寒冷化現象が起きたとすると説明できるのだろうか?) 

 私自身は、地球の平均気温の上昇要因は、
1. 人類の膨大な化石燃料とエネルギーの消費によって生成する膨大な熱エネルギーが平均気温を上昇させ、CO2濃度の上昇を引き起こしている。
2. CO2の温室効果により、CO2濃度の上昇とともに気温が上昇する。
3. 気温が上昇することにより、CO2濃度が上昇する。(2と3は相乗効果がある。)
4. 1と2と3の相乗効果により地球温暖化が起きている。

 1については、ヒートアイランド現象と関係があるが、ヒートアイランド現象そのものは人間の熱排出よりも人為的建造物などによる環境要因の方が大きいとされている。都市部の温度上昇は主にコンクリートなどの保温効果がたぶんにあるであろう。人間が排出する熱は様々であるが、発電所や工場で発生する熱は巨大な煙突で上空高く放出されたり、河川や海水を温めたりする。人間の生活によって排出するエアコンや暖房器具の熱、自動車の排気ガスによる熱は、周辺の温度を上げるよりも、上昇気流に乗って上空へと逃げてしまうことの方が大きいのではないであろうか? ヒートアイランド現象で観測される気温は、周辺の地面や建物などから放出される熱と平衡状態にある表面大気の影響をかなり受けていると思われる。ヒートアイランド現象が地球温暖化にほとんど小さな寄与しかないのであるから、その主要因である人為的建物の環境要因もほとんど地球温暖化に寄与していないことになる。しかし、ヒートアイランド現象に小さな寄与しかない人間の熱排出要因は、地球温暖化に大きな寄与をしている可能性がある。人間の熱排出は上昇気流に乗って上層大気を温めたり、河川や海の流れに乗って海洋を温めるのではないかと考える。

 金星の温度とCO2の関係から、CO2の温室効果が非常に高いと言われている。しかし、金星は90気圧のCO2大気であり、地球の1気圧中0.04%とは濃度が全く違う。金星は現在もなお調査対象であり、火山活動など、未解明の部分が多い。地球におけるCO2の温室効果と大気中の濃度との関係についての詳しい研究報告が欲しいところである。

 結局のところ私が言いたいのは、地球温暖化のCO2主犯説は必ずしも正しいとは結論付けられない、ということである。正しい可能性は高いが、そうでない可能性も否定できない。しかし、単純にCO2主犯説が正しいのならば、空気中のCO2を減少させるための効果的方策を世界中の国々で協力し合って実行すればよい。CO2の物理・化学的吸着や空気圧縮冷却の繰り返しによる冷却CO2除去など、多少経費は掛かるが最終解決策となろう。しかし、CO2主犯説が誤りであった場合、太古から築き上げてきた地球自身の炭素循環システムの一部を損傷するかもしれないので、問題はより大きくなるかもしれない。

 しかし、CO2は地球において石灰岩、貝殻、サンゴの形で大量に存在している。酸性雨が降れば、石灰岩が溶けてCO2を大気中に放出しする。逆にサンゴ虫や貝類によってCO2を炭酸カルシウム(CaCO3)という固形物に変化させる。鍾乳洞などによるCO2の吸収と放出が行われていることも重要である。工業的にもセメントの原料など用途が大きく、化石燃料を燃やしてCO2が発生する以外に、様々な形でCO2は存在している。食塩と二酸化炭素とアンモニアと水から炭酸水素ナトリウム(重曹)を生成したり(ソルベー法)、他の炭酸塩化合物の生成で大気中のCO2を取り込み、固形物として倉庫に長期保存が可能である。

 しかしながら、地球全体の炭素循環のバランスがあるように思われる。過剰にCO2を固定しすぎると何か問題があるような・・・・・・
 

 

最終更新:2015年11月25日 16:28