地球温暖化が起きていることはほぼ確実であろうが、どのように起きているのだろうか? また、何が原因で起きているのであろうか? 多くの人は、CO2が原因で地球全体が温暖化していると考えていると思うが、果たしてそうなのか? NASAの公開データなどを元に再検討してみようと思う。(正直言って、地球温暖化論と温暖化懐疑論が感情的にぶつかり合っているため、冷静な目で真実を捉えることができなくなっているように思える。IPCCに対する不信感もあり、太陽黒点活動に見る地球寒冷化の兆候を公表しているNASAのデータは信頼できそうである。)以下の図はNASAのGISS Surface Temperature Analysisにあるグラフを示したものである。
赤道付近を除く北半球(a)と赤道付近(b)および赤道付近を除く南半球(c)の温度変化を1951~1980年の平均温度を0として表したものである。年平均が黒丸と破線、5年平均が赤線である。赤道付近と南半球は似たような経年変化を見せているが、北半球はかなり様相が異なっている。どうしてであろうか? もし、CO2が温暖化の主犯ならば、地球全体が一様に温暖化しているようにも思えるが、何か特別な事情が北半球にあるようである。この現象をもっと細かく分割して調査したのが、NASAのGISSプロジェクトと提携関係にあるコロンビア大学のページのデータである。
北極圏(Arctic)が最も異常な変化を示し、南極圏(Antarctic)へ行くほど異常性はなくなる。逆に言えば、北極へ近づくほど1940年付近のピークと近年の異常高温化(1900年付近の寒冷化も)が顕著になっている。この北極圏の異常が北半球の中緯度地域(N.Mid-Latitudes)に大きな影響を与えていることがわかる。
GISSプロジェクトはNASAのHansenが中心となって調査研究がなされたものである。また、Hansenは、1988年のアメリカ上院公聴会での地球温暖化に関する発言を行い、これを機に地球温暖化問題が世界中に広まったことでも有名であり、地球温暖化の父と呼ばれている。Hansenらは、人類が排出する大量のCO2が問題であり、350ppmを超えないようにするべきと主張していたが、2015年12月2日CO2濃度(ハワイ)は約400ppm近くである。
以下の図は、北極圏(a)と赤道付近を除く南半球(b)のNASAのデータを基に私自身で個人的にプロットしたものである。
*2016.1.27 2015年度の世界平均温度はそうとう上昇した。しかし、北極圏と赤道付近の除く南半球は平均気温が低下した。それゆえ、世界平均は相当上昇したが、その影響は下図には反映されていない。
上図(c)は、北極圏のデータから直線的に増加する成分((a)のところの黒い破線で示された直線成分)を取り除き、周期的に変化する部分を表示したものである。直線成分を取り除いた1920~2014までのデータにフィットするようサイン曲線を描いたものが緑色の曲線である。(a)の緑色の曲線はこの取り除いた直線成分とサイン曲線を組み合わせたものである。また、同じ直線成分を(b)の南半球のデータに重ねたものが黒い直線である。1960年以前はこの直線から大きく外れているが、それ以降から現在までは、かなり一致しているように見える。
直線成分の傾きの決め方は、(a)の破線で示したように、1940年前後と2008年前後のデータを直線で結ぶようにしてフリーハンドで決めたが、(b)の1960年以降の南半球データの最適直線で決めた方が良かったかもしれない。しかし、それほど変わらないであろう。また、サイン曲線も視覚的にパラメータをフィットさせただけなので最適解ではないが、おおよその傾向は見て取れると思われる。なお、1920年以前の気温データは、温度測定の正確さに大いに疑問があるのではないかと個人的に思い、この部分のフィットはほとんど考慮していない。また、図中表示の気温は(a)の北極圏(Arctic)に合わせてあり、他のプロットは、見やすさのため相対的に上下にずらしてある。
本図で示した(c)のプロットと予想曲線は、北極圏の温度変化に周期的変動があるように見えたことから、私が個人的にデータ処理したものである。専門家の意見ではないので、本図の取り扱いには十分注意していただきたい。
上図で示した解析の根拠は、単に北極圏の温度変化に周期的変動があるように見えたことから行っただけであり、それ以外のものはない。サイン曲線は約70年周期であるが、その根拠もない。しかし、かなり緑色の予想曲線と一致しているように見えるので、その根拠となる何かがあるのではないかと思われるが、専門家でない私にはこれ以上突っ込んで議論できそうにもない。しかし、この予想では、2015年付近は北極圏の温暖化のピークに当たり、その後、寒冷化が進み、約35年後の2050年ごろには70年周期の極小期が訪れる。南半球では約100年間に1.3℃ぐらいの気温の上昇が起こり、北半球は、北極圏と南半球の両方の影響を受けた変化をすると思われる。しかし、何度も繰り返し述べるが、この予想は専門家の予想ではなく、上記に述べた単純な周期性の抽出によるものであり、その処理の根拠は全くないので、妄信しないようにお願いしたい。専門家でない私の単なる個人的見解にすぎない。
北極圏の周期的変動は、地球全体の温暖化とは別の現象であり、地球全体の変動より大きい。そのことが多くの科学者を悩ませているのではないかと
推察している。この周期的変動の原因はまったく分からないし、そもそも、周期的変動なのかどうかもよくわからないが、その原因を早急に調査し、解明するこ
とは特に重要と思われる。人類が多く住んでいる北半球に重大な影響を与えていることは確かであり、このことの原因が特定できれば、温暖化対策の新たな方策
が見つかるかもしれない。
*大西洋数十年規模振動(Atlantic Multidecadal Oscillation)は、大西洋の熱帯域から北緯70度付近までの海面水温が、ほぼ同時にゆっくりと60年~80年周期で上昇したり下降したりする現象で、北半球のほぼ全域の気候が影響を受ける。 というものがあり、海洋研究開発機構・中村元隆氏の2013年6月29日付のプレリリース版に「北半球の気候変動要因の解明―グリーンランド海の急激な変化がもたらした北半球の気候変化―」でメカニズムを公表していた。その解説が、濱田 幸生氏による「地球寒冷化説と公共政策を誤らせた地球温暖化人為説 」でなされている。おそらく、上述の北極圏のおよそ70年周期の変動と大きな関係があるようである。この資料も私の予測と同じ2015年以降の寒冷化を予測している。
ヒートアイランド現象の効果について
観測された気温が上昇しているのは、観測点が都市部の影響を受けているためであり、ヒートアイランド現象そのものが反映されているのではないかという疑問がある。なので、都市部から離れた地点の観測結果だけで解析する必要があるという議論がよくなされた。たしかに一理あるが、地上ではなく、海洋上の気温を測定したデータも同様な温暖化の傾向を示しているデータが多くあり、地球温暖化が地球規模で起きていることは確かのようである。
CO2の温室効果について
CO2の温室効果はかなり小さく、金星の地表温度が異常に高温であることの説明をCO2の温室効果が原因とすることに疑問を感じている。その理由は、高圧大気が上昇気流に乗って低圧へと移動すると、気体の膨張で気温の低下が起こることである。また、逆に低圧大気が下降気流に乗って高圧へと移動すると、気体の圧縮で発熱し、気温の上昇が起きることである。気流の速度が温度上昇率や低下率に大いに関係していると思われる。金星のような90気圧の大気での対流現象は気圧の大きな変化を伴い、地表近くの大気の温度が高温になっていることは上昇・下降気流によって説明できるのでないであろうか? 地球の大気も上空へ行くほど気温が下がることはよく知られている。
気圧と気温の関係について
上で述べたように、大気圧が高くなれば気温の上昇が起き、気圧が低くなれば気温の低下が起きることは、金星の観測結果から予想される。惑星規模の大気の温度分布は、惑星の中心に向かえば温度は上昇し、中心から遠ざかれば温度は下降する。地球の温度分布もそのことを物語っている。地球のコアの高温も圧力との関係で同様に説明できるように思われる。つまり、熱エネルギーは重力に引かれて中心に集まる性質があるように見える。通常の実験室内での実験ではこのような現象を観測できないが、惑星規模では熱エネルギーは引力に引かれて中心に集まり易いのではないであろうか? そのことを考えると、地球大気の圧力や気流の速度が気温に大きく影響しているように思われる。 つまり、近年の地球温暖化の原因として、地球大気圧の上昇もしくは気流速度の上昇があるかもしれない。
毎年、隕石が地球に落下し、ガスを放出して、地球大気の量が増え続けている。毎年、人類は化石燃料を大量に燃やしてガスを発生させ、大気の量が増え続けている。特に近年は、シェールガスを地中深くから採掘し続け、地中深くに眠っていたガスを放出している。毎年、火山が噴火し、地中に眠っていた大量のガスを放出し続けている。などなど、大気の量を増加させる要因はたくさんあり、微妙に大気圧が年々増加しているのではないであろうか? そして、大気圧の増加は気温の上昇につながる。
近年の人類の産業活動によって、また、都市化の影響によって、地球上の気温の局所的格差が大きくなり、そのことが原因で、上昇気流の速度が増大し、熱エネルギーの外から内への移動速度が増大した結果、気温の上昇が起きていると考えることもできるかもしれない。
*ここまで書いて圧力の効果を考え直してみると、気温上昇に対する圧力増加の影響はかなり小さいことがわかった。地球の大気は、平地に近いところで、100mあたり0.6℃の気温の低下、100mあたり10ヘクトパスカルの気圧の低下から、1ヘクトパスカルの気圧の低下は約0.06℃の温度低下である。よって、0.1%の気圧上昇は0.06℃ということになる。気圧上昇の大きな要因は人類が排出したCO2の量とすると、100年間で0.03%のCO2濃度の増加は、約0.03×12/32≒0.01%の大気重量の増加であり、すなわち、増加した圧力は0.01%となる。よって、圧力上昇による気温の増加は100年間で0.006℃ということになり、無視できるほど小さい。
地球温暖化の原因
上記で気圧の増加が温暖化を引き起こすと議論したが、簡単な概算で、その効果は無視できるほど小さい。気流速度の上昇が温暖化を引き起こしている可能性は残るが、局所的変動が大きく、地球規模の気象計算システムである程度反映されて計算されているとは思われるが、かなり大規模で局所的変動を取り込んだ詳細な計算が必要であろう。また、人為的起源の局所的上昇気流の効果を全地球的に取り込むことは、不可能ではないにしても、スーパーコンピュータで何年かかるかというほどの計算になるかもしれない。しかし、都市部のヒートアイランド効果などを含む人為的起源の上昇気流と比較して、熱帯地方で発生する台風はより大きな影響を持つことを考えると、その効果もさほど大きくないかもしれない。
やはり、CO2の温室効果が原因で地球温暖化が起きているのであろうか? 大気の窓として地球大気が透過する光の窓があることはよく知られている。そして、CO2の温室効果は既に飽和状態であるという考えもあり、今後CO2濃度が上昇しても大気の窓の透過光はほとんど変わらないと言う。(このことに賛同すると懐疑論者のレッテルを誰かが張るのかもしれない。しかし、真剣に地球温暖化の原因を探ろうとしている人たちに失礼である。)もちろん、詳しい反論もある。 私自身の個人的印象は、この反論では十分に納得できないというものであった。確かに、権威あるところの反論であり、専門用語オンパレードで説得力はある。しかし、強引にCO2のRadiative
forcing(放射強制力)が高いということに話を持っていくやり方に根拠の薄さを感じてしまった。基本的に結果ありきで、話が進んでいる印象である。結局のところ、-18℃付近(放射の代表温度も持つ高さ付近の温度)の低温上層大気から宇宙空間への放射冷却の問題である。低圧、低温状態の上層大気からの放射冷却は、地表から直接宇宙空間への放射冷却に比べるとかなり小さいと思われる。これを無視するかしないかであるが、この効果がかなり大きいと述べ、温室効果ガス(CO2)の影響で宇宙空間から見た大気がより不透明になり、放射の代表温度付近の高さが上昇するとしている。うーん、よくわからないが、私の直感は、この説明は何かがおかしいと言っている。直感と印象で語ってはだめだと思うのであるが、私は自分の直感を信じたい。
気圧が減少すると気温が低下することから、大気の気流があると、熱エネルギーは重力にひかれて下降する傾向があることを上記の気圧と気温の関係のところで述べた。つまり、地表付近に熱は集中し、上空へ行くほど熱エネルギーは少なくなる。このことは、CO2があろうとなかろうとほとんど関係なく起こる。CO2は温室効果があるが、赤外領域の熱放射の吸収はほぼ飽和状態にあり、比較的地表に近いところでの大気のCO2が、地表から発せられる熱放射線におけるCO2吸収線に対応するところの熱放射エネルギーを吸収し尽くしている。放射エネルギーを吸収したCO2はその付近の他のN2やO2などの気体温度を上昇させる。もちろん、CO2がより上空の低温のCO2にエネルギーを再放出し、上空のCO2へと熱エネルギーが伝達されることも考えられる。また、CO2からエネルギーをもらったN2やO2が熱エネルギーをより上空の大気分子へ衝突により伝達されることも起きる。(N2やO2は赤外線領域の吸収や放出はない。)気流により熱エネルギーは重力にひかれて地表へ、温度が高いところから低い方へ通常の熱力学の法則に従って、気体の熱伝導により熱エネルギーは重力に反して上空へと、そして、気体同士の熱放射線(マイクロ波や赤外線)の放射吸収により重力に反して上空へと、熱エネルギーが伝達される。最後に、かなり上空の気圧が低く-18℃付近の低温のところから上の大気は、大気濃度が低いために熱放射線を吸収しきれずに宇宙空間へと熱エネルギーを放出する。これらの総合効果の結果、対流圏の高度に対する気温の変化が決定される。下図は、Wikipediaの地球の大気のEnglish版から再掲したものである。なぜか日本語版にはない。
地上から高度11㎞付近までが対流圏であり、左側目盛りの下の方0~10㎞のところが上記議論の中心である。これより上層は温度が逆に上がったりまた下がったりであるが、非常に大気の濃度が低いところであり、地球温暖化とは直接の関係はないであろう。この対流圏の気温変化に近年の地球温暖化に影響する重大な変化があったのかどうかが問題である。地上の平均気温がさほど変わらず、上層大気の平均気温が上昇した場合、気温の高度変化率が小さくなり、上空からの放射冷却が増えることになるので、寒冷化を引き起こす。地上の平均気温がさほど変わらず、上層大気の平均気温が下降した場合、気温の高度変化率が大きくなり、上空からの放射冷却が減ったことになるので、温暖化を引き起こす。地上の平均気温が上がり、上層大気の平均気温が下がった場合、地上からの放射冷却が増え、上空からの放射冷却が減ることになるので、温暖化するか寒冷化するかはどちらの放射冷却の変化が大きいかということになる。しかし、地上の平均気温が上昇すると、上層大気の平均気温も気温の変化率が変わらなければ上昇することになり、全体の放射冷却が増え、寒冷化することになる。どうも、もっと良いモデルを考え、実際の熱エネルギーの収支計算をしなければ、言葉での説明に限界があるように思えるが、もうちょっと、頑張ってみることにする。
まず最初に、CO2がある一定値から少し増えたとしよう。しかし、この一定値において、すでにCO2は熱放射線の吸収は飽和しているとする。また、CO2が少し増えても、すぐには地表付近の温度は変わらないとする。その結果、地表温度は変わらないので、地上からの放射冷却は変わらない。しかし、CO2の熱放射吸収は飽和しているので、地上からの放射冷却はそのままで、大気に再吸収されないまま宇宙空間へと熱エネルギーが逃げる。地表と接する空気の温度は熱平衡にあるとすると変わらない。しかし、CO2が増えると地上により近いところの大気の温度が上昇し、上空に行くほど大気は温められず、上空の大気の温度低下が起きる。CO2が吸収する熱エネルギーの総量は変わらないので、吸収し尽くす高度が低下すると考えるとそうなる。それゆえ、上空大気の温度低下は、上空での放射冷却の減少を引き起こす。それゆえ、エネルギー収支を考えると、地球温暖化が起きる。
あれ?
どうも、CO2温暖化主犯説に難癖をつけようとして、失敗してしまった。逆に証明してしまったような気がする!!
ともかく、『人類が放出する膨大な化石燃料を燃やすことによる熱エネルギーは年々増加傾向にあり、人類は地球大気をどんどん温め続けている。しかし、多くの場合、工場の高い煙突で直接上空の大気を温めているので、ある高度の上層大気のみを温めていると考えることができる。つまり、大気温度の高度変化において、ある一部の高度のところに小さな湾曲が現れると考えることができる。この上層大気の一部の小さな気温上昇が下降気流に乗ってさらなる気温の上昇が起こり、地表温度の上昇を引き起こし、地球温暖化が起きているという考えもできる。地球大気は、重力によって熱エネルギーを地表近くに集める働きがあり、上層大気の気温を低下させ、上層大気からの熱放射(放射冷却)が極端に少なくなるという、魔法瓶効果がある。人類が放出した熱エネルギーは地球大気という魔法瓶に閉じ込められ、残り続ける。そして、人類は熱エネルギーをさらに供給し続けているため、地球温暖化が起きている。CO2の温室効果もあるが、その効果は小さい。』 と、私は考えている。人類が排出する熱エネルギーはそれほど大きくはなく、最近の地球温暖化を説明できないとする話が一般的であるが、大気全体ではなく、一部のかなり下の方の大気を温めているだけなので、下層大気の熱循環だけで説明できると考えている。つまり、比較的高度が低いところの上層大気(低くて上層という表現はなんとも妙であるが、正確に高度がどのくらいと言えないのでこのような表現をしている。)を温め、そこから上の大気はほとんど変化はなく、そこから下の大気のみ気温が上昇した変化が起きていると考えることもできる。実際の観測は、巨大な煙突を持つ工場群の上空付近の詳細なデータがあるといいであろう。
CO2主犯説を否定したい理由
なぜ、CO2主犯説を否定したいのか? それは、日本経済が低迷している現在において、CO2削減策を国内で実行することは、さらなる経済の低迷を招き、引いては日本の経済的沈没につながるからである。国民一人一人にCO2削減を実行させようとすることは全くナンセンスであり、ただでさえ国内消費が振るわない日本経済にさらなる追い打ちをかけることになる。たったCO2排出4%程度の日本は、すでにCO2削減の努力をこれまでやってきたわけであるから、あとは他国にその責を譲り、日本は経済発展に努力するべきである。つまり、大いにエネルギーを消費し、アメリカやヨーロッパの先進国並みのエネルギー個人消費国に近づけるよう努力するべきである。
地球温暖化対策 CO2固定 で述べたように、工場や発電所でのCO2固定を政府レベルで補助金を交付して推進することは必要であるが、国民一人一人にその責を課すことは必要はないであろう、逆に大いにエネルギーを消費して、経済発展に貢献してもらいたいものである。個人消費の増大によるエネルギー消費つまりCO2排出は全体の中のごく一部でしかない。しかし、エコ製品を大量に購入してもらうことも経済発展につながるであろう。
しかし、私の見解は人類の熱排出が原因で地球温暖化が起きているというものである。太陽活動やその他の人類が対策を講じることができないような理由なら、しかたがない、あとはあきらめて天命を待とう、ということになろうが、人類起源の熱排出であるから、人類がその対策を考えなければならない。
解決策の一つとして、地表からでる熱放射が大気に吸収されずに宇宙空間へと放出される仕組みを作ることである。温室効果ガスCO2を削減することも重要であるが、CO2やH20などの大気中に含まれる物質に吸収されない熱放射スペクトルを放出する物質を地表に振りまけばよい。今のところ、どんな物質がよいかはまだ考えていないが、なるべくなら、重く無害の気体で地表にしばらく留まった後、分解して消失してしまうものがよい。特に熱帯地方の砂漠地帯でそのような物質を振りまくと、住んでいる人もあまりいないので、大した問題もないであろう。他の解決策の一つとして、熱放出を極力抑えるように工場や発電所の効率を上げることである。しかし、これは難しい課題であるが、どの道、効率アップは必要なことである。他には、平地の高温を山などの高所を含む上空へ移動させることで、上空の大気からの放射冷却を促進させることである。金属管の中に少量の水を入れることで、熱伝導率が異常に良くなることを利用して、平地から山頂へ金属管を埋設することにより、平地の温度を下げ、山頂付近の温度を上げる。この方法は莫大な費用がかかる割にはその効果はよくわからない。(逆に、平地の温度低下による放射冷却の減少の方が大きく、逆効果かもしれない。)などなど、原因が変われば、その対策も変わる。
しかし、人類排出の熱が原因となると、日本経済にとってはCO2よりももっと始末が悪いのかもしれない。しかしながら、事実に基づく解決策を考え、実行することはとても大切なことである。
*2016.1.28 「CO2やH2Oなどの大気中に含まれる温暖化ガスに吸収されない熱放射スペクトルを放出する物質を地表に振りまけばよい」と上の文章で述べたが、そのような物質があるのかどうか非常に疑問である。それよりも温室効果ガスを高濃度で含むガスを砂漠地帯一帯に振りまけばよいのではないであろうか?工場や発電所などから回収したCO2ガスの一部を大気中のCO2濃度を上げない程度に熱帯砂漠地帯に散布するのである。CO2は大気より比重が重いので、しばらくは地上付近に留まる。昼間高温に熱せられた砂漠の熱放射の一部は散布したCO2ガスに吸収されるが、高温のCO2ガスから大地へのフィードバック放射も同時に起こり、砂漠はより高温になり、砂漠からの熱放射量は増大し、CO2に吸収されない周波数の赤外線も増大し、大気を突き抜けて宇宙へ放出される赤外線の量が増大する。つまり、砂漠地帯をより高温にすることで、地球全体の放射冷却を促進するのである。問題点として、砂漠地帯がより高温になるので、砂漠周辺に住む人々への影響が非常に大きいことである。また、砂漠緑化計画が世界的に進行しているが、その計画とまったく相反するものとなる。砂漠周辺に住む人々への手厚い対策なしではこの計画は進められないであろう。